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裁判年月日　平成19年 1月25日　裁判所名　東京地裁　裁判区分　判決
事件番号　平１７（ワ）６９５９号・平１７（ワ）１１７９９号
事件名　ロイヤルティ請求本訴、ロイヤルティ返還請求反訴事件
裁判結果　本訴一部認容、反訴請求棄却　文献番号　2007WLJPCA01250010

要旨
◆原告をフランチャイズ本部、被告をフランチャイズ加盟店とする食堂のフランチャイズ契約において、原告が被告に指導援助義務を怠ったり、欺瞞的な顧客勧誘を行ったりしたとは認められないとして被告から原告に対する加盟金及びロイヤリティの返還請求を否定し、被告が原告とのフランチャイズ契約解除後も店舗の名称が異なるとはいえ、フランチャイズ契約締結時と類似した営業を行っていることが競業避止義務違反にあたるとして、原告から被告に対する食堂経営の差止めとフランチャイズ契約に基づく違約金の支払を認容した事例

出典
新日本法規提供

参照条文
民法４１５条
民法６４３条
民法６５６条
民法９０条

平成１７年（ワ）第６９５９号　ロイヤルティ請求本訴事件
平成１７年（ワ）第１１７９９号　ロイヤルティ返還請求反訴事件

大阪市〈以下省略〉
本訴原告（反訴被告）　株式会社フジオフードシステム（以下「原告」という。）
同代表者代表取締役　Ａ
同訴訟代理人弁護士　鈴木敬一
千葉県船橋市〈以下省略〉
本訴被告（反訴原告）　株式会社イケダ測量設計（以下「被告」という。）
同代表者代表取締役　Ｂ
同訴訟代理人弁護士　菅俊治
同　神田高
同　坂本雅弥

主文
１　被告は，平成１９年８月１０日までの間，別紙物件目録記載の食堂の営業をしてはならない。
２　被告は，原告に対し，２２５９万３６３９円及びうち７５９万３６３９円に対する平成１７年２月８日から支払済みまで，うち１５００万円に対する同年９月１１日から支払済みまで各年６分の割合による金員を支払え。
３　原告のその余の本訴請求をいずれも棄却する。
４　被告の反訴請求をいずれも棄却する。
５　訴訟費用は，本訴反訴を通じ，これを４０分し，その１を原告の負担とし，その余を被告の負担とする。
６　この判決は，第２項に限り，仮に執行することができる。

