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裁判年月日 平成28年 1月28日 裁判所名 大阪地裁 裁判区分 判決
事件番号 平25(ワ)11325号
事件名 賃金等請求事件
文献番号 2016WLJPCA01288002
出典
裁判年月日 平成28年 1月28日 裁判所名 大阪地裁 裁判区分 判決
事件番号 平25(ワ)11325号
事件名 賃金等請求事件
文献番号 2016WLJPCA01288002
大阪府泉大津市〈以下省略〉
原告 X
同訴訟代理人弁護士 和氣良浩
同 笹野皓平
同 川島直人
大阪府寝屋川市〈以下省略〉
被告 Y1株式会社
同代表者代表取締役 A
大阪府寝屋川市〈以下省略〉
被告 Y2
上記両名訴訟代理人弁護士 権藤健一
同 黒田紘史
同 岸野祐樹
同 和合佐登恵
同 島田敬史
同 辻坂清志
同 柳田清史
主文
1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求
1 被告らは,原告に対し,連帯して,4695万0111円及びこれに対する平成24年10月31日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告Y1株式会社(以下「被告会社」という。)は,原告に対し,63万5806円及びうち9万5806円に対する平成25年8月29日から,うち27万円に対する同年9月29日から,うち27万円に対する同年10月29日から各支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
3 被告会社は,原告に対し,平成25年10月29日から本判決確定に至るまで,毎月28日限り月額27万円の割合による金員及びこれらに対する各支払期日の翌日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要等
本件は,被告会社の業務に従事していた原告が,業務中の事故により負傷し,後遺症を負ったことについて,同事故は被告らの安全配慮義務違反によるものであると主張し,被告会社及びその代表者であった被告Y2(以下「被告Y2」という。)に対し,主位的に不法行為,予備的に,被告会社については労働契約上の債務不履行に基づき,被告Y2については会社法429条1項に基づき,逸失利益及び慰謝料等の損害賠償を求めるとともに,被告会社に対し,労働契約に基づき,症状固定後の賃金の支払を求める事案である(遅延損害金の請求は,損害賠償につき不法行為の日から民法所定の年5分,賃金につき各支払期日の翌日から商事法定利率による。)。
1 前提事実(当事者間に争いがないか,後掲括弧内の証拠等により容易に認めることができる事実)
(1) 当事者等
ア 被告会社は,惣菜を中心とした食品の加工・卸売業を営む株式会社であり,被告Y2は,後記(2)の事故の当時,その代表者であった者である。(争いがない。)
イ 原告(昭和34年○月○日生まれ,男性。甲5)は,平成23年7月,被告会社に入社したが,同年9月に一旦退職し,その後,平成24年8月中旬,被告会社にアルバイトとして採用され,被告会社の食品の営業や配達・納品といった業務に従事するようになった。(乙9,弁論の全趣旨)
ウ 原告と被告会社は,平成24年10月1日付けで,被告が原告にその営業業務を,委託料月額25万円で委託する旨の業務委託契約書(以下「本件業務委託契約書」という。)を作成した(原告と被告会社との間の契約が労働契約か業務委託契約かについては争いがある。)。(甲21,乙1)
エ 被告会社は,平成24年10月31日,原告に対し,原告が同月21日付けで作成した請求書に基づき,同年9月21日から同年10月20日までの業務代行費として,25万円を支払った。(乙7,8)
オ(ア) 被告会社は,原告に対し,平成23年8月分給与として,基本給21万円,固定給4万円,技能手当,能力手当及び通勤手当各1万円の合計28万円(欠勤及び源泉徴収控除前の総支給額)を支給した。(甲20)
(イ) 被告会社は,原告に対し,基本給21万円,固定残業給5万円,能力手当1万円の合計27万円(欠勤及び源泉徴収控除前の総支給額)とする平成24年12月分の給与明細を作成して交付した。(甲22)
(2) 本件事故
ア 平成24年10月31日午前8時半過ぎ頃,被告Y2は,本社工場に食品の運搬に来てその作業を終えた原告に対し,守口工場へ商品である惣菜(卯の花)を運搬するよう求めた。原告は,卯の花の入ったアルミ製の番重(ばんじゅう)(惣菜を入れる容器。空の状態で1個当たりの重量は約2.06kg。乙17の③)を軽トラックに積み込み,守口工場に向かった。
守口工場に到着した原告は,軽トラックを守口工場の搬入口近くに止め,黒台車(長方形の枠の四隅にキャスターの付いた取っ手のない台車。枠の中(中央部分)には大きく穴(開口部)が開いている。番重やプラスチックのコンテナを数段載せ,押して運搬する形で用いる。以下「本件台車」という。乙21の②,24の①)に,空の番重を1段載せ,その上に卯の花の入った番重(卯の花込みの重量は1個当たり13.44kg。乙12)を7段積み重ね,更に空の番重を1段重ねて,守口工場の搬入口に向かってこれを押し始めたところ,すぐに(同日午前8時50分頃),積み上げていた番重が進行方向に傾いて地面に落下しそうになった。原告は,これを支えようとして右腕を回したが,重みに耐えられずに転倒し,頭部等を強打した(以下,これを「本件事故」といい,原告が本件事故当時従事していた作業を「本件運搬作業」という。)。
