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裁判年月日 令和 2年 3月11日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平３１（ワ）８９５号
事件名 損害賠償等請求事件
裁判結果 請求棄却 文献番号 2020WLJPCA03118013
要旨
◆被告Ｙ１社の監査役を務めていた弁護士の原告が、被告Ｙ１社に対し、同社が原告を懲戒請求した旨の記事をウェブサイト上に掲載したことは、原告に対する名誉毀損に当たるとして、当該記事の削除及び謝罪広告の掲載を求めるとともに、被告Ｙ１社、同社の役員である被告Ｙ２ないし被告Ｙ８、及び別件訴訟において同社の訴訟代理人を務める弁護士である被告Ｙ９ないし被告Ｙ１２に対し、損害賠償を求めた事案において、被告Ｙ１社による本件記事等の掲載は、原告の名誉を毀損する不法行為といえるが、同社が本件記事等をウェブサイト上に掲載した行為は、上場会社として業務上正当なものであったということができ、その内容が合理的なものと認められ、かつ、被告Ｙ１社による不祥事の公表方法として必要最小限のものであったと認められ、社会的に見て相当と認められるから、正当業務行為として違法性が阻却されるとして、請求を棄却した事例
出典
参照条文
民法７０９条
民法７１０条
民法７１９条
民法７２３条
弁護士法５６条
弁護士法７２条
裁判年月日 令和 2年 3月11日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平３１（ワ）８９５号
事件名 損害賠償等請求事件
裁判結果 請求棄却 文献番号 2020WLJPCA03118013
中華人民共和国 香港特別行政区〈以下省略〉
（〈前略〉 Hong Kong）
原告 Ｘ
同訴訟代理人弁護士 片山律
東京都江東区〈以下省略〉
被告 株式会社Ｙ１（以下「被告会社」という。）
同代表者代表取締役 Ｙ２
東京都目黒区〈以下省略〉
被告 Ｙ２（以下「被告Ｙ２」という。）
東京都江東区〈以下省略〉
被告 Ｙ３（以下「被告Ｙ３」という。）
同所
被告 Ｙ４（以下「被告Ｙ４」という。）
同所
被告 Ｙ５（以下「被告Ｙ５」という。）
さいたま市〈以下省略〉
被告 Ｙ６（以下「被告Ｙ６」という。）
東京都港区〈以下省略〉
被告 Ｙ７（以下「被告Ｙ７」という。）
東京都国立市〈以下省略〉
被告 Ｙ８（以下「被告Ｙ８」という。）
上記８名訴訟代理人弁護士 西本強
同 田口洋介
東京都千代田区〈以下省略〉
被告 Ｙ９（以下「被告Ｙ９」という。）
同所
被告 Ｙ１０（以下「被告Ｙ１０」という。）
同所
被告 Ｙ１１（以下「被告Ｙ１１」という。）
同所
被告 Ｙ１２（以下「被告Ｙ１２」という。）
上記４名訴訟代理人弁護士 西脇英司
同 阿部健二
同 新井均
主文
１ 原告の請求をいずれも棄却する。
２ 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第１ 請求
１ 被告会社は，被告会社の日本語版ウェブサイト（https://〈省略〉）に掲載された別紙１－１記載の記事及び被告会社の英語版ウェブサイト（https://〈省略〉）に掲載された別紙１－２記載の記事を，いずれも削除せよ。
２ 被告会社は，別紙２記載の謝罪広告を，日本経済新聞全国版に別紙３記載の掲載条件で１回掲載せよ。
３ 被告会社は，別紙４－１記載の謝罪広告を，被告会社の日本語版ウェブサイト（https://〈省略〉）に別紙６－１記載の掲載条件で掲載せよ。
４ 被告会社は，別紙４－２記載の謝罪広告を，被告会社の英語版ウェブサイト（https://〈省略〉）に別紙６－２記載の掲載条件で掲載せよ。
５ 被告らは，原告に対し，連帯して，１５００万円及びこれに対する平成３０年１０月２２日から支払済みまで年５分の割合による金員を支払え。
第２ 事案の概要等
１ 事案の概要
