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裁判年月日 平成18年 9月11日 裁判所名 福島地裁 裁判区分 判決
事件番号 平１７（わ）７９号
事件名 福島県青少年健全育成条例違反被告事件
上訴等 控訴 文献番号 2006WLJPCA09116001
裁判経過
上告審 平成21年 3月 9日 最高裁第二小法廷 判決 平１９（あ）１５９４号 福島県青少年健全育成条例違反被告事件
控訴審 平成19年 7月25日 仙台高裁 判決 平１８（う）２１６号 福島県青少年健全育成条例違反被告事件
出典
刑集 63巻3号58頁
裁判年月日 平成18年 9月11日 裁判所名 福島地裁 裁判区分 判決
事件番号 平１７（わ）７９号
事件名 福島県青少年健全育成条例違反被告事件
上訴等 控訴 文献番号 2006WLJPCA09116001
主文
被告有限会社Ｙ１を罰金40万円に，被告人Ｙ２を懲役6月及び罰金10万円にそれぞれ処する。
被告人Ｙ２においてその罰金を完納することができないときは，金5000円を1日に換算した期間同被告人を労役場に留置する。
被告人Ｙ２に対し，この裁判が確定した日から3年間その懲役刑の執行を猶予する。
訴訟費用は被告有限会社Ｙ１及び被告人Ｙ２の連帯負担とする。
理由
（罪となるべき事実）
被告会社有限会社Ｙ１（以下「被告会社」という。）は，宮城県名取市〈以下省略〉に本店を置き，ビデオテープ等の販売等を目的とするもの，被告人Ｙ２（以下「被告人Ｙ２」という。）は被告会社の取締役としてその業務全般を統括しているものであるが，被告人Ｙ２は，法定の除外事由がないのに，被告会社の業務に関し，
第1 平成16年11月8日，福島県二本松市〈以下省略〉内に図書類の販売を目的として自動販売機1台を設置するに当たり，福島県青少年健全育成条例20条の3に定める各事項をあらかじめ福島県知事に届け出ず，
第2 Ａ，Ｂと共謀の上，平成17年1月28日，前記場所において，前記自動販売機に，青少年に有害な図書類である全裸，半裸若しくはこれらに近い状態での卑わいな姿態又は性交若しくはこれに類する性行為を描写した場面が合わせて3分を超えるデジタルバーサタイルディスク「本物屋」1枚を販売の目的で収納した。
（証拠の標目） 省略
（弁護人の主張に対する判断）
弁護人は，被告人Ｙ２らは，東京都練馬区所在の株式会社ａ（以下「ａ社」という。）と販売業務委託契約を締結し，その管理運営に係る有人による遠隔監視システム（以下「本件システム」という。）を採用して図書等の販売をしているところ，①本件システムは，遠隔地にいるａ社従業員が，モニターを通じて購買しようとする人物が18歳未満の者（以下「未成年者」という。）かどうかを判断し，18歳以上であると認められた者に対してのみ遠隔操作により販売するというものであって，店頭における対面販売と同等，ないしはそれ以上に有害図書等から青少年を保護するシステムである，②それゆえ，本件システムにおける端末の販売機（以下「本件販売機」という。）は，有人による販売を行うための一個の装置であって自動販売機ではなく，平成16年3月に改正され，同年7月1日から施行された福島県青少年健全育成条例（以下「本件条例」という。）16条1項にいうところの「販売又は貸付けの業務に従事する者と客とが直接対面する方法によらずに販売又は貸付けを行うことができる設備を有する機器」である自動販売機等に該当しない，③仮に，本件条例が本件販売機をも自動販売機等に該当するとしてこれを取り締まるものであるとすれば，そのような条例は憲法の保障する表現の自由，営業の自由及び財産権を不当に侵害するものであって違憲無効であり，百歩譲って本件条例自体は合憲であるとしても，本件装置について本件条例を適用して処罰するのは，その適用において違憲である，④被告人Ｙ２は，本件装置は本件条例における自動販売機等には該当しないものと確信していたものであり，少なくとも未成年者に対して販売する目的はなかったから，構成要件的故意を欠いていた，などと主張している。そこで，以下に判断を示す。
第1 関係証拠によれば以下の事実が認められる。