(甲52,乙29,原告,被告Y2,弁論の全趣旨)
イ 本件事故当時,原告の使用していた本件台車及び番重の概要は,次のとおりである。
(ア) 本件台車(甲47の⑩,50,乙10,17の①②,24の①)
外寸 長辺730mm×短辺480mm
内寸 長辺715mm×短辺465mm
開口部 長辺約55cm×短辺約30mm
高さ 約15cm(キャスター込み)
積載荷重 200kg
(イ) 番重(乙17の③,24の②)
上部 長辺610mm×短辺385mm
取っ手部分を広げた場合の上部の長辺 約73cm
底面 長辺560mm×短辺338mm
高さ 131mm
ウ 番重は,積み重ねて用いることができる。番重の取っ手には,番重の底面の短辺の長さに合わせた凹凸がついており,両方の取っ手を内側に折り曲げ,番重の中に入った取っ手の上に更に番重を置くと,下の番重の取っ手の凹凸に上の番重の底面がはまり,また,上の番重の底面が下の番重の内部に位置することになるため,安定した重なりが得られる。(甲46,乙17の②④,弁論の全趣旨)
エ 本件台車は,「冷凍庫用コンテナ台車」という商品名で販売されており,その外枠にぴったり収まる(本件台車の内寸と同一の寸法で外寸が設計された)プラスチック製のコンテナを上に積載して使用することが予定されている。被告会社においても同コンテナを使用しているが,被告会社は,本件台車の上にコンテナを置き,その上に番重を入れて積み上げる形で,これらを運搬に使用している。コンテナの内寸は,長辺約675mm×短辺約425mmである。(甲26,乙10,17の②④,21の①②,22,弁論の全趣旨)
オ 本件台車にコンテナを載せ,番重を9段重ねると,地上からの高さは約119.5cmである。(乙17の④)
(3) 原告の負った傷害及び後遺症
ア 原告は,本件事故により,頭部打撲,頸髄損傷及び右片麻痺の傷害を負った。(甲4,5)
イ 原告は,次のとおり,入通院して治療を受けた。
(ア) 医療法人孟仁会摂南総合病院(甲5,6)
平成24年10月31日から平成25年1月26日まで入院(88日間)
(イ) 医療法人吉栄会吉川病院(甲9,10)
平成25年1月26日から同年4月3日まで入院(68日間)
同月4日から同年8月31日まで通院(150日間)
なお,治療費は,全額,労働者災害補償保険法に基づく療養補償給付として支給された(以下,労働者災害補償保険法に基づく給付を「労災保険法に基づく給付」という。)。(甲6,10,弁論の全趣旨)
ウ 原告の主治医は,平成25年8月9日をもって,次のとおり,原告の右下肢の症状が固定したものと診断した。(甲13,31)
傷病名 頸髄損傷及び右下肢不全麻痺
障害の状態 右前足部の感覚脱失,右足部感覚鈍麻,痺れ,筋力低下杖及び装具なしの歩行,長時間の歩行及び30分程度以上の座位の保持は困難。
エ(ア) 北大阪労働基準監督署長は,平成25年10月17日,原告の上記ウの後遺障害を5級12号と認定し,年金年額を128万6919円と決定した。(甲14)
(イ) 原告は,労災保険法に基づく休業補償給付として,合計115万5348円の支給を受けた。(甲15の①②④⑥⑦⑧)
(4) 原告は,本件事故以降,被告会社において就労していない。(弁論の全趣旨)
2 本件の争点
(1) 本件事故は被告会社の安全配慮義務違反によるものか否か(争点1)
(2) 原告と被告会社との法律関係(労働契約か否か)(争点2)
(3) 過失相殺の成否及びその内容(争点3)
(4) 被告Y2の責任の有無(争点4)
(5) 本件事故により原告に生じた損害(争点5)
(6) 原告の賃金請求の可否及びその内容(争点6)
3 当事者の主張
(1) 争点1について
(原告の主張)
ア 事故態様について
原告は,真ん中に穴の開いた本件台車に,コンテナを一つ載せ,商品入りの番重を,空の番重1段を含め9段積み上げた後,台車を動かして守口工場の搬入口に向かったところ,ほんの二,三秒したところで,突然,本件台車の車輪が路上の何かにぶつかってつっかえたような衝撃を感じたのとほぼ同時に,積み上げた番重が進行方向に傾き,地面に落下しそうになった。搬入口の手前はとりわけ険しい坂道になっており,その坂道を登りきる前に,番重が進行方向に傾き始め,原告が慌ててこれを支えようとしたが,番重ごと進行方向に向かって地面にもっていかれ,本件事故が発生した。
なお,原告には,本件台車に番重を積む前にコンテナを載せたかどうか明確な記憶はないが,運搬作業を行う際にはコンテナを載せることを習慣にしていたので,従前と同様に考えれば,本件事故当時も,コンテナを載せたと考えるのが自然である。
イ カゴ台車等を使用させるべき注意義務
被告らは,安全配慮義務として,従業員を運搬作業に従事させるに当たり,対象物の重さ,大きさ,高さ及び形状等並びに運搬場所の状況等を考慮した上,適切な運搬用具を選定・指定する注意義務がある。
