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裁判年月日 平成29年 2月22日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平28(ワ)11395号・平28(ワ)18565号
事件名 損害賠償請求本訴事件、損害賠償請求反訴事件
裁判結果 請求棄却(本訴)、認容(反訴) 文献番号 2017WLJPCA02228016
要旨
◆不動産の売買、賃貸、仲介及び管理等を目的とする株式会社である原告が、不動産の売買、交換、賃借及びその仲介並びに所有、管理及び利用等を目的とする被告CP社との間の本件物件の売買契約(本件売買契約)につき、売主である被告CP社及びその媒介をした被告LH社に説明義務違反があったとして、被告らに対し、債務不履行又は共同不法行為に基づき、損害賠償金等の連帯支払を求めた(本訴)ところ、被告CP社が、本件売買契約は原告の代金不払により解除されたとして、原告に対し、約定違約金1450万円から既払の手付金1000万円を控除した残額である450万円等の支払を求めた(反訴)事案において、被告らが原告主張の各事項について原告に説明すべき義務を負っていたとはいえないとして、本訴請求を棄却する一方、本件売買契約は原告の残代金の不払を理由として解除されたから、原告は本件売買契約所定の違約金の残額を遅滞なく支払うべきであるとして、反訴請求を全部認容した事例
出典
参照条文
民法415条
民法541条
民法543条
民法709条
民法719条
裁判年月日 平成29年 2月22日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平28(ワ)11395号・平28(ワ)18565号
事件名 損害賠償請求本訴事件、損害賠償請求反訴事件
裁判結果 請求棄却(本訴)、認容(反訴) 文献番号 2017WLJPCA02228016
平成28年(ワ)第11395号 損害賠償請求本訴事件
平成28年(ワ)第18565号 損害賠償請求反訴事件
東京都港区〈以下省略〉
本訴原告・反訴被告 株式会社エース・コーポレーション(以下「原告」という。)
同代表者代表取締役 A
同訴訟代理人弁護士 山本悟
川崎市〈以下省略〉
本訴被告・反訴原告 株式会社カーパーク原宿(以下「被告カーパーク」という。)
同代表者代表取締役 B
同訴訟代理人弁護士 高井章吾
同 木元哲朗
東京都渋谷区〈以下省略〉
本訴被告 株式会社エルハウス(以下「被告エルハウス」という。)
同代表者代表取締役 C
同訴訟代理人弁護士 西尾則雄
同 西尾雄一郎
同 萩原建太郎
主文
1 原告の本訴請求をいずれも棄却する。
2 原告は,被告カーパークに対し,450万円及びこれに対する平成27年1月25日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
3 訴訟費用は,本訴反訴を通じ,原告の負担とする。
4 この判決は,第2項に限り,仮に執行することができる。
事実及び理由
第1 請求
1 本訴
被告カーパーク及び被告エルハウス(以下「被告ら」という。)は,原告に対し,連帯して2953万0534円及びこれに対する平成28年2月17日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
2 反訴
主文第2項と同旨
第2 事案の概要
本件本訴は,原告が,原告と被告カーパーク間の別紙物件目録記載の物件(以下「本件物件」という。)の売買契約(以下「本件売買契約」という。)につき,売主である被告カーパーク及びその媒介をした被告エルハウスに説明義務違反があったとして,被告らに対し,債務不履行又は共同不法行為に基づき,損害賠償金2953万0534円及びこれに対する被告らに対する訴状送達の日の翌日である平成28年2月17日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の連帯支払を求めた事案である。
本件反訴は,被告カーパークが,本件売買契約は原告の代金不払により解除されたとして,原告に対し,約定違約金1450万円から既払の手付金1000万円を控除した残額である450万円及びこれに対する上記解除の日の翌日である平成27年10月25日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
1 前提事実(当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)
(1) 当事者
ア 原告は,不動産の売買,賃貸,仲介及び管理等を目的とする株式会社である(甲1)。
イ 被告カーパークは,不動産の売買,交換,賃借及びその仲介並びに所有,管理及び利用等を目的とする株式会社である(甲2)。