本件は，弁護士であり，被告会社の監査役を務めていた原告が，被告会社が原告を懲戒請求した旨の記事をウェブサイト上に掲載したことは，原告が実際には行っていない非違行為等を行ったとの印象を与えるものであり，原告に対する名誉毀損に当たるとして，被告会社に対し，民法７２３条に基づき，上記記事の削除及び謝罪広告の掲載を求めるとともに，被告会社，同社の役員及び別件訴訟において同社の訴訟代理人を務める弁護士らに対し，民法７１９条に基づき，慰謝料及び弁護士費用の合計１１億円のうち１５００万円及びこれに対する上記記事の掲載日である平成３０年１０月２２日から支払済みまで民法所定の年５分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める事案である。
２ 前提事実（当事者間に争いがないか，後掲各証拠（以下，特に明記しない限り，枝番の表記は省略する。）及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実）
(1)当事者等
ア 原告
原告は，第一東京弁護士会に所属する弁護士であり，平成２６年６月２６日から平成２７年６月２６日までの間，被告会社の監査役を務めていた。また，原告は，平成２５年１月から平成３０年１０月までの間，英領ヴァージン諸島の法人であるａ・リミテッド（以下「ａ社」という。）の代表者を務めていた。なお，ａ社は，弁護士又は弁護士法人ではない。
イ 被告ら
被告会社は，パチスロ機及びパチンコ機並びにその周辺機器の開発，製造及び販売等を行う株式会社であり，その発行する株式を株式会社東京証券取引所のジャスダック市場に上場している。
被告Ｙ２は，被告会社の代表取締役であり，被告Ｙ３，同Ｙ４，同Ｙ５はいずれも被告会社の取締役，被告Ｙ６，同Ｙ７及び同Ｙ８はいずれも被告会社の社外取締役である。
被告Ｙ９，同Ｙ１０，同Ｙ１１及び同Ｙ１２は，いずれも弁護士であり，ａ社が被告会社を相手方として提訴した東京地方裁判所平成３０年（ワ）第２２４１６号事件，並びに被告会社が原告及びａ社を相手方として提訴した同裁判所平成３０年（ワ）第３２３７６号事件（これらの訴訟を併せて，以下「本件関連訴訟」という。）において，被告会社の訴訟代理人を務めている。
(2)被告会社による原告の懲戒請求（甲９）
被告会社は，第一東京弁護士会に対し，平成３０年１０月２２日，原告が，弁護士法７２条，弁護士職務基本規程１１条，１２条，１４条，１５条，１６条，２４条及び２９条並びに弁護士の報酬に関する規程５条１項に違反する各行為を行うなどして，反復継続して弁護士としての品位を失うべき非行を行ったと主張して，原告を対象弁護士とする懲戒請求を申し立てた（以下「本件懲戒請求」という。）。
(3)被告会社による本件懲戒請求に係る記事の掲載（甲１）
被告会社は，平成３０年１０月２２日，同社の日本語版ウェブサイトの投資家情報欄（https://〈省略〉）において，本件懲戒請求につき，「当社元監査役である弁護士に対する懲戒請求のお知らせ」と題する記事（以下「本件記事」という。）を掲載した。なお，本件記事の内容は，別紙１－１のとおりであり，本件記事には別紙１－３記載１ないし７の文言が記載されている（以下，それぞれ「本件記載１」ないし「本件記載７」という。）。
また，被告会社は，平成３０年１０月２２日，同社の英語版ウェブサイトのIR News欄（https://〈省略〉）において，本件懲戒請求につき，「Notice of Formal Demand for Disciplinary Measures against Attorney（Former Auditor of Company）」と題する記事（本件記事と併せて，以下「本件記事等」という。）を掲載した。なお，同記事の内容は，別紙１－２のとおりであり，本件記事を英訳したものである。
(4)原告による本件記事の削除請求
原告は，被告会社の社外取締役である被告Ｙ６，同Ｙ７及び同Ｙ８に対し，平成３０年１１月２７日，本件記事の内容及びその公表に係る違法性について早急に確認し，同記事を直ちに削除するように請求した（甲６ないし８）。
また，原告は，被告会社の取締役である被告Ｙ３，同Ｙ５及び同Ｙ４に対し，平成３０年１１月３０日頃，本件記事の内容及びその公表に係る違法性について早急に確認し，同記事を直ちに削除するように請求した（甲５）。
３ 争点及びこれに関する当事者の主張