本件において,被告らは,原告を含む従業員らに対し,番重等を運搬する用具として,本件台車ではなく,少なくとも,囲いのあるカゴ台車等を使用させる注意義務があった。
本件台車は,あくまでコンテナを積むために設計されたものであり,専らコンテナを荷積みして平坦な道を運搬するために利用されるべきものであったところ,本件事故の際,運搬対象はコンテナ1個のほかは番重9個であり,かつ,搬入口付近は険しい坂道になっていたのであるから,本件台車は運搬用具として不適切であった。また,番重は,積み重ねる場合に取っ手を内側に折り曲げる必要があるところ,下にある番重の取っ手が上の番重を支えるだけの構造であるため,容易に横ずれ等を起こして崩落する危険性を本来的に内在していた。カゴ台車であれば,横ずれ等が起きた場合でも,囲いがあるため,崩落の危険性は格段に減少する。
ウ 番重の積み上げを制限等すべく指示・指導すべき注意義務
仮に,本件台車を使用すること自体は許されたとしても,空の番重2個と卯の花入りの番重7個の重量が合計100kg程度になり,地上120cm程度の高さになること,また,上記イのとおり番重の積み重ね構造が本来的に危険を有していることからすれば,坂道を登りながらこれを押し運んでいく場合,押す力の強弱,押す場所,方向といった様々な要素に極めて慎重に配慮する必要があり,わずかでも配慮を欠けば,坂道という場所的状況も手伝って,たちまち崩落に直結するのであるから,被告らは,原告を含む従業員らに対し,例えば,番重を積み上げる際には三,四個程度に留めておくよう,積載方法を詳述した安全指導マニュアルを配布・掲示したり,積載可能な高さを記載したポスター等を工場内で掲示するなどして,徹底的に指示・指導する注意義務があった。
ところが,被告会社においては,地上約120cmの高さの運搬物を実際に運ぶことが常態化しており,被告らは,これを制限するどころか,運搬態様に関する具体的指導や助言は一切行わず,むしろ推奨・助長しており,上記注意義務を怠った。
エ 運搬作業に複数人員を手配すべき注意義務
被告らは,従業員を作業に従事させるに当たり,当該作業の難易度,複雑性や当該作業員の熟練度等に鑑み,人員を追加配置する必要性の有無を判断し,必要に応じて追加の人員を配置する注意義務があるところ,原告は,卯の花を大量に運搬するという本件運搬作業には慣れていなかったのであるから,被告らは,作業に熟練した従業員を1名補助者として付ける注意義務があったというべきである。
ところが,被告らは,慣れない原告に対し,突然一人で大量の卯の花を運搬するよう命じて,上記注意義務を怠った。
オ 被告らは,原告がコンテナを載せずに本件台車に番重を積んだことを前提に,その危険性を主張するが,卯の花入りの番重の重量は合計100kg以上あり,特段の衝撃がない限り,コンテナの有無にかかわらず,積み上げた番重が本件台車からずれることはない。原告が,本件台車,番重及びコンテナと類似するものを使用して行った再現実験においては,コンテナを外した状態で,本件台車と類似の台車で小石を轢過させようとしたところ,積んだ番重が傾倒しそうになったが,番重の取っ手部分の固定機能は頑丈で,これがストッパー代わりとなり,地面に転落するには至らなかった。
(被告らの主張)
ア 本件事故の態様について
本件事故は,原告が,中央に大きな開口部のある本件台車に,コンテナを載せずに番重を積んだために,番重が崩れて起きたものであり,専ら原告の過失によるものである。
すなわち,本件台車は,「冷凍庫用コンテナ台車」との商品名で,物流業者向けに,一人で行う搬送作業用の台車として広く販売されており,特に食品業界では一般的に広く流通しているものであるが,本件台車の内寸に合わせて規格されたプラスチック製のコンテナを載せることにより,安全な使用が可能となるので,本件台車とコンテナは一体として一つの運搬用具とみなされる。番重の大きさにそのままで適合する台車は市場に出回っていないため,被告会社は,本件台車にコンテナを敷いて,その上に番重を載せる方法で本件台車を使用しているが,これは他の食品会社も同じである。中央に大きな開口部のある本件台車に,コンテナを敷かずにそのまま番重を載せれば,番重が少しでもずれると容易に倒壊することは明らかであって,その危険は被告会社の従業員でなくとも容易に予測可能である。
そして,本件事故後,原告は,自らコンテナを載せていなかったために本件事故を起こしてしまった旨話しており,原告自身,その危険性を十分に認識していた。
イ カゴ台車等を使用させるべき注意義務について
食品製造業界では,本件台車の上にコンテナを積み,その上に番重を重ねて運搬することは広く行われている。また,本件事故現場である守口工場の搬入口付近は,緩やかなスロープではあるものの,本件台車による運搬に支障が生じるような勾配はない。
被告会社においては,昭和49年の創業以来40年以上にわたって本件台車を使用してきたが,本件台車による事故は一度も起きていないし,本件台車のメーカーも,本件台車による事故例の報告はないと述べており,被告会社における本件台車の使用方法の危険性は小さく,問題はない。