ウ 被告エルハウスは,不動産の売買,交換,賃借及びその代理,媒介等を目的とする株式会社である(甲3)。
(2) 本件売買契約の締結(甲7)
原告は,平成27年2月9日,被告エルハウスの媒介により,被告カーパークとの間で,本件物件を代金1億4500万円で購入する旨の本件売買契約を締結し,同日,被告カーパークに対して手付金1000万円を,被告エルハウスに対して媒介手数料の半額である231万5940円を支払った(甲10,11)。
原告及び被告カーパークは,本件売買契約において,一方の債務不履行による契約解除に伴う損害賠償額は売買代金の10%相当額である1450万円とすること,原告の債務不履行により被告カーパークが本件売買契約を解除した場合に違約金の額が支払済みの金員を上回るときは原告がその差額を遅滞なく支払うことについて合意をした(売買契約書第16条)。
(3) 売買残代金支払期日の延期
本件売買契約において,残代金1億3500万円の支払期日は平成27年3月31日と定められていたが,原告及び被告カーパークは,被告エルハウスの立会いの下,①同月17日付けの合意書(甲12。以下「本件合意書」という。)をもって,上記支払期日の延期に合意し,原告は残代金のうち500万円を中間金として同年4月30日に,その余の1億3000万円を同年5月31日に支払うことを約し,次いで,②同月30日付けの確認書(甲37,乙3)をもって,上記延期後の支払期日を更に延期することとし,その期日については改めて売主・買主協議の上決定することとした。
(4) 本件売買契約の解除の意思表示
ア 原告は,平成27年9月15日付けの内容証明郵便をもって,被告カーパークに対し,被告らの説明義務違反により本件売買契約は履行不能となったとして,本件売買契約を無催告で解除する旨の通知をし,被告カーパークは同月17日にこれを受領した(甲18の1,2)。
イ 被告カーパークは,同年10月9日付けの内容証明郵便をもって,原告に対し,売買代金残額1億3500万円の支払を催告するとともに,14日以内に支払がない場合には本件売買契約を解除する旨の通知をし,原告は同月10日にこれを受領した(甲17,乙4)。しかし,原告は現在に至るまで上記残代金の支払をしていない。
2 争点及びこれに関する当事者の主張
(1) 被告らの説明義務違反の有無(争点1)
【原告の主張】
ア 原告は本件物件を時間貸駐車場として使用して収益を上げる目的で購入したものであり,被告らはこのことを認識していたところ,本件物件を時間貸駐車場として使用するにはaマンション(以下「本件マンション」という。)の管理組合法人(以下「本件管理組合」という。)の許可を得ることが必要不可欠であったことから,被告カーパークと本件管理組合との関係性はこれらに影響を及ぼすものであった。そして,本件物件を時間貸駐車場として使用するには構造上の問題があり,また,本件物件の消防用設備(以下「本件消防用設備」という。)は全面改修が必要な状態であったところ,被告らはこれらの事情も認識していた。
イ こうした事実関係の下では,被告らは,売買契約及び媒介契約に付随する信義則上の義務として,①被告カーパークないしその代表者等と本件管理組合との間には,本件売買契約の締結以前に管理費等の滞納を理由とする訴訟が係属していたことがあり,被告カーパークと本件管理組合との間の関係性が回復していないこと(以下「説明事項①」という。),②本件物件には本件マンションの内部につながる通用口が存在し,上記通用口の封鎖は消防法上不可能であること,地上から本件物件に車両を使用して出入りするためには共有部分のスロープを使用する必要があること,本件物件を時間貸駐車場として使用するには,地上の歩行者に対して本件物件への車両の出入りについて注意喚起をするために,本件物件が時間貸駐車場として使用されていることを示す看板を歩行者が視認できる位置に掲出することが必要であること,駐車スペースが不足することといった構造上の問題があることから,本件物件は時間貸駐車場として収益物件にすることができない物件であること(以下「説明事項②」という。),③本件消防用設備は,新築以来全く整備されておらず,全面的な改修が必須の状況にあり,消防署からも改善を強く求められ,少なくともその整備費用に800万円以上を要すること(以下「説明事項③」という。)について原告に説明すべき義務を負っていたといえる。
ウ ところが,被告らは,説明事項①~③について一切説明しておらず,上記説明義務を怠ったものである。
【被告らの主張】
原告の主張は否認し,争う。以下のとおり,被告らに説明義務違反はない。