事実及び理由
第１　請求
１　本訴事件
(1) 　被告は，別紙物件目録記載の食堂（以下「本件ａ食堂」という。）を営業してはならない。
(2) 　被告は，原告に対し，２３５９万３６３９円及びうち８５９万３６３９円に対する平成１７年２月８日から支払済みまで，うち１５００万円に対する同年９月１１日から支払済みまで各年６分の割合による金員を支払え。
２　反訴事件
原告は，被告に対し，１２０２万８６５４円及びこれに対する平成１７年６月１８日から支払済みまで年６分の割合による金員を支払え。
第２　事案の概要
１　本訴事件は，原告が，
(1) 　被告との間で，その運営するフランチャイズチェーンについてフランチャイズ加盟契約を締結したと主張して，被告に対し，同契約に基づき，未払のロイヤルティ４８３万３９０７円，コンピューターシステム使用料２３８万８５９３円及び備品等の代金１３７万１１３９円の合計８５９万３６３９円及びこれに対する本件訴状送達の日の翌日である平成１７年２月８日から支払済みまで商事法定利率年６分の割合による遅延損害金，
(2) 　被告は，原告が同年８月１０日付けで上記フランチャイズ加盟契約を解除し，同契約が終了した後も，原告が運営する食堂と同一又は類似の本件ａ食堂を営業していると主張して，同契約上の競業避止義務違反に基づき，上記食堂の営業の禁止並びに同契約所定の違約金（加盟金の３倍相当額）である１５００万円及びこれに対する請求の日の後である同年９月１１日から支払済みまで商事法定利率年６分の割合による遅延損害金の支払をそれぞれ求めている事案である。
２　反訴事件は，被告が，原告は，被告に対し，上記フランチャイズ契約に基づく経営の指導援助義務を履行しなかったため，被告が原告に対して同契約を解除し，また，同契約は，原告の欺まん的な顧客誘引により締結したものであるから，公序良俗に反して無効であるし，この不法行為により加盟金相当額５００万円の損害を被ったと主張して，原告に対し，同契約の解除による原状回復請求権又は同契約の無効による不当利得返還請求権若しくは不法行為による損害賠償請求権に基づき，加盟金５００万円及びこれに対する本件反訴状送達の日の翌日である平成１７年６月１８日から支払済みまで商事法定利率年６分の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに，同契約の解除による原状回復請求権又は債務不履行による損害賠償請求権に基づき，既払のロイヤルティ及びコンピューターシステム使用料の合計７０２万８６５４円及びこれに対する同日から支払済みまで商事法定利率年６分の割合による遅延損害金の支払を求めている事案である。
３　争いのない事実等（末尾に証拠等の記載のない事実は，当事者間に争いがない。）
(1) 　当事者
ア　原告は，平成１１年１１月１１日，フランチャイズチェーンシステムによる飲食店の加盟店の募集及び経営指導等を目的として設立され，平成１２年から，「ごはん家まいどおおきに　○○食堂」（○○には通常地名等を記載する。）という名称の飲食店を自ら経営するとともに，そのフランチャイズチェーンシステムを組織している株式会社である。
イ　被告は，測量一般及び建築・土木工事の設計請負並びに飲食店の経営等を業とする株式会社である（弁論の全趣旨）。
(2) 　事実経過
ア　原告と被告は，平成１２年１月３１日，原告をフランチャイズ本部（以下，単に「本部」ということがある。），被告をフランチャイズ加盟店（以下，単に「加盟店」ということがある。）として，要旨，以下の内容のフランチャイズ基本契約（甲１，以下「本件契約」という。）を締結した。
（ア）　原告は，被告に対し，「ごはん家まいどおおきに食堂」フランチャイズチェーン（以下「本件チェーン」という。）の店舗を１店舗開店する権限を付与する（１条，４条）。
なお，「ごはん家まいどおおきに食堂」は，あらかじめ調理された小皿の家庭料理を客が好みに応じて盆に載せ，食事を組み立てることを特色とする食堂である。
（イ）　被告は，原告に対し，加盟金として５００万円，加盟保証金として１００万円を支払うとともに，ロイヤルティとして店舗の総売上高の４％に相当する金員，原告指定のコンピューターシステムの使用料として毎月総売上高の２％に相当する金員を，毎月末日を締切日とし，翌月末日までに支払う（７条から１０条まで）。
加盟保証金は，契約終了時に加盟店が本部に対して負担する債務の額を控除した残額が本部から加盟店に対して返還される（８条）。
（ウ）　本部である原告は，加盟店である被告に対し，以下の指導援助を行う（１１条１項，以下，この規定を「本件指導援助規定」という。）。
ａ　開店に関する業務についての指導援助
ｂ　契約店舗の設計・施工，設備・備品類の備置，それらの改善及び改装に関する指導援助
ｃ　食材及び商品提供，受発注業務に関する指導援助
ｄ　提供する料理メニュー，商品構成に関する指導援助
ｅ　従業員の採用，教育研修に関する指導援助
ｆ　販売促進活動及び広告宣伝活動に関する指導援助
ｇ　経営及び会計業務に関する指導援助
ｈ　その他契約店舗の運営に関する指導援助
（エ）　加盟店は，本契約期間中及び本契約終了後２年間は，契約店舗と同一又は類似する営業を自ら行い，若しくは第三者をして行わせ，又は本件チェーンと競合関係のある他社の役員に就き，若しくはその従業員として就業し，又は当該他社の代理店となり，業務受託をする等一切の関与をしてはならないものとする（３２条１項）。
（オ）　加盟店は，本契約期間中であると終了後であるとを問わず，（エ）の競業避止義務に違反した場合，本部に対し，加盟金の３倍相当額を，本部からの請求後３０日以内に一括して支払う（同条３項，以下，３２条１項及び３項を「本件競業避止義務規定」という。）。
イ　被告は，原告に対し，本件契約に基づき，加盟金５００万円及び加盟保証金１００万円を支払った。
ウ　原告は，平成１３年５月３０日，東京都江戸川区〈以下省略〉（以下「本件所在地」という。）を候補物件住所とする立地診断報告書（甲５，以下「本件立地診断報告書」という。）を作成したが，本件立地診断報告書には，時間帯別評価や，周辺環境・競合店指標，店前歩行者通行量，視認性評価，商圏ポテンシャル評価を踏まえた立地診断総合評価が，「Ｓ・Ａランク（出店推奨）」，「Ｂランク（出店可能）」，「Ｃランク（出店検討可能）」，「Ｄランク（出店不可）」のうち「Ｃランク（出店検討可能）」であると記載されていた。
エ　原告は，同年８月２０日，被告に対し，「ごはん家　まいどおおきに　ｂ（仮称）食堂　事業計画書，収支計画」（乙９，以下「本件事業計画書」という。）を送付した。本件事業計画書には，本件事業計画書の収益計画が，「ごはん家まいどおおきに食堂」の収益データをもとに，本部直営店収益モデルとして表現したものであり，フランチャイズ加盟店舗の収益を保証するものではない旨記載された上で，売上目標設定，設備工事費，フランチャイズフィー等及び経費並びにそれらを総合した損益，キャッシュフロー計画が記載されていた。
オ　被告は，同年１１月２８日，本件所在地に，「ごはん家まいどおおきにｂ食堂」（以下「本件ｂ食堂」という。）を開店した。
カ　被告は，原告に対し，平成１３年１２月分から平成１５年３月分までのロイヤルティ（平成１５年３月分のロイヤルティは一部未払）及びコンピューターシステム使用料として，合計７０２万８６５４円を支払った。
キ　被告は，原告に対し，別紙「ロイヤルティ・その他売上金延滞表」記載のとおり，次の金員合計８５９万３６３９円を支払っていない。
（ア）　ロイヤルティ（平成１５年３月分から平成１６年１１月分まで）（別紙の「ロイヤルティ」欄記載）　計４８３万３９０７円
（イ）　コンピューターシステム使用料（平成１５年４月分から平成１６年１１月分まで）（別紙の「システム使用料」欄記載）　計２３８万８５９３円
（ウ）　備品等の代金（平成１５年４月分から平成１６年１１月分まで）（別紙の「その他売上金」欄記載）　計１３７万１１３９円
ク　原告は，平成１７年８月４日，被告に対し，同月１０日付けで，本件契約を解除するとの意思表示をした（甲４）。
ケ　被告は，同月１１日以降現在に至るまで，本件所在地において，本件ａ食堂を営業している。
コ　被告は，同月２３日，原告に対し，同月２４日付けで本件契約を解除するとの意思表示をした（乙２６の１，２）。
４　争点及びこれに関する当事者の主張
(1) 　原告は被告に対し指導援助義務の履行を怠ったか（争点１）
（被告の主張）
ア　営業の指導援助義務について
（ア）　スーパーバイザー（以下「ＳＶ」という。）の派遣について