1 被告人Ｙ２は平成5年3月ころから，ビデオ等のいわゆるアダルト商品の販売等をする会社（○○クリエイション）で働き始め，その後同様の業務を行う関連会社の経営に携わり，平成15年12月からは被告会社を立ち上げて今回の犯行に至った。被告会社では，ａ社と販売業務委託契約を締結し，本件当時，福島県内10か所で合計42台の本件装置と同種の販売機を稼働させていたほか，岩手県，宮城県，山形県の3県内で合計38か所，148台の販売機を稼働させていた。被告会社の平成16年1月から12月までの1年間の売上高は約2億9000万円に達しており，他方で，ａ社に対し販売業務委託代価として約2600万円が支払われていた。
2 本件販売機の設置状況は次のようなものであった。
本件販売機が設置されていた現場は，二本松市街地の南西方の一般住宅，事業所，田畑が混在する一角にあり，約800メートル離れた地点に市立中学校が，約25メートル離れた地点には同中学校に通う生徒らが乗降するバス停留所が設けられている。本件販売機は，他の5台の同種販売機等とともに，三方をプラスチック製波板で囲まれた平屋建て小屋内に設置されているところ，同小屋の北側外壁には，赤，黄，ピンク，白の4色で「無人 24H 空間」と大書された看板が，南側外壁には赤，黄，黒，白の4色で「最強超映像DX 雑誌 ビデオ グッズ」と大書された看板が掲示されていた。
また，小屋入口付近には，「18歳未満立入禁止」の掲示がなされていたが，何人でも自由に出入りができる状態となっていた。
前記小屋内の販売機の側方の内壁には3台のカメラが埋め込まれて固定されおり，そのうち2台は客の上半身を，1台は足元を撮影するが，いずれもズーム機能はなく，またその設置された状況も，中に入った客において，一見してカメラの存在に気付くという状況ではなく，むしろ気付かれにくいように設置されている。小屋内に客が入ると，その入口に備え付けられた赤外線センサーが反応して内部の撮影を開始し，画像情報はISDN回線を通して東京練馬区北町内にあるｂビル3階所在のａ社本店MCCセンター（以下「監視センター」という。）に送信される。送信開始から受信まで約15秒の時差がある。
客が小屋内部で一連の動作をする際にカメラが顔の正面を捉えることもあるが，販売機と正対する状態で立った客を正面から写すカメラは設置されておらず，免許証による年齢確認の際に運転免許証に添付された顔写真と正面から見た客の顔を同時に対比することはできない。
客が施設内に入っている時点で，各販売機の照明は点灯しているが，現金投入口の電源は入っておらず，後記の監視員による操作によって，初めて投入口の電源が入れられ，購入が可能な状態となる。
3 監視センターの状況等については，次のようなものであった。
本件当時，監視センターにおいては合計24台のモニターが，12台ずつ2グループに分けて設置され，5名から10名の監視員（平均年齢約23歳）が交替で休憩をとりながら，ほぼ1人で3台のモニターを担当し，24時間，全国約300か所余りにある本件と同種施設を監視するという体制がとられていた。そして，監視員が遵守すべきとされているマニュアル等によれば，監視員は，画像着信があると販売施設の番号及び着信時間を着信表に記入し，モニター上で4分割になっている画面を単一の画面に切り替えた上，その映像を見て客の年齢層を判断する。年齢判断は，客の年齢層ごとの類型的特徴である服装，髪型，髪の色など，監視マニュアルに記載されている事項を中心に，監視員が容姿を見て総合的に行う。客が明らかに18歳以上の者であると判断すれば，監視員は，直ちに販売機の現金投入口の電源スイッチをオンにし，モニターを再び4分割画面に切り替えて，客が商品を購入したか否か，あるいは不審な行動をとっていないかなどの行動の監視を続け，客の退出を確認してから販売機の投入口電源をオフにする。客が販売施設から退出すると天井に設置された人感センサーが，内部に人が滞留していないことを感知し，数十秒後に自動的に通信が切断される。これに対し，監視員が，客が未成年者であると判断するか，未成年者か否か判断の困難なグレーゾーンに属すると判断した場合は，ボタン操作により，年齢確認のための運転免許証の提示を求めるガイダンス音声を流す。販売機と横並びの位置には，運転免許証提示用のカメラが備え付けられており，客が運転免許証を所定の箇所に提示するとこれを撮影する。監視員は送られてきた運転免許証の画像を確認して，客との同一性及び未成年者でないことが確認できれば投入口電源のスイッチをオンにする。運転免許証の提示がなされないか，提示はあっても未成年者と判明し，あるいは不正使用であると判断した場合は，販売許可のスイッチをオンにすることなくモニターを4分割画面に切り替えて行動を監視する。