ア 被告カーパークないしその代表者等と本件管理組合との間には,本件売買契約の締結以前に管理費等の滞納を理由とする訴訟が係属したことがあったが,これらの訴訟は,被告カーパークと本件管理組合との間の問題であり,原告に対して何らかの影響を及ぼすものではないから,上記訴訟の存在について原告に説明すべき義務はない。また,原告が被告カーパークに対し,本件売買契約の締結に際して,本件物件を時間貸駐車場として使用するための許可を本件管理組合から得ることを本件売買契約の停止条件としたい旨の要望を述べたのに対し,被告カーパークはこれを拒絶し,被告らが本件管理組合との交渉に協力する旨を約するに止めたという経緯からすれば,被告カーパークと本件管理組合との関係性が本件売買契約を締結するか否かに関する原告の判断に影響を及ぼすものとはいえない。さらに,原告は,本件物件を時間貸駐車場として使用する計画が白紙となった後に残代金支払期日の延期等を内容とする本件合意書を締結したのであるから,本件物件を時間貸駐車場として使用することについての本件管理組合の許可を得られるか否かが原告にとって重要なことであったとはいえない。よって,被告らが説明事項①について原告に説明すべき義務を負うものではない。
イ 原告は,本件物件を時間貸駐車場として使用して十分な収益を上げることはできないことが明らかとなった後にも,前提事実(3)のとおり売買代金の支払期日の延期を申し入れるなど,本件物件を時間貸駐車場以外の用途として使用することを検討していたのであるから,本件物件を時間貸駐車場として使用することが本件売買契約の前提条件になっていたとはいえず,本件物件を時間貸駐車場として使用できるか否かが原告にとって本件売買契約を締結するに当たっての重要な事項であったともいえない。また,被告らが原告に対して本件物件が時間貸駐車場として使用できるものであることを保証したことはなく,被告らが本件売買契約の締結以前に本件物件が時間貸駐車場として使用することができないことの認識もなかった。よって,被告らが説明事項②について原告に説明すべき義務を負っていたとはいえない。
ウ 被告エルハウスは,原告に対し,本件売買契約に先立ち,平成3年9月から同26年4月までの間は本件消防用設備の点検をしていないこと,本件消防用設備の整備が必要であり,その費用に889万3700円を要することについて説明した上で,本件消防用設備の整備費用に関する見積書(丙1。以下「本件見積書」という。)を交付しており,原告も自らが本件消防用設備の整備を実施することについて了解していた。原告及び被告カーパークが締結した本件合意書においても,原告が本件消防用設備の整備に着手することについて合意がされており,このことからしても,被告らが,本件売買契約に先立ち,原告に対し,本件消防用設備の整備が必要であること等について十分な説明をしたことが推認される。よって,被告らは,説明事項③に関する説明義務を果たしており,説明義務違反はない。
(2) 原告の損害(争点2)
【原告の主張】
原告は,被告らの説明義務違反によって以下の損害を被った。
ア 被告カーパークに対して支払った手付金 1000万円
イ 被告エルハウスに対して支払った仲介手数料 231万5940円
ウ 本件売買契約の契約書に貼付した収入印紙代の半額 3万円
エ 本件売買契約で合意された違約金 1450万円
本件売買契約所定の違約金は1450万円であるところ,本件は不法行為事案であると同時に被告らによる付随義務違反も存在し,契約解除が可能であることからすると,上記違約金相当額の損害賠償請求も可能というべきである。
オ 弁護士費用 268万4594円
本件は,被告らが告知すべき事実を故意に告げなかったという共同不法行為の事案でもあるところ,原告は,上記共同不法行為と相当因果関係を有する弁護士費用として268万4594円の損害を被ったものである。
【被告らの主張】
原告の主張は争う。
第3 当裁判所の判断
1 認定事実
前提事実(第2の1)に証拠(甲15,16,乙6,丙3,証人D,原告,被告カーパーク及び被告エルハウス各代表者のほか,以下に掲記のもの)及び弁論の全趣旨を総合すれば,以下の事実が認められる。
(1) 本件物件は,昭和54年2月に新築された本件マンションの地下駐車場部分であるが,専有部分とされ,本件マンションの分譲業者である株式会社宮庭商事が原始的に区分所権を有していた。その後,平成3年に被告カーパーク代表者外3名に売却され,平成19年7月31日,被告カーパークに売却された(乙5)。
被告カーパークは本件物件を月極駐車場として使用収益しており,被告エルハウスがその賃貸管理を行っていた。本件物件には,もともと34台分の駐車区画が設けられており,このうち14台分(7台×2)は地上と地下に自動車を置くことができる機械式駐車場であったが,地下部分は機械設備の故障で使えなくなっており,使用可能実数は27台分で,賃料収入は月額合計120万円程度であった。
