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裁判年月日 平成18年 9月28日 裁判所名 岐阜地裁 裁判区分 判決
事件番号 平15(行ウ)1号
事件名 首都機能移転誘致支出金返還請求事件
裁判結果 請求棄却 文献番号 2006WLJPCA09289014
要旨
◆県が首都機能移転誘致のために公金を支出したことが違法であるとして、地方自治法242条の2第1項3号に基づき、当時の県知事個人及び県の職員個人に対し損害賠償請求又は賠償命令を行わないことの違法確認請求及び同項4号に基づき前記損害賠償請求又は賠償命令をすることを求めた事案において、首都機能移転実現についての要望活動等のための支出は県の事務について支出されたものといえ、県が首都機能移転誘致の実現のための対策として国に対する要望活動等を行ったことには合理性があり、前記支出はいずれも合理的裁量の範囲を逸脱した違法なものとはいえないとして、前記各請求をいずれも棄却した事例
◆地方自治法242条の2第1項3号に基づく請求(3号請求)と同法(平成14年法律第4号による改正後)242条の2第1項4号に基づく請求(新4号請求)が独立の訴訟形態として認められ、3号請求の補充性を認める規定ぶりとはなっておらず、その効果に着目しても、3号請求は請求権の行使を怠る事実の違法の確認であるのに対し、新4号請求は損害賠償等の請求又は賠償命令の発令の義務付けというものであり、なお差異があることにかんがみれば、新4号請求がその請求の対象となっている当該請求権の行使を怠る事実の違法確認を求める3号請求に係る訴えに併合提起されている場合に、3号請求が訴えの利益を欠いて不適法になるものではないとした事例
出典
裁判所ウェブサイト
参照条文
地方自治法2条14項
地方自治法232条1項
地方自治法242条の2第1項3号
地方自治法242条の2第1項4号(平14法4改正後)
国会等の移転に関する法律24条
地方財政法4条1項
地方財政法9条
地方財政法12条2項
地方財政再建促進特別措置法24条2項
裁判年月日 平成18年 9月28日 裁判所名 岐阜地裁 裁判区分 判決
事件番号 平15(行ウ)1号
事件名 首都機能移転誘致支出金返還請求事件
裁判結果 請求棄却 文献番号 2006WLJPCA09289014
主文
1 原告らの請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告らの負担とする。
事実及び理由
第1 請求
1 被告が,Aに対し4271万9845円の損害賠償を請求しないことは違法であることを確認する。
2 被告が,下記の賠償命令をしないことは違法であることを確認する。
(1) B,C,D及びEは,連帯して,2000万円を支払え。
(2) B,C,D及びFは,連帯して,400万円を支払え。
(3) C,D及びFは,連帯して,96万円を支払え。
(4) C,D及びGは,連帯して,805万9280円を支払え。
(5) C,H及びGは,連帯して,71万0770円を支払え。
(6) Cは,34万9795円を支払え。
(7) D及びFは,連帯して,864万円を支払え。
3(1) 被告は,A,B,C,D及びEに対し,連帯して,2000万円を支払えと請求せよ。
(2) 被告は,A,B,C,D及びFに対し,連帯して,400万円を支払えと請求せよ。
(3) 被告は,A,C,D及びFに対し,連帯して,96万円を支払えと請求せよ。
(4) 被告は,A,C,D及びGに対し,連帯して,805万9280円を支払えと請求せよ。
(5) 被告は,A,C,H及びGに対し,連帯して,71万0770円を支払えと請求せよ。
(6) 被告は,A及びCに対し,34万9795円を支払えと請求せよ。
(7) 被告は,A,D及びFに対し,連帯して,864万円を支払えと請求せよ。
4 訴訟費用は被告の負担とする。
第2 事案の概要
本件は,岐阜県の住民である選定者らが,そのうち原告らを選定当事者として,岐阜県が平成13年度及び平成14年度に首都機能移転誘致のために,別紙1「支出一覧表」記載のとおり,平成13年11月1日から平成14年10月31日までの間に公金を支出したこと(以下,別表1「支出一覧表」記載の各支出をあわせて「本件各支出」といい,個別の支出は同表の番号をもって「本件支出①」などという。)が違法であるとして,被告に対し,地方自治法242条の2第1項3号に基づき,当時の岐阜県知事個人及びこれらの支出に係る財務会計行為に専決権限を有していた岐阜県の職員個人に対して損害賠償請求又は支払命令を行わないことの違法確認を求める(前記第1の1・2の各請求,なお,職員らと本件各支出との対応関係は別表2のとおり)とともに,同法同項4号に基づき,岐阜県知事個人及び財務会計行為に専決権限を有していた職員個人に対して損害賠償の請求をすることを求めた(前記第1の3の請求,なお,職員らと本件各支出との対応関係は別表2のとおり)事案である。
1 争いのない事実等(当事者間に争いがない事実のほかは,各項に掲記の各証拠に弁論の全趣旨を総合して認める。)
(1) 当事者等
ア 原告らを含む選定者らは,岐阜県内に在住する住民である。
イ 被告は,岐阜県の執行機関である。
ウ Aは,平成13年度及び平成14年度に,岐阜県知事の職にあった者である。
エ Bは,平成13年度及び平成14年度に,岐阜県の地域計画局長の職にあった者である。
オ Cは,平成13年度に,岐阜県の地域計画政策課長,平成14年度に,岐阜県の地域政策室長の職にあった者である。
カ Dは,平成13年度及び平成14年度(ただし,同年10月15日まで)に,岐阜県の出納長の職にあった者である。
キ Hは,平成14年度(ただし,同年10月16日から)に,岐阜県の出納長の職にあった者である。
ク Eは,平成14年度に岐阜県の副出納長の職にあった者である。
ケ Fは,平成13年度に岐阜県の出納課長の職にあった者である。
コ Gは,平成14年度に岐阜県の出納管理課長の職にあった者である。
(2) 本件各支出とその経緯
ア 首都機能移転についての審議経過
首都機能移転については,東京都への一極集中や東京都の災害に対する脆弱さを回避する目的で,バブル経済期ころから本格的に国レベルで議論されるようになり,平成4年に国会等の移転に関する法律(以下「国会移転法」という。)が制定され,平成8年12月19日には,国会移転法12条に基づいて移転候補地を選定するための国会等移転審議会(以下「移転審議会」という。)が発足し,平成11年12月20日には,移転審議会は移転候補地を岐阜・愛知地域を含む3地域とする旨の答申を内閣総理大臣に提出し,同答申は国会に報告された。
この答申を踏まえ,衆参両議院の国会等の移転に関する特別委員会(以下「移転特別委員会」という。)において検討が進められ,平成12年5月18日,衆議院の移転特別委員会は,2年を目途に候補地を1箇所に絞るとの方針を打ち出した。
しかるに,2年を経過してもに移転候補地の絞込みはなされず,平成14年7月には,衆議院の移転特別委員会理事会は,移転規模,形態や新たな移転手法などのコンセプトの見直しを早急に行い,平成15年度の通常国会の本会議において,移転を行うか否かにつき決議することを申し合わせた。そして,平成15年5月28日,衆議院移転特別委員会は,候補地を絞りきれず,移転先の決定を見送る中間報告を提出し,事実上,移転を断念する結果となった。
(甲31の1~4)
イ 岐阜県の対応と本件各支出
岐阜県は,上記の経緯に呼応し,平成3年に県庁内に首都機能移転問題検討委員会を設置した。岐阜県議会特別委員会は,平成8年に,県内の移転候補地を東濃地域に決定した。
そして,岐阜県は,平成8年から平成14年まで,平成8年度6638万円,平成9年度6885万円,平成10年度6135万円,平成11年度4795万円,平成12年度4600万円,平成13年度4400万円,平成14年度4380万円との,累積額4億5000万円に上る予算を組んで,首都機能誘致事業を行ってきたが,特に,平成11年12月20日の移転審議会の答申を受け,平成13年度及び平成14年度においては,岐阜・愛知地域への首都機能移転の実現に向けて,愛知県と一体となった取組みを行うこととした。
こうした状況の中で,岐阜県は,平成13年度及び平成14年度において,首都機能誘致に関連して,平成13年11月1日から平成14年10月31日までの間に,本件各支出をしたが,本件各支出についての財務会計行為が行われた日付及び専決権限に基づいてこれらの財務会計行為を行った者は別表1のとおりである(ただし,上記期間に含まれない財務会計行為には,日付に括弧を付した。また,支出行為を行った者については,後記3(2)のとおり,争いがある。)。
ウ 本件各支出の具体的使途等は以下のとおりである。
(ア) 本件支出①,②について
本件支出①,②は,首都機能移転を考える会議(以下「考える会議」という。)実行委員会の負担金として支出された。
考える会議は,平成13年11月6日開催され,候補地視察として岐阜県土岐市に所在する道の駅どんぶり会館の見学とともに,岐阜県中津川市の東濃ふれあいセンターにおいて,恵那文楽の公演と評論家I氏の講演が行われた。
考える会議の事業費400万円は,岐阜新聞・岐阜放送が160万円を,岐阜県が160万円を,岐阜県市町村振興協会が80万円を,それぞれ負担した。
(甲7の1,8の1~3,乙8,23の1・2,42)
(イ) 本件支出③について
本件支出③は,「岐阜県における首都機能移転の取り組み」と題する冊子(乙6。以下「冊子「岐阜県における取り組み」」という。)を1000部作成する費用として支出された。
冊子「岐阜県における取り組み」は,71ページから成り,首都機能移転の必要性,これまでの首都機能移転政策の経緯,岐阜県の紹介や移転候補地としての優位性を内容とするもので,配布先は衆参特別委員会委員等国会議員,県議会,地域計画政策課兼務職員,地域振興局等関係各課,地元同盟会総会,各種団体,市町村議会等であった。
(甲9の1~3,乙6,43)
(ウ) 本件支出④について
本件支出④は,2種類の首都機能移転PRポスター各1500枚を製作する費用として支出された。
(甲10の1~3,乙44)
(エ) 本件支出⑤について
本件支出⑤は,幅74センチメートル,高さ103センチメートルのパネル3枚のデザイン及び製作のために支出された。
上記パネルの内容は首都機能移転事業及び東濃地域の紹介並びに同地域の移転候補地としての優位性を訴えるものであった。
(甲11の1・2,乙24,45)
(オ) 本件支出⑥,⑦について
本件支出⑥,⑦は,岐阜愛知新首都推進協議会(以下「推進協議会」という。)の平成13年度の負担金として支出された。
推進協議会は,平成12年4月,岐阜・愛知地域への首都機能移転の実現を目指して設立された協議会であり,岐阜・愛知両県の約200の各種団体を会員とし,約45名の国会議員を顧問としていた。
推進協議会の平成13年度の事業内容は,地元としての新首都構想作り,首都機能移転の効果に関する調査,啓発・PR事業,国会議員への働きかけ,広域的な連携の強化であった。
推進協議会の平成13年度の収入は,岐阜・愛知両県からの2000万円ずつの負担金であり,岐阜県は,本件支出⑥,⑦の外に,同年6月28日に800万円を支出した。
(甲2の1,3の1~6,乙16,17の1・2,46)
(カ) 本件支出⑧について
本件支出⑧は,中部圏首都機能移転問題研究会(以下「移転問題研究会」という。)の負担金として支出された。
移転問題研究会は,岐阜県を含む中部地方9県と名古屋市を構成員とし,国の動向に関する情報交換,構成各県市における取組みの情報交換,中部圏として協力して進めるべき取組みについての研究等を行うために設立され,平成14年度における事業内容は,日本経済新聞の首都総合版への新聞広告の掲載,首都圏のJR主要駅でのポスターの掲出,国(国会議員,国土交通省)への要望活動,研究会の開催が予定されていた。
平成14年度における移転問題研究会の実質的な収入は,上記の9県1市からの100万円ずつの分担金のみであった。
(甲5の1~4,乙18,47)
(キ) 本件支出⑨ないし⑫について
本件支出⑨ないし⑫は,岐阜県が実施した子供東濃体験バスツアー(以下「バスツアー」という。)の費用として支出された。
バスツアーは,岐阜県内の小学校5,6年生とその保護者を対象とした日帰りのツアーで,セラテクノ土岐見学,東濃研究学園都市施設(サイエンスワールド,核融合科学研究所)見学,どんぶり会館での美濃焼陶器絵付け体験を内容とするもので,平成14年8月に5回にわたり実施された。
岐阜県は,バスツアーに関して,募集チラシ5万枚の作成費として本件支出⑨7万6650円を,岐阜県内各地から東濃地域までの往復及び見学の移動に使用するバスの借上げ料として本件支出⑩71万0770円を,上記どんぶり会館での絵付け体験料として本件支出⑪14万3600円(単価400円で5日間あわせて参加者359人分)を,損害保険料として本件支出⑫2万4180円(単価65円で5日間合わせて参加者372人分)を,各支出した。
(甲12の1・2,13の1・2,14の1~3,15の1・2,乙25,26,48,49の1・2,50,51)
(ク) 本件支出⑬について
本件支出⑬は,A4カラー印刷の子供向けPRチラシ1000部の作成費として支出された。