番重は,重ねた場合,上の番重が下の番重にはまり込む構造になっており,商品が入ればその重みで下向きの力が加わるから,容易に横滑りは生じない。
したがって,カゴ台車等を使用させるべき注意義務はない。
ウ 番重の積み上げを制限等すべく指示・指導すべき注意義務について
被告会社においては,新たに雇用された者に対し,例外なく入社後2か月間の研修期間を設け,その間に,被告会社の社内工場食品製造部や事務所において,食品の調理,商品の運搬,梱包等の内部作業を,現場の先輩に直接指導させるという内部教育制度を実施している。
被告会社の食品製造工場で製造される食品は,全て番重に詰められているところ,被告会社においては,これを移動させる際には,前記イのとおり,本件台車にコンテナを敷き,その上に番重を重ねるというルール,また,衛生上の観点から,最下段とその上には空の番重を置いて,その上に食品入りの番重を載せるというルールを徹底しており,さらに,被告らは,商品入りの番重は最高でも7段程度を限度とするように指導していた(なお,合計9段の積み上げを推奨していたのではない。)。被告らは,運搬する者の身長,体重,体格等に合わせ,各自の判断で,無理なく運搬が可能な範囲で番重を積み上げるよう指導していたのであり,被告会社の女性パート従業員は,空番重2段を入れて合計四,五段程度しか積まない場合がほとんどであって,十分な指導教育は行っていた。
したがって,原告の主張するような番重の積み上げを制限等すべく指示・指導すべき注意義務及びその違反はない。
エ 運搬作業に複数人員を手配すべき注意義務について
原告は,被告会社に入社する都度(したがって合計2回),研修を受け,日常的にも運搬業務を行っていたことに加え,被告会社に就職する前にも30年以上にわたり食品業に携わっていて,食品会社における番重を使用した商品搬送の実態等は熟知していた。したがって,原告は,本件事故当時,商品入りの番重の運搬作業に必要な知識やノウハウを十分に有していた。
また,被告会社では,運搬作業は,必要が生じたときに手の空いている者が行うというのが通常の業務の流れであり,運搬作業自体も一人で行うことが十分可能であるからこそ,一人で行うことが通常であったのである。
したがって,本件運搬作業に,複数の人員を配置すべき注意義務などあり得ない。
2 争点2について
(原告の主張)
原告と被告会社との間の契約は,労働契約である。
ア 原告は,平成24年8月中旬,被告会社にアルバイトとして雇用されたが,月額の固定給を受け取りたいと考え,被告会社にその旨の契約の締結を申し入れたところ,被告Y2が,業務委託の形で契約したいと希望し,同年10月初旬,形式上,業務委託契約書と題する書面(本件業務委託契約書)が作成された。
イ 原告は,本件事故当時,被告会社において,基本的に午前7時半から午後5時半までといった一定の時間帯において,本社工場や守口工場といった一定の場所を拠点に,被告会社の指示に従って,食品の営業や配達・納品といった業務に従事し,同業務に従事するに当たっては,被告会社所有・管理の施設や車両を使用し,個別の仕事の指示に対する諾否の自由もなかった。これらの事情は,本件業務委託契約書の作成の前後で変化はなかった。このように,原告と被告会社との間には,原告が労務提供全般にわたり被告会社の一般的な指揮監督を受ける関係があり,加えて,本件事故直前の平成26年10月21日付けで,原告につき雇用保険の対象とする手続がとられたことにも照らせば,原告と被告会社との契約は労働契約であるというべきである。
(被告会社の主張)
原告と被告会社との間の契約が労働契約であることは否認する。
ア 原告は,被告会社において,平成24年8月中旬以降アルバイトとして働き始めたが,同年9月度の原告の勤務日数が22日となったため,被告会社が原告に対し,この状況が続けば,雇用保険等の社会保険に加入する必要が生じる旨伝えたところ,原告は,日雇労働者の社会保険に加入しており,そのほうが保険料が安くなるので,被告会社における社会保険に加入したくない,アルバイトとして採用される前に個人事業に失敗して多額の負債を抱えていたり,妻と離婚しているなどの事情があることから,必要経費を算入して所得を低くして所得税額を減らし,また,養育費や借入れの返済の関係から,なるべく外部に所得を知られない形にしたいなどと述べ,被告Y2の拒絶にもかかわらず,自ら契約書を準備するので,業務委託契約を締結してほしいと強く嘆願した。
イ 原告が本件業務委託契約書による契約に基づく業務である食品営業業務を行うに当たり,原告には,営業先の選定や訪問時間等について広い裁量があり,厳格な拘束時間もない。原告は,被告会社において営業業務に従事する前にも,別会社において30年以上にわたり同種の業務に従事した経験を有し,十分な専門性と独自の営業ルートを生かして営業業務に当たっていたのであり,「○○」という屋号で個人事業を営んでいた。また,本件業務委託契約書の作成前は,工場内における作業等,被告会社内における全般的な業務に従事していたが,同書面作成後は,専ら外部への営業に従事しており,就労状況も変化している。被告会社の車両や施設を利用していたのは,被告会社が原告の求めに応じて許諾していたものであり,そのようにする義務はなかった。本件事故直前に被告Y2が原告に卯の花の運搬を依頼したことに,強要の要素は全くなく,食品会社として突発的な注文を日常的に受けるという被告会社の状況を理解していた原告に,車で5分程度の距離を運搬するという軽易な業務を依頼したにすぎない。