(1)被告会社及び同Ｙ２による名誉毀損行為の有無（争点１）
【原告の主張】
被告会社は，平成３０年１０月２２日，本件記事等を被告会社のウェブサイトに掲載した。本件記事等のうち，本件記載１ないし７は，一般読者の普通の注意と読み方を基準とすれば，それぞれ下記アないしキの事実を摘示するものである。
記
ア 本件記載１
原告が，弁護士法７２条に違反し，加えて，弁護士職務基本規程上の多数の規定及び弁護士の報酬に関する規程にそれぞれ違反し，弁護士法５６条１項に定める懲戒事由である「弁護士としての品位を失うべき非行」を行ったこと
イ 本件記載２
原告が，被告会社に対して，違法かつ無効な契約に基づき，巨額の請求を行ったこと
ウ 本件記載３
原告が，被告会社をして，弁護士法７２条に違反する契約を締結させたこと
エ 本件記載４
原告が，ａ社をして，弁護士法７２条及び弁護士職務基本規程１１条に違反させたこと
オ 本件記載５
原告が，契約の切り替えに際して，被告会社に対して虚偽の理由を述べたこと，及び，当該行為が弁護士職務基本規程の多数の規定に違反すること
カ 本件記載６
原告が，弁護士職務基本規程２９条及び弁護士の報酬に関する規程５条１項に違反したこと，並びに，ａ社の代表者名義で，被告会社に対し，脅迫的な通知により，成功報酬として，契約文言について法的根拠を欠く解釈を行って巨額の請求を行っており，当該行為が弁護士職務基本規程２４条に違反すること
キ 本件記載７
原告が，被告会社からの過払金返還請求を故意に無視し，現在まで理由なく返還に応じないこと，及び，原告の当該行為は，刑法２５２条所定の横領罪に該当し，懲戒事由である弁護士としての「品位を失うべき非行」（弁護士法５６条１項）に該当すること
本件記事等は現在も被告会社のウェブサイト上に掲載されているところ，本件記事等を読んだ一般読者は原告が犯罪行為や多数の違法行為，懲戒相当行為を行ったかのような印象を受けるから，本件記事等が原告の社会的評価を著しく低下させるものであることは明白である。
したがって，被告会社が本件記事等を掲載し又は本件記事等の掲載を中止していないことは，原告に対する名誉毀損行為に該当する。なお，被告Ｙ２は被告会社の代表者であり，本件記事等にも同人の氏名が記載されていることからすれば，被告Ｙ２は，被告会社と共同して上記名誉毀損行為に及んだものと評価できる。
【被告らの主張】
被告会社が本件記事等を同社のウェブサイトに掲載したこと及び本件記事等が現在も掲載されていることは認め，その余は否認ないし争う。
本件記載１ないし７は，一般読者の普通の注意と読み方を基準とすれば，原告が主張する前記アないしキの事実を摘示するものではなく，①原告が，被告会社との間で締結した委任契約の主体を，弁護士でも弁護士法人でもないａ社に，虚偽の理由を述べるなどして切り替えさせ，同社に，報酬を得る目的で，業として法律事務を取り扱わせたことは，弁護士法７２条及び弁護士職務基本規程の複数の規定に違反する，②原告一人が業務を提供したに止まるにもかかわらず，成功報酬として，被告会社に対して約１１２億円の巨額の弁護士報酬の請求を脅迫的な通知により行ったことは，弁護士職務基本規程２４条に違反する，③原告が，被告会社の支払った弁護士報酬の過払金を返還しないことは，実質的には金銭の横領行為であり，弁護士法５６条１項に該当するという被告会社の法的な見解（上記①ないし③の法的な見解を，以下それぞれ「見解①」，「見解②」，「見解③」という。）が記載されたものであるというべきである。本件記事等は，被告会社により見解①ないし③が表明されたものにすぎず，原告に関する確定的な事実が記載されたものではないから，本件記事等によって原告の社会的評価が直ちに低下するとはいえない。
また，原告は，被告会社に対し，１１２億円という常軌を逸した異常な弁護士報酬を請求する訴訟をａ社の代表者として自ら提起し，同訴訟を含む本件関連訴訟において公開の法廷で上記の弁護士法違反の有無等について争っているのであるから，本件記事等によって原告の社会的評価が低下したとしても，その程度は，社会通念に照らせばいまだ受忍限度の範囲内であるというべきである。