上記チラシは,首都機能移転の必要性,東濃地域の紹介及び移転候補地としての優位性などを訴える内容であった。
(甲16の1~3,乙27,52)
(ケ) 本件支出⑭について
本件支出⑭は,A3カラー印刷の首都機能移転チラシ5000部の作成費として支出された。
上記チラシは,首都機能移転の議論の経緯,首都機能移転の必要性,岐阜・愛知地域が移転候補地として選定された理由及び同地域の移転候補地としての優位性を訴えるなどの内容であった。
(甲17の1~3,乙28,53)
(コ) 本件支出⑮,⑯について
本件支出⑮,⑯は,農業フェスティバルに首都機能移転のPRブースを出展することに関連する費用として支出された。
農業フェスティバルは,平成14年10月26日,27日に岐阜県庁及び同庁付近の岐阜アリーナ周辺で開催されたイベントであり,その特別催事として,会場内に首都機能移転PRブースが設置され,PRパンフレットの配布,移転先候補地の立体地形図の展示,PRビデオの放映,首都機能移転をPRするロゴの入ったゴム風船の配布などが行われた。
岐阜県は,この出展に関連して,風船の材料及び作成スタッフの人件費として本件支出⑮17万5600円を,看板の作成,パネルの装飾,設置費用として本件支出⑯5万0400円を,各支出した。
(甲18の1~3,19の1~3,乙29,30,54,55)
(サ) 本件支出⑰について
本件支出⑰は,岐阜東濃地域首都機能移転誘致促進期成同盟会(以下「同盟会」という。)に対する補助金として支出された。
同盟会は,首都機能の誘致運動及び首都機能に関する諸問題の調査研究を行うことを目的として結成され,この目的を達成するために関係当局に対する要望,首都機能誘致のための調査研究,その他上記の目的達成に必要な事業を行うものとされていた。
同盟会は,平成14年6月17日,岐阜県知事に対し,平成14年度の事業計画及び収支予算書とともに560万円の補助金の交付を申請し,岐阜県知事は,同月26日,岐阜県補助金等交付規則及び岐阜東濃地域首都機能誘致促進期成同盟会事業費補助金交付要綱(以下「交付要綱」という。)に従わなければならないとの条件のもとに560万円の交付を決定した上,本件支出⑰を支出した。
(甲6の1~4,32の1~5,34の1・2,乙56)
(シ) 本件支出⑱について
本件支出⑱は,推進協議会の平成14年度の負担金として支出された。
推進協議会の平成14年度の事業内容は,首都機能移転の意義・必要性のPR,岐阜・愛知地域の魅力・優位性のPR,国会議員への働きかけ,中央地域としての連携とされていた。
推進協議会の平成14年度の収入は,岐阜・愛知両県からの2000万円ずつの負担金であり,岐阜県は,本件支出⑱を支出した。
(甲4の1~6,乙57)
(3) 監査請求
原告らは,平成14年10月31日,岐阜県監査委員に対し,平成13年度及び平成14年度に首都機能誘致に関連して支出した公金は違法であり,岐阜県知事らに全額の返還を求めるとともに,以後,首都機能誘致に関連した支出をしないよう勧告することを求めて,監査請求を行った(以下「本件監査請求」という。)。
岐阜県監査委員は,同年12月26日,本件監査請求に係る支出は,違法又は不当なものではなく,支出された公金の返還及び以後の支出の差止めの措置を講ずる必要はないとして,本件監査請求を棄却した。
(4) 原告らは,本件監査請求の結果を不服として,平成15年1月24日,本件訴訟を提起した。
2 争点
(1) 本案前の争点
地方自治法242条の2第1項3号に基づく請求(以下「3号請求」という。)と平成14年法律第4号による改正後の同項4号に基づく請求(以下「新4号請求」という。)の併合請求の可否(争点①)
(2) 本案の争点
ア 本件各支出の支出行為について専決権限を有する者は誰か(争点②)。
イ 本件各支出は違法又は不当であるか(争点③)。
ウ 知事,出納長及び出納職員各個人の責任原因(争点④)
3 各争点についての当事者の主張
(1) 争点①(3号請求と新4号請求の併合請求の可否)について
(原告らの主張)
3号請求と新4号請求は,最終的には,請求権の行使を怠る事実の状態を解消し,地方公共団体の損害を防止し,回復するという同じ目的に立つものであることはいうまでもない。
しかし,3号請求は,地方公共団体による積極的な職務権限の行使を求めて,間接的な方法により上記目的を実現しようとするものである。これに対し,新4号請求は,住民の手で地方公共団体に平成14年に改正されたところの請求権を行使させ,直接的に上記目的を実現しようとするものである。それぞれの請求は独自の存在意義を有し,条文上も併合請求は禁止されておらず,いずれの手段をとるかは住民の自由な選択に委ねられていると解すべきである。
つまり,3号請求と,平成14年法律第4号による改正前の地方自治法242条の2第1項4号に基づく請求(以下「旧4号請求」という。)の併合請求を認めた最高裁平成10年(行ツ)第159号同13年12月13日第一小法廷判決・民集55巻7号1500頁(以下「平成13年最高裁判決」という。)の趣旨は,3号請求と新4号請求の併合請求にも妥当する。
よって,3号請求と新4号請求の併合請求も適法である。
(被告の主張)
3号請求の被告は,当該執行機関又は職員であり,旧4号請求の被告は,当該職員個人又は怠る事実の相手方である。また,3号請求が認容されても,直接的には執行機関の当該怠る事実が違法と評価されるに止まり,執行機関に対し,間接的に当該怠る事実の違法状態の早期解消に努める義務が課されることとなるが,旧4号請求が認容されれば,当該職員が当該普通地方公共団体に対し,生じた損害を賠償すべき義務が直接課されることとなる。両請求は,その名宛人が異なり,それぞれ別個の法的義務を求めるもので,独自の存在意義を有しているといえる。このため,旧4号請求が3号請求に併合提起されていることにより,3号請求の訴えの利益がなく,不適法な訴えとなるものではないことについては,原告ら指摘の平成13年最高裁判決のとおりである。
しかし,3号請求と新4号請求とでは,被告はいずれも執行機関たる岐阜県知事となり,新4号請求において,被告に対し,当該職員に損害賠償請求を求めることを義務づけるためには,財務会計行為の違法性とこれによる損害の発生の要件具備が不可欠であるのであるから,これらの要件を同じく必要とする3号請求は新4号請求に包摂されていることになる。
すなわち,新4号請求が認容されれば,被告は,これによって直接当該職員に対し損害賠償請求を行う義務を負うのであるから,併せて同じ名宛人の被告に対して提起する3号請求自体に独自の存在意義がない。
ゆえに,前記第1の1,2(1)ないし(7)の3号請求は,訴えの利益を欠き不適法というべきである。
(2) 争点②(本件各支出の支出行為について専決権限を有する者は誰であるか)について
(原告らの主張)
支出行為に専決権限を有するのは,負担金,補助金及び交付金については,1000万円以上は副出納長,1000万円未満は出納(管理)課長であり,その他の支出は全額について出納(管理)課長である。
すなわち,本件各支出についての各支出行為のうち,本件支出⑱の平成14年6月3日の支出行為を行った者は,副出納長であるが,その余の各支出行為を行った者は,出納課長又は出納管理課長である。
(被告の主張)
支出行為の権限を有するのは,出納長である。
(3) 争点③(本件各支出の違法性)について
ア 本件各支出に共通する違法性について
(原告らの主張)
(ア) 地方自治法232条1項,地方財政法9条等違反
a 国は,国際社会における国家としての存立にかかわる事務,全国的な規模,全国的な視点に立って行わなければならない施策及び事業の実施その他の国が本来果たすべき役割を担い,地方公共団体との間で適切に役割を分担し(平成11年法律第87号による改正により新設された地方自治法1条の2第2項),地方公共団体は,地域における事務及びその他の事務で法律又はこれに基づく政令により処理することとされるものを処理する(同法2条2項)とされている。
この地方公共団体の事務を行うために要する経費については,当該地方公共団体が全額これを負担し,当該地方公共団体の事務に属しない事務の処理のために費用を支出することは許されず(地方自治法232条1項,地方財政法9条),地方公共団体に権限のない事務については,原則として国は地方公共団体に負担させてはならない(地方財政法12条)。
さらに,地方公共団体は,国等に対して寄付金,法律又は政令の規定に基づかない負担金その他これに類するものを支出してはならない(地方財政再建促進特別措置法(以下「地財再建法」という。)24条2項)。負担金等の支出がたとえ任意自発的に行われるものであっても,それが負担区分を乱す結果となる場合には,国につき地方財政法12条により,地方公共団体につき同法28条の2により禁止されている。しかも,経費の負担区分を実質的に乱すようなことは,それが直接であれ,又は間接であれ,いかなる形式によるものであっても禁止されている。
以上の法令の規定は,国と地方公共団体との適切な役割分担を踏まえて,これを解釈し,運用するようにしなければならず(地方自治法2条12項),地方公共団体は法令に違反してその事務を処理してはならず(同条16項),これに違反して行った地方公共団体の行為は無効である(同条17項)。
b 国の機関の設置,管理及び運営に要する経費は国の負担とされており(地方財政法12条2項),国会等の移転の経費は「国の機関の設置」に含まれるのは明らかであるし,国会移転法1条も,国は,国会等の移転の具体化に向けて積極的な検討を行う責務を有する旨を定め,同法3条が,国は,検討を行うに当たっては,広く国民の意見を聴き,その合意形成を図る旨定めていることからも,首都機能移転事業は国の事務であるといえる。
そうすると,新首都の計画立案やPRに関する費用は,国の事務として国が負担すべきものであるから,岐阜県がこれらのために公金を支出することは違法であるし,こうした支出は,国に対する寄附金にあたり,この点からも許されない。また,岐阜県が首都機能移転誘致に関する支出を推進協議会や同盟会など他の団体を経由して負担することも,予算決算上の当該名目がどうであるかにかかわらず,本来国が負担すべき首都機能移転の経費の一部を負担したことになり,地財再建法24条2項の定める寄附金,法律又は政令の規定に基づかない負担金その他これに類するものに該当し,違法である。
したがって,本件各支出は,地方自治法2条2項,同条16項,同条232条1項,地方財政法9条,地財再建法24条2項に違反し,違法である。
(イ) 国会移転法24条違反
国会移転法24条は,都道府県知事が,同法19条2項に規定する現地調査を行う区域又は候補地の区域のうち,地価が急激に上昇し,又は上昇するおそれがあり,これによって適正かつ合理的な土地利用の確保が困難となるおそれがあると認められる区域を,国土利用計画法の規定により監視区域として指定するものとする旨を定めている。そして,平成11年12月20日,岐阜・愛知地域を含む3地域が候補地として選定・答申されたのを受け,岐阜県知事は,平成12年1月14日,東濃地域が首都機能の移転の候補地に選定されたことに伴い,生じる危険性のある地価高騰,投機的取引等を未然に防止することを目的として,同条に従って東濃5市2町を監視区域に指定すると県公報で告示した(岐阜県告示第13号)。
そうすると,岐阜県が,同日以降,首都機能移転に関するPR活動を行うことは,逆に土地投機をあおる行為であり,監視区域を定める権限を知事に付与した同法24条に違反するから,本件各支出は違法である。
(ウ) 地方自治体の会計原則違反
本件各支出は,何ら合理的基準もなく算定,計上されており,「最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」と定めた地方自治法2条14項,「必要且つ最少の限度をこえて,これを支出してはならない。」と定めた地方財政法4条1項及び「地方公共団体は,法令の定めるところに従い,且つ,合理的な基準によりその経費を算定し,これを予算に計上しなければならない。」と定めた同法3条に違反する。
(エ) 本件各支出は,理由がなく,社会通念上も許されない。
a 地方自治の運営は住民全体の福祉の増進を図ることにあるが,それは,住民自身の責任において民意に基づいて民主的に行われるものでなければならず,同時に,能率の高い安価な政府の実現を確保し,最小の経費で最大の効果を挙げる行政であることが要請される。
したがって,本件においても,本件各支出にかかる岐阜県の政策判断については,住民の福祉の増進との合言葉の下に無節操に適法性・妥当性が認められるものではなく,個別の事務・事業への支出の可否は,適法性,必要性,経済性,目的達成の有無等を考慮して,個別に判断されねばならない。
b 本件においては,首都機能誘致のために公金を支出する必要はなかったというべきである。
すなわち,首都機能移転はバブル経済絶頂期に国会で決議されたもので,バブル経済崩壊によって,移転計画の具体化は遅々たる歩みになり,国民の関心も薄れていること,国が歳入不足の時に,最大12兆3千億円の経費が必要と言われる事業に着手する余裕はなく,むしろ,ここ数年,東京の総理官邸や中央省庁の庁舎建て替えが行われていること,推進協議会の平成14年4月24日の総会に国会議員を80人招待したが,参加したのはたった1人の国会議員であり,関心も極めて薄いこと等から,首都機能移転の実現可能性は低いといえる。