ウ 本件業務委託契約書における報酬の額は,被告Y2と原告との協議に基づき,原告の意向を酌んで決定されたものであり,その支払も,原告の作成した請求書に基づいて行われていた。
(3) 争点3について
(被告らの主張)
争点1について主張したとおり,原告は,中央に大きな穴の開いた本件台車に,あえてコンテナを載せずに番重を重ねて運搬した。このような原告の行動は,ずさんかつ被告会社の指示を無視したものであるとともに,通常予想し得ない極めて無謀かつ異常な行動であり,本件事故は専ら原告が招来したものである。よって,本件事故は全て原告の過失に基づくものであるから,10割の過失相殺がされるべきである。
(原告の主張)
争う。
(4) 争点4について
(原告の主張)
ア 被告Y2は,原告に対し,争点1について主張したような安全な作業方法を教育・指導せず,かつ,安全な運搬用具や補助人員の設置・配置・準備を怠ったまま,突如として,通常の業務における運搬量を著しく上回る量の番重を原告一人で運搬せざるを得ない状況を強引に作出したのであるから,不法行為に基づく損害賠償責任を負う。
イ 被告Y2は,原告に対し,争点1について主張したような安全な作業方法を教育・指導せず,安全な運搬用具や補助人員の設置・配置・準備義務を怠り,原告を本件運搬作業に従事させたのであるから,悪意又は重過失により上記注意義務に違反したものであり,会社法429条1項による取締役としての任務懈怠が認められる。
(被告Y2の主張)
争う。
(5) 争点5について
(原告の主張)
本件事故により原告に生じた損害は,次のとおりである。
ア 文書料 合計5万2070円
内訳 摂南総合病院 2万1930円
吉川病院 3万0140円
イ 通院交通費 合計1万8910円
ウ 休業損害 253万8000円
日額収入 9000円
本件事故発生の翌日(平成24年11月1日)から症状固定日(平成24年8月9日)までの休業日数 282日
エ 傷害慰謝料 250万円
オ 後遺障害逸失利益 2533万7480円
後遺障害等級5級(労働能力喪失率79%)
労働能力喪失期間 54歳に対応する平均余命28.11年の2分の1(ライプニッツ係数9.899)
基礎年収 本件業務委託契約書に基づく年間324万円
3,240,000×0.79×9.899=25,337,480
カ 後遺障害慰謝料 1440万円
キ 損益相殺
休業補償給付(ウの休業損害から控除) -160万9440円
障害補償年金(オの逸失利益から控除) -128万6919円
ク 弁護士費用 500万円
(被告らの主張)
否認する。
ア 文書料は,訴訟費用ないし弁護士費用に含めて考えるべきであり,別個の損害項目として認めるべきではない。本件で治療費は請求されていないので,診療報酬明細の取得の必要はない。
イ 休業損害について
(ア) 本件事故前3か月の実収入,すなわち,本件業務委託契約書に基づく契約が発効した平成24年9月21日から本件事故日までの収入34万5806円を同期間の日数41日で除した日額8484円を基礎とすべきである。また,仮に原告と被告会社との間に労働契約があることを前提とするならば,平成24年8月13日以降本件事故直前の締日である同年10月20日までの収入52万9000円を同期間の日数69日で除した日額7666円を基礎とすべきである。
(イ) 入院日数は154日,実通院日数は15日であるから,休業日数は合計169日を基礎とすべきである。
ウ 傷害慰謝料は,上記の入通院実日数合計169日を基礎とすると,200万円程度が相当である。
エ 後遺障害逸失利益について
(ア) 基礎収入の額について,休業損害と同様である。
(イ) 被告の就業規則によれば,被告会社の従業員の定年は満60歳の誕生日であり,定年後の継続雇用規程によれば,最長でも65歳までの再雇用が認められるにすぎない。原告は,最初に被告会社に雇用された際,病気療養を理由に退職していることから,継続雇用の要件を満たさない可能性が高く,その場合には63歳までの再雇用が認められるにとどまる。さらに,定年後再雇用における労働条件はその都度定めるとされているところ,定年後は嘱託社員に転換され,基本給の大幅な減少や賞与の停止,残業のないシフトへの転換等が行われることが通常である。これらの事情に照らせば,少なくとも,定年後67歳までの7年間については,基礎収入をそれまでの6割として計算すべきである。
オ 弁護士費用について,上記のとおり,原告の請求額は過大であり,500万円は相当額の範囲を超えている。
(6) 争点6について
(原告の主張)
ア 本件事故後,原告は,被告会社に対して労務の提供を行うことが不可能になったが,これは,被告会社の過失に起因する本件事故が原因である。
イ 原告と被告会社の間の労働契約においては,賃金月額を27万円,毎月20日締め28日払いとする合意があった。よって,原告は,同労働契約に基づき,次のとおり,賃金の支払を求める。