ａ　被告は，本件契約を締結した際，原告から，ＳＶが毎月臨店すると聞いていたにもかかわらず，ＳＶが本件ｂ食堂に毎月臨店したことはなかった。原告から提出されている書証のうち，ＳＶの臨店に関する記録（甲１１，以下「本件臨店記録」という。）の内容は信用できるものではないし，ＳＶが作成した「店舗訪問ご報告書」（以下「臨店報告書」という。）については，オーナーの署名押印欄があるにもかかわらず，オーナーである被告代表者の署名押印がされているものがないから信用できない。また，ＳＶは，本件ｂ食堂に本件臨店記録等のとおり臨店していたとしても，平成１３年１１月から平成１７年２月までの間，わずか１２～１４回しか臨店していない。
ｂ　ＳＶは，平成１５年６月を最後に本件ｂ食堂に来店しなくなり，その後平成１６年６月までは全く臨店がなく，必要なときに臨店していない。
ｃ　また，ＳＶは，実際に本件ｂ食堂に臨店した際にも，１０～１５分の短時間しか聞き取りを行わなかった上，厨房の作業指導やメニュー内容等売上げに直結する事項をチェックすることはなく，実質的な経営の指導援助を全く行わなかった。
（イ）　店長の派遣について
被告は，平成１５年４月，店長の退職に伴い，原告に新しい店長の派遣を要請し，Ｃ（以下「Ｃ店長」という。）を人材派遣会社である株式会社ｃ（以下「ｃ社」という。）から派遣してもらったが，Ｃ店長は，フランチャイズチェーン店における店長業務は初めてであり，まともな営業報告や売上げの予測及び管理もできないなど問題が多く，これにより売上げが減少し，経費が増大し，大幅な店の赤字を生み出すことになった。
イ　食材・商品提供の指導援助義務について
原告は，被告を含む加盟店に対し，季節が変わっても同じメニューを提供し，味付けにも工夫を加えないなど商品提供を怠り，これによりメニューが客に飽きられたのであるし，ＳＶは，調理の指導ができなかったし，スジだらけで割高なマグロを提供したりするなど，食材についても問題があったにもかかわらず，速やかに是正しなかった。
（原告の主張）
ア　営業の指導援助義務について
（ア）　ＳＶの派遣について
ＳＶの本件ｂ食堂に対する指導援助として，本件臨店記録記載のとおりのＳＶによる臨店がされるとともに，各種の研修会が多数回行われている。
なお，被告が本件ｂ食堂に対するＳＶの派遣を断ったのであり，ＳＶが臨店しなくなったという被告の主張は虚偽である。また，ＳＶは，基本的に閑散時に臨店し，店長とミーティングをした後，店舗の運営状況を確認するため，他の従業員と同じ服に着替えて店舗の営業の手伝いをし，詳細かつ具体的に店舗の運営上の問題点を指摘し，その改善の方法を指導していた。
（イ）　店長の派遣について
Ｃ店長は，本件ｂ食堂の店長に就く以前，５年にわたってレストランで勤務した後，原告直営の食堂のスタッフ，店長を経験していた者であり，被告のＣ店長に対する非難は根拠のない言いがかりにすぎず，実際，Ｃ店長が派遣された翌月の平成１５年５月の売上げは上昇している。
イ　食材・商品提供の指導援助義務について
本件チェーンの基本６０品目のメニューは，徹底的に原価計算がされ，加盟店に収益が上がるようにされているだけでなく，客に人気のある商品を提供できるようにされている（甲７）。また，加盟店が新メニューを提供することを許可制にしているのは，加盟店が勝手に新メニューを作ると，ポスレジによる売上げの把握ができなくなったり，新メニューとの食材比率が不明になり，本部である原告がきちんとした指導ができなくなるおそれがあるからである。被告は，原告が新メニューを開発しないため，客に飽きられてくると非難しているが，これが全く根拠のない憶測であることは明らかである。
(2) 　争点１で原告の債務不履行が認められる場合，このことを理由に，被告が，原告に対し，ロイヤルティ及びコンピューターシステム使用料の支払請求を拒絶し，本件契約の解除による原状回復請求権又は債務不履行による損害賠償請求権に基づき，加盟金並びに既払のロイヤルティ及びコンピューターシステム使用料相当額の支払を求めることができるか（争点２）
（被告の主張）
本部は，加盟店に対し，店舗経営の指導援助義務を尽くすことの対価としてロイヤルティを得る正当性を有するのであるから，本部である原告が，加盟店である被告に対する上記義務の履行を怠り，これを理由として本件契約が解除された以上，原告の被告に対するロイヤルティ及びコンピューターシステム使用料の合計７２２万２５００円の支払請求権は消滅し，被告は，原告に対し，本件契約の解除による原状回復として，加盟金５００万円並びに既払のロイヤルティ及びコンピューターシステム使用料相当額の合計７０２万８６５４円の支払請求権を有する。また，被告は，原告に対し，上記義務の不履行による損害賠償請求権として，上記７０２万８６５４円相当額の支払請求権を有する。
（原告の主張）
いずれも争う。
原告が被告から受領したロイヤルティは，原告が被告に対して行ってきた経営の指導援助に対する正当な対価である。被告は，原告の本件チェーンの店名である「ごはん家まいどおおきに食堂」の名称及び原告のノウハウを使用して本件ｂ食堂を営業してきたのであるから，原告の被告に対する加盟金等の返還義務は生じない。
(3) 　本件契約締結及び本件ｂ食堂の出店に関し，原告は被告に対し欺まん的顧客誘引をし，これを理由に本件契約が公序良俗に反して無効となり，又は，これが原告の被告に対する不法行為を構成するか（争点３）
（被告の主張）
原告は，被告との間で本件契約を締結し，本件所在地に店舗を出店することが確定するに至るまで，被告に対し，次のとおりの欺まん的な顧客誘引行為（独占禁止法１９条，一般指定８項参照）を行ったのであるから，本件契約が公序良俗に反して無効であり，被告は，原告に対し，不法行為に基づき，加盟金相当額５００万円の支払を求めることができる。
ア　被告代表者は，平成１１年１０月ころ，本部である原告から本件チェーンの加盟店勧誘を委託されていた株式会社ｄ（以下「ｄ社」という。）の担当者から，「事業概要」と題する本件チェーンの勧誘チラシ（乙３９，以下「本件チラシ」という。）を受領した。本件チラシの上部には新小岩食堂の写真が掲げられ，そのすぐ下には「モデル収支：初年度実績」として，「売上高９４４５万２０００円」，「営業利益１４３５万２０００円」と，さらにその下に「既存店月商約７８７万円」と記載されているのであるから，これを一般人がみれば，新小岩食堂とほぼ同等の店舗で上記の売上げ及び利益が上がるものと考えるのが当然であるが，実際の新小岩食堂の売上げは，上記金額よりも低額だったのであるから，本件チラシが，加盟店の加盟希望者であった被告を欺まんするものであったことは明らかである。
さらに，被告代表者は，上記ｄ社の担当者から，本件チェーンへの加盟の勧誘を執ように受け，既に開店していた店舗の売上げについても，実際とは明らかに異なる根拠のない数字を挙げるなど欺罔，欺まん的な勧誘を受け，加盟させられた。
イ　本件事業計画書は，本件ｂ食堂の実際の店舗面積が３２．４坪であったにもかかわらず，店舗面積を４０坪と誤ったずさん極まりないものであり，月次売上げ８００万円，損益分岐点５７０万円という実態とはかけ離れた根拠のない予測をしていた上，原告は，被告に対し，本件事業計画書の内容について，下ぶれ５％，上ぶれ２０％であり，やや厳しく診断したものであるから安心してよいと説明するなど，算定根拠，算定方法に合理性のない資料を，あたかも達成可能な内容が記載されているものとして被告に提示し，加盟及び店舗の開設を誘引した。
ウ　原告と被告とが本件契約を締結した際，被告が原告から割り当てられたのは浦安地区であったが，原告は，その後１年半もの間，被告に１件も物件を紹介しなかった。
そして，被告は，原告に対し，本件所在地のある地区が郊外で，駅からも離れている上，他のフランチャイズが既にエリアエントリーしていたため，売上げ及び利益が見込めないのではないかと質問したところ，原告は，被告に対し，立地診断は安全を考えてやや厳しく診断していると虚偽の説明をして，被告に出店を勧めたのである。
（原告の主張）
本件契約の締結及び本件ｂ食堂の出店に関し，次のとおり，原告の被告に対する欺まん的誘引は存在しないので，本件契約が公序良俗に違反して無効であり，又は，原告に不法行為があったということはできない。