そうすると,国会が候補地を選定しないとの方針を出すことは,十分にかつ客観的に予想し得たものであるから,首都機能誘致のために公金を支出する必要はなく,これを支出することは,岐阜県あるいは議会に許された裁量を著しく逸脱するものである。
c また,首都機能移転に関する公共事業に経済効果を期待して移転を望む者もあるが,無駄な公共事業は縮小廃止すべきであるとの意見が強まっていたのであるから,公共事業として慎重に検討されるべきであり,その検討もせずに移転誘致運動を進めることに合理的ではない。
さらに,岐阜県の首都機能誘致の動きについて,県民の合意があったとはいえない。この動きには,県の意向に逆らえない自治体の首長・職員・議員らと一部の土木・建設・不動産業等の事業所が表向きに賛同しているだけであり,岐阜県内での首都機能移転に対する温度差は著しく,東濃地域以外の住民や自治体は全くの無関心で,誘致運動は県民合意の運動でなく,知事らが勝手に騒いだものと県民の多くが認識している。このように,県民の合意のない首都機能移転に県民の血税を使う理由はない。
首都機能誘致については,批判的な報道もあり,本件提訴後,首都機能誘致事業関連予算も大幅に減額されてきている状況であって,このような状況からしても,本件各支出に必要性と合理性がないことは明らかである。
(被告の主張)
(ア) 地方自治法232条1項,地方財政法9条等違反について
a 地方公共団体は,住民の福祉の増進を図ることを基本とし,地域における行政を自主的かつ総合的に実施することを担うものであるが(平成11年法律第87号による改正により新設された地方自治法1条の2第1項),住民福祉の増進は,地方公共団体の施策・事業の実施とともになされるものである。地方公共団体が,国に対し,住民福祉の増進のために必要な施策・事業の実施を直接的又は間接的に要望する行動は,地方公共団体の本来の責務であり,事務である。
b 岐阜県は,地方における地域住民の福祉増進に直接間接的に寄与することになる首都機能移転について,国に対し,第1に首都機能移転事業の実施を要望し,その要望活動として首都機能移転の必要性を全国に広告しており,第2に移転先候補地として岐阜・愛知地域への移転を要望し,同地域の優位性を全国に広告しているものであって,この岐阜県が行っている首都機能移転推進事業は,国の機関の設置,国所有施設の設置移転に係る事業を肩代わりしたり,その経費を岐阜県が支出しているものではない。
岐阜県が行っている首都機能移転の構想等は,それを立案と呼ぶとしても,岐阜東濃地域を含む岐阜・愛知地域への首都機能移転を要望し,同地域の優位性を全国にPR広告するための資料として策定されたものであって,国が行うべき首都機能移転計画の立案を,岐阜県が代わって行っているものではない。首都移転構想等を含む首都機能移転推進事業は,国会等移転審議会答申の前後を問わず国の事務ではなく,岐阜県の事務である。
原告らは,本件各支出は,地方財政法12条2項の国の機関の設置等に関する費用である旨主張するが,首都機能の移転誘致活動に関する公金支出と,国所有施設である建物の移転費用に係る公金支出とは,明確に分離して考えるべきである。
以上のとおり,岐阜県が地元市町村各種団体等の推進組織と連携する場合を含めて,首都機能移転を要望する活動は,岐阜県の政策判断による岐阜県の事務であるから,当該経費を岐阜県が支出することは,国と地方公共団体との経費の負担区分に反し財政秩序を乱すこととはならず,地方自治法,地方財政法及び地財再建法の各規定に違反するものではない。
(イ) 国会移転法24条違反について
岐阜県知事が東濃5市2町を監視区域に指定すると県公報で告示した平成12年1月14日当時,移転先候補地は未だ1地域に決定されておらず,首都機能移転誘致の要望活動の一環として広く宣伝活動をすることと監視区域の指定とは両立し得るものであり,本件各支出が国会移転法24条に違反することはない。
(ウ) 本件各支出には合理的理由があり,社会通念上も許されるものである。
a 首都機能移転推進費の公金の支出は,首都機能移転の誘致という高度の政治性を有し,岐阜県知事の広汎な行政裁量の範疇に属する事項であるから,何人から見ても合理的な裁量を逸脱し明らかに濫用にわたる高度の違法性が存在しない限り,適法とされるものである。
b 本件において,以下のとおり,本件各支出には合理的な理由があり,必要性もある。
(a) 首都機能移転の背景事情
我が国の現状は,政治,経済,文化等の中枢機能が東京圏に過度に集中したことにより,人口の過密,地価の高騰,生活環境の悪化,大規模災害時における危険の増大等の問題が深刻化する一方で,地方における過疎,経済停滞,文化の画一化等の弊害が生じてきている。この弊害は,地方を含む国土全体の問題であり,住民の福祉増進を目指す新しい社会の構築の上で大きな桎梏である。ゆえに,世界都市としての東京都の整備に配慮し,首都機能を移転することは,我が国が新しい社会を建設するため極めて重要な事柄である。
そして,首都機能移転だけではなく,これと併行して,地方分権その他行財政改革を推進し,自主的で創造的な地域社会を築いて行くことが肝要である。このために,国会移転法が制定されたのであり,首都機能移転は,中央集権から地域主権への変貌の契機ともなり,国だけの問題とする考えは片面的である。
また,現在の日本の閉塞状態は,政治・行政と経済が一体となり過度にもたれあっていることに原因している。首都機能を移転し,政治・行政と経済との距離を持たせ,規制緩和を進めて政・官・民の新たな関係を創り出す必要がある。そして,首都機能移転を契機に,国政・中央省庁改革を推進し,行政の透明性・効率性を向上させ,東京を中心・頂点とする社会構造を変え,全国の各地方が住民や地域の視点に立ち,自由で公正な経済社会を創り出し,日本全体がバランス良く発展し,ゆとりある生活を送ることができるようにする必要がある。
(b) 首都機能誘致の岐阜県にとっての利点
首都機能が岐阜県東濃地域に移転すれば岐阜県に及ぼす経済的・文化的な好影響は計り知れないものがある。
岐阜県が首都機能移転の必要性をアピールしているのは,地域主権の発想から,東京を中心,頂点とする社会構造を変え,全国の各地方が住民や地域の視点に立ち,自由で公正な経済社会を創り出し,日本全体がバランス良く発展し,ゆとりある生活を送れるようにするためである。岐阜県東濃地域の優位性をアピールすることは,岐阜県への企業誘致・史跡名刹への観光誘客を推進するなどの経済的・文化的な複合的効果を期待かつ目指し,ひいては岐阜県民の福祉増進につながっていくからである。
(c) 県内の世論,動向
県内においても,平成4年3月,県議会において全会一致で首都機能移転推進決議がなされ,平成8年10月までに県下99全市町村において同様の推進決議がなされた。
地元岐阜東濃地域の各市町村は,平成5年6月,同盟会を設立し,現在に至るまで各種首都機能移転推進事業を積極的に行なってきた。
さらに,岐阜・愛知地域への首都機能移転の実現を目指して平成12年4月に設立された推進協議会には,岐阜県内から経済・教育・福祉等様々な分野の100以上の団体がメンバーとして参画するなど,岐阜県における首都機能移転推進活動は,行政のみならず広範な県民の賛同と参画のもとに行なわれているものである。
(d) 候補地選定先送りの経緯及び県予算の推移
移転審議会の平成11年12月の答申を踏まえ,衆参両議院の移転特別委員会で検討が進められ,平成12年5月18日に衆議院の移転特別委員会では「2年を目途に結論を得る」との方針を打ち出したが,平成14年7月には同移転特別委員会理事会において,「移転規模,形態や新たな移転手法などのコンセプトの見直しについての検討を同委員会において早急に行う。その結果を踏まえ,平成15年度の通常国会の本会議において,移転を行うか否かにつき決議する。」との申合せが行われ,参議院の移転特別委員会理事会においても,「国会等の移転について,早急に結論を得るべく,各会派での意見集約に努めることとする。」との申合せが行われた。
さらに,平成15年度には,衆参両議院の移転特別委員会において中間報告がなされ,両院の密接な連携の下で検討を進め結論を得ることが必要とされ,同年6月に国会等の移転に関する政党間両院協議会が発足し,同月17日から平成16年4月15日までに合計6回にわたり審議がされている。
このように,首都機能移転候補地の選定が遅れていたとしても,少なくとも平成15年度までは,首都機能移転について国会で審議が行われているし,平成4年に制定された国会移転法は現在まで廃止されていない。
このような状況からすれば,原告らの,国会の候補地選定はないとの方針は十分にかつ明確に予想し得た旨の主張は失当である。
そして,首都機能移転の議論が続いている以上,移転先候補地域を抱える岐阜県として,引き続き首都機能移転の必要性,岐阜東濃地域の優位性をアピールすることの有用性は,何ら変わらないし,平成16年度の首都機能移転誘致予算が,従前より減額縮小されたからといって,過去の首都機能移転誘致の公金支出が遡ってその必要性と合理性がなかったということにはならない。
イ 本件各支出個別の違法性の有無
(ア) 本件支出①,②(考える会議実行委員会負担金)について
(原告らの主張)
考える会議実行委員会は,岐阜県が新聞広告を出している岐阜新聞,東濃地域と首都機能移転のPRビデオ作成を委託している岐阜放送や市町村関係団体などの各種団体が誘致に熱心であるかのように装うために作られたものである。
平成13年11月6日に開催された考える会議は,首都機能移転の講演にかこつけてオープンしたばかりのどんぶり会館や中津川市の東濃ふれあいセンターの宣伝目的で行われたものであるし,そもそも,中津川市は岐阜県の首都機能移転候補地には含まれていない。
仮に,考える会議を開催することに一端の有用性があるとしても,どんぶり会館視察及び文楽鑑賞は,首都機能移転とは全く関係のない人集めのイベントであり,これにかかる支出は目的外支出であり,許されないものである。
よって,本件支出①,②は,必要性も有用性もなく,違法である。
(被告の主張)
考える会議は,首都機能移転について県民の認識をより深め,広く議論の場を創出していくため,女性を主な対象として講演会等を実施し,首都機能移転を身近な問題として捉える機会を創出することを目的としている。そのためには,移転先候補地の理解は不可欠であり,その移転先候補地の代表的な施設であるどんぶり会館を視察し,移転先候補地の代表的な伝統芸能である恵那文楽を鑑賞することは,非常に有意義であり,生活・文化の面からの理解を促すものであり,本件支出①,②には必要性及び有用性がある
また,東濃ふれあいセンターのある中津川市は,岐阜県が移転候補地として表明した地域内であり,同センターで講演を行うことは意味がある。
ゆえに,本件支出①,②について合理的な裁量の逸脱又は濫用等は認められず,本件支出①は違法ではない。
(イ) 本件支出③(冊子「岐阜県における取り組み」の作成費用)について
(原告らの主張)
冊子「岐阜県における取り組み」は,単に首都機能移転誘致に関する岐阜県の取組みをまとめただけの印刷物であり,発注が平成14年3月12日,納期が同月28日であることからすると,冊子作りは年度当初に計画もなく,単に年度末に残余の予算を執行するための思いつきであったもので,まったく必要性も有用性もなく,本件支出③は違法である。
(被告の主張)
冊子「岐阜県における取り組み」は,首都機能移転のPRに使用してもらうため,関係者,関係団体に配布することを目的に,首都機能移転の意義・必要性や,岐阜東濃地域の優位性,岐阜県としてのこれまでの取組み等を一元的にまとめた冊子として作成されたものであり,国における候補地絞込みの期限が平成14年5月となっていたため,この時期に印刷し,関係者へ配布したことには必要性・有用性があったといえ,本件支出③は,違法ではない。
(ウ) 本件支出④(PRポスター作成費用)について
(原告らの主張)
PRポスターの作成は,そもそも配布計画もなく,実際に作成されたこと自体が強く疑われる上,発注が平成14年3月18日,納期が同月28日であることから,年度当初には計画になく,単に年度末に残余の予算を執行するための思いつきで作成されたものであり,内容からみても必要性も有用性もない。
さらに,随意契約であるにもかかわらず,営業経費としてポスター印刷代の小計額の10%が自動的に加算されているが,この営業経費4万4000円及びこれに対する消費税2200円は全く不要である。
したがって,本件支出④は違法であり,仮にそうでないとしても,少なくとも営業経費4万4000円及びこれに対する消費税2200円は違法である。
(被告の主張)
PRポスターは,首都機能移転の意義・必要性と岐阜・愛知地域の優位性を訴える内容であり,広く県民に首都機能誘致をPRするために,市町村,各地域振興局等へ配布し,掲示を依頼したものであり,国における候補地絞込みの期限が平成14年5月となっていたため,この時期に印刷し,配布・掲示したことには必要性・有用性もあったといえ,本件支出④は,何ら違法ではない。