(2) 平成26年5月,被告カーパークが本件物件の消防法に基づく法定点検を行ったところ,泡消火設備が「不良」と判定され,ポンプ等一式オーバーホールが必要とされた。被告カーパークは,同月14日付でその旨が記載された渋谷消防署長宛ての点検結果報告書(甲8)を提出した。この結果を受けて,被告カーパーク代表者が本件消防用設備(泡消火設備)是正工事の見積りをとったところ,同年8月3日付けで見積額を889万3700円とする本件見積書(丙1)が示された。このような経緯もあり,同年11月頃,被告カーパークは,本件消防用設備を是正しなければならない負担付きで本件物件を売りに出すこととし,被告エルハウスにその仲介を依頼した。被告カーパークは,この是正工事に必要な金額は実質的に売買代金の減額という形で買主との間で調整されるものと考えており,被告エルハウスもそのような事情は知悉した上で仲介に当たった。
(3) 原告は,被告エルハウスが掲出していた本件物件に関する物件情報広告(甲4)を見て,平成27年2月3日,被告エルハウスに対して本件物件に関する問合せをした。翌同月4日,被告エルハウスは,本件物件の検分に来た原告代表者に対し,本件物件の評価証明書,登記事項証明書,公図,建物図面,地積測量図等の関係書類とともに,本件見積書を交付し,本件物件は本件消防用設備の是正工事が必要であり,そのために見積額(889万3700円)程度の費用が見込まれるという説明をした。
(4) 原告代表者は,以上の説明を聞き,その後数回の現地検分を踏まえ,b駅徒歩1分という立地を生かして本件物件を時間貸駐車場に変更して使用するという事業計画の下,本件物件を購入することを決め,被告エルハウスにその旨を伝えた。
もっとも,本件物件は,もともと居住者用の駐車場として設計されていたこともあり,駐車区画を概ね2台ごとに区切る柱の間隔には余裕がないところ,本件物件を時間貸駐車場に変更しようとした場合,各駐車区画に自動精算機の設備を設置するスペースが余分に必要となり,現在と同じ台数分の駐車区画を確保することができなくなってしまう構造であった。原告代表者は,数回にわたる現地検分で本件物件の構造を確認したが,上記の問題を認識するに至らなかった。
(5) ところで,本件物件には本件マンションの内部につながる通用口が存在するところ,本件物件を時間貸駐車場とした場合には,上記通用口を封鎖しなければ本件マンションの住人以外の第三者が本件マンションの内部に入ることが可能となってしまうが,上記通用口の封鎖は消防法上不可能であった。そして,地上から車両を使用して本件物件に出入りするためにはスロープを使用する必要があるところ,このスロープは本件マンションの共有部分であり,また,地上の歩行者に対して本件物件への車両の出入りについて注意喚起をするために,本件物件が時間貸駐車場として使用されていることを示す看板を歩行者が視認できる位置に掲示する必要があったことから,本件物件を時間貸駐車場として使用するためには,上記スロープの使用及び上記看板の掲示について本件管理組合の許可を得ることが必要であった。
原告代表者は,上記の問題点を認識の上,平成27年2月8日,被告エルハウスを通じて,被告カーパークに対し,「本件物件を時間貸駐車場として使用する許可を本件管理組合から取り付けること」を本件売買契約の停止条件とすることを要望した(甲5)。これに対し,被告カーパークは,管理組合という第三者の判断に左右される不確実な事項を契約内容に持ち込まれたくないと考え,この提案を拒否した。その上で,原告及び被告らが協議の上,停止条件ではなく,被告らが上記許可を取り付けるための「協力」をするという限度で,両者の合意事項とすることにした。
また,売買代金額については,上記物件情報広告では1億5000万円とされていたところ,予想よりも諸費用がかかることが判明し困っているという原告からの要請に被告カーパークが譲歩して,最終的に1億4500万円と合意された。
(6) 以上のような契約交渉を経て,平成27年2月9日,原告は,被告エルハウスから重要事項説明書(甲6)の交付を受け,その記載内容の説明を受けた上で,被告カーパークとの間で本件売買契約を締結した。この重要事項説明書には,「平成3年9月以後は,平成26年5月14日に消防用設備等の点検を実施し,渋谷消防署に報告しました。」,「現状有姿にて引渡します。」,「買主は本物件を収益アップして保有する事を目的として購入するものであり,その為に一部を時間貸駐車場として使用する事を想定しています。ついては,売主及び媒介人は時間貸駐車場として使用する許可を管理組合から取り付ける為の協力をするものとします。」との記載がある。