4 ところで，司法警察員Ｃ作成の検証調書，司法警察員Ｄ作成の捜査復命書等によれば，監視センターの各モニター画面は20型サイズであり（画素数は10万画素），画像はある程度鮮明であるが，ピントがやや甘くややぼんやりしており，顔の細かい部分は不鮮明で塊としてしか確認できず，販売機の発する光線が客の顔面に照射され，顔が光ってぼやけて平面的に見えることがままあり，一時的な現象とはいえ画像がモザイク状あるいはコマ送り状になることがあるなど，人物の容貌を把握するには少なからず困難を伴うものであり，さらに，光の加減やレンズの曇りないしは店内照明の故障等で画像が見えにくい，カメラが曇る，カメラにポスターがかぶさり視野が制限される，カメラに画像が映らないなどのトラブルが多数回にわたって発生していたことが認められる。
そして，証人Ｅ及び同Ｆは，監視システムの運用実態について，おおむね次のような証言をしている。
「ａ社の監視センターでは，通常は1人の監視員が3台のモニターを担当することになっているが，監視員は交替で休憩をとるから，時には15台のモニターを2人で監視することもあった。そして，各地の販売施設に客が多く入店する夏季の午後10時ころから午前3時ころまでは，センター内のすべてのモニターが画像着信を受け付けて監視中の状態であるにもかかわらず，別の販売施設から新たな入店の信号が送られてくるという着信中着信あるいは着信オーバーフローという状態が発生しており，センター全体ではおよそ10秒に1回程度の画像着信を受けることがあった。このような状況のもと，ａ社社長Ｇから，モニターを3台とも着信状態にすることなく素早く画面を見て判断するよう怒鳴られたことがあり，年齢の確認がとれないままに販売許可ボタンを押していたことがあった。その場合でも着信表の年齢欄には20代とチェックしていた。のみならず，前記Ｇは，通信が立て込んだときには，18歳未満か否か不明なグレーゾーンの客であっても販売許可ボタンを押し，着信をなるべく多く受け付け，その場合でも着信表には年齢を20代と記載するよう指示をしていた。」
両証言の内容はほぼ一致しており，自己の担当した監視業務が不十分であったこと等自己の不利益ともなりうる事実をも述べるものであって，両名が虚偽の証言をあえてしてまで被告人らに刑事責任を負わせようという強い動機は見いだしがたく，また後述の証人Ｈ，同Ｉの供述内容との対比においても，その信用性は高いというべきである。
これに対して証人Ｈ，同Ｉは，訓練を積めば成人客か否かは1人当たり数秒で判断できるようになり，判断に迷うグレーゾーンの幅も狭くなるから監視の作業効率は上がる，グレーゾーンに該当するため免許証提示を要求する操作を行っても所要時間は2分程度にすぎないから，着信の立て込む時間帯であっても対処は余裕を持ってできていた，ゆえに監視センター内で年齢判断を一切せずに，あるいは粗雑な年齢判断に基づいて販売許可を出すような業務実態はなかった，などと供述している。しかしながら，そもそも，当該購入者が未成年者ではなかったかどうかについて，これを追跡するなどして客観的に明らかにしたデータ等は全く存在せず，適正に判断しているという主張は根拠の全くないひとりよがりなものというほかない。そもそも，個々人の特徴は千差万別であり，画像を通じてしか得られない極めて限定的な情報だけに基づいて人物の年齢を判断すること自体に無理があるといわなければならないことは明らかであり，そうであれば，慎重に判断しようとすればするほどいわゆるグレーゾーンは飛躍的に増大し，その判断に相当な時間を要することとなるのは必然である。それにもかかわらず，数秒で判断できるなどというのは，むしろ判定がいかに安易に行われているかを示すものというほかない。