営業経費は,委託先業者のいわゆる諸経費に該当するものであって,単に原価分と分けて記載したものにすぎず,原価分とのトータル金額を妥当として契約したものであるから,この部分も何ら違法ではない。
(エ) 本件支出⑤(PRパネル作成)について
(原告らの主張)
PRパネルは,そもそも実際に作成されたこと自体が強く疑われる上,発注と納期が年度末であることから,年度当初には計画になく,単に年度末に残余の予算を執行するための思いつきで作成されたものであり,内容からみても必要性・有用性はない。
さらに,随意契約であるにも関わらず,営業経費としてパネル作成関係費小計額の10%が自動的に加算されているが,この営業経費1万8000円及びこれに対する消費税900円は全く不要で根拠がない。
よって,本件支出⑤は違法であり,仮にそうでないとしても,少なくとも営業経費1万8000円及びこれに対する消費税900円は違法な支出である。
(被告の主張)
PRパネルは,首都機能移転の意義・必要性と岐阜・愛知地域の優位性,岐阜東濃地域の優位性を訴える内容であり,広く県民にPRするために,決起大会及びイベント等で掲示することを目的として作成したものであり,国における候補地絞込みの期限が平成14年5月となっていたため,この時期に作成し,決起大会等に掲示したことには必要性・有用性もあったもので,本件支出⑤は違法ではない。
また,営業経費は,委託先業者のいわゆる諸経費に該当するものであって,原価分と分けて記載したものにすぎず,原価分とのトータル金額を妥当として契約したものであるから,この部分も違法な支出ではない。
(オ) 本件支出⑥,⑦,⑱(推進協議会負担金)について
(原告らの主張)
国の具体的な方針が何も決まっていないから,岐阜県において計画立案のしようがなく,新首都の構想策定に関わる本件支出⑥,⑦,⑱は違法である。
(被告の主張)
推進協議会は,岐阜東濃地域及び隣接する愛知県西三河北部地域が,首都機能移転先候補地として選定されたのを機に,県境をまたいだ移転先新都市像を研究するため,また首都機能移転に関し,岐阜・愛知両県の連携による強力なPR活動を展開するため,平成12年4月4日,岐阜・愛知両県の約200の各種団体が一体となって設立されたものであり,岐阜・愛知地域への首都機能移転の実現のために,岐阜県が今まで単独で推進してきた首都機能移転推進事業を,利害の一致する愛知県やその他の団体と連携して行っているものであって,その負担金として本件支出⑥,⑦,⑱を支出したことにつき,合理的な裁量の逸脱又は濫用等はなく,違法性は存在しない。
(カ) 本件支出⑧(移転問題研究会負担金)について
(原告らの主張)
移転問題研究会は,東京圏を対象として新聞広告及びポスター掲出をしているだけであり,移転問題研究会への負担金の支出には必要性も有用性も認められないから,本件支出⑧は違法である。
(被告の主張)
移転問題研究会は,中部圏が首都機能移転に最もふさわしい地域を内包しているとの認識の下に,首都機能移転問題について,中部圏としての取組みを協力して進めていくことを目的に設置されたものであり,中部地方の9県1市で構成されている。
そして,移転問題研究会は,岐阜・愛知地域への首都機能移転の実現のために,岐阜県がそれまで単独で推進してきた首都機能移転推進事業を,利害の一致する他の中部圏の県や市とともに行っているものであって,移転問題研究会の活動への公金支出については,合理的な裁量の逸脱又は濫用等にわたる違法性は存在しない。
(キ) 本件支出⑨ないし⑫(バスツアー関連費用)について
(原告らの主張)
バスツアーは,移転候補地ウォッチングと称しているが,結局は単なる観光旅行にすぎない。
すなわち,見学地であるセラテクノ土岐は,地元産業の育成のために設置された土岐市立の陶磁器試験場であって,地元の観光案内の2番目に掲載されている。また,見学地であるサイエンスワールドは,県の子供向けの体験施設である。次に,見学地である核融合科学研究所は,文部科学省の特殊技術を紹介するための施設であ。さらに,見学地であるどんぶり会館は,道の駅であり,前記セラテクノ土岐の道路反対側にある,地元の観光案内の筆頭に掲載されている観光施設である。そして,親子陶芸教室は,どんぶり会館の売り物であり,バスツアーにおいても,参加者に絵付け体験をさせている。以上の各施設は,いずれも首都機能移転誘致に何ら関係がない。
しかも,募集チラシには,「いろんな参加記念品を用意しています」と記載して,参加をあおることまで行っているが,参加記念品の購入や作成のための費用は,首都機能移転とは全く関係のない人集めのための目的外支出である。
結局,バスツアーに関連した募集チラシ作成委託費である本件支出⑨,バスの借上げ料である本件支出⑩,どんぶり会館での絵付け体験料である本件支出⑪,損害保険料である本件支出⑫は,いずれも首都機能誘致の点から必要性がなく,関係のない目的外の支出であり,違法である。
仮に,バスツアーに首都機能誘致との関連があり有用性が存するとしても,少なくとも,どんぶり会館絵付け体験料は全く必要性も有用性が無く,この部分は目的外の違法な支出である。
(被告の主張)
バスツアーは,現地見学や体験活動を通じて,より多くの県民に首都機能移転・誘致の意義や内容,現状に対する理解を深め,岐阜東濃地域に対する具体的な事実認識をしてもらうことを目的として,日本の未来を担う子供及び保護者を対象に実施したものである。
この目的のために,子供及び保護者がその移転先候補地の代表的な施設を見学することは有意義なことである。例えば,セラテクノ土岐,どんぶり会館で移転先候補地の生活・文化に触れ,核融合科学研究所のような世界最先端を走る様々な研究施設を見学することは,移転先候補地の優位性を認識する一助となるものである。
さらに,候補地の産業である陶磁器について実際にどんぶり会館で絵付け体験を行い,サイエンスワールドで最先端の科学に身近に触れることで,移転候補地の理解は促進されるものである。また,セラテクノ土岐の存する場所は,総合評価検討地域となった東濃丘陵を見るに最適の場所である。
以上のように,バスツアーには必要性・有用性があり,本件支出⑨ないし⑫は違法ではない。
(ク) 本件支出⑬(小中学生向けPRチラシ作成費用)について
(原告らの主張)
小中学生向けのPRチラシ作成は,必要性も有用性もなく,本件支出⑬は違法である。
(被告の主張)
小中学生向けのPRチラシは,日本の未来を担う子供を対象として,東京一極集中の現状や首都機能移転の必要性等を,様々なデータで分かりやすく紹介することにより,県民に広く首都機能移転推進を訴えかけ,国民世論の醸成に努めることを目的に作成したものである。
上記PRチラシは,バスツアー,農業フェスティバル等のイベントで配布され,有効に活用されている。
以上のように,上記PRチラシには必要性・有用性があり,本件支出⑬は違法ではない。
(ケ) 本件支出⑭(首都機能移転チラシ作成費用)について
(原告らの主張)
首都機能移転チラシ作成は,必要性も有用性もなく,本件支出⑭は違法である。
(被告の主張)
首都機能移転チラシは,東京一極集中の現状や首都機能移転の必要性等を様々なデータを紹介することにより,国民に対して首都機能移転を訴えかけ,国民世論の醸成に努めることを目的に作成したものである。
上記チラシは,農業フェスティバル等のイベントで配布され,有効に活用されている。
以上のように,上記チラシには,必要性・有用性があり,本件支出⑭は違法ではない。
(コ) 本件支出⑮,⑯(農業フェスティバル出展関連費用)について
(原告らの主張)
農業フェスティバルへの出展は,必要性も有用性もなく,本件支出⑮,⑯は違法である。
(被告の主張)
本件支出⑮,⑯は,多数の参加が見込まれる農業フェスティバルにブースを出展し,首都機能移転の意義・必要性,岐阜東濃地域の優位性などを県民にPRすることで,首都機能誘致に対する理解や関心を深めてもらうことを目的としたものである。
農業フェスティバルは,2日間の開催期間中,約15万9000人の来場者があったもので,このイベントにブースを出展して,パネルを展示し,チラシ,パンフレット,啓発物品等を配布したことは有意義であった。啓発物品として,ロゴ入りの風船を作成したのは,子供連れの来場者等に強くアピールできる効果を考えたためである。
以上のとおり,本件支出⑮,⑯には,合理的な裁量の逸脱又は濫用等にわたる違法性は存在しない。
(サ) 本件支出⑰(同盟会補助金)について
(原告らの主張)
a 同盟会の支出には以下のとおりの違法があり,これらの経費を岐阜県が補助することは,補助制度を著しく逸脱するから,本件支出⑰は違法というしかない。
(a) 行事や集会関係
同盟会は,日本青年会議所(以下「JC」という。)との共催のシンポジウムやJ講演会を,決起大会的な集会として行ったが,これらのイベントは,首都機能の移転という本来国が行うべきことを誤って行ったものというべきである。しかも,同盟会の独自事業でなく,他団体との共催事業であって,これに対して県が補助するというのは,補助制度を著しく逸脱したものであり,違法である。
よって,同盟会の事業費支出のうちのPR活動費のJCとの共催のシンポジウム費,同事業費支出のうちの調査研究の講演会負担金は,いずれも必要性も有用性もなく支出された違法なものである。
(b) 物品配布関係
① バスツアー関係
同盟会の事業費のうちPR活動費のバスツアー関係啓発グッズ「フラッシュ付カメラ600個」の購入費用は,バスツアーの予定人員が400人,実際の参加者が359人であったから,200個分は当初から不要なものであって,当該支出は水増し支出である。
さらに,バスツアーの企画にはそもそも,上記(キ)のとおりの問題点があるし,バスツアーへの参加をあおるため,参加記念品を用意することは,首都機能誘致とは全く関係のない目的外支出である。少なくとも単価600円もの物品のばらまきに支出の根拠と必要性はない。
② 美濃焼フェスティバルin2002船橋(以下「美濃焼フェスティバル」という。)関係
PR活動費の啓発グッズ「フラッシュ付カメラ200個,ロゴ入りマグカップ920個,マークシール1000枚」の購入費用は,いずれも首都機能誘致とは全く関係のない人集めのための目的外支出である。少なくとも単価550円や490円もする物品をばらまく必要性はない。
また,同盟会は,美濃焼フェスティバルに緊急費用及び送料を支出しているが,これらを支出する根拠も正当性もない。
さらに,同盟会の事業報告では美濃焼フェスティバル参加用絵付電卓200個を計上しているが,購入の事実はない。
③ 大阪梅田地下街キャンペーン
同盟会は,大阪梅田地下街キャンペーンに関連して,PR活動費から啓発グッズ「電卓600個」の購入費を支出した。しかし,キャンペーン自体に必要性もないし,少なくとも1個600円もの物品のばらまきに支出の根拠と必要性はない。
(c) 調査関係
同盟会の事業費のうち,調査研究「岐阜東濃地域自然環境保全区域基礎調査」(以下「保全区域基礎調査」という。)の費用については,岐阜県も同種の調査を行っており,補助対象とする必要はないし,関係文書の印刷も不要である。
したがって,保全区域基礎調査の費用及び首都機能移転先候補地岐阜東濃地域自然環境保全区域設定指針の印刷の費用は支出の必要性がない。
(d) 旅費関係
東濃地域の基幹産業をPRするイベントである美濃焼フェスティバル及び大阪や名古屋でのイベントは,東濃地域の自治体が参加するものであるが,同盟会の行事にかこつけて,本来は当該自治体や県が支出すべき当該自治体の職員の旅費及び県職員の旅費を同盟会から流用しているものであって,許されない。
また,首都機能移転について,国への要望活動を行うのは地方公共団体であるべきであり,同盟会のような団体が国に陳情・要望すべきことではないから,これに関して同盟会が旅費を支出することは許されない。
(e) 事務費
事業費支出のうちのPR活動費として美濃焼フェスティバルに関して支出された「デジカメ,メモリー,USB,ICコーダー」の購入費については,美濃焼フェスティバルが開催されたのは平成14年11月20日ころであるのに,同盟会における上記費用の支出負担行為はこれより後である同年12月24日であるから,美濃焼フェスティバルのために使用したということはあり得ず,虚偽の支出であるし,実際に上記の物品が購入されているとしても,同盟会として購入費を支出する必要性はない。仮に,これらの物品を他のことに使うとの反論があるとしても,各種事業の大部分が終了したこの時期に購入する必要性は,やはりない。
また,事務費として「パソコントナー3箱」の購入費が支出されているところ,通常,1万円程度のトナーによって3000枚程度の印刷ができるから,約1万枚分の印刷用のトナーを7月に購入したことになるが,同盟会のコピー代は,平成14年4~6月分として8000枚分,同年7~9月分として6000枚分が支出されているのみで,これ以後同年度中に支出はない。さらに,同年度中の郵便局への支払合計が2万9570円であることから想定される郵送物の量,会議等での資料配布を考えても,上記のトナーやコピーの量は著しく多く,支出時期の点から見ても極めて不合理である。
このことは,これら事務費がいずれも事務局の存する多治見市の経費を本件同盟会が肩代わりしたことを示している。
b なお,被告は,本件支出⑰については監査請求を経ていないと主張する。