したがって，被告会社が本件記事等を掲載し又は本件記事等の掲載を中止していないことは，原告に対する名誉毀損行為に該当しない。
(2)意見論評の抗弁の成否（争点２）
【被告らの主張】
本件記事等は，前記のとおり，被告会社による見解①ないし③が記載されたものであるところ，ある事実を基礎としての意見ないし論評の表明による名誉毀損にあっては，その行為が公共の利害に関する事項に係り，かつ，その目的が専ら公益を図ることにあった場合に，上記意見ないし論評の前提としている事実が重要な部分について真実であることの証明があったときには，人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものでない限り，当該行為は違法性を欠く。仮に上記意見ないし論評の前提としている事実が真実であることの証明がないときにも，事実を摘示しての名誉毀損における場合と対比すると，行為者において当該事実を真実と信ずるについて相当の理由があれば，その故意又は過失は否定されると解するのが相当である（最高裁平成６年（オ）第９７８号同９年９月９日第三小法廷判決・民集５１巻８号３８０４頁（以下「最高裁平成９年判決」という。）参照）。
本件記事等は，原告が，基本的人権を擁護し，社会正義を実現することを使命とする弁護士として一般国民の信頼に足りる者であるか否かを評価するための重要な判断材料を提供するものである。また，原告は，金融商品取引法に基づき金融商品取引業者の登録を受けるなどしており，公共性の極めて高い金融事業会社たるｂ株式会社の代表取締役でもあるが，本件記事等はそのような原告に関する情報の提供でもある。さらに，特に上場会社に対しては，昨今の企業不祥事の多発の実情を踏まえ，役員や元役員の不祥事に関して積極的に情報開示をすることが要請されており，実際にも役員等の不祥事については積極的に開示する実務が定着しているところ，本件記事等は，上場会社たる被告会社の元監査役という同社の経営を監視・監督すべき立場にあった原告が同社に対して行った違法行為につき，上場企業としての社会的な要請に基づいて投資家等の関係者に情報を提供するものでもある。したがって，本件記事等は，公共の利害に関する事項に係り，かつ，その目的は専ら公益を図ることにあったというべきである。
また，本件記事等において見解①ないし③が前提としている事実は，下記のとおりであるところ，これらの事実は，いずれも重要な部分について真実であることが客観的な証拠によって裏付けられている。
記
ア 見解①が前提としている事実
（ア） 被告会社が，原告との間で，紛争処理に係る委任契約（以下「本件原契約」という。）を締結したこと
（イ） 原告が，被告会社に要請し，本件原契約を，委任業務の内容はそのまま維持しつつ，原告が代表者を務めるａ社との間の委任契約（以下「本件契約」という。）に切り替えさせたこと
（ウ） その際，原告が，タックスヘイブン（租税回避地）である英領ヴァージン諸島に設立された法人に対して弁護士報酬を支払わせることにより，日本での課税を免れるという目的を告げずに「近日中に私が香港駐在する予定であることから」などという理由等を告げ，かつ，実際には弁護士法違反等の問題が生じ得るにもかかわらず，被告会社の当時の会長であるＡ（以下「Ａ氏」という。）からの「問題がないのであれば契約の切り替えをしてもかまわない」との意向に対し，何ら問題がないかのような説明をするなどしたこと
（エ） その上で，原告が，弁護士でも弁護士法人でもないａ社に，報酬を得る目的で，業として法律事務を取り扱わせたこと
イ 見解②が前提としている事実
（ア） 原告が，平成３０年３月，ａ社の代表者名義で，被告会社に対し，原告一人が業務を提供したに止まるにもかかわらず，本件契約に基づく成功報酬として約１１２億円（当時の日本円換算）の請求を行ったこと
（イ） この請求に際して，原告が，被告会社及びその社外取締役に対し，約１１２億円の弁護士報酬の支払が遅延すれば，本件契約により年率２１．９パーセントという著しく高額の遅延損害金が発生し，かつ，支払手続の懈怠等により株主代表訴訟が提起される可能性が相当程度あると記載した内容証明郵便を送り付けるなどしたこと