(7) 本件売買契約の締結以前に,本件管理組合と,被告カーパーク代表者外3名との間で1度,被告カーパークとの間で1度,本件マンションの管理費等の滞納を理由に訴訟が係属したことがあったが,これらの訴訟は本件売買契約の締結前にいずれも裁判上の和解により終局していた。また,被告カーパークは,本件売買契約の締結時点において,修繕積立金の一部の支払を滞納していたが,その事実自体は重要事項説明書中で開示されている上,この滞納額は原告から支払われる手付金を原資として解消することが予定されていたものであり,実際にも原告から支払われた手付金を原資として上記滞納は解消され,これにより被告カーパークの管理費等の滞納は全て解消された。
(8) 原告は,平成27年3月初旬,専門業者3社に対し,本件物件を時間貸駐車場として使用する場合の問題点の調査とその場合の収益の見積りを依頼したところ,上記(4)のとおり,本件物件を時間貸駐車場に変更した場合には現在と同じ台数分の駐車区画を確保することができず,原告が想定する収益を上げることはできないことが判明した。
(9) 本件管理組合は,被告カーパークに対し,平成27年3月12日付けの内容証明郵便(同月13日到達)をもって,本件消防用設備の是正工事を求めるとともに,これに直ちに着手しない場合には訴訟提起に及ぶ旨の通告をした(甲13,19)。そして,同月27日,原告を本件管理組合,被告カーパークを被告とする消火設備設置維持請求事件が東京地方裁判所に提起された(乙1)。
(10) 本件売買契約上,残代金1億3500万円の支払期日は平成27年3月31日と定められていたが,原告は資金手当てをすることができず,被告カーパークに支払期限の延期を申し入れ,前提事実(3)のとおり,同月17日付けの本件合意書及び同月30日付けの確認書をもって,2回にわたって期限の猶予を得たが,その後も残代金の支払がないまま推移した。なお,原告は,本件合意書(甲12)中で「売買物件(駐車場)の防火設備の整備について,買主は売買残代金支払日から1年以内に着手する」ことを被告カーパークに約した。
(11) 被告カーパークは,前提事実(4)イのとおり,本件売買契約を解除した上で,平成27年12月に本件物件を第三者に売却したが,その代金は1億4000万円とされ,本件売買契約よりも500万円減額せざるを得なかった。
2 争点1(被告らの説明義務違反の有無)について
(1) 説明事項①について
説明事項①の説明義務違反の有無について検討するに,本件売買契約の締結時において,被告カーパークと本件管理組合との間で管理費の滞納その他の区分所有関係に起因する訴訟が現に係属中であるとか,訴訟には至っていないものの本件売買契約の締結後に原告が被告カーパークの特定承継人としての責任(建物の区分所有等に関する法律第8条)を負担する可能性のある紛争が存在していたという場合には,被告らがこれらのリスクについて原告に説明すべき義務を負うことは考えられる。
しかしながら,上記1の認定事実によれば,本件売買契約の締結時までには,本件管理組合と,被告カーパーク代表者外3名との間,被告カーパークとの間の管理費等の滞納に係る訴訟はいずれも裁判上の和解により終局しているのであって,過去に係属していたにすぎない上記訴訟の存在を原告に説明すべき義務があったなどと解すべき理由は見いだせない。また,被告カーパークが,本件管理組合からの内容証明郵便をもって,本件消防用設備の整備を求める訴訟提起の通告を受けたのは,本件売買契約締結後のことであり(上記1(9)),そのような事情を事前に説明することができないことは当然である。
以上によれば,被告らが説明事項①について原告に説明すべき義務を負っていたとはいえない。
(2) 説明事項②について
ア 説明事項②の説明義務違反について検討するに,上記1の認定事実に照らすと,原告が本件物件を時間貸駐車場として使用収益する事業計画を断念せざるを得なくなった直接かつ最大の原因は,本件物件を時間貸駐車場に変更した場合,各駐車区画に自動精算機の設備を設置するスペースの余裕がなく,現在と同じ台数分の駐車区画を確保することができなくなってしまうという構造上の理由(上記1(4))にあったと解される。しかし,このような事情は,月極駐車場を時間貸駐車場に変更して使用する事業計画を立てた原告において,自らの責任において調査・検討すべきことであって,時間貸駐車場の設備に関する専門的な知識を持っているわけでもない被告らにこの点の説明義務を求める原告の主張は,到底採用し得ないものというべきである。
イ 原告は,本件物件が時間貸駐車場として収益物件にすることができない理由として,①本件物件には本件マンションの内部につながる通用口が存在すること,②本件マンションの共有部分のスロープを使用する必要があること,③地上の歩行者に注意喚起をするための看板を掲出する必要があることも挙げるが,いずれも本件売買契約の締結時までに原告代表者において認識していた事項であって,被告らがこの点の説明義務を負っていたと解することはできないし,これらの事情が本件物件を時間貸駐車場として使用するという事業計画を断念した理由となったとは認められないから,損害の発生と因果関係のある義務違反と位置付けることもできない。