しかしながら,同盟会補助金の概算払についての監査請求期間の起算点は,精算時ではなく,概算払時であるというべきである。そして,起算点を概算払時とする場合,概算払についてのみ適法な監査があれば,訴えも適法としなければ,同盟会補助金の適否を争うことができなくなってしまう。
よって,本件支出⑰については,概算払後に監査請求をしており,被告の上記主張は失当である。
(被告の主張)
a 原告らは,本件支出⑰を違法として,平成14年10月31日に住民監査請求を行い,本件訴訟の提起に及んでいるから,少なくとも平成14年11月1日以降の事実に基づく同盟会補助金支出に係る適否の主張は,監査請求前置を経ていない事実に基づく主張であり,理由がないというべきである。
b 同盟会は,岐阜東濃地域への首都機能移転推進を目的とし,候補地域が一体となって同盟会として活動をすることにより,首都機能移転に関する世論の形成に大きく貢献しているものであるが,岐阜東濃地域の優位性を一層アピールすることは,ひいては岐阜東濃地域への産業誘致や観光誘客等の種々の効果をもたらし,岐阜県が行う首都機能誘致政策に通じるものがある。
このため,岐阜県においては,平成5年度から岐阜東濃地域への首都機能の誘致及びこれに関する諸問題の調査研究を推進するため,同盟会が行う事業に要する経費に対し,岐阜県の予算の範囲内で補助金を交付するものとし,交付要綱を定め,同盟会に対し補助金を交付しているものである。
本件監査請求の対象期間である平成13年11月1日から平成14年10月31日までの間における岐阜県の同盟会に対する補助金支出は,同盟会の事業完了後に精算を行うことを予定した概算払であるから,原告らがその違法をいうためには,補助金の交付申請の内容からいって実施を予定している事業が本件の補助制度の対象となり得ないものであるとか,補助金の支出命令が概算払の要件を満たしていないとか,概算払額が不当に多額であるとかの事実が存することの指摘が必要である。
しかし,補助金の交付申請書及び添付書類からは,補助金の対象とすべきでない経費が存在することを認識し得る記載は見当たらない。
そこで,同盟会における事業の円滑な遂行上,事前に補助金を資金として交付すべき事情にあったことから,交付申請書に記載された補助対象額に補助率である2分の1を乗じて得た額のうち,平成14年度岐阜県一般会計予算において計上した560万円を交付すべき額として決定し,支出命令及び支出を行ったもので,これらの手続は,岐阜県補助金等交付規則,交付要綱の規定に基づいて行われており,何ら違法性はない。
以上のとおり,本件支出⑰に違法はないが,原告らの同盟会補助金に係る個別の主張に対し,以下反論する。
(a) 行事や集会関係について
JCとの共催のシンポジウムやJ講演会の事業は,ともに首都機能移転という国民的課題について,県内世論の関心を高め,行政のみならず県民及び広範な国民の賛同と参画を促すものである。候補地域の同盟会が主体となって首都機能移転の必要性及び岐阜東濃地域の優位性をアピールすることは,ひいては岐阜東濃地域への産業誘致や観光誘客などの種々の目的・効果につながるものである。
同盟会のこれらのイベントは,岐阜県が行う首都機能移転誘致政策に通じるものがあり,これらの催事に要する経費について,岐阜県が本件補助金を交付することは,公益上の必要性と合理性がある。
(b) 物品配布関係について
そもそも,同盟会が行う首都機能移転推進のための啓発事業をどのように行うかの判断は,補助事業者である同盟会自身の裁量に委ねられているものである。そして,啓発物品は,一回的な使用で消耗するものではなく,相当期間の利用が可能であり,首都機能移転誘致等の啓発効果が持続的に期待できるものを選定したのであり,啓発物品の購入を実施したことも十分な合理性があり,同盟会の裁量を逸脱・濫用するものではない。
原告らは,「フラッシュ付きカメラ」600個のうちの200個が水増し支出であると主張するが,バスツアーに使用されたのは約200個であり(参加約400名のうち半数は保護者であったため),その余は美濃焼フェスティバルで,主として子供の来場者に配布された。
また,原告らは,同盟会が美濃焼フェスティバルにつき緊急費用及び送料を支出したことが違法であると主張するが,緊急費用及び送料として支出された2130円は,美濃焼フェスティバルで使用する封筒の配布が当初の予測より多くなり,封筒が不足したため,追加発送の経費を支出したものであり,封筒は資料配付用に有効に使用されているのであって,原告らの上記主張は失当である。
さらに,原告らは,美濃焼フェスティバル参加用絵付電卓について購入の事実がないと主張するが,支出命令書(甲35)のフラッシュ付カメラの記載は,電卓の誤りであり,この電卓は,美濃焼フェスティバル用に同盟会に200個納入された。
同様に,大阪梅田地下街キャンペーンでも啓発物品として電卓を選定した。
(c) 調査関係について
原告らは,保全区域基礎調査については,岐阜県も同種の調査を行っていると主張する。
しかし,同盟会の保全区域基礎調査は,保全すべき自然環境から考える地域づくりを進める目的で,その基礎資料となる自然環境,現行諸法制,地域活用の現状把握及び整理を行ったものであり,その報告書は,調査の目的・内容を地域住民に分かりやすく説明することに重点を置き,従来の国,岐阜県,市町村等の行った調査データを地理情報システム(GIS)により自然情報マップ化し,理解の便宜を図ることとしたものであり,岐阜県が同種の調査をした事実はない。
昨今,自然環境保全の問題が社会的関心事となっていることからも,同盟会が移転先候補地の地元地域として,保全区域基礎調査を行うことは公益性があり,これに対して岐阜県が補助することは適法である。
また,同盟会は,自然と共生する21世紀の新首都づくりに向け,保全すべき自然環境を先ず考える地域づくりを検討しており,その結果として,ガイドラインの決定を受けて,首都機能移転先候補地岐阜東濃地域自然環境保全区域設定指針を作成した。首都機能誘致の一つの課題である自然環境の保全について,同盟会が地元地域としてガイドラインを作成し,発表することは有益であり,これに対し岐阜県が補助金を支出することは適法である。
(d) 旅費関係について
原告らは,本来は当該市町村が職員の旅費を支出すべきところ,同盟会の行事にかこつけて,同盟会の旅費を流用したことは許されない旨主張する。
しかし,同盟会は,岐阜県又は市町村に対し,首都機能誘致の啓発事業を円滑に実施できるように支援の依頼をし,これに応じて派遣された職員の旅費を支出したものである。これらの者の旅費は,同盟会の事業の経費であり,同盟会が旅費を支出することに問題はない。
また,国の機関に対し,首都機能誘致の要望を行うことは,同盟会の行う事業の1つであり,同盟会が要望を行うことによって,地元の首都機能移転に対する機運の高まりを国の機関に示すことができるのであり,首都機能移転の推進につながるものとして公益性及び必要性が認められる。
よって,これに対して岐阜県が補助金を支出することに何ら違法性はない。
(e) 事務費関係について
原告らは,事業費支出のうちのPR活動費としての美濃焼フェスティバルに関し,デジカメ,メモリー,USB,ICコーダー8万0724円が支出されている旨主張するが,原告ら独自の解釈か誤解である。これらの物品は,同盟会が平成15年1月及び2月に行った首都機能講演会,第3回自然環境懇話会,大阪ディアモールでのPRキャンペーン等を記録するため購入されたものである。よって,これらの物品購入に要する経費について,岐阜県が本件補助金を交付することに何ら違法性はない。
また,原告らは,パソコントナー,コピー代,郵送料について主張するが,交付要綱実施細目第3項によると「総会,幹事会に関する経費」及び「事務費」は補助対象とはならず,岐阜県としては同盟会が支出した経費のうちパソコントナー,コピー代,郵送費については,本件補助金の交付の対象とはしていないから,これらが補助対象の経費であることを前提とした原告らの主張は失当である。
(4) 争点④(知事,出納長及び出納職員各個人の責任原因)について
(原告らの主張)
ア Aの責任原因
(ア) 普通地方公共団体の長は,当該普通地方公共団体を代表する者であり(地方自治法147条),当該地方公共団体の条例,予算その他の議会の議決に基づく事務その他公共団体の事務を自らの判断と責任において誠実に管理し及び執行する義務を負い(同法138条の2,148条),予算の執行等の広範な財務会計上の行為を行う権限を有し(同法149条),予算を調整し議会に提出する権能がある(同法211条1項)。したがって,当該長は,財務会計上の行為を行う権限を法令上本来的に有するものであるといえる。
また,普通地方公共団体の長は,補助機関たる職員に対して一般的な指揮監督権を有し,会計事務を監督する義務を負う(同法154条,149条5号)。
したがって,地方公共団体の長は,一定範囲の財務会計上の行為を委任した場合であっても,その財務会計上の行為の適否が問題とされている住民訴訟においては,当該職員に該当するというべきであり,当該長に民法上の不法行為責任があれば,当該長は地方公共団体に対し損害賠償義務がある。
(イ) 本件において,本件各支出は,個別には,知事から権限を専決された課長及び担当の対策室長によりなされたものであるが,首都機能移転誘致事業に関する岐阜県の基本方針は,知事であったAの決定によるものである。Aは,当時の岐阜県知事として,首都機能誘致に関し,恣意的に乱費したものといえる。
よって,Aは,違法な支出をし,かつ,故意にもとづく浪費をして,岐阜県に損害を与えたことにつき,個人として,当該損害を補填すべき賠償責任を負う。
(ウ) また,出納長に対する知事の監督上の義務は限定的なものではあるが,このような義務がある以上,後記イで述べるように,違法な支出を看過した出納長の行為について,知事は責任を負う。
イ 出納長,出納員の責任原因
政策の当否の判断は政治家である知事の責務であるが,当該政策が適法であるかの判断は出納員の責務である。岐阜県会計規則11条1項は,「収支等命令者は,支出負担行為をしようとするときは,あらかじめ出納長または出納員に合議しなければならない。」として事前合議制を定め,同条2項は,「出納長または出納員は,収支等命令者から前項の規定により合議を受けたときは,事前決裁書に記載すべき事項について審査し,当該事項が法令等に違反しているときは,必要な措置を執るべきことを求めなければならない。」として,出納長及び出納員が実質的な審査義務を負っていることを定めている。
そして,上記のとおり,首都機能誘致に関わる本件各支出は違法であるから,支出負担行為及び支出命令を行った当該職員とは別個の責任を出納長及び出納員も負う。
(被告の主張)
ア Aの責任原因について
(ア) 地方公共団体の長が,財務会計上の行為をあらかじめ特定の職員に委任等している場合は,長は財務会計行為を直接行う地位にないから,長から委任等を受けた職員が財務会計上の違法行為をすることを阻止すべき指揮監督上の義務に違反し,故意又は過失により職員が財務会計上の違法行為をすることを阻止しなかったときに限り,自らも財務会計上の違法行為を行ったものとして,当該長も損害賠償の責任を負うと解すべきであるところ,本件ではそのような注意義務違反にあたる事実はない。
(イ) 普通地方公共団体の会計事務については,近代会計法制の原則に従い,予算執行機関から会計機関を分離し,前者は普通地方公共団体の長がこれを行うものとし,後者は出納長又は収入役がこれを行うものとされており,出納長又は収入役は,もとより普通地方公共団体の長の補助機関の一であって,長の会計監督権に服するのであるが,出納その他の会計事務の執行については独立の権限を有するものであり,当該事務の執行について普通地方公共団体を代表する。なお,知事は補助職員に対する指揮監督権限(地方自治法154条)があるものの,この権限は一般的抽象的なものであって,前記会計監督権限の場合と同様,知事が補助職員の職務執行につき常時直接の監督義務を負うことを意味するものではない。
Aに関する請求の関係では,上記のように,出納長は知事の権限とは独立に権限を行使し得るものであり,出納長に対する知事の監督上の義務は,極めて限定的なものである。
もとより,支出行為の原因行為である支出負担行為又は支出命令が違法となる余地はないのであり,かつ,岐阜県知事が,会計事務上独立した権限を有する出納長に対して,本件各財務会計行為に係る監督上の権限を行使すべき事由は何ら見当たらず,原告らの主張は失当である。
イ 出納長及び出納員の責任原因について
(ア) 地方自治法は,普通地方公共団体の会計事務について,予算執行機関から会計機関を分離し,前者は普通地方公共団体の長がこれを行うものとし(同法149条2号),後者は出納長がこれを行うものとした(同法170条1項)。この役割分担は,出納の執行を普通地方公共団体の長から職務上独立した機関の責任の下に一元的に行わせ,収支に関する命令機関と執行機関を分離することによって,事務処理の公正(厳正な会計事務)を確保することを目的としている。
なお,出納長は,もとより普通地方公共団体の長の補助機関の一であって,普通地方公共団体の長が,支出を命令し(同法149条2号,232条の4第1項),会計を監督する権限を有している(同法149条5号)ことから,この長の会計監督権に服するが,出納その他の会計事務の執行については独立の権限を有し,当該事務の執行について普通地方公共団体を代表する。