ア　本件事業計画書における事業計画モデルは，原告が策定している標準モデルであり，本件所在地の実面積によるシミュレーションでなく，初期投資を何年で回収できるかを試算し，投資回収の目安として，加盟店が初期投資額を銀行やリースから調達する際の提出資料として提供されたものであって，被告のいうような売上げ予測を提示したものではなく，このことは本件事業計画書にも明記してある上，原告の担当者が被告に対しその旨説明したのであって，現に本件訴訟に至るまで，被告から原告に対し，この点について苦情，抗議がされたことはなかった。また，原告は，被告に対し，本件事業計画書について，下ぶれ５％，上ぶれ２０％などと説明したことはない。
イ　原告の担当者は，本件契約締結後，被告に対し，本件所在地以外にも紹介をしたが，本件所在地以外は原告が気に入らない等の理由で成約に至らなかった。
そして，被告は，総合評価の基礎となる「時間帯別評価」と「評価コメント」が詳細に記載された本件立地診断報告書を基に検討した結果，出店を決断したものである。
(4) 　本件競業避止義務規定の有効性（争点４）
（被告の主張）
競業避止義務を課す条項は，加盟店を不当に拘束するものであり，本部に特別の保護に値するような経営ノウハウなどの固有の利益がない限り，公序良俗に反し，無効であるというべきである。しかし，本件チェーンは，食堂経営を目的とするものであるが，食堂自体は全国どこにでもある業態であり，食堂経営自体を禁じるそれ自体の固有の利益など全く保護に値せず，原告の守るべき固有のノウハウは皆無であるので，本件競業避止義務規定は，優越的地位の濫用（独占禁止法１９条，一般指定１４項）に当たり，公序良俗に反して無効である。
（原告の主張）
原告は，食堂経営を目的として本件チェーンを展開しており，飲食業経験のない加盟店でも，開業後すぐに収益が得られるようにする独自のノウハウを有している。例えば，店舗外部の看板デザイン，厨房とホール（客席のある場所）とのレイアウトなどの店舗構成，リンクカフェという売上げと発注管理システムによるメニュー分析に基づくよく売れる商品によるメニュー構成，利益率の高い人気商品の陳列方法，加盟店に配送する商品の加工方法，おいしいごはんを作るためのお米の配合方法など，原告のノウハウは多数に上る。そして，原告は，被告を含む加盟店に対し，開店前後に，各種説明会や研修会，「フランチャイズマニュアル」という冊子等でノウハウを伝授した。
原告は，このようなノウハウを保護し，このノウハウによって運営される本件チェーン店舗の商圏を保護するために，本件契約の際，加盟店である被告に対し，本件競業避止義務規定により競業避止義務を課したのであり，本件競業避止義務規定が有効であることは明らかである。
(5) 　被告が，本件ａ食堂を経営することにより，本件競業避止義務規定に違反したといえるか（争点５）
（原告の主張）
本件ａ食堂は，誰が見ても，本件チェーン店である「まいどおおきに食堂」と同一又は少なくとも類似の食堂である。
本件ｂ食堂と本件ａ食堂とでは店名やポスレジが異なるとしても，被告は，商品の陳列方式やメニュー構成，客席部分（ホール）のレイアウト，店内の机や椅子その他の部品類を全く変えず，食堂運営に関する全般にわたる原告のノウハウを本件ａ食堂にそのまま踏襲しているのであるから，本件ａ食堂の運営によって，そのノウハウが侵害され，本件所在地付近での本件チェーン店舗の商圏が侵害され，損害を被っていることは明らかである。
（被告の主張）
本件競業避止義務規定は限定的に適用されるべきであり，被告が，本件契約終了後，単に食堂を経営するだけでは競業には当たらず，原告側の固有の経営ノウハウの侵害など具体的な利益の喪失がなければ，本件競業避止義務規定にいう競業には当たらないというべきである。
そして，被告は，本件ｂ食堂とは店舗名が全く異なる本件ａ食堂の営業を行っており，一般消費者が，本件ａ食堂を，本件チェーンの店舗であると思うことはなく，また，そのメニューは一般の店のメニューであり，原告特有のメニューは皆無である。さらに，店内設備も，会計処理のためのポスレジは本件ｂ食堂とは全く異なり，焼き肉メニューのための廃棄設備があり，さらに，本件ｂ食堂において特徴的であったメニュー表も踏襲していない。
したがって，被告が本件ａ食堂の営業を行うことが，本件競業避止義務規定に違反するとはいえない。
第３　当裁判所の判断
１　前記第２の３の争いのない事実等に，証拠（甲２の１から３８まで，甲３の１から５まで，甲８から２４まで，甲２７から２９まで，乙１から３まで，乙５，乙９，乙２３［相反する部分を除く。］，乙２８，乙３０の１，２，乙３４，乙３７，乙４４，証人Ｄ，証人Ｅ［相反する部分を除く。］，被告代表者［相反する部分を除く。］）及び弁論の全趣旨を総合すると，以下の事実を認めることができる。
(1) 　本件契約締結から本件ｂ食堂の開店までの経過
ア　原告と被告は，平成１２年１月３１日，原告を本部，被告を加盟店として，要旨，以下の内容の本件契約を締結した。
（ア）　原告は，被告に対し，本件チェーンの店舗を１店舗開店する権限を付与する（１条，４条）。
なお，「ごはん家まいどおおきに食堂」は，あらかじめ調理された小皿の家庭料理を客が好みに応じて盆に載せ，食事を組み立てることを特色とする食堂である。
（イ）　被告は，原告に対し，加盟金として５００万円，加盟保証金として１００万円を支払うとともに，ロイヤルティとして店舗の総売上高の４％に相当する金員，原告指定のコンピューターシステムの使用料として毎月総売上高の２％に相当する金員を，毎月末日を締切日とし，翌月末日までに支払う（７条から１０条まで）。
加盟保証金は，契約終了時に加盟店が本部に対して負担する債務の額を控除した残額が本部から加盟店に対して返還される（８条）。
（ウ）　本部である原告は，加盟店である被告に対し，以下の指導援助を行う（１１条１項，本件指導援助規定）。
ａ　開店に関する業務についての指導援助
ｂ　契約店舗の設計・施工，設備・備品類の備置，それらの改善及び改装に関する指導援助
ｃ　食材及び商品提供，受発注業務に関する指導援助
ｄ　提供する料理メニュー，商品構成に関する指導援助
ｅ　従業員の採用，教育研修に関する指導援助
ｆ　販売促進活動及び広告宣伝活動に関する指導援助
ｇ　経営及び会計業務に関する指導援助
ｈ　その他契約店舗の運営に関する指導援助
（エ）　加盟店は，本契約期間中及び本契約終了後２年間は，契約店舗と同一又は類似する営業を自ら行い，若しくは第三者をして行わせ，又は本件チェーンと競合関係のある他社の役員に就き，若しくはその従業員として就業し，又は当該他社の代理店となり，業務受託をする等一切の関与をしてはならないものとする（３２条１項）。
（オ）　加盟店は，本契約期間中であると終了後であるとを問わず，（エ）の競業避止義務に違反した場合，本部に対し，加盟金の３倍相当額を，本部からの請求後３０日以内に一括して支払う（同条３項）。
イ　被告は，原告に対し，本件契約に基づき，加盟金５００万円及び加盟保証金１００万円を支払った。
ウ　被告は，平成１２年１０月末以降，ｄ社の担当者から，まいどおおきに食堂の事業概要として，本件チラシを受領した（なお，本件チラシには，「※本資料は，２０００年１０月末のデータをベースにしており」との記載があることからすれば，被告が本件チラシを受領したのが少なくとも平成１２年１０月末以降であることは明らかである。）が，本件チラシの上部には，新小岩食堂の写真が掲げられ，本件チラシの下部には，モデル収支の初年度実績として，「売上高９４４５万２０００円」，「営業利益１４３５万２０００円」などと記載され，これについて，「上記は直営店舗標準タイプ１０店舗の実績からロイヤルティー・システム料分を差し引いた１店舗あたりの平均値です。直営店は３４店舗ございますが，ＦＣモデルとなります店舗面積の１０店舗のデータを使用しております。」との説明が記載され，また，その下には，「ＦＣ加盟条件他」として，「店舗数３４店舗（標準タイプ２４坪～３５坪は１０店舗）」，「既存店月商約７８７万円（標準タイプ１０店舗平均）」と記載されていた。
エ　原告は，平成１３年５月３０日，本件所在地を候補物件住所とする本件立地診断報告書を作成したが，本件立地診断報告書には，時間帯別評価や，周辺環境・競合店指標，店前歩行者通行量，視認性評価，商圏ポテンシャル評価を踏まえた立地診断総合評価が，「Ｓ・Ａランク（出店推奨）」，「Ｂランク（出店可能）」，「Ｃランク（出店検討可能）」，「Ｄランク（出店不可）」のうち「Ｃランク（出店検討可能）」であると記載されていた。
オ　ｄ社の担当者であるＦ（以下「Ｆ」という。）は，同年６月６日，被告代表者に対し，「『ごはん家　まいどおおきに食堂』エントリー状況表」及び「『ごはん家　まいどおおきに食堂』参照データ」を送付した（乙５）。