ウ 見解③が前提としている事実
（ア） 被告会社が，原告との間で締結していた複数の契約について，契約終了後も，毎月払いの弁護士報酬の支払を継続し，弁護士報酬７８８万２２００円の過払いが生じ，また，ａ社に対しても９０万円の過払いが生じたこと
（イ） 被告会社が，原告に対して，上記過払金の返還を求めたが，原告が，これを無視し，返還に応じていないこと
以上によれば，本件記事等は，公共の利害に関する事項に係り，かつ，その目的は専ら公益を図ることにあったといえ，見解①ないし③が前提としている事実が重要な部分について真実であると認められる。その上，本件記事等は，人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものではないから，被告会社による本件記事等の掲載は違法性を欠く。
【原告の主張】
ア 本件記事等は事実を摘示するものであること
名誉毀損の成否が問題とされている表現が，事実を摘示するものであるか，意見ないし論評の表明であるかを区別するに当たっては，当該表現についての一般の読者の普通の注意と読み方とを基準として判断すべきものであり，ある記事のうち名誉毀損の成否が問題となっている部分について，証拠等をもってその存否を決することが可能な他人に関する特定の事項を主張するものと理解されるならば，同部分は，事実を摘示するものと見るのが相当である（最高裁平成９年判決参照）。
本件記事等の記載内容は，本件関連訴訟における被告会社の主張内容と近似している。本件関連訴訟においては，証拠等をもって被告が主張する事実の存否が決せられるのであるから，本件記事等の記載内容もまた，証拠等をもってその存否を決することが可能なものであり，本件記事等は，前記のとおり事実を摘示するものというべきである。したがって，被告らの主張は前提を欠くため認められない。
イ 本件記事等につき意見論評の抗弁は認められないこと
本件記事等が被告会社の意見ないし論評を表明するものであったとしても，本件記事等は，原告又はａ社と被告会社との間の私人間紛争に関するものであり，公共の利害に関する事項に係るものとはいえないし，国内外の投資家が注目する投資家情報欄に公表したという点や，被告会社の業績に与える影響が多大となる可能性のある本件関連訴訟の係属については何らの開示も行っていない点などからすれば，本件記事等は，原告の名誉及び信用を毀損しようとの悪質かつ明白な害意をもって掲載されたものと考えられ，その目的が専ら公益を図ることにあったとは認められない。
また，本件記事等の摘示事実又は被告らが主張する前提事実は，いずれも権威のある官公署又は判断権者によって真実であると認定されたわけではなく，適正な調査手続に基づき真実と判断された上で公式に発表されたわけでもないから，真実とはいえないし，被告らにおいて真実であったと信じるにつき相当な理由があったともいえない。なお，被告会社から原告又はａ社に対する合計８７８万２２００円の弁護士報酬の過払金があるとの事実については，原告が被告会社から弁護士報酬の支払を受けたことは認めるが，その一部が過払金であったことは否認する。また，原告は，被告会社に対し，同社が主張する過払金の一部である１５７万６００８円を返還した。
さらに，本件記事等は，原告に対する人身攻撃に他ならず，被告らの主張する意見論評の抗弁は，いずれの要件も欠くから認められない。
(3)正当業務行為の抗弁の成否（争点３）
【被告らの主張】
公表文書が結果的に第三者の名誉・信用を毀損する場合であっても，表現内容の真実性，表現自体の相当性，表現活動の動機，表現活動の態様，表現活動の影響等の一切の事情を総合し，正当な企業活動として社会通念上許容された範囲内のものであると判断される場合には，違法性が阻却される。