そして,地方自治法232条の4の規定は,経費の支出についての支出命令審査権に関する規定であり,同法170条2項6号の「支出負担行為の確認」とは,同法232条の4第2項の規定を受けたもので,普通地方公共団体の長から支出の命令を受けた場合において,当該支出に係る支出負担行為が法令又は予算に違反していないこと及び当該支出負担行為に係る債務が確定していることを審査,確認することをいう。そして,出納長の関与の範囲ないし権限は,法令や予算との整合性や必要な書類の不備がないかなど形式的な事項を審査することに尽きるのであって,実質的な支出の当否について判断ができるものではない。
(イ) 上記のとおり,本件各支出に係る各支出負担行為及び各支出命令について違法性はないから,適法な支出負担行為及び支出命令に従って,それらに続く狭義の支出をしたのであれば,当該狭義の支出が違法となる余地はない。
また,上記アで述べたように出納長の関与の範囲ないし権限は,形式的な事項を審査することに尽きるのであるから,首都機能移転誘致関連の支出の当否を実質的に審査することは,出納長の権限事項ではない。同様に,出納長権限につき専決権を与えられたE及びFが,支出の当否を実質的に判断するような権限を行使する余地はない。
第3 争点に対する判断
1 争点①(3号請求及び新4号請求の併合請求の可否)について
被告は,3号請求と旧4号請求の併合請求の場合とは異なり,3号請求と新4号請求の併合請求の場合においては,3号請求は新4号請求に包摂され,同時の存在意義がなく,訴えの利益を欠く旨主張する。
確かに,平成14年法律第4号による改正後の地方自治法において,新4号請求でその請求の対象となっている当該請求権の行使を怠る事実としてその違法確認を求める3号請求が併合提起されている場合,被告はいずれも当該普通地方公共団体になることとなるが,上記改正後の地方自治法242条の2第1項においても,3号請求と新4号請求が独立の訴訟形態として認められ,3号請求の補充性を認める規定ぶりとはなっておらず,その効果に着目しても,3号請求は,請求権の行使を怠る事実の違法の確認であるのに対し,新4号請求は,損害賠償等の請求又は賠償命令の発令の義務付けというものであり,なお差異があることに鑑みれば,新4号請求がその請求の対象となっている当該請求権の行使を怠る事実の違法確認を求める3号請求に係る訴えに併合提起されている場合に,3号請求が訴えの利益を欠いて不適法であると解することはできないというべきである。
よって,被告の上記主張は,採用することができない。
2 争点③(本件各支出の違法性)について
(1) 本件各支出に共通の違法性について
ア 地方自治法232条1項,地方財政法9条等違反について
(ア) 原告らは,県が県の事務に属さない事務に対して公金を支出することは違法であるところ,首都機能移転の計画立案は,国の機関の設置に関するものであり,国の事務であるから,岐阜県が首都機能移転の計画立案に関係する本件各支出を行うことは違法である旨主張するので,以下検討する。
(イ) 前記争いのない事実等に,証拠(甲20の1・2,21の1・2,22の1~6,23,24の1・2,31の1~4,41,42,乙2~5,8,27,28)及び弁論の全趣旨を総合すると,以下の事実が認められる。
a 首都機能移転は,バブル経済期ころから本格的に国レベルで議論されるようになり,平成3年に,衆参両議院に移転特別委員会が設置され,平成4年に国会移転法が制定され,平成8年12月19日には,国会移転法12条に基づいて移転候補地を選定するための移転審議会が発足した。移転審議会は,平成11年12月20日,当時のK総理大臣に対し,移転候補地として岐阜・愛知地域を含む3地域を答申し,衆議院の移転特別委員会は,平成12年5月18日,2年を目途に移転候補地を1箇所に絞るとの方針を示した。
しかし,2年を経過しても移転候補地の絞込みはなされず,平成14年7月には,衆議院の移転特別委員会理事会は,首都機能移転のコンセプトの見直しを早急に進め,翌年の通常国会で結論を出すことを申し合わせたが,平成15年5月,衆議院移転特別委員会は,移転先の決定を見送る中間報告を提出し,事実上,移転を断念する結果となった。
b 岐阜県は,上記の経緯に呼応し,平成3年,県庁内に首都機能移転問題検討委員会を設置し,岐阜県議会特別委員会は,平成8年,県内の移転候補地を東濃地域に決定した。
そして,岐阜県では,平成8年以降平成14年まで,首都機能誘致のため,4億5000万円に上る累積予算を組んだ。特に,平成13年度及び平成14年度においては,事業概要として,平成11年12月の審議会の答申を受け,岐阜・愛知地域への首都機能移転の実現に向けて,愛知県と一体となった取組みを行うこととされた。
こうした状況の中で,岐阜県は,平成13年度及び平成14年度において,岐阜・愛知地域が首都機能移転先地として決定されることを目指して,国会審議への対応,移転先候補地としての環境整備及び全国へのPRのために,本件各支出を行った。
(ウ) 地方自治法232条1項によれば,地方公共団体は,当該地方公共団体の事務を処理するために必要な経費を支弁することとされており,地方財政法9条によれば,地方公共団体の事務を行うために要する経費については,当該地方公共団体が全額これを負担するものとされている。これらの規定の反面として,地方公共団体は,当該地方公共団体の事務に属しない事務の処理のために費用を支出することは許されないと解すべきである。
ところで,地方自治法1条の2第1項によれば,地方公共団体は,住民の福祉の増進を図ることを基本として,地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うとの基本原則が定められている。
そして,同条が定める地方公共団体の役割には,自ら住民の福祉を図る施策を実施することだけでなく,国等に対し,当該地方公共団体の住民の福祉の増進に寄与する国の施策や事業の実現を直接または間接に要望することや世論を喚起するためのPR活動を行うことも含まれると解される。すなわち,これらの要望活動やPR活動を行うことも地方公共団体の事務であるというべきである。
本件においては,前記認定事実によれば,移転審議会が,平成11年,移転候補地として岐阜・愛知地域を含む3地域に絞込み,衆議院移転特別委員会が,平成12年に,2年で移転候補地を1箇所に絞るとの方針を示したが,2年後には移転候補地の絞込みは先送りされたというのであるから,国レベルでは,平成13年から14年ころにも,首都機能移転の実現へ向けた議論が行われていたものといえる。
そして,その議論の結果,首都機能の移転先として岐阜・愛知地域が選定され,首都機能の移転が実現した場合には,岐阜県及び県民に大きな経済的,文化的な効果をもたらすことは容易に予測できるものであるから,首都機能の移転は,岐阜県の住民の福祉に資する可能性の高い国の政策であるといえる。
そうすると,岐阜県が,国に対し,国が検討している首都機能移転の実行及びその移転先として岐阜・愛知地域が選定されることを要求し,こうした政策に対する支持を得るために,岐阜県内外の一般市民に対し,PR活動を行うことは,岐阜県の事務に該当するというべきである。
したがって,首都機能誘致のための要望活動,PR活動のために支出された本件各支出は,岐阜県の事務について支出されたものといえる。
(エ) 原告らは,本件各支出は,地方財政法12条2項により国の負担とされている「国の機関の設置」に関する費用であり,県から国に対する寄附金等の負担を禁止した地財再建法24条2項に違反する旨主張するが,上記説示のとおり,首都機能移転実現についての要望活動やPR活動は県の事務に該当するから,これらの活動のため支出された本件各支出は「国の機関の設置」に関する費用とはいえず,地財再建法24条2項に違反するとはいえない。
よって,原告らの前記(ア)の主張は,その前提を欠き採用することができない。
イ 国会移転法24条違反について
原告らは,岐阜県知事が国会移転法24条に基づいて岐阜県の東濃地域の5市2町を監視区域に指定する一方で,首都機能誘致を行うことは,土地の騰貴をあおるものであり,同条に違反する旨主張するところ,弁論の全趣旨によれば,岐阜県知事は,本件各支出に先立つ平成11年12月20日,東濃地域が首都機能の移転の候補地に選定されたことに伴い生じる危険性のある地価高騰,投機的取引等を未然に防ぐことを目的として,東濃の5市2町を監視区域に指定したことが認められる。
しかしながら,国会移転法24条は,首都機能が移転されることを前提に,移転を見越した土地の投機的取引により地価が高騰し,首都機能移転のための土地の取得や利用に支障が出ることを予防する目的で,知事に監視区域の指定の権限を与えた規定と解され,移転候補地のある県の知事が当該県に首都機能を誘致する事業をすることを禁止した規定とまで解することはできない。
よって,岐阜県知事が国会移転法24条に基づいて東濃地域の5市2町を監視区域と指定した後も首都機能の誘致事業を継続したことは,同条に違反するものではなく,原告らの上記主張は,採用することができない。
ウ 地方自治体の会計原則違反について
(ア) 原告らは,本件各支出は,最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならないと定めた地方自治法2条14項,必要かつ最少の限度を超えた支出を禁じた地方財政法4条1項に違反する旨主張する。
(イ) そこで検討するに,地方自治法2条14項は,地方公共団体がその事務を処理するにあたって準拠すべき指針を一般的,抽象的に示したものであり,地方財政法4条は,地方自治法2条14項が掲げる最小の経費で最大の効果を挙げるという原則を予算執行の立場から簡潔に表現したものであって,いずれの規定も,地方公共団体の長による公金の支出を具体的に規制するものではない。
そして,首都機能を岐阜県に誘致することは,岐阜県や県民に多大な利益をもたらす可能性があることは既に述べたとおりであるが,首都機能が岐阜県に移転した場合の利益が具体的にどのようなもので,どの程度のものであるか,また,首都機能の移転の実現のために,どのような方策がもっとも効率的であるかといったことは,容易に判断できるものではなく,また,首都機能移転が実現するか,移転の規模はどの範囲になるか,岐阜県が移転先と選定されるか,その選定の時期がいつになるか,移転の時期がいつになるかといったことは,国レベルでの議論の動向,岐阜県内外の世論,経済状況など多様な不確定要素によって異なってくるものであり,本件各支出が行われた当時において,首都機能の移転と岐阜県への誘致のために最小の経費で最大の効果をあげる方法としてもっとも適当な手段がどのようなものであり,必要かつ最小の限度を超えた支出を行わないようにするにはどのような政策をとるべきかを岐阜県が一義的に判断することは困難であったといえる。
したがって,本件各支出を行うか否か,支出を行うとしていくら支出するかの判断は,岐阜県の長である県知事の合理的裁量に委ねられていると解すべきである。そして,前述のような政策判断の困難性からすれば,本件各支出が県知事の合理的裁量の範囲内かどうかを判断するに当たっては,本件各支出がされた当時の状況に照らして検討すべきであり,事後的に見た場合に,本件各支出が,岐阜県への誘致に関して最小の経費で最大の効果をあげる方法ではなく,必要かつ最小の限度を超えない支出ではなかったからといって,本件各支出が県知事の合理的裁量の範囲内ではないと即断すべきではない。
(ウ) 前記争いのない事実等及び以上に認定した事実によれば,首都機能移転については,平成12年5月に,2年を目途に候補地を一箇所に絞るとの方針が打ち出されたことから,首都機能誘致を目指す岐阜県にとって,平成13年から平成14年5月ころまでは正念場の時期であったこと,なお,平成15年5月には,移転先の決定を見送り,事実上移転を断念する結果となったものの,平成14年度中には,いまだ首都機能移転が見送られたわけではなく,国レベルでの議論もなされていたことが認められ,これによれば,首都機能誘致を目指す岐阜県としては,当時,誘致実現のための対策を行うことが有意義なものといえ,岐阜県が首都機能移転・誘致の実現のための対策として,国に対する要望活動を行い,世論の支持を得るなどのために国民や県民にPR活動を行い,またそれに関連する事業のために本件各支出をしたことには,合理性があり,岐阜県知事の合理的裁量の範囲内のことであるといえる。(なお,本件各支出が個別的に岐阜県知事の合理的裁量の範囲内に含まれるか否かは,後記(2)で検討する。)
(エ) よって,原告らの前記(ア)の主張は,採用することができない。
エ 本件各支出に合理的な理由はなく,社会通念上許されない旨の原告らの主張について
(ア) 原告らは,首都機能移転が実現しないことが予測できたこと,首都機能の誘致は県民の意思とはいえないこと等から,本件各支出に合理的な理由はなく,社会通念上も許されない旨主張するところ,既に説示したとおり,首都機能を誘致する政策をとるにしてもいかなる方法が効果的であるかは容易には判断できないものであって,それに関わる支出を行うか否か,また,いかなる支出を行うかは,岐阜県知事の合理的裁量に属するものであり,本件各支出が合理的理由を有するか,社会通念上許されない支出であるかという点もまた,岐阜県知事の合理的な裁量の範囲内にあるか否かで判断すべきである。