また，前記Ｇも，監視員には入社当時からその能力段階に応じて適切な教育を施していること，監視によって得られた詳細なデータを蓄積した上で，その集計結果を同社の広報誌に掲載していることなどから，同社の監視が適正に行われていたと供述する。しかし，監視員に対する教育が適正であったかどうかは，その判断結果の適正さによることとなるが，これを裏付けるものは全くない。同証人の言うデータというのは，前記監視員の判定結果に基づいて作成された年齢層分類，割合等に過ぎず，何ら客観的なものではないばかりか，前記Ｅ，Ｆ証言によれば，極めて安易な判断結果を記載したものといわざるを得ないものであって，判断の適正さを担保するものでないことは明らかである。
また，Ｇは，ａ社は顧客会社から毎月定額のモニタリング料の支払を受けるのみで，顧客会社の売上げが同社の収益に直ちに反映する料金体系をとっていたわけではなかったから，その監視業務の適正は担保されていたと証言する。しかし，ａ社と被告会社との販売業務委託契約書によれば，委託料金は販売機の台数に応じて算出されることになっており，他の委託者とも同様の契約内容であると推定されるところ，したがって，ａ社の収益の多寡は同社が監視する販売機の数に依存することになる。そして，ａ社において，年齢判断をルーズにすることにより顧客会社の販売高が増加し，ひいてはその利益が伸びて更に販売機の設置台数の増加につながることになるのに対し，年齢判断を厳格化させれば逆に販売高の減少と設置台数の減少につながることとなるのは見やすい道理である。なおかつ，ａ社は被告会社を含むアダルト商品販売業界の関係会社と人的，経済的に密接な関係にあり，いわばグループを形成しているといってよく，被告会社らに対し独立した立場になかったことは明らかである。
以上のとおりであり，同人がａ社の代表者であり，システムを全面的に擁護すべき立場にあることに照らしてもその証言は全く信用することができない。
なお，弁護人は，本件販売機から現実に未成年者が購入できたという報告や苦情が寄せられていないのは監視システムの実効性を裏付ける事実である旨主張するが，購入した未成年者が自らこれを申告することは通常あり得ず，そもそも本件施設あるいは販売機には，販売者あるいは販売受託者は全く明示されていない。また，たまたま保護者等が購入の事実を知ったとしても常に必ずあえてこれを公言して行政庁等に苦情を申し立てるということも考えがたいのであって，そのような報告や苦情が寄せられていないことをもって，監視システムの実効性が十分であったなどとは到底いえない。
5 以上要するに，本件の監視システムが相当額の投資による機器を配備し，かつ，ある程度の職員を確保し，販売業者から高額の監視手数料の支払を受けた上で運営されていること，年齢確認の手続が奏効して実際に客が有害図書を購入できなかった例等もあることなどからすると，それらのシステムを有しない自動販売機との比較においては，ある程度は未成年者への有害図書販売を抑止する機能を持っていると評価できないわけではない。しかし，なお，その設備の機能面で多くの不備を残していることに加え，運用面においても，未成年者を誘引し，安易に有害図書等を販売する危険性を多分にはらんでいることは明らかであり，購入希望者の中から未成年者を的確に識別し，これに対して有害図書類を販売することのないシステムであるなどとは到底いうことができない。
第2 本件販売機が本条例にいう「自動販売機」に該当しないという主張について
福島県青少年健全育成条例はその16条1項において，「販売の業務に従事する者と客とが直接対面する方法によらずに販売を行うことができる設備を有する機器」を「自動販売機」と定義している。「対面」とは人同士が互いに顔を合わせている状態をいい，「直接」とは，対面者が互いを認識するために何らの媒体を要しない形態をいうのであるから，「直接対面」とは，販売の業務に従事する者と客とが同一空間に現在し，互いに顔を合わせている場合をいうものと解されるのであり，前記認定のとおり本件販売システムの実態に照らして，また，当該自動販売機の定義規定が，まさに本件販売機を規制の対象とすべく設けられたものであるという条例制定経過などに照らして，本件販売機が本条例にいう「自動販売機」に該当することは明らかである。