カ　被告は，同年７月ころ，原告から，本件所在地に所在のビルの１０３号室及び１０４号室の賃貸借契約書のひな形（乙３０の１）及び重要事項説明書（乙３０の２）を受領した。そして，上記各書面には，賃貸物件の面積が１０６．９２ｍ2（３２．４０坪）であると記載されていた。
キ　原告は，同年８月２０日，被告に対し，本件事業計画書を送付し，その後，原告の担当者が被告代表者に対して本件事業計画書について説明した。本件事業計画書には，本件事業計画書の収益計画が，「ごはん家まいどおおきに食堂」の収益データをもとに，本部直営店収益モデルとして表現したものであり，フランチャイズ加盟店舗の収益を保証するものではない旨各頁の冒頭に枠で囲んだ中に記載されるとともに，売上目標設定，設備工事費，フランチャイズフィー等及び経費並びにそれらを総合した損益，キャッシュフロー計画が記載されていた。また，本件事業計画書の設備工事費について記載された３枚目には，坪数が４０坪であると記載されており，投資金額の回収金額の目安として作成されたものであって，売上げ目標が月商６７５万３０００円と設定され，平均月商が８００万円であれば，開業後４年度目までに投資金額が回収され，平均月商が６００万円であれば，開業後７年度目までに投資金額が回収される旨記載されていた。
ク　被告は，同年１１月２８日，本件所在地に，本件ｂ食堂を開店した。
(2) 　本件ｂ食堂の経営状況及びＳＶの臨店状況等
ア　本件ｂ食堂の店長は，本件ｂ食堂の開店時から平成１５年３月ころまでの店長はＧが，同開店時から平成１４年８月ころまでの副店長はＨが務めていた（Ｈが副店長ではなくなった後，本件ｂ食堂には副店長はいなかった。）。
被告は，平成１５年３月ころ，原告に対し，退職するＧの後任の店長を派遣するよう要請し，同年４月ころから平成１６年３月ころまで，原告の依頼でｃ社から派遣されてきたＣ店長が本件ｂ食堂の店長を務めた。
その後，本件ｂ食堂の店長は，平成１６年４月ころから同年８月ころまではＩが務め，同年６月ころから現在に至るまではＪが務めている（乙３５）。
イ　ＳＶの臨店状況等
（ア）　原告においては，ｄ社に委託して，加盟店に対し，ＳＶを派遣していた。
（イ）　本件ｂ食堂の開店時である平成１３年１２月ころから平成１５年１２月ころまでは，Ｅ（以下「Ｅ」という。）が本件ｂ食堂のＳＶを担当していた。
Ｅは，平成１４年２月１３日，同年３月１３日，同年５月１５日，同年９月１日，同年１０月１０日，平成１５年１月２２日，同年３月３１日，同年６月１９日及び同年７月７日の計９回にわたり，本件ｂ食堂に臨店し，被告代表者及び各当時の店長，副店長であったＧ，Ｈ又はＣ等と面談した。そして，Ｅは，上記臨店の結果として，計７通の臨店報告書（甲１２から１６まで，甲３４，甲３６）を作成し，その他の臨店については，面談メモ（甲３３，甲３５）を作成した。
（ウ）　平成１６年１月から同年１２月までは，Ｌ（以下「Ｌ」という。）が本件ｂ食堂のＳＶを担当していた。
Ｌは，同年７月１５日及び同年１１月１７日の計２回にわたり，本件ｂ食堂に臨店し，被告代表者等と面談した。そして，Ｌは，上記臨店の結果として，計２通の臨店報告書（甲１９，甲２０）を作成した。
（エ）　平成１７年１月及び２月まではＭ（以下「Ｍ」という。）が，同年３月から同年７月まではＮ（以下「Ｎ」という。）が，それぞれ本件ｂ食堂のＳＶを担当していた。
Ｍは，同年１月２６日及び同年２月１９日の計２回，Ｎは，同年３月２５日，同年４月１５日，同年５月２１日，同年６月１４日及び同年７月２９日の計５回にわたり，本件ｂ食堂に臨店し，Ｎは，上記臨店の結果として，計５通の臨店報告書（甲３の１から５まで）を作成した。しかし，Ｎは，上記５回の臨店において，いずれも店長であるＪとのみ面談しており，被告代表者と面談することは一度もなかった（甲２４）。
ウ　店舗の売上げ等
本件ｂ食堂の開店時から平成１７年８月までの売上げ及び本件ａ食堂の同月から平成１８年３月までの売上げは，別紙「まいどおおきに損益表」の「売上」欄記載のとおりである（乙３４）。
エ　本件チェーンのマニュアルについて
原告は，本件契約締結後，被告に対し，「ごはん家まいどおおきに食堂フランチャイズマニュアルVol.1」（甲２７，以下「マニュアルVol.1」という。）及び「ごはん家まいどおおきに食堂フランチャイズマニュアルVol.2」（甲２８，以下「マニュアルVol.2」といい，マニュアルVol.1，マニュアルVol.2を併せて「本件マニュアル」という。）を交付した。
マニュアルVol.1は，店長の職務について，店長の役割・機能，経営数値，店長スケジュール，店員管理，コストコントロール及び販売促進の各項目ごとに記載された本文１１７頁の「店長マニュアル」及び食堂の従業員，面接・採用の実務の各項目ごとに記載された本文３６頁の「従業員採用マニュアル」から構成されるものであり，マニュアルVol.2は，具体的な食堂内における各作業について記載された本文８１頁の「作業マニュアル」，店長向けのハンディターミナル（携帯情報端末のことであり，客からの注文を受け付ける機械のこと）の操作方法について記載された本文９頁の「ハンディー操作ガイド（店長さん用）」，店長向けの食堂用レジの操作方法について記載された本文１８頁の「食堂用レジ操作ガイド（店長さん用）」及び従業員向けのハンディターミナルの基本操作について記載された本文７頁の「食堂レジかんたん操作ガイド」から構成されるものであった。
(3) 　ロイヤルティ等の支払状況
ア　被告は，原告に対し，平成１３年１２月分から平成１５年３月分までのロイヤルティ及びコンピューターシステム使用料として，合計７０２万８６５４円を支払った。
イ　被告は，原告に対し，別紙「ロイヤルティ・その他売上金延滞表」記載のとおり，次の金員合計８５９万３６３９円を支払っていない。
（ア）　ロイヤルティ（平成１５年３月分から平成１６年１１月分まで）（別紙の「ロイヤルティ」欄記載）　計４８３万３９０７円
（イ）　コンピューターシステム使用料（平成１５年４月分から平成１６年１１月分まで）（別紙の「システム使用料」欄記載）　計２３８万８５９３円
（ウ）　備品等の代金（平成１５年４月分から平成１６年１１月分まで）（別紙の「その他売上金」欄記載）　計１３７万１１３９円
(4) 　本件契約の終了及び本件ａ食堂の営業状況
ア　原告は，平成１７年８月４日，被告に対し，同月１０日付けで，本件契約を解除するとの意思表示をした。
イ　被告は，同月１１日以降現在に至るまで，本件所在地において，本件ａ食堂を営業している。
被告は，本件ａ食堂については，店の前にある看板を「まいどおおきにｂ食堂」と記載された看板から「ａ食堂」と記載された看板に（乙１の，， ‘， ‘，乙３７），店内の４枚のポスターを被告独自のポスターに（乙１の， ‘），ポスレジを他社製のものに（乙１の， ‘），店内のガラスケースに飾られていた人形を地元のサークルの作品に（乙１の， ‘）それぞれ変更し，のれんも変更した（乙１の ‘， ‘）ほか，「ａ食堂」と記載された看板（乙１の），店のガラスの「ａ食堂」との記載（乙１の），換気扇（乙１の ‘， ‘）をそれぞれ新設し，店内の机や椅子等の配置に変更はないものの，従業員約１５名のうち５名を入れ替え，メニューを約２０％それぞれ変更し（乙２），食材の仕入先，器，盛付け方法や量，味付けも変更した（乙４４）。
ウ　被告は，同月２３日，原告に対し，同月２４日付けで本件契約を解除するとの意思表示をした。
(5) 　上記(2)イ（イ）の事実につき，Ｅの証言には，本件臨店記録では臨店したのが６回となっているものの，後に自己の資料を精査したところ，実際には合計１２回臨店したという供述部分が存在する。しかし，本件臨店記録中の平成１５年４月１０日に臨店したとする記載については，同日の本件ｂ食堂におけるミーティングメモ（甲１７）によっても，Ｅが同ミーティングに参加したということは記載されていないのであるから，Ｅが同ミーティングに参加し，本件ｂ食堂に臨店したと認めることは困難であり，結局，上記の合計９回の臨店以外の臨店を裏付けるに足りる証拠がないのであるから，Ｅの上記証言は，これを直ちに採用することはできない。