(ア) 症状固定日の翌日である平成25年8月10日から同年10月28日まで分 63万5806円
270,000÷31×11+270,000×2=635,806
(イ) 同月29日以降本判決確定の日まで 毎月28日限り27万円
ウ 少なくとも,後遺障害に係る逸失利益として評価されていない,労働能力非喪失割合(21%)相当分に満つるまでは,賃金請求が認められるべきである。
エ 原告は,その代理人を通じ,被告会社に対し,平成26年5月2日付けで,原告の病状を説明した上,被告会社において想定する職務内容を具体的に示すよう求め,労務の履行の提供を行った。これに対し,被告会社から何ら返答はない。
(被告会社の主張)
否認し,争う。
ア 本件事故は被告会社の過失によるものではなく,また,原告と被告会社との間の契約は労働契約ではない。
イ 原告の労働能力喪失率は79%であり,労務の提供自体は可能な状態にある。症状固定日以後の得べかりし賃金は,後遺障害逸失利益として評価されており,賃金請求と同逸失利益に係る損害賠償請求とは両立しない。
ウ 被告会社は,原告の労務提供を拒絶したことは一切なく,逆に,原告に対し,被告会社代理人を通じてその職場復帰を求める連絡をしている。他方,原告からは,労務提供について何らの申出もなく,賃金請求権は発生しない。
第3 当裁判所の判断
1 争点1について
(1) 認定事実
前記前提事実並びに掲記の各証拠及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
ア 本件台車の中央には開口部があり,本件台車は,この開口部を塞ぐために,まず本件台車の内寸に合わせて製造されたコンテナを置いて使用することが想定されている。本件台車には取っ手等はなく,その上に積み上げた積載物を押す形で移動させる。被告会社に入社した従業員は,本件台車で番重を運ぶ際には,まずコンテナを載せ,その上に番重を積むことを教えられており,原告も,平成23年に最初に被告会社に入社した際,先輩従業員にその旨を言われていた。(乙29,30の①ないし〈21〉,原告,被告Y2)
イ 本件台車の取扱説明書には,「特に注意していただきたいこと」として,次の記載がある。(甲50)
・ 最大積載荷重以上の荷積みをしないでください。過積はPXカートの損傷を引き起こすばかりでなく,荷崩れによる事故を起こす原因になりますのでおやめください。
・ 積載するコンテナーは本体(合板)の内側(内寸)にしっかり嵌合するものを御使用ください。大きくて本体(合板)よりはみだすコンテナーや,小さくて内側でガタつくコンテナーは荷崩れや転倒事故の原因になりますので載せないでください。
(中略)
・ 前方が見えないほど高く積まないでください(全高1.5mが目安です)。
・ PXカートにコンテナーを積むときは,平坦な場所でゆっくりと積んでください。
・ PXカートにはストッパーがついておりませんので,平坦面以外での保管・放置はおやめください。
ウ(ア) 被告会社においては,真空冷却器という機械に食品を搬入する目的で,車輪の付いた運搬用具として本件台車を使用し始めた(本件台車は,商品名が「冷凍庫用コンテナ台車」である。)ものであるが,当該冷却器に本件台車を用いて食品を搬入するためには,番重を9段重ねた高さが限界である。
(イ) 被告会社の従業員らは,積み上げが許される番重の段数について,衛生上の観点から最下段に積む空の番重を含めて合計8段又は9段と認識している。
(以上につき,乙28,29,30の①,④,⑤,⑦ないし⑨,⑪ないし⑬,⑮ないし〈21〉,被告Y2)
エ 番重は,取っ手を内側に折り曲げた状態で重ねると,番重の内側に入った取っ手の凹凸に上に重ねた番重がはまり,安定した重なりが得られ,また,番重の中に入れられた惣菜の重量もあることから,多少の振動では容易に崩れることはない。(前提事実(2)ウ,甲46,弁論の全趣旨)
オ 被告会社においては,創業から41年余りにわたり,従業員が一人で食品の運搬を行う際の運搬用具として本件台車と番重を用いており,従業員らも日常的に合計9段程度番重を積み重ねて運搬作業を行っているが,本件と同様の事故が発生したことはない。また,本件台車について,製造業者に事故の報告が寄せられたことはない。(甲47の⑩,50,乙23,29,30の①ないし〈21〉,原告,被告Y2,弁論の全趣旨)
(2) 判断
ア カゴ台車等を使用させるべき注意義務について
(ア) 原告は,本件台車は積み重ねた番重を運搬する用具としては不適切であり,被告らにおいて,原告に対し,番重を運搬する際には囲いのあるカゴ台車を使用させる注意義務があったと主張し,その理由として,①本件台車は,コンテナを積載するために設計されたものであること,②本件台車は,平坦な道での運搬作業に用いるべきところ,守口工場の搬入口付近は険しい坂道になっていたこと,③番重は,下の番重の取っ手が上の番重を支えるだけの構造であるため,容易に横ずれを起こすことを挙げる。