翻って,原告代表者は,本件物件を時間貸駐車場として使用する場合には上記①~③のような問題点があること,これを解決するには本件管理組合の許可を得る必要があることを認識していたからこそ,この許可が得られないリスクを売主である被告カーパークに負担させるべく,「本件物件を時間貸駐車場として使用する許可を本件管理組合から取り付けること」を本件売買契約の停止条件とすることを要望したが,被告カーパークがこれを拒否し,このような契約交渉を経て,最終的に,上記リスクは原告が引き受けること(被告らは結果責任を伴わない「協力」を約するに止めること)としたのであって,説明義務違反をいう原告の主張は,このような契約交渉の過程に照らしても,採用し得ないものである。
なお,証人Dの証言中には,本件売買契約の締結以前に,本件管理組合から被告らに対して本件物件を時間貸駐車場として使用することについて承諾できないことを伝えていたとの趣旨の証言部分があるが,その証言自体,曖昧な内容にとどまる上,丙2及び被告エルハウス代表者の供述に照らすと,本件売買契約締結前に本件物件について被告らと本件管理組合が確認したのは,駐車場シャッター等が共用部分に含まれるか,シャッター修理費は誰が負担してきたか,関係設備の電気メーターはどれかといった形式的な事項にとどまり,時間貸駐車場として使用することの当否・その問題点は話題にもなっていなかったことが認められるところであり,証人Dの上記証言は採用することができない。
ウ 以上によれば,被告らが説明事項②について原告に説明すべき義務を負っていたとはいえない。
(3) 説明事項③について
ア 説明事項③の説明義務違反について検討するに,上記1(2),(3)で認定したとおり,被告カーパークは,本件消防用設備(泡消火設備)に不備があり是正工事が必要であること,その費用は本件見積書によると889万3700円になることを認識し,この是正工事に必要な金額は実質的に売買代金の減額という形で買主との間で調整されるものと考えていたこと,この認識は被告エルハウスにおいても共有されており,本件見積書は,本件物件の評価証明書,登記事項証明書等の基本的な関係書類一式とともに,契約交渉の初期の段階で被告エルハウスから原告に交付され,上記是正工事の必要性及びその見込額の説明がされていることが認められるのであって,原告は,これを踏まえて,代金を1億4500万円とする本件売買契約に合意したものと評価することができる。
イ 原告代表者の供述中には,本件消防用設備の是正工事の費用は当然に原告が負担する前提ではなかったという趣旨をいう部分があるが,本件売買契約が現状有姿の引渡しを前提とするものである以上,専有部分である本件消防用設備の不備はその買主が引き受けるほかないはずであり,原告代表者がこれと異なる認識を有していたとすれば,合理的な根拠を欠く期待にすぎず,法的保護に値しないものである。
また,渋谷消防署長宛ての点検結果報告書(甲8)が原告に示されたのは,本件売買契約締結後のことであったと認められるが,消防署からの具体的な指導内容が記載されているようなものであればともかく,原告が被告エルハウスから本件見積書の提示を受けて説明を聞いていた内容以上に投資判断に影響するような情報が記載されているわけではなく,その事前の不交付が説明義務違反を構成するとはいえない。
ウ したがって,被告らが説明事項③についての説明義務を怠ったものとはいえない。
(4) 小括
以上のとおり,原告主張の説明義務違反は認められず,争点1に関する原告の主張は採用できない。
第4 結論
以上の認定判断によれば,その余の争点につき検討するまでもなく,原告の本訴請求は理由がないからこれを棄却することとする。また,反訴請求については,本件売買契約は原告の残代金の不払を理由とする被告カーパークによる解除の通知(前提事実(4)イ)により,同年10月24日の経過をもって解除されたというべきであるから,原告は,本件売買契約所定の違約金1450万円から支払済みの手付金1000万円を控除した残額である450万円の支払義務を負う。そして,この支払は「遅滞なく」すべきものとされているから,附帯請求を含め,反訴請求は全部理由がある。
よって,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第25部
(裁判長裁判官 宮坂昌利 裁判官 小西圭一 裁判官 谷田部峻)
〈以下省略〉
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【よくある質問 Q&A 一覧】
■街頭ポスター貼り(掲示交渉)代行について
Q&A【1】街頭ポスター貼付(掲示交渉代行)サービスとはどのようなものですか?