前記(2)のとおり，本件記事等が前提とする事実は，重要な部分において真実である上，本件記事等は，被告会社の意見ないし論評が淡々と記載されており，原告に対する人身攻撃に及ぶものではなく，表現自体の相当性が認められることは，その文面上明らかである。また，特に上場企業に対しては，昨今の企業不祥事の多発の実情を踏まえ，役員や元役員の不祥事に関しては積極的に情報開示をすることが要請されており，実際にも役員等の不祥事については積極的に開示する実務が定着しているところ，上場会社たる被告会社の元監査役という同社の経営を監視・監督すべき立場にあった原告が，同社に対して，自らの経済的利益を得るために犯罪を構成し得る違法行為に及んでいたのであるから，本件記事等の公表は，昨今のこのような上場企業に対する情報開示の高度な要請に従って行ったものであり，また，被告会社が原告の上記のような違法行為に加担したものではないことを明らかにするために行ったものでもあるため，その目的が公益目的にあり，原告に対する嫌がらせや誹謗中傷を目的や動機とするものでないことは明らかである。さらに，本件記事等の掲載は，被告会社の自社ホームページにおける任意開示によるプレスリリースという企業実務において定着している一般的な方法によるものであり，被告会社のホームページのニュース欄にあえてアクセスしたもののみが閲覧可能であることを踏まえると，表現方法の相当性が認められるのは明らかである。さらに，原告は，１億円の「無形の損害」を主張するにとどまり，本件記事等を公表したことによる原告の業務への具体的な支障が生じた旨の主張を一切していないことからも明らかなとおり，本件記事等による原告への影響は皆無である。
以上の諸事情を総合的に勘案すると，本件記事等の公表行為は，正当な企業活動として社会通念上許容された範囲内のものであり，その違法性は阻却される。
【原告の主張】
被告らが主張する違法性阻却の基準を本件に当てはめることは妥当でない。また，この点を措いて，本件記事等の記載内容の真実性，相当性，公表の動機，公表態様，公表による影響という各点から検討しても，前記(2)イのとおり，本件記事等は，原告又はａ社と被告会社との間の私人間紛争に関するものであり，公表の必要性がない事項に係るものであるにもかかわらず，原告の名誉及び信用を毀損しようとの悪質かつ明白な害意をもって掲載されたものと考えられるし，本件記事等に記載された事実は，いずれも真実と認められたわけではないことからすれば，被告らに正当業務行為の抗弁を認めるべき理由が全く見当たらないから，被告らの当該抗弁は採用の余地がない。
(4)被告会社及び同Ｙ２を除く他の被告らの責任（争点４）
【原告の主張】
ア 被告Ｙ３，同Ｙ４及び同Ｙ５
被告Ｙ３は被告会社の取締役兼最高執行責任者として，被告Ｙ４は被告会社の取締役兼最高財務責任者として，被告会社が同社のウェブサイトのうち投資家向け情報欄に掲載する記事につき，被告会社の業績に与える影響を検討した上，掲載の是非及び内容の当否を判断すべき職務上の義務を負っていた。しかるに，被告Ｙ３及び同Ｙ４は，漫然と本件記事等の掲載を承認したものであるから，同人らは，被告会社及び同Ｙ２が本件記事等を掲載したことにつき，共同不法行為責任を負う。
また，原告は，被告Ｙ３，同Ｙ４及び同Ｙ５に対し，平成３０年１１月３０日頃，被告会社及び同Ｙ２による本件記事等の掲載を直ちに中止するよう求めた。同人らは，被告会社の取締役として，本件記事等の掲載継続の是非を適切に判断し，同社の意思決定に関与すべき職務上の義務を負っていたが，原告の要求に応じず，被告会社及び同Ｙ２による本件記事等の掲載を漫然と放置した。したがって，被告Ｙ３，同Ｙ４及び同Ｙ５は，被告会社及び同Ｙ２が本件記事等の掲載を中止しなかったことにつき，被告会社及び同Ｙ２と共同して不法行為責任を負う。
イ 被告Ｙ６，同Ｙ７及び同Ｙ８
原告は，被告Ｙ６，同Ｙ７及び同Ｙ８に対し，平成３０年１１月２７日，被告会社及び同Ｙ２による本件記事等の掲載を直ちに中止するよう求めた。同人らは，被告会社の社外取締役として，本件記事等の掲載継続の是非を適切に判断し，同社の意思決定に関与すべき職務上の義務を負っていたが，原告の要求に応じず，被告会社及び同Ｙ２による本件記事等の掲載を漫然と放置した。したがって，被告Ｙ６，同Ｙ７及び同Ｙ８は，被告会社及び同Ｙ２が本件記事等の掲載を中止しなかったことにつき，被告会社及び同Ｙ２と共同して不法行為責任を負う。
ウ 被告Ｙ９，同Ｙ１０，同Ｙ１１及び同Ｙ１２