(イ) そして,前記争いのない事実等及び以上に認定した事実によれば,首都機能を岐阜県に誘致することは,岐阜県や岐阜県民に大きな利益をもたらす可能性があるところ,当初,平成14年5月ころが首都機能の移転先の決定時期とされ,同月ころには,更に移転先の決定及び首都機能のあり方自体の検討が1年先延ばしにされた上,平成15年5月には,移転先の決定を見送り,事実上移転を断念する結果となったものの,少なくとも平成14年5月の時点では,首都機能移転を行わないという方針が決定されたわけではなく,国が将来,首都機能移転を断念する可能性が高かったとも認め難く,ましてや,岐阜県において国が将来,首都機能移転を断念すると容易に予測できたとはいえない。
また,原告らは,無駄な公共事業は縮小,廃止すべきであるとの意見が高まっているにもかかわらず,十分な検討がなされていない旨主張するが,公共事業を縮小すべきとの世論が高まっていたとしても,公共事業を縮小するか否か,縮小するとして,首都機能誘致事業を縮小の対象にするか否かという判断もまた,知事の広範な裁量に属するというべきであり,公共事業を縮小すべきとの世論が高まっているからといって,直ちに本件各支出に合理的理由がないとはいえない。
さらに,原告らは,岐阜県の首都機能誘致の動きについて,県民の合意があったとはいえないとし,岐阜県の意向に逆らえない自治体の関係者のみが表向きに賛同しているにすぎないと主張するが,本件全証拠を精査しても,かかる事実を認めるに足りる証拠はない。かえって,前記争いのない事実等及び証拠(甲15の2,乙7)によれば,推進協議会が平成13年12月14日に開催した首都機能移転フォーラムの参加者数は約330人,バスツアーの参加者数は5日間の合計372人,同年11月6日開催の考える会議の参加者数は約450人,同盟会が平成14年2月15日に開催したシンポジウムの参加者は約420人,岐阜県商工会議所連合会が同年4月8日に開催した首都機能移転総決起大会の参加者数は約1350人,同月24日開催の推進協議会の参加者数は約430人,同年5月9日開催の同盟会総決起大会の参加者数は約1000人,JCが同月11日に開催した首都機能移転シンポジウムの参加者数は約700人であったことが認められ,このように,平成13年度及び平成14年度に開催された首都機能移転に関連する各種イベントには,多数の参加者があったことからして,岐阜県が行う首都機能移転の施策に賛成する県民もいたことが窺われる。
なお,原告らは,提訴後,首都機能移転に批判的な新聞記事があることや首都機能誘致関連予算の減少等についても主張するが,これらは,いずれも本件各支出が行われた後の事情であり,これらの事情の存在が,本件各支出の合理性を失わせるものではない。
以上の説示に加え,首都機能移転によって岐阜県及び岐阜県の県民は,大きな経済的,文化的な利益を享受できる可能性があることも考え合わせると,首都機能を誘致を目指す施策をとり,これに関連した公金の支出として本件各支出をしたことが,岐阜県知事に与えられた裁量を逸脱したものであり,必要性も合理性もなく,社会通念上も許されないとはいえない。
(2) 本件各支出の個別の違法性について
ア 本件支出①,②(考える会議実行委員会負担金)について
(ア) 原告らは,考える会議実行委員会は,各種団体が首都機能の誘致に熱心であるかのように装うため作られたものであり,考える会議は,首都機能誘致にかこつけてオープンしたばかりの施設を宣伝する目的で行われたこと,仮に,支出の一部に有用性があるにしても,少なくともどんぶり会館の視察や文楽鑑賞に関する支出は人集めという目的外支出であるとして,本件支出①,②は,必要性も有用性もなく違法な支出である旨主張する。
そこで,検討するに,既に説示したとおり,本件①,②の支出を行うか否か,支出を行うとしていくら支出するかは,岐阜県知事の合理的な裁量に委ねられていると解され,その合理的裁量の範囲を逸脱した場合でなければ,本件支出①,②をもって違法ということはできない。
(イ) 前記争いのない事実等に証拠(甲26の1~5,27の1・2,乙7,20~22,23の1・2,24)及び弁論の全趣旨を総合すると,考える会議は,県内の参加者を募り,首都機能移転候補地を実際に視察し,移転候補地である東濃の風土や文化等に触れ,首都機能移転についての講演を行うことにより,参加者の首都機能誘致及び移転候補地である東濃地域についての理解を深め,もって,首都機能誘致に対する県内の世論を盛り上げることを目的として,平成13年11月6日開催され,候補地視察として土岐市に所在する道の駅どんぶり会館を見学,午後は中津川市に所在する東濃ふれあいセンターに場所において,恵那文楽の上演及び評論家I氏の講演が行われたが,参加者は約450名に上ったこと,考える会議の事業費は,岐阜県,岐阜新聞,岐阜放送及び岐阜県市町村振興協会が負担し,そのうち岐阜県は160万円を負担したことが認められる。
なお,原告らは,考える会議実行委員会は,各種団体が首都機能誘致に熱心であるかのように装うために作られたものであると主張するが,本件全証拠を精査しても,かかる事実を認めるに足りる証拠はない。
また,原告らは,考える会議の開催された中津川市は,移転候補地には含まれないと主張するが,証拠(乙1,16)によれば,岐阜・愛知両県は,中津川市を含む地域を移転候補地と表明していること,移転審議会の答申では,移転候補地として,岐阜県東濃地域とされているだけで,市町村単位で移転候補地の範囲を画しているわけではないものの,中津川市は,少なくとも調査対象地域とされ,総合評価の対象地域にも含まれるか近接していることが認められ,原告らの上記主張は採用することができない。
(ウ) 以上の事実によれば,考える会議の開催は,参加者の首都機能誘致及び移転候補地である東濃地域についての理解を深め,首都機能誘致に対する県内の世論を盛り上げる効果が期待でき,首都機能誘致をPRし,ひいては首都機能誘致を実現する手段として,最善であるかどうかはともかく,それ相応の合理性を有しているし,首都機能移転候補地の産業や文化の理解にもつながるどんぶり会館等の見学や文楽の鑑賞は,首都機能誘致と無関係とはいえないし,むしろ,これらの視察が呼び水となって参加者が増加するのであれば,この視察行事の宣伝効果が高まるとさえいうことができ,本件支出①,②が首都機能移転とは関係なく,目的外支出として違法であるとはいえない。
そうすると,考える会議の開催は,それ相応の合理性を有しており,これに対し岐阜県が負担金を負担した本件支出①,②は,県知事の合理的裁量の範囲を逸脱した違法な支出とはいえず,原告らの前記(ア)の主張は,採用することができない。
イ 本件支出③(冊子「岐阜県における取り組み」の作成費用)について
原告らは,冊子「岐阜県における取り組み」は,単に首都機能移転誘致に関する岐阜県の取組みをまとめただけの印刷物であり,年度当初に計画されていなかったにも関わらず,年度末に残余の予算を執行するために作成されたものであり,本件支出③は,まったく必要性も有用性もないものである旨主張するところ,前記争いのない事実等及び証拠(甲9の2・3,乙43)によれば,岐阜県は首都機能移転の必要性,これまでの首都機能移転政策の経緯,岐阜県の紹介や移転候補地としての優位性を紹介する内容の冊子を衆参特別委員会委員等国会議員,県議会,地域計画政策課兼務職員,地域振興局等関係各課,地元同盟会総会,各種団体,市町村議会等に配布するために,冊子「岐阜県における取り組み」を1000部作成したこと,その納期は平成14年3月28日とされていたことが認められる。
しかしながら,本件全証拠を精査しても,残余の予算を執行するためだけに冊子「岐阜県における取り組み」が作成されたことを認めるに足りる証拠はない。かえって,前記認定事実によれば,国は,平成12年5月18日,2年で移転候補地を1箇所に絞るとの方針を示していたことから,冊子「岐阜県における取り組み」が作成された時期は,平成14年5月という移転候補地を1箇所に絞り込む期限が差し迫った時期であったもので,このような時期に,上記のような内容の冊子を関係者,関係団体に配布することは,首都機能移転・誘致についてのそれなりの宣伝効果が期待できるといえ,それが最善の方法かどうかはともかく,それ相応の合理性があるといえる。
よって,本件支出③は,県知事の合理的裁量の範囲を逸脱した違法な支出とはいえず,原告らの上記主張は,採用することができない。
ウ 本件支出④(PRポスター作成費用)について
原告らは,PRポスターの作成は,年度当初計画にもなく,単に年度末に残余の予算を執行するための思いつきであり,内容からみても必要性も有用性もないし,少なくとも,作成費用のうち,営業経費として加算されている4万4000円及びこれに対する消費税については不要なものである旨主張するところ,前記争いのない事実等及び証拠(甲10の1~3,乙44)によれば,岐阜県は,2種類の首都機能移転PRポスター各1500枚を製作し,その費用として本件支出④を支出したこと,印刷会社から岐阜県への請求の内訳は,ポスターの印刷代が44万円,営業経費4万4000円,消費税2万4200円であったこと,納期は平成14年3月28日とされていたことが認められる。
しかしながら,本件全証拠を精査しても,残余の予算を執行するためだけにPRポスターが作成されたことを認めるに足りる証拠はない。かえって,前記認定事実によれば,PRポスターが作成された時期は,平成14年5月ころの移転候補地を1箇所に絞り込む期限が差し迫った時期であったもので,このような時期にポスターを作成し適宜掲示することは,首都機能移転・誘致に対するそれなりの宣伝効果が期待できるものと考えられ,それが最善の方法かどうかはともかくとして,それ相応の合理性があるといえる。
なお,原告らが指摘する営業経費もポスター作成費の一部として岐阜県が請求を受けたものであり,計3000枚のポスターの作成費の総額50万8200円という額が,社会通念上,特に高額とまでいえないことからすると,営業経費が不要なものであると認めるに足りない。
そうすると,本件支出④は,県知事の合理的裁量の範囲を逸脱した違法な支出とはいえず,原告らの上記主張は,採用することができない。
エ 本件支出⑤(PRパネル作成費用)について
原告らは,PRパネル作成は年度当初計画にもなく,単に年度末に残余の予算を執行するための思いつきであり,内容からみても必要性・有用性はないし,本件支出④はすべて違法であるか,少なくとも営業経費として加算されている小計の10%の金員は全く不要である旨主張するところ,前記争いのない事実等及び証拠(甲11の1,乙45)によれば,岐阜県は,首都機能移転事業及び東濃地域の紹介並びに同地域の移転候補地としての優位性を訴える内容の幅74センチメートル,高さ103センチメートルのパネル3枚のデザイン及び製作の費用として本件支出⑤を支出したこと,その費用の内訳は,パネルのデザイン及び製作が18万円,営業経費(同金額の10%)が1万8000円,これらの合計に対する消費税9900円であること,本件支出⑤は,平成13年度の支出として処理されていたが,業者からの請求書は平成14年4月9日付けで作成されていることが認められる。
しかしながら,本件全証拠を精査しても,残余の予算を執行するためだけにPRパネルが作成されたことを認めるに足りる証拠はない。かえって,前記認定事実によれば,PRパネルが作成された時期は,平成14年5月ころの移転候補地を1箇所に絞り込むとされていた時期が迫った時期であったもので,このような時期に,パネルを作成し,首都機能移転に関するイベント等で掲示することが,岐阜県の首都機能誘致のPRや国への働きかけ,首都機能を誘致する手段として,最善の方法かどうかはともかく,それ相応の合理性があるといえる。
なお,原告らが指摘する営業経費もパネル作成費の一部として岐阜県が請求を受けたものであり,パネルの作成費として総額20万7900円という額が,社会通念上,特に高額とまでいえないことからすると,営業経費が不要なものであると認めるに足りない。
よって,本件支出⑤は,県知事の合理的裁量の範囲を逸脱した違法な支出とはいえず,原告らの上記主張は,採用することができない。
オ 本件支出⑥,⑦,⑱(推進協議会負担金)について
原告らは,国の具体的な方針が何も決まっていないから,岐阜県において計画立案のしようがなく,推進協議会が行う構想策定等経費の支出に係る本件支出⑤は,根拠がない旨主張するところ,前記争いのない事実等及び証拠(甲3の2~5,4の2~5,乙16,17の1・2,46,57)によれば,推進協議会は,岐阜・愛知地域への首都機能誘致を目指して設立され,岐阜・愛知両県の約200の各種団体を会員とする協議会であって,平成13年度及び平成14年度の事業として,講演会,フォーラム等の開催,PRビデオの作成,JR山手線,新幹線へのポスターの掲出,新聞への意見広告の掲載,全国自治体へのパンフレットの配布,東京,大阪,札幌での街頭キャンペーン,国会議員への要望等を行ったが,その事業費については,岐阜・愛知両県が毎年各2000万円を負担していたことが認められる。