上記(2)イ（ウ）の事実につき，Ｌの陳述書（甲２３）には，本件ｂ食堂のＳＶを担当していた１年間に，本件ｂ食堂に合計４回ほど臨店した旨の記載が存在する。しかし，本件臨店記録中の平成１６年５月１４日に臨店したとの記載については，同記載部分には，併せて「イケダ測量債務についてＯがＢ社長と面談」と記載されており，同日付け「イケダ測量滞留債権打合せ」（甲１８）にもこれを裏付ける記載があることからすれば，同日に臨店したのは原告のＯであり，Ｌが臨店したと認めることはできないのであって，結局，上記の合計２回の臨店以外の臨店を裏付けるに足りる証拠がないのであるから，上記記載を直ちに採用することはできない。
また，これらの事実につき，被告は，原告が作成した本件臨店記録の内容は信用できないと主張するが，被告代表者もＳＶの臨店回数について，基本的には本件臨店記録のとおりであると思っている旨供述している上，これらの臨店日時に関しては，これを裏付ける臨店報告書等が存在し，十分信用に値するものであると考えられるのであるから，被告の上記主張は採用することができない。
２　原告は被告に対し指導援助義務の履行を怠ったか（争点１）について
(1) 　本部である原告が，加盟店である被告に対して負う指導援助義務の内容については，本件契約上，本件指導援助規定所定の各指導援助を行うものとされているものの，その具体的な内容については規定されていない。
証拠（甲１）によれば，本件契約上，本件指導援助規定の次の項（１１条２項）に，「前項の指導援助に際して使用すべきマニュアル等の印刷物をはじめとする関連資料の貸与又は交付については，加盟店は本部に対して，本部が別途定めた費用を当該資料の引き渡しと引き換えに支払う。」と規定され，指導援助に際して資料等が使用されることが予定され，加盟研修（１２条）及び加盟後研修（１９条）の規定が存在することが認められ，前記認定のとおり，本件マニュアルが，本件指導援助規定所定の各指導援助の内容を網羅する充実した内容のものである一方で，本件契約においてはＳＶに関する規定が皆無であることに照らすと，本件契約においては，本部である原告が，加盟店である被告に対し，第一次的に本件マニュアル等の資料等の交付及び各種研修会の実施により本件指導援助規定所定の指導援助義務を履行し，第二次的にＳＶの臨店等により上記指導援助を補完することを予定していたものというべきである。
(2) 　営業の指導援助義務のうち，ＳＶの派遣について
被告は，原告のすべき営業の指導援助義務のうち，本件ｂ食堂に対するＳＶ派遣について，本件契約を締結した際，原告から，ＳＶが毎月臨店すると聞いていたにもかかわらず，ＳＶが本件ｂ食堂に毎月臨店したということはなく，そもそもＳＶの臨店回数が少なく，必要なときに臨店があったともいえず，ＳＶが実質的な経営指導を行わなかったことから，原告は，被告に対する指導援助義務の履行を怠ったものであると主張し，これに沿う証拠として，被告代表者の本人尋問における供述及び陳述書（乙２３，乙４４）の記載並びにＰ（以下「Ｐ」という。）の陳述書（乙２４）の記載が存在し，また，本件マニュアルのうち，マニュアルVol.1中の「店長マニュアル」１８頁には，「店長の月間スケジュール」の中に，毎月１８日から２３日までの間にＳＶが訪問するものとして記載されており，本件マニュアルにおいてもＳＶが月に１度臨店することが一応予定されているともみることができる。
しかし，原告と被告との間で，本件契約を締結する際，ＳＶが毎月臨店することを合意したことを証する客観的な書証は存在せず，上記本件マニュアルの記載も，そのような合意があったことの根拠となるものとまではいえないことから，ＳＶが毎月臨店する旨聞いたとする被告代表者の供述は，これを直ちに採用することができない。
また，ＳＶが行っていた具体的な指導内容については，前記のとおり，本件契約から一義的に決定されるものではないところ，証拠（甲３の１から５まで，甲１２から１６まで，甲２０，甲３４，甲３６）によれば，本件ｂ食堂を担当した各ＳＶは，本件ｂ食堂のその時々の状況を勘案して，従業員のシフト管理を徹底すること，目標営業利益を確認すること，原価及び人件費等の経費を削減すること，店舗内の清掃状況等を確認すること等各種の具体的で適切な助言を行っていることが認められる。
そうすると，前記のとおり，ＳＶの臨店等による指導援助は補完的な性格を有することも考え併せると，ＳＶの臨店回数，頻度及びその指導内容の点で原告が被告に対する指導援助義務を怠ったとまでいうことはできない。
したがって，被告の上記主張は採用することができない。
(3) 　営業の指導援助義務のうち，店長の派遣について
被告は，Ｃ店長は，フランチャイズチェーン店における店長業務は初めてであり，まともな営業報告や売上げの予測及び管理もできないなど問題が多く，これにより売上げが減少し，経費が増大し，大幅な店の赤字を生み出すことになった旨主張し，これに沿う証拠として，被告代表者の本人尋問における供述とともに，当時の担当ＳＶであった証人Ｅの「Ｃ店長に問題がないかといえば，なくはない」旨の供述がある。
しかし，そもそも，本件契約内の本件指導援助規定上，本部である原告が，加盟店である被告に対し，店長を派遣することは規定されておらず，むしろ，証拠（甲１）によれば，本件契約１３条には，店舗責任者については，加盟店がこれを選定した上本部に届け出るものと規定されているのであり，店長の派遣が原告の指導援助義務として規定されていないのであるから，原告が被告からの要請を受け，ｃ社に依頼して，本件ｂ食堂にＣ店長を派遣する手続を採ったとしても，原告のサービスとして行ったものということができ，Ｃ店長の能力が低いことで直ちに原告が被告に対して指導援助義務に違反したということはできない。
のみならず，Ｃ店長の能力についても，証人Ｅの上記証言は，当時の本件ｂ食堂において清掃と陳列が問題であったと証言し，Ｃ店長がクレンリネス（清掃）について能力がなかったかどうかはわからないと明言を避けた上で，問題がないかといえばなくはないと証言したのであり，Ｃ店長の具体的な問題点を指摘しているとはいい難く，被告代表者の上記供述も，Ｃ店長に店長としての能力がなかったことについて具体性を欠くものにすぎず，これを直ちに採用することができないのであるから，前記証拠によっても，Ｃ店長の能力に問題があったと認めることは困難である。
したがって，被告の上記主張は採用することができない。
(4) 　食材・商品提供の指導援助義務について
被告は，原告は，季節が変わっても同じメニューを提供し，味付けにも工夫を加えないなど商品提供を怠り，これによりメニューが客に飽きられたのであるし，ＳＶは，調理の指導ができなかったし，スジだらけで割高なマグロを提供したりするなど，食材についても問題があったにもかかわらず，速やかに是正しなかった旨主張し，これに沿う証拠として，被告代表者の本人尋問の結果が存在する。
しかし，本件契約には，原告に対し，季節ごとの商品提供をし，味付けにも工夫を加えるべき具体的規定は見当たらない上，この点で原告に指導援助義務違反となるような落ち度があったと認めるに足りる証拠はない。また，本件契約には，ＳＶが調理指導をすべき具体的義務を課した規定は見当たらないのであるから，このような義務が直ちに生じると認めるのは困難であるし，食材に問題があったとする点については，これを認めるに足りる的確な証拠はない。
したがって，被告の上記主張は採用することができない。
(5) 　以上によれば，原告が被告に対し，指導援助義務の履行を怠ったということはできない。
３　前記認定したとおり，本件契約上，加盟保証金は，契約終了時に加盟店が本部に対して負担する債務の額を控除した残額が本部から加盟店に対して返還されるものとされているのであるから，被告は，原告に対し，ロイヤルティ等の支払債務として，未払金合計８５９万３６３９円から被告の原告に対する加盟保証金１００万円を控除した残額７５９万３６３９円の限度で支払義務を負うということができる。
４　本件契約締結及び本件ｂ食堂の出店に関し，原告は被告に対し欺まん的顧客誘引をしたか（争点３）について
(1) 　被告は，本件契約を締結するに当たり，根拠のない数字が記載された本件チラシなどにより勧誘を受け，これが欺まん的顧客誘引に当たると主張し，これに沿う証拠として，被告代表者の本人尋問における供述及び陳述書（乙２３）の記載が存在する。
しかし，前記認定のとおり，そもそも，本件チラシは，その内容から，少なくとも平成１２年１０月末以降に作成され，被告もそのころ以降に受領したものであることは明らかであるから，本件契約締結前である平成１１年１０月ころ，本件チラシにより勧誘を受けた旨の被告の主張は直ちに信用することができない。また，本件チラシには，新小岩食堂の写真は掲げられているが，本件チラシ上の売上高，営業利益等の数字が新小岩食堂のものであるとは記載されておらず，むしろ，それらの数字は，直営店舗標準タイプ１０店舗の実績からロイヤルティ・システム料分を差し引いた１店舗当たりの平均値であると明確に記載されているのであるから，新小岩食堂の売上げが本件チラシに記載された金額よりも低額であったとしても，直ちに欺まん的な顧客誘引に当たるということはできない。