第3 本件条例が憲法に違反するとの主張について
1 本件販売機のような遠隔操作による監視カメラシステムを伴わないところのいわゆる自動販売機（以下「従来型の自動販売機」という。）について，これに有害図書を収納し，販売することが，売手と対面しないために心理的に購入が容易であること，昼夜を問わず購入ができること，街頭にさらされているため購入欲を刺激しやすいなどの点において，書店等における販売よりもその弊害が一段と大きいといえるから，本件条例で定める方法でこれを規制，禁止しても表現の自由を不当に侵害するものではなく（最高裁判所第三小法廷平成元年9月19日判決），もとより，営業の自由，財産権に対する制約としても合理的なものというべきであって，これを不当に侵すものではない。
2 しかるところ，本件販売機は，昼夜を問わず有害図書が購入ができる点において従来型の自動販売機との間に何らの差異がないことは明らかである。また，有害図書そのものが街頭にさらされているわけではないものの，本件販売機の周りにはいたずらに性的好奇心をあおり，購入欲を刺激する文言が大書された看板が設置されており，なおかつ，誰でも自由に出入りすることができる小屋の中に一歩入れば本件販売機に陳列されている有害図書を眼前にすることができるのであって，この点においても，本件販売機と従来型の自動販売機との間に格別の差異は認められない。
さらに，本件販売機においても，購入しようとする者は，売手と直接対面することによって受ける心理的抑制を受けることはなく，購入が容易であることは明らかである。書店等においては，有害図書等を購入しようとすれば，そのような図書等を購入する姿を売主である特定の人物やその場に居合わせた人に公然とさらさなければならないことになるが，それゆえ，人をして，そのような姿をさらすことに強い羞恥あるいは後ろめたさを感じさせ，購買行動を抑制することが十分に期待できるといえる。これに対し，本件販売機において購入する場合においては，そのような心理的抑制が生じることを期待することは困難である。本件販売機の設置場所には購入者が意識しなければならない販売人は存在せず，閉鎖された場所であるから自らの行動を誰にも見られず購入することが可能である。監視カメラは存在するが，前記のとおり一見して気付かれにくいように設置されており，仮にその存在に気付くことがあるとしても，そこで監視しているのは遠隔地にいる不特定の人物であり，そのような遠隔地でかつ具体的イメージを持たない人物にカメラを通して見られているという意識が生じたとしても，そのような意識と書店等において販売人等に自らの姿をさらさなければならないという意識との間には相当な隔絶があるというべきである。
そうすると，書店等における販売との比較において，その弊害の著しさの程度について，本件販売機と従来型の自動販売機との間に差異はないといってよく，本件販売機を従来型の自動販売機と同様に規制，禁止する本件条例は憲法に違反するものではない。
また，弁護人は，実地調査の結果によれば，書店等（コンビニを含む。）において年齢確認が極めて不十分で，未成年者に対しても有害図書が販売されている可能性が高いから，書店等と自動販売機に差を設けるのは合理性を欠く旨の主張もしているが，問題は，購入しようとする未成年者に心理的規制が働くかどうかであって，書店等において未成年者が実際に購入できるかどうかではないから，弁護人の主張は失当である。
さらに，弁護人は，立法目的について論難しているが，本件条例の制定趣旨が未成年者保護にあることは，その規定文言や立法に携わったＪ及びＫの供述（主として捜査機関に対する供述）によって明らかであり，弁護人の主張はあたらない。また，弁護人は自動販売機の定義が広範に過ぎるとの意見を持っているようであるが，前記のとおり，直接対面しないで販売することを禁止，規制することには合理的な理由があるから，その定義規定が広範に過ぎるということはできない。