Q&A【2】どのくらいの期間で何枚くらいの街頭ポスター貼付ができるのですか?
Q&A【3】街頭ポスターを貼る際は先方(許可承諾者)に許可をいただいて貼るのですか?
Q&A【4】ポスターの①貼付依頼~②貼付開始~③貼付完了等の流れについて教えていただけますか?
Q&A【5】ポスターの料金は1枚いくらで貼ってくれるのですか?
Q&A【6】ポスターの貼付エリアや貼り付け枚数等は指定できますか?
Q&A【7】ポスター貼付後のメンテナンス(貼り替え・剥がし)も依頼できますか?
Q&A【8】最低何枚から街頭ポスター貼りを依頼できますか?
Q&A【9】ポスター貼り替え期間の指定はできますか?貼りっぱなしではないですか?
Q&A【10】街頭ポスターの貼付交渉(新規掲示)の実績や事例はありますか?
■政治活動における広報支援について
Q&A【11】「ドブ板選挙プランナー」とはどのようなお仕事ですか?
Q&A【12】「ポスタリング」とはどのようなサービスですか?
Q&A【13】政治活動等の特殊な業界についてのポスター掲示交渉は難しいですか?
Q&A【14】政治活動用の街頭ポスター(二連|三連)貼りをお願いしたいのですが、特定政党の支援は可能ですか?
Q&A【15】政治活動におけるポスターについて公職選挙法や政治資金規正法等の知識はありますか?
Q&A【16】街頭で無料の「ウィン!ワッポン」をよく見かけますが、これで選挙の勝率が上がりますか?
Q&A【17】二連ポスターや三連ポスター製作前に「弁士の相手」のご提案もしてくれますか?
Q&A【18】ポスター「掲示責任者代行」とはどのようなものでしょうか?
Q&A【19】選挙妨害やその他クレーム対応等の代行も可能でしょうか?
Q&A【20】政治活動(選挙運動)における広報支援プランはどのようなものがありますか?
■営業専門会社による広報PR支援について
Q&A【21】飛び込み訪問、戸別訪問、挨拶回り代行等、ポスター貼り以外でもお願いできますか?
Q&A【22】飲食店や実店舗等の店内やトイレ等にポスターを貼ったり、ビジネスカード設置、チラシ配布等は可能ですか?
Q&A【23】全国どこでもポスター貼りが可能なのですか?
■ご検討中の方々に
Q&A【24】お問い合わせについて
Q&A【25】資料をダウンロード
Q&A【26】ノウハウ・テクニックを大公開!
■ご依頼(お申し込み)の前に
Q&A【27】お申し込みの流れ
Q&A【28】ご用意いただきたいもの
■ご依頼(ご契約)の後に
Q&A【29】進捗報告について
Q&A【30】お友達ご紹介キャンペーンについて
【ポスター【制作前の】候補予定者様】のメニューです。
「政治活動用ポスターのデザイン」は、こちらです。
公職選挙法規定の法的審査(レギュレーションチェック)対応済みの、個人ポスター、2連ポスター、3連ポスター等のデザインを制作!
「弁士相手探しマッチング」は、こちらです。
「探して、交渉して、お隣りへ!」理想の有名人や著名人の弁士相手を探して、地域有権者に対して認知度拡大の相乗効果を狙う!
「ポスターの掲示責任者代行」は、こちらです。
【全国対応】ポスターを掲示した選挙区からのクレーム対応・妨害等の「総合窓口」として、ポスター掲示責任者の代行をいたします。
【ポスター【制作後の】候補予定者様】のメニューです。
政治活動期間における「どぶ板専門!ポスター貼り(掲示交渉)代行」は、こちらです。
【稼働の流れ】
①新規ご挨拶回り|戸別訪問代行|握手代行
選挙区(指定エリア)の有権者(民家・飲食店・その他施設)に対して、候補予定者に代わって選挙ドットウィン!が直接ご訪問致します。
②名刺|ビラ|リーフレット等の手渡し配布
候補予定者と有権者を繋ぐため、名刺・ビラ・政策レポート・討議資料・リーフレットなど活動報告資料の直接手渡し配布を致します。
③留守宅|候補者PR資料ポスティング投函
ご訪問先がご不在の場合には、配布物を郵便受け等にポスティング投函致します。(想定ターゲットに完全100パーセントのリーチ率!)