また，上記被告代表者の本人尋問における供述及び陳述書の記載は，本件チラシの件を除けば，ｄ社の担当者であったＦが，被告代表者に対し，熱心に勧誘したという以上に欺まん的な勧誘をしたという内容ではなく，被告の主張を裏付けるものと認めることはできない。
したがって，被告の上記主張は採用することができない。
(2) 　被告は，本件事業計画書が，実際の店舗面積と異なる店舗面積に基づく誤った内容のものである上，月次売上げ及び損益分岐点が実態とはかけ離れた根拠のない予測をした旨主張し，前記認定のとおり，確かに，本件事業計画書には，本件ｂ食堂の店舗面積は３２．４坪であったにもかかわらず，店舗面積が４０坪と記載されていることが明らかである。
この点について，証人Ｄは，本件事業計画書は，食堂の店舗の一つの標準的なモデルとして示したものであり，加盟店から依頼があれば，実際の店舗面積に基づく事業計画書を作成，交付したはずである旨供述するが，本来，事業計画書は，出店する各店舗の実情に即して作成されるべきものであることからすれば，本件事業計画書に記載された店舗面積が実際の店舗面積と異なることは妥当ではないということができる。
しかし，本件事業計画書は，本部直営店収益モデルとして表現したものであり，加盟店の収益を保証するものではないと各頁の冒頭に枠で囲んだ中に明記されていること，本件事業計画書の席数が６０席で坪数が４０坪であることが明記されていること，本件事業計画書は，被告に対して単に送付されたものではなく，その送付後に原告の担当者が被告代表者に対してこれについて説明をしていること，測量一般及び建築・土木工事の設計請負並びに飲食店経営等を業とする被告の代表者は，仕事柄店舗の坪数については強い関心を抱いているはずであり，本件事業計画書の送付される前に実際の店舗面積が３２．４坪であるということを認識していたと考えられることに照らすと，本件事業計画書に記載された店舗面積が実際の店舗面積と異なっていたとしても，それが直ちに加盟店に対する欺まんに当たるということはできない。
したがって，被告の上記主張は採用することができない。
(3) 　被告は，原告は，本件契約締結後１年半もの間，被告に対し，物件を１件も紹介しなかった上，本件立地診断報告書について，やや厳しく査定していると虚偽の説明をして欺まん的に勧誘したものであると主張する。
しかし，物件の紹介状況に関する被告の上記主張を認めるに足りる証拠はない。また，本件立地診断報告書の査定に問題があることを認めるに足りる証拠はないし，原告が被告に対して本件立地診断報告書について虚偽の説明をしたと認めるに足りる証拠もない。そもそも，本件立地診断報告書において，本件所在地の立地評価は必ずしも高くなく，被告代表者は，本人尋問において，そのことを認識した上で本件ｂ食堂の出店を決断したことを自認しているのであるから，原告が被告に対し，本件立地診断報告書をもって，立地に関して欺まんしたということはできない。
したがって，被告の上記主張は採用することができない。
(4) 　以上によれば，本件契約の締結及び本件ｂ食堂の出店に関し，原告が被告に対し欺まん的顧客誘引をしたということはできないから，本件契約が公序良俗に反して無効であるということはできないし，原告に不法行為があったということもできない。
５　本件競業避止義務規定の有効性（争点４）について
被告は，本件チェーンに関し，原告が守るべき固有のノウハウが皆無であるにもかかわらず，本件競業避止義務規定が加盟店を不当に拘束するものであるから，優越的地位の濫用（独占禁止法１９条，一般指定１４項）に当たり，公序良俗に反し，無効であると主張する。
しかし，証拠（甲２１，甲２７，甲２８，証人Ｄ）及び弁論の全趣旨によれば，本件チェーンにおけるノウハウは，提供するメニュー，その調理方法，陳列の仕方や提供の方法，マネージメントシステム，店長の研修システム等に至るまで，個々のシステムを総合して一つのノウハウを形成していると認めることができるのであり，実際にも，それらのノウハウがまとめられたものとして，本件マニュアルのような資料が作成され，これが被告のような加盟店に経営のための資料として交付されているのであるから，原告が守るべき固有のノウハウが存在することは明らかであり，これが皆無である旨の被告の上記主張は採用することができない。
また，本件競業避止義務規定は，競業する営業を行うことにつき，場所の限定は加えていないものの，期間を契約終了後２年間に限定しており，違約金の額を含めたその内容からしても，特に加盟店を不当に拘束するものではなく，合理的なものということができる。
したがって，本件競業避止義務規定が，独占禁止法に違反し，公序良俗に反し，無効であるということはできない。
６　被告が，本件ａ食堂を経営することにより，本件競業避止義務規定に違反したといえるか（争点５）について
(1) 　前記第２の３のとおり，原告は，平成１７年８月４日，被告に対し，同月１０日付けで，本件契約を解除するとの意思表示をし，原告の上記解除は有効であるので，本件契約は，同月１０日に終了したということができる。
そして，前記認定のとおり，被告は，本件ａ食堂について，本件ｂ食堂から，看板の名称，ポスレジの製造メーカー，店内のポスター及びガラスケースの展示品を変更し，看板，のれん及び換気扇を新たに設置した上，従業員約１５名のうち５名を入れ替え，メニューを約２０％ほど変更し，食材の仕入先，器，盛付け方法や量，味付けも変更した。
しかし，本件ａ食堂と本件ｂ食堂とは，その名称が異なるとはいえ，あらかじめ調理された小皿の家庭料理を客が好みに応じて盆に載せ，食事を組み立てることを特色とする食堂としての基本的なスタイルに変更はない上，店内の机や椅子等の配置に変更はなく，メニューにも大幅な変更はないのであるから，前記の変更点を勘案しても，両食堂は類似する営業であるというべきである。
(2) 　被告は，店舗名が全く異なる本件ａ食堂の営業を行っており，一般消費者が，本件ａ食堂を，「ごはんやまいどおおきに食堂」のフランチャイズ店だと思うことはなく，また，そのメニューは一般のどこにでもある店のメニューであり，原告特有のメニューは皆無であり，原告側の固有の経営ノウハウの侵害など具体的な利益の喪失がないのであるから，被告による本件ａ食堂の営業は，本件競業避止義務規定にいう競業には当たらない旨主張する。
しかし，上記のとおり，被告が，本件ｂ食堂と類似する本件ａ食堂の営業を行っている以上，原告の固有のノウハウが侵害されていることは明らかであるし，一般消費者が本件ａ食堂を本件チェーンに属する食堂と思わないことや，メニューが普遍的なものであるとしても，原告のノウハウが侵害されていないということはできないのであるから，被告の上記主張は採用することができない。
(3) 　したがって，被告が，本件ａ食堂を経営することにより，本件競業避止義務規定に違反したということができる。
(4) 　そして，本件競業避止義務規定によれば，加盟店である被告は，契約終了後２年間競業避止義務を負っているところ，本件契約は平成１７年８月１０日の経過をもって終了したのであるから，同月１１日から平成１９年８月１０日まで本件ａ食堂の営業をしない義務を負うというべきである。
７　結論
以上によれば，本件本訴請求は，主文第１項及び第２項の限度で理由があるからこれを認容し，その余は理由がないからこれらをいずれも棄却することとし，本件反訴請求は理由がないからこれらをいずれも棄却することとし，主文のとおり判決する。
（なお，当裁判所は，本件事案にかんがみ，平成１８年７月２７日の口頭弁論期日において，口頭弁論を終結するとともに和解を勧告し，合計５回の和解期日を重ねた。原告は，被告が本件ａ食堂の営業を別の業態の営業に変更し，その後２年間食堂以外の業態の飲食店を営み，被告が未払のロイヤルティ，コンピューターシステム使用料及び備品等の代金を月額１０万円の分割払で完済するなどすれば，被告の違約金債務を免除するとの提案をしたが，被告が食堂以外の業態の飲食店を営む期間を本件契約終了後２年間とすることに固執したため，最終的に和解の成立に至らなかったものである。）
（裁判長裁判官　中村也寸志　裁判官　関述之　裁判官　不破大輔）