その他，弁護人は，憲法違反の主張においても，本件販売機が未成年者と成人とを確実に判別できるシステムであることを前提として種々主張しているが，前提を欠く議論であって失当というほかない。
第4 被告人Ｙ２には故意がないとの主張について
被告人Ｙ２は，本件販売機を利用した販売システムの全貌を認識しており，かつ，事前に福島県青少年健全育成条例16条1項の改正について福島県の担当者から説明を受けるなどしているのであって，本件販売機が文言上同条項の「自動販売機」に該当することについて十分な認識を有していたことは明らかである。また，本件条例21条1項にいう「販売の目的」は，対象者が成人であるか，未成年者であるかにかかわらず，有害図書を販売する目的で自動販売機を設置することが，未成年者の購買意欲を助長することになることから，これを禁止する趣旨であることは明らかであるから，仮に未成年者に対して積極的に販売する目的がなかったとしても，同条にいう「販売の目的」がないことにならないことは明らかである。
第5 以上のとおりであるから，弁護人の主張はいずれも採用しない。
（法令の適用）
被告人Ｙ２の判示第1の所為は福島県青少年健全育成条例34条5項1号，20条の3第1項に，判示第2の所為は刑法60条，福島県青少年健全育成条例34条2項，21条1項にそれぞれ該当するところ，判示第2の罪について所定刑中懲役刑を選択し，以上は刑法45条前段の併合罪であるから，同法48条1項により判示第2の罪の懲役刑と判示第1の罪の罰金刑を併科することとし，その所定刑期及び金額の範囲内で同被告人を懲役6月及び罰金10万円に処し，被告会社に対しては，福島県青少年健全育成条例35条及び刑法48条2項により各罪所定の罰金の多額を合計した金額の範囲内で罰金40万円に処し，被告人Ｙ２においてその罰金を完納することができないときは，刑法18条1項，3項，4項により金5000円を1日に換算した期間同被告人を労役場に留置し，情状により同法25条1項を適用して，同被告人に対しこの裁判が確定した日から3年間上記懲役刑の執行を猶予し，訴訟費用は，刑事訴訟法181条1項本文，182条により被告会社及び被告人Ｙ２に連帯して負担させることとする。
（量刑の理由）
本件は，ビデオテープ等の販売を目的とする被告会社を経営する被告人Ｙ２が，被告会社の業務に関し，福島県二本松市内に図書類の販売を目的として自動販売機1台を設置するに当たり，福島県青少年健全育成条例所定の事項をあらかじめ届け出ず，かつ，従業員2名と共謀の上，販売の目的で，同自動販売機1台に青少年に有害な図書類であるDVD1枚を収納したとの福島県青少年健全育成条例違反の事案である。
被告人らは，ひたすら利欲的な動機に基づき，本件犯行に及んだものと認められ，その犯行動機に酌むべき事情はない。また，被告人Ｙ２は，同種犯行により平成11年3月と平成12年12月の2回にわたって罰金刑に処せられているにもかかわらず，また，平成16年3月の条例改正に当たり，福島県の担当者から，直接，条例改正についての説明を受け，本件販売機が自動販売機に該当することを十分承知した上で，自己に都合のよい法令の解釈に基づき，県からの度重なる指導，警告を無視し，さらには，本件自動販売機を設置するに当たって，付近に中学校があって周辺が生徒らの通学路となっており，極めて青少年の目に触れやすい地域であることなどは全く省みず，収益を最大化するためにもっぱら交通量や集客力に着目してその場所を選定しているのであって，そこに未成年者保護の姿勢を見いだすことは困難で，かつ，法律軽視の姿勢が著しいといわなければならない。
そうすると，被告人Ｙ２らの刑事責任を軽く見ることはできないが，同被告人には前記の罰金刑及び傷害罪による罰金刑以外に前科がないこと等の有利な事情も存するので，これらの事情を総合考慮し，主文の刑が相当であると判断した。
（求刑 被告有限会社Ｙ１につき 罰金40万円
被告人Ｙ２につき 懲役6月及び罰金10万円，
私選弁護人 飯島純子（主任），内藤和暁，小野寺弘行，小高賢，渡邉俊太郎，堤箸欣也）
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【稼働の流れ】
①新規ご挨拶回り|戸別訪問代行|握手代行