④政治活動ポスター貼り(新規掲示交渉!
【完全成果報酬】地獄のドブ板活動に必須となる、政治活動用ポスター貼り(新規掲示交渉代行!)(貼れた分だけの枚数課金となります)
⑤掲示(貼付)後のフォロー|クレーム対応
ポスター掲示(貼付)完了後における掲示許可承諾者へ、フォローやクレーム対応等のストレスな部分は選挙ドットウィン!が致します。
所属政党の「党員募集獲得代行」、政治団体および後援会等の「入会募集獲得代行」は、こちらです。
当該政党の「党員」「サポーター」募集等の規定に従って、選挙立候補(予定)者様に代わって政党への入党におけるご案内を促します。
どぶ板同行OJT(座学研修および実地特訓)で学ぶ「スパルタ個別訪問同行OJT」は、こちらです。
候補予定者様ご本人・選挙事務所スタッフ・ボランティア様が効率良く「どぶ板の政治活動」が行なえるようアドバイスいたします。
絶対的な地盤を構築する「立札看板設置交渉代行」は、こちらです。
選挙立て札看板(後援会連絡事務所)の設置交渉代行で、半永久的に絶対的な知名度を確立するためのご支援をさせていただきます。
あらゆる政治選挙におけるお困りごとを支援する「選挙の窓口」活動支援一覧は、こちらです。
「地上戦」「空中戦」「ネット戦略」などを駆使し、当選に向けたコンサルティングおよびプランニングのご支援をいたします。
■ポスターPRプラン一覧(枚数・サイズの選択)
選挙区エリアにおいて、ポスターの当該掲示許可承諾者に対して交渉し、同一箇所にどのように掲示するかをお選びいただきます。
【臨機応変型PR】ポスター掲示許可貼付交渉代行プラン ※ご発注選択率88% ★こちらをご確認下さい。
【連続二枚型PR】ポスター掲示許可貼付交渉代行プラン ※ご発注選択率6% ★こちらをご確認下さい。
【限定一枚型PR】ポスター掲示許可貼付交渉代行プラン ※ご発注選択率4% ★こちらをご確認下さい。
【個別指定型PR】ポスター掲示許可貼付交渉代行プラン ※ご発注選択率2% ★こちらをご確認下さい。
※ポスターのサイズは、A1サイズ、A2サイズをはじめ、ご希望に応じてご提案させていただきます。
■掲示場所・貼付箇所
「首都圏などの大都市」「田舎などの地方都市」「駅前や商店街」「幹線道路沿いや住宅街」等により、訪問アプローチ手段が異なりますので、ご指定エリアの地域事情等をお聞かせ下さい。
※貼付箇所につきましては、弊社掲示交渉スタッフが当該ターゲットにアプローチをした際の先方とのコミュニケーションにて、現場での判断とさせていただきます。
■訪問アプローチ手段
【徒歩圏内】
駅周辺の徒歩圏内における、商店街や通行人の多い目立つ場所でのPR
【車両移動】
広範囲に車移動が必要な、幹線道路沿いや住宅街等の目立つ場所でのPR
※全国への出張対応も可能ですので、ご要望をお聞かせください。
選挙ドットウィン!の「どぶ板広報PR支援」は、選挙立候補(予定)者様の地獄の政治活動を「営業力」「交渉力」「行動力」でもって迅速にお応えいたします。
「全国統一地方選挙」・「衆議院議員選挙」・「参議院議員選挙」・「都道府県知事選挙」・「都道府県議会議員選挙」・「東京都議会議員選挙」・「市長選挙」・「市議会議員選挙」・「区長選挙」・「区議会議員選挙」・「町長選挙」・「町議会議員選挙」・「村長選挙」・「村議会議員選挙」など、いずれの選挙にもご対応させていただいておりますので、立候補をご検討されている選挙が以下の選挙区エリアに該当するかご確認の上、お問い合わせいただけますようお願いいたします。
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