そして,推進協議会が首都機能移転に関連するイベントを開催,各種広報活動,国会議員等への要望活動を行うことは,世論を喚起し,移転候補地としての岐阜・愛知地域への支持を拡大し,首都機能移転の実現及び岐阜・愛知地域への首都機能の誘致に資するものであるといえるから,首都機能誘致を目指す政策をとる岐阜県が,このような活動を行う団体の事業費を負担することは,最善の手段かどうかはともかく,それ相応の合理性があり,県知事の合理的裁量の範囲を逸脱しているとはいえない。
よって,本件支出⑥,⑦,⑱は違法とはいえず,原告らの上記主張は,採用することができない。
カ 本件支出⑧(移転問題研究会負担金)について
原告らは,移転問題研究会は,東京圏を対象として新聞広告及びポスター掲出をしているだけであり,本件支出⑧には必要性も有用性もない旨主張する。
しかしながら,前記争いのない事実等及び証拠(甲5の2,乙18,47)によれば,移転問題研究会は,中部地方の9県1市を構成員とする研究会であり,平成14年度の事業として,日本経済新聞の首都総合版への新聞広告の掲載1回,首都圏のJR主要駅42駅でのポスターの掲載1週間,国への要望活動2回,大阪での啓発ブースの設置及び街頭啓発活動1回,研究会及び担当課長の会議5回などが行われたこと,その活動費は,9県1市からの各100万円ずつの分担金により賄われていたことが認められ,これによれば,移転問題研究会は,原告らが主張するような東京圏を対象とした新聞広告及びポスターの掲出活動に止まらず,広くPR活動及び国への要望活動を行っていたことが認められ,こうした移転問題研究会の活動は,世論を喚起し,移転候補地としての岐阜・愛知地域への支持を拡大し,首都機能移転の実現及び岐阜・愛知地域への首都機能の誘致に資するものであるといえるから,首都機能誘致を目指す政策をとる岐阜県が,このような活動を行う団体の事業費を負担することは,最善の手段かどうかはともかく,それ相応の合理性があり,県知事の合理的裁量の範囲を逸脱しているとはいえない。
よって,本件支出⑧は違法とはいえず,原告らの上記主張は,採用することができない。
キ 本件支出⑨ないし⑫(バスツアー関連費用)について
原告らは,バスツアーは,首都機能移転とは関係のない施設を見学した単なる観光旅行であるし,参加記念品は,首都機能移転とは全く関係のない人集めの目的外支出であり,本件支出⑨ないし⑫は,必要性のない違法な支出である,少なくとも,どんぶり会館での絵付け体験料は全く必要性も有用性も無く,目的外の違法な支出である旨主張する。
しかしながら,前記争いのない事実等及び証拠(甲26の1~5,28の1・2,29の1~3,30の1~3)によれば,バスツアーは,岐阜県内の小学校5,6年生とその保護者を対象とした日帰りのツアーで,移転候補地にある諸施設を見学させることにより,移転候補地への理解を深めてもらうため,平成14年8月,5回にわたり実施されたこと,参加者らは,セラテクノ土岐(土岐市立陶磁器試験場であり,作陶アトリエや体験コーナーを備えた施設である。),東濃研究学園都市施設であるサイエンスワールド(正式名称を岐阜県先端科学技術体験センターといい,サイエンスショーなどが行われるラボやミュージアムショップを備えた瑞浪市に所在する施設である。)や核融合科学研究所(正式名称を文部科学省核融合科学研究所といい,核融合等の研究を行う土岐市に所在する施設である。)を見学し,土岐市のどんぶり会館(道の駅であり,美濃焼等の地元の特産品の販売や陶芸教室などが行われている施設である。)で美濃焼陶器絵付け体験をしたこと,参加費は無料であり,参加記念品も用意されたことが認められ,これによれば,バスツアーは,県内の小学生に移転候補地にある施設を見学させ,移転候補地への理解を深めることに役立つもので,岐阜県への首都機能誘致をPRする手段として,最善の方法かどうかはともかく,それ相応の合理性が認められるのであって,バスツアーが首都機能移転と全く関係ないものとはいえないし,有用性がないということもできない。そして,どんぶり会館での絵付け体験も,移転候補地の文化,産業を体験するという点で,首都機能誘致をPRすることと関連性があるといえ,首都機能移転をPRし,移転候補地への理解を深めてもらう手段として,それ相応の合理性があり,有用性がないとはいえない。
よって,本件支出⑨ないし⑫は,県知事の合理的裁量の範囲を逸脱した違法な支出とはいえず,原告らの上記主張は,採用することができない。
ク 本件支出⑬(小中学生向けPRチラシ作成費用)について
原告らは,首都機能移転をPRするチラシを1000枚作成し,小中学生に配布することは必要でも有用でもないし,同チラシについては,実際に作成されたこと自体が強く疑われる旨主張する。
しかしながら,前記争いのない事実等によれば,岐阜県は,A4カラー印刷の子供向けの首都機能移転をPRするチラシ1000部を作成し,その費用として4万7250円を支出したことが認められ,これによれば,子供向けのチラシを作成し,子供らに配布することは,子供やその保護者らの首都機能移転・誘致に対する理解を深め,首都機能移転・誘致に対する世論を盛り上げる宣伝効果が期待でき,岐阜県が首都機能誘致をPRし,ひいては首都機能を誘致する手段として,最善の方法かどうかはともかく,それ相応の合理性があるといえるから,本件支出⑭は岐阜県知事の合理的裁量の範囲を逸脱したものとはいえず,これを違法ということはできない。
よって,原告らの上記主張は,採用することができない。
ケ 本件支出⑭(首都機能移転チラシ作成費用)について
原告らは,首都機能移転をPRするチラシを5000枚作成し,配布することは必要でも有用でもない旨主張する。
しかしながら,前記争いのない事実等によれば,岐阜県は,A3カラー印刷の首都機能移転をPRするチラシ5000部を作成し,その作成費として12万3795円を支出したことが認められるところ,このようにチラシを作成し,適宜配布することは,岐阜県内外の人々の首都機能移転・誘致に対する理解を深め,首都機能移転に対する世論を盛り上げる効果が期待でき,岐阜県の首都機能誘致のPRをし,ひいては岐阜県への首都機能誘致を実現する手段として,最善の方法かどうかはともかく,一応の合理性があるといえるから,本件支出⑭が岐阜県知事の合理的裁量の範囲を逸脱したものとはいえず,これを違法ということはできない。
よって,原告らの上記主張は,採用することができない。
コ 本件支出⑮,⑯(農業フェスティバル出展関連費用)について
原告らは,農業フェスティバル出展することに関連した費用を支出することは必要でも有用でもない旨主張する。
しかしながら,前記争いのない事実等及び証拠(乙7,29,30)によれば,農業フェスティバルは,平成14年10月26日,27日に岐阜県庁及び同庁付近の岐阜アリーナ周辺で開催されたイベントであり,15万9000人の来場者があったこと,岐阜県は,農業フェスティバルにおいて首都機能移転をPRするため,首都機能移転PRブースを出展したこと,これに関連してブースの設営や装飾及び当日配布する首都機能移転のロゴ入り風船の材料費及び人件費として,本件支出⑮,⑯を支出したことが認められるところ,このように多数の人が集まるイベント会場にブースを設営し,首都機能誘致のPR活動を行うことは,短期間に会場に訪れた多くの人に首都機能誘致に対する理解を深め,県内の世論を盛り上げる効果が期待でき,岐阜県の首都機能誘致をPRし,ひいては首都機能を誘致する手段として,最善の方法かどうかはともかく,それ相応の合理性があるといえるから,本件支出⑮,⑯に岐阜県知事の合理的裁量の範囲を逸脱した違法があるということはできない。
よって,原告らの上記主張は,採用することができない。
サ 本件支出⑰(同盟会補助金)について
(ア) 原告らは,同盟会が開催したイベントは,同盟会の独自事業でなく,他団体との共催事業に県が補助するというのは,補助制度を著しく逸脱する上,同イベントへの支出には必要性も有用性もないとし,また,同盟会が,各種イベントで配布するための物品の製作購入費用,同盟会が行った調査研究の費用,職員等の旅費を岐阜県がそれぞれ支出したことに必要性はなく,事務用品等の購入のための支出は,多治見市が負担すべき経費を同盟会が負担した違法なものであるなどとして,これらの同盟会の支出のために岐阜県が同盟会に補助金を交付したことは,補助制度を著しく逸脱し,違法である旨主張するので,以下検討する。
(イ) 前記争いのない事実等及び証拠(乙56)によれば,同盟会は,首都機能の誘致運動及び首都機能誘致に関する諸問題の調査研究を行うことを目的とした組織であり,平成14年度の同盟会からの補助金の交付申請には,上記の同盟会の目的を達成するための事業として,関係当局に対する要望活動,首都機能誘致に係る調査研究,その他目的達成に必要な事業の3つが掲げられていたこと,これに対し,岐阜県知事は,同盟会に対し,平成14年6月26日,560万円を概算払いで交付することを決定し,実際に支出されたのが本件支出⑰であることが認められる。
(ウ) ところで,地方自治法232条の2によれば,普通地方公共団体は,「その公益上必要がある場合」には,補助等をすることができるとされているところ,この「その公益上必要がある場合」に該当するか否かの判断は,当該地方公共団体の執行機関である長(同法138条の2)及び予算等の議決機関である議会(同法96条)等において,諸般の事情を総合的に考慮し,当該地方公共団体ないしその住民全体の利益という観点から,当該補助等の目的が正当かつ合理的であるか,右目的を達成する上で当該補助等が必要であるか,当該補助等の態様,程度等が,他の行政目的との均衡や当該地方公共団体の財政事情等との関係において相当であるかなど,を政策的に判断することが必要となる。
したがって,右要件の有無の判断については,当該補助等が他の法令等によって禁止されている場合を除き,その裁量的判断が,諸般の事情に照らし著しく不合理で,裁量権の逸脱又は濫用と認められる場合にのみ,同法232条の2に違反し,違法になると解するのが相当である。
(エ) 本件においてこれをみるに,本件補助金の交付申請及び交付が行われた時期は,国レベルにおいて,当初,移転先の絞込みの期限とされた平成14年5月に絞込みが見送られ,議論を継続する方針が示された後であったこと,岐阜県は,平成14年度においても首都機能移転・誘致を目指す政策をとり,そのための公金の支出を行っていたこと,同盟会の目的や事業は,岐阜県と方向性と同じくするものであったことが認められるところ,首都機能の誘致は,岐阜県及びその住民にとって大きな利益となる可能性があるものであり,首都機能誘致をめざして岐阜県が公金を支出することは,岐阜県やその住民にとって有用性のあることであるといえるもので,このことは,岐阜県が自ら首都機能誘致の活動を行うために公金を支出を行う場合と,こうした活動を行う団体に補助金を交付する場合において異なるところはないから,岐阜県が同盟会に対し補助金を交付することには,公益性があるということができる。
また,岐阜県は,本件訴訟で取り上げられているものだけでも,首都機能の誘致に関連して本件支出①ないし⑯及び⑱を支出しており,これらの支出額と比較しても,同盟会への補助金である本件支出⑰が特に高額というわけでもない。
(オ) 原告らは,同盟会がJC共催のシンポジウムを行っていることから補助金制度を著しく逸脱する旨主張するが,同盟会が他団体と共催で行事を開催したとしても,その行事が同盟会の事業の一部であることにはかわりなく,同盟会が他団体との共催行事を行ったからといって,同盟会に対する補助金が,実質的には共催団体に対する補助金となるわけではないから,このことのみをもって,本件支出⑰が補助金制度を著しく逸脱するものとはいえない。
また,原告らは,配布物品の製作費,調査研究のための費用,陳情活動に要した旅費,事務用品の購入費の支出が必要でなかったことについてるる主張するが,これらはいずれも同盟会の上記事業内容に関連するものであり,それぞれの事業のために必要なものといえるから,原告らの主張は,にわかに採用することができない。
さらに,原告らは,旅費及び事務用品の購入費については,多治見市等の地方公共団体が本来負担すべきものを同盟会が負担した旨主張するが,これらはいずれも補助金が交付された後の具体的な使途に関する主張であり,本件全証拠を精査しても,岐阜県が補助金の交付申請時,これらの補助金の具体的使途を知ることが可能であったことを認めるに足りる証拠はない。
(カ) 以上によると,同盟会に補助金を交付することは,公益性及び額の相当性があると認められる。
そして,同盟会に補助金を交付することは,他の法令等によって禁止されているとはいえず,他に,本件全証拠を精査しても,同盟会に対する補助金の交付を決定した岐阜県知事の判断に裁量権の逸脱又は濫用があることを認めるに足りる証拠はない。
よって,本件支出⑰もまた違法とはいえない。
原告らの前記(ア)及び(オ)の主張は,いずれも採用することができない。
3 結論
以上によれば,原告らの請求は,その余の点について判断するまでもなく,理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 筏津順子 裁判官 岩井直幸 裁判官 髙木博巳)
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