本件記事等は，原告が多数の法令及び弁護士に適用される関連規定に違反していることを指摘するものであるところ，これを作成するに際しては，法律的専門知識を必要とするものと解される。そして，被告Ｙ９，同Ｙ１０，同Ｙ１１及び同Ｙ１２は，本件関連訴訟において，被告会社の訴訟代理人として本件記事等と酷似した内容の主張書面を作成していることを併せ考えれば，本件記事等は，被告会社及び同Ｙ２が独力で作成したものではなく，被告Ｙ９，同Ｙ１０，同Ｙ１１及び同Ｙ１２の助言又は起案を介して作成されたものと推認される。同人らは，被告会社及び同Ｙ２が本件記事等を被告会社のウェブサイトに掲載することを認識しながら，本件記事等の作成につき助言又は起案を行ったのであるから，被告会社及び同Ｙ２による本件記事等の掲載行為を教唆又は幇助した者として，被告会社及び同Ｙ２と共同して不法行為責任を負う。
【被告らの主張】
ア 被告Ｙ３，同Ｙ４及び同Ｙ５
被告Ｙ３及び同Ｙ４が原告の主張する役職に就いていること，被告Ｙ３，同Ｙ４及び同Ｙ５が，被告会社の取締役であり，原告から平成３０年１１月３０日付通知書を受領したことは認め，その余は否認ないし争う。
イ 被告Ｙ６，同Ｙ７，同Ｙ８
被告Ｙ６，同Ｙ７及び同Ｙ８が，被告会社の社外取締役であり，原告から平成３０年１１月２６日付通知書を受領したことは認め，その余は否認ないし争う。
ウ 被告Ｙ９，同Ｙ１０，同Ｙ１１，同Ｙ１２
被告Ｙ９，同Ｙ１０，同Ｙ１１及び同Ｙ１２が本件関連訴訟において被告会社の訴訟代理人として主張書面を作成していることは認め，その余は否認ないし争う。
(5)損害額（争点５）
【原告の主張】
原告は，法令遵守が厳しく求められる弁護士であり，本件記事等によって犯罪行為や多数の違法行為，懲戒相当行為を行ったと強く印象付けられることは，原告にとって不利益に当たる。被告会社は，約９０００名もの株主を有する上場会社であり，その情報伝達力及び影響力の大きさに鑑みれば，原告が受ける上記不利益は重大なものというべきであるから，本件記事等の掲載によって原告が被った無形的損害は１０億円を下らない。
また，原告は，本件訴訟の提起を原告代理人弁護士に委任しており，本件と相当因果関係のある弁護士費用は少なくとも１億円を下らない。
【被告らの主張】
被告会社が上場会社であり，平成２９年１２月３１日時点で８９７９名の株主がいたことは認め，その余は否認ないし争う。
(6)名誉回復措置の必要性（争点６）
【原告の主張】
本件記事等は，現在も被告会社のウェブサイトに掲載されており，誰でも閲覧することが可能な状態にある。被告会社が本件記事等を削除することはきわめて容易であることを考慮すれば，原告の名誉を回復するため，被告会社が本件記事等を削除することの必要性が認められる。
また，本件記事等により原告が被った損害の大きさに鑑みれば，原告の名誉を回復するためには，本件記事等の削除のみならず，被告会社による謝罪文の公表が必要不可欠である。その際，本件記事等は，被告会社の多数の株主，債権者，取引関係者及び潜在的投資家に閲覧された可能性があることから，事業関係者や株式市場等の金融業界従業者が多く購読していると考えられる日本経済新聞全国版に被告会社の上記謝罪文を掲載することが相当である。
【被告らの主張】
原告の主張は争う。
第３ 当裁判所の判断
１ 認定事実
前記前提事実のほか，後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば，以下の事実が認められる。
(1)本件原契約及び本件契約に係る事実経過について
ア 本件原契約の締結（乙Ａ５）
被告会社は，平成２４年１１月１７日，一方当事者を被告会社ら，相手方当事者をｃ・リミテッド（以下「ｃ社」という。）らとする複数の訴訟に関し，各訴訟を担当する弁護士その他の訴訟関連者との間の連絡等の業務を原告に委任した（本件原契約）。本件原契約において，被告会社が原告に支払うべき弁護士報酬は，着手金月額３００万円（同年１２月分から上記各訴訟が判決又は和解合意によって終結する日が属する月分まで）及び成功報酬とされており，成功報酬は，上記各訴訟の判決による勝訴金額又は和解合意に基づいて被告会社らがｃ社らから受領する損害賠償金額その他の経済的利益の４パーセントの金額と定められていた。なお，