(イ) しかしながら,①の点についてみると,確かに,本件台車の取扱説明書(甲50)には,本件台車にコンテナのみを数段積載した例の写真が掲載されているが,他方,その注意書きには,本件台車の本体からはみ出したり,小さすぎて内側でがたつくコンテナでは,荷崩れや転倒事故の原因になるので,本件台車の内寸にしっかりはまるコンテナを使用するようにとの記載があることが認められ(認定事実イ),これによれば,開口部が適当なコンテナによって十分に塞がれ,かつ,その上の積載物に安定性がある限り,本件台車の使用方法として危険であるとは認められない。これに加え,番重は積み重ねて使用することを想定して設計されており,食品を入れて番重を積み重ねた状態には一定の安定性があること(認定事実エ),被告会社において,本件台車に番重を積んで運搬する際,これが崩落して事故が起きたことはなく,製造会社にも事故報告は寄せられていないこと(認定事実オ)といった事情をも併せ考慮すれば,本件台車が番重を積み重ねて運搬するための用具として危険かつ不適切であるということはできない。
(ウ) 次に,②の点についてみると,確かに,認定事実イのとおり,本件台車の取扱説明書には,荷積みをするときは平坦な面で行うこと,平坦面以外での保管・放置はしないことという注意書きがあることが認められる。しかしながら,同時に,証拠(甲46,50)によれば,かかる注意は本件台車の車輪にストッパーがついていないため,本件台車の車輪が勾配により回転し,本件台車がひとりでに移動することのないようにという趣旨で付されたものであると認められる。そして,証拠(乙21の①②,22)及び弁論の全趣旨によれば,本件事故が起きた守口工場の搬入口付近には,若干のスロープがついていることが認められるものの,当該スロープは決して長いものではない(乙21の②の写真上,スロープの長さは,本件台車の長辺の長さから推測しても2m前後と窺われる。)上,その上に本件台車を置いて番重を積み上げていっても,動いていく様子もないことが認められる。加えて,本件事故において,番重は,原告の主張する勾配の下り坂方向に滑り落ちたのではなく,進行方向すなわち勾配の上り坂方向に落下していったのであり(前提事実(2)ア),本件事故現場に勾配があったことが本件事故の原因であるとも認め難いことをも併せ考慮すれば,原告の指摘する本件事故現場の勾配が,本件台車を動かす作業に危険性を生じさせるほどのものとは認められず,本件台車が,本件事故現場における運搬作業に不適切なものであったということはできない。
(エ) さらに,③の点についてみると,認定事実エのとおり,番重は,取っ手を内側に折り曲げて重ねると,取っ手の凹凸に上の番重の底面がはまることで安定した重なりが得られ,また,重ねた番重は惣菜の重みで容易に移動することがないことに照らせば,重ねた番重が容易に横ずれを起こすので,囲いのない本件台車が運搬用具として不適切であるということはできない。
(オ) 以上によれば,重ねた番重を運搬するのにカゴ台車を使用させる注意義務があったとする原告の上記主張は,採用することができない。
イ 番重の積み上げを制限等すべく指示・指導すべき注意義務について
(ア) 原告は,本件運搬作業において原告が本件台車に積んだ番重合計9段の重量が合計100kg程度,高さが120cm程度に達し,また,番重の積み重ね構造が本来的に危険を有しているとして,番重を積み重ねる段数を合計三,四段に制限すべく徹底的に指示・指導する注意義務があったと主張する。
(イ) しかしながら,アにおいて検討したとおり,コンテナを敷いた上で作業を行う限り,本件台車に番重を合計9段積み上げた状態で異動させた場合,番重が容易に崩落する現実的な危険性があるとは認められない上,本件台車の取扱説明書には,積載重量について最大荷重(200kg)を超えないようにすること,高さについて前方が見える程度(150cmが目安)に留めることといった注意書きがあるところ(認定事実イ),卯の花入りの番重を合計9段積み上げた状態での運搬がかかる注意書きに反するものではないことをも併せ考えれば,崩落の危険を避けるために,番重を積み重ねる段数を三,四段に制限する必要があったと認めることはできない。
ウ 以上によれば,原告の上記主張は,採用することができない。
(3) 運搬作業に複数人員を手配すべき注意義務について
ア 原告は,原告が卯の花を大量に運搬するという本件運搬作業に慣れておらず,作業に熟練した従業員を1名補助者として付ける注意義務があったと主張する。
イ しかしながら,被告Y2は,卯の花を本件台車で一度に運搬するよう指示したわけではないし,原告も,運搬を命じられた卯の花を一度に運搬しようとしたのでもなく,本件事故が,運搬を命じられた惣菜の量が多かったことによるものと認めることはできないし,証拠(乙29,原告,被告Y2)によれば,原告自身,本件台車を用いた運搬作業を行った経験が全くないわけではなく,平成23年の最初の入社時に,先輩従業員から,本件台車による運搬の際にはコンテナを敷かなければならないことも聞かされていたことが認められる。さらに,前記のとおり,コンテナを敷いている限り,原告が本件事故の際に行った,番重合計9段を積み上げた状態での運搬作業において,番重が容易に崩落する現実的危険は認められないこと,被告会社において本件台車を用いた運搬作業は一人で行われており,特段の事故が発生したこともなかった(認定事実オ)ことに照らせば,本件台車を用いた運搬作業に補助者を付ける注意義務があるということはできず,原告の上記主張は,採用することができない。