選挙区(指定エリア)の有権者(民家・飲食店・その他施設)に対して、候補予定者に代わって選挙ドットウィン！が直接ご訪問致します。
②名刺|ビラ|リーフレット等の手渡し配布
候補予定者と有権者を繋ぐため、名刺・ビラ・政策レポート・討議資料・リーフレットなど活動報告資料の直接手渡し配布を致します。
③留守宅|候補者PR資料ポスティング投函
ご訪問先がご不在の場合には、配布物を郵便受け等にポスティング投函致します。(想定ターゲットに完全100パーセントのリーチ率！)
④政治活動ポスター貼り(新規掲示交渉！
【完全成果報酬】地獄のドブ板活動に必須となる、政治活動用ポスター貼り(新規掲示交渉代行！)(貼れた分だけの枚数課金となります)
⑤掲示(貼付)後のフォロー|クレーム対応
ポスター掲示(貼付)完了後における掲示許可承諾者へ、フォローやクレーム対応等のストレスな部分は選挙ドットウィン！が致します。
所属政党の「党員募集獲得代行」、政治団体および後援会等の「入会募集獲得代行」は、こちらです。
当該政党の「党員」「サポーター」募集等の規定に従って、選挙立候補(予定)者様に代わって政党への入党におけるご案内を促します。
どぶ板同行OJT(座学研修および実地特訓)で学ぶ「スパルタ個別訪問同行OJT」は、こちらです。
候補予定者様ご本人・選挙事務所スタッフ・ボランティア様が効率良く「どぶ板の政治活動」が行なえるようアドバイスいたします。
絶対的な地盤を構築する「立札看板設置交渉代行」は、こちらです。
選挙立て札看板(後援会連絡事務所)の設置交渉代行で、半永久的に絶対的な知名度を確立するためのご支援をさせていただきます。
あらゆる政治選挙におけるお困りごとを支援する「選挙の窓口」活動支援一覧は、こちらです。
「地上戦」「空中戦」「ネット戦略」などを駆使し、当選に向けたコンサルティングおよびプランニングのご支援をいたします。
■ポスターPRプラン一覧(枚数・サイズの選択)
選挙区エリアにおいて、ポスターの当該掲示許可承諾者に対して交渉し、同一箇所にどのように掲示するかをお選びいただきます。
【臨機応変型PR】ポスター掲示許可貼付交渉代行プラン ※ご発注選択率88％ ★こちらをご確認下さい。
【連続二枚型PR】ポスター掲示許可貼付交渉代行プラン ※ご発注選択率6％ ★こちらをご確認下さい。
【限定一枚型PR】ポスター掲示許可貼付交渉代行プラン ※ご発注選択率4％ ★こちらをご確認下さい。
【個別指定型PR】ポスター掲示許可貼付交渉代行プラン ※ご発注選択率2％ ★こちらをご確認下さい。
※ポスターのサイズは、A1サイズ、A2サイズをはじめ、ご希望に応じてご提案させていただきます。
■掲示場所・貼付箇所
「首都圏などの大都市」「田舎などの地方都市」「駅前や商店街」「幹線道路沿いや住宅街」等により、訪問アプローチ手段が異なりますので、ご指定エリアの地域事情等をお聞かせ下さい。
※貼付箇所につきましては、弊社掲示交渉スタッフが当該ターゲットにアプローチをした際の先方とのコミュニケーションにて、現場での判断とさせていただきます。
■訪問アプローチ手段
【徒歩圏内】
駅周辺の徒歩圏内における、商店街や通行人の多い目立つ場所でのPR
【車両移動】
広範囲に車移動が必要な、幹線道路沿いや住宅街等の目立つ場所でのPR
※全国への出張対応も可能ですので、ご要望をお聞かせください。
選挙ドットウィン！の「どぶ板広報PR支援」は、選挙立候補(予定)者様の地獄の政治活動を「営業力」「交渉力」「行動力」でもって迅速にお応えいたします。
「全国統一地方選挙」・「衆議院議員選挙」・「参議院議員選挙」・「都道府県知事選挙」・「都道府県議会議員選挙」・「東京都議会議員選挙」・「市長選挙」・「市議会議員選挙」・「区長選挙」・「区議会議員選挙」・「町長選挙」・「町議会議員選挙」・「村長選挙」・「村議会議員選挙」など、いずれの選挙にもご対応させていただいておりますので、立候補をご検討されている選挙が以下の選挙区エリアに該当するかご確認の上、お問い合わせいただけますようお願いいたします。
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