〈以下省略〉

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【よくある質問 Q&A 一覧】
■街頭ポスター貼り(掲示交渉)代行について
Q&A【1】街頭ポスター貼付(掲示交渉代行)サービスとはどのようなものですか？
Q&A【2】どのくらいの期間で何枚くらいの街頭ポスター貼付ができるのですか？
Q&A【3】街頭ポスターを貼る際は先方(許可承諾者)に許可をいただいて貼るのですか？
Q&A【4】ポスターの①貼付依頼～②貼付開始～③貼付完了等の流れについて教えていただけますか？
Q&A【5】ポスターの料金は１枚いくらで貼ってくれるのですか？
Q&A【6】ポスターの貼付エリアや貼り付け枚数等は指定できますか？
Q&A【7】ポスター貼付後のメンテナンス(貼り替え・剥がし)も依頼できますか？
Q&A【8】最低何枚から街頭ポスター貼りを依頼できますか？
Q&A【9】ポスター貼り替え期間の指定はできますか？貼りっぱなしではないですか？
Q&A【10】街頭ポスターの貼付交渉(新規掲示)の実績や事例はありますか？

■政治活動における広報支援について
Q&A【11】「ドブ板選挙プランナー」とはどのようなお仕事ですか？
Q&A【12】「ポスタリング」とはどのようなサービスですか？
Q&A【13】政治活動等の特殊な業界についてのポスター掲示交渉は難しいですか？
Q&A【14】政治活動用の街頭ポスター(二連|三連)貼りをお願いしたいのですが、特定政党の支援は可能ですか？
Q&A【15】政治活動におけるポスターについて公職選挙法や政治資金規正法等の知識はありますか？
Q&A【16】街頭で無料の「ウィン！ワッポン」をよく見かけますが、これで選挙の勝率が上がりますか？
Q&A【17】二連ポスターや三連ポスター製作前に「弁士の相手」のご提案もしてくれますか？
Q&A【18】ポスター「掲示責任者代行」とはどのようなものでしょうか？
Q&A【19】選挙妨害やその他クレーム対応等の代行も可能でしょうか？
Q&A【20】政治活動(選挙運動)における広報支援プランはどのようなものがありますか？

■営業専門会社による広報PR支援について
Q&A【21】飛び込み訪問、戸別訪問、挨拶回り代行等、ポスター貼り以外でもお願いできますか？
Q&A【22】飲食店や実店舗等の店内やトイレ等にポスターを貼ったり、ビジネスカード設置、チラシ配布等は可能ですか？
Q&A【23】全国どこでもポスター貼りが可能なのですか？

■ご検討中の方々に
Q&A【24】お問い合わせについて
Q&A【25】資料をダウンロード
Q&A【26】ノウハウ・テクニックを大公開！

■ご依頼(お申し込み)の前に
Q&A【27】お申し込みの流れ
Q&A【28】ご用意いただきたいもの

■ご依頼(ご契約)の後に
Q&A【29】進捗報告について
Q&A【30】お友達ご紹介キャンペーンについて

【ポスター【制作前の】候補予定者様】のメニューです。

「政治活動用ポスターのデザイン」は、こちらです。
公職選挙法規定の法的審査(レギュレーションチェック)対応済みの、個人ポスター、２連ポスター、３連ポスター等のデザインを制作！

「弁士相手探しマッチング」は、こちらです。
「探して、交渉して、お隣りへ！」理想の有名人や著名人の弁士相手を探して、地域有権者に対して認知度拡大の相乗効果を狙う！

「ポスターの掲示責任者代行」は、こちらです。
【全国対応】ポスターを掲示した選挙区からのクレーム対応・妨害等の「総合窓口」として、ポスター掲示責任者の代行をいたします。

【ポスター【制作後の】候補予定者様】のメニューです。

政治活動期間における「どぶ板専門！ポスター貼り(掲示交渉)代行」は、こちらです。

【稼働の流れ】
①新規ご挨拶回り|戸別訪問代行|握手代行
選挙区(指定エリア)の有権者(民家・飲食店・その他施設)に対して、候補予定者に代わって選挙ドットウィン！が直接ご訪問致します。

②名刺|ビラ|リーフレット等の手渡し配布
候補予定者と有権者を繋ぐため、名刺・ビラ・政策レポート・討議資料・リーフレットなど活動報告資料の直接手渡し配布を致します。

③留守宅|候補者PR資料ポスティング投函
ご訪問先がご不在の場合には、配布物を郵便受け等にポスティング投函致します。(想定ターゲットに完全100パーセントのリーチ率！)

④政治活動ポスター貼り(新規掲示交渉！
【完全成果報酬】地獄のドブ板活動に必須となる、政治活動用ポスター貼り(新規掲示交渉代行！)(貼れた分だけの枚数課金となります)

⑤掲示(貼付)後のフォロー|クレーム対応
ポスター掲示(貼付)完了後における掲示許可承諾者へ、フォローやクレーム対応等のストレスな部分は選挙ドットウィン！が致します。