(4) 以上によれば,本争点に関する原告の主張は,いずれも採用することができず,被告会社において安全配慮義務の違反は認められず,また,被告Y2の責任も認められない。
したがって,その余の点について検討するまでもなく,原告の損害賠償請求は,いずれも理由がない。
2 争点6について
(1) 前記1において検討したところによれば,原告の就労不能が,被告会社の安全配慮義務違反によるものとは認められない。
(2) 原告は,症状固定後,被告会社に労務の履行を提供したが,被告会社がその受領を拒んでいると主張して賃金請求をするところ,前記前提事実に,掲記の証拠等を総合すると,次の事実が認められる。
ア 原告代理人と被告会社代理人は,平成26年3月19日,原告の職場復帰に向けて協議を行い,被告会社は原告に対し,取引先に対する製品の企画書・仕様書等の作成補助,工場排水の届出等の行政文書の作成補助等の業務を担当してほしい旨伝えた。(乙19の①)
イ 原告代理人は,同年5月2日,被告会社代理人に対し,原告が,右下肢麻痺等のため,杖・装具なしでは歩行が困難で,30分以上の座位も保持できない状態にあるとした上,原告の症状に見合った業務内容として具体的に想定しているものを示されたい旨の文書をファクシミリで送信した。(甲25の①②)
ウ 被告会社代理人は,同年6月20日,原告代理人に対し,上記イのような状態であれば,上記アの業務を行うことは著しく困難と考えること,被告会社においては,上記アのような書類作成業務を含む事務職のほかには,食品工場での製造加工を行う製造職か営業職しかないこと,かかる状況を踏まえ,原告としての対応を検討されたい旨を記載した文書をファクシミリで送信した。(乙19の①②)
エ 被告会社代理人は,同年8月8日付けで,原告代理人に対し,上記ウの文書に対し,原告代理人からは口頭で不可能との回答があっただけであり,かかる状況では,被告会社としては,被告会社には原告が行うことのできる業務はなく,原告の就労は不可能と判断し,原告との間の業務委託契約の解除又は解雇を行わざるを得ないが,原告が復職を希望するのであれば,書類作成等の事務作業(代替措置として提案する軽作業)でも構わないので復職してほしいと考えている旨,被告会社としては,原告の意向を直接確認したいので,原告本人と面談をさせてほしい旨を記載した文書を送付した。(甲20の①②)
オ 原告代理人は,同年9月4日,被告会社代理人に対し,エの文書において提案するという作業の具体的内容を教示願いたい旨の文書をファクシミリで送信した。(甲34の①②)
(3)ア 上記(2)の認定事実によれば,①原告と被告会社は,原告に,右下肢麻痺等の後遺障害が残り,杖・装具なしでの歩行のみならず,30分以上の座位の保持も困難であるという状況を前提に,原告の復職に向けた交渉を行ったこと,②被告会社は,原告に対し,原告が本件事故以前に従事していた業務ではなく,特定の種類の書類の作成補助等の歩行を要しない業務を提示したこと,③これに対し,原告からは不可能であるとの回答があったこと,④被告会社は,③の回答を踏まえ,被告会社としてはこれ以上提案できる業務はないと回答する一方,原告が復職を希望する限り,事務作業ないし代替措置として提案する軽作業でもよいので復職願いたいと考えているとして,原告本人の意向を直接聞く機会を希望したこと,⑤これに対し,原告代理人は,被告会社が想定している業務内容を具体的に教示してほしい旨の文書を送信したことが認められる。
イ 上記アに指摘した経過によれば,被告会社は,原告の病状に鑑み,可能な限り原告が履行できそうな業務を検討して提案したものの,原告においてその履行が不能である旨の回答が返ってきたことから,もはや原告に提供できる業務はないとの判断に至ったものと認められ(上記(2)エの文書全体の趣旨からすると,被告会社としては,被告会社が当該時点で提案している事務作業を原告が行うことができないとしても,原告と直接面談する中で,原告が行うことが可能な何らかの業務を見出すことができないかを探りたいと考えていたものと推認され,上記(2)エの文書における「代替措置として提案する軽作業」との記載は,「被告会社が独自に考えて代替措置として提案する軽作業」という意味ではなく,被告会社が当該時点で提案している事務作業はできないが,原告において可能と考えられる別の,あるいはより特定された作業という趣旨と解される。),上記の経過に照らし,かかる判断が不合理なものとは認められない。
そうすると,仮に原告と被告会社との間の契約が労働契約であるとしても,原告が症状固定後に就労していない原因が,被告会社の責めに帰すべき事由による(民法536条2項)ということはできないから,原告の賃金請求権は発生しない。
(4) 以上によれば,原告の症状固定後の賃金請求も理由がない。
第4 結語
以上のとおり,原告の請求はいずれも理由がないから,これらを棄却することとして,主文のとおり判決する。
(裁判官 笹井三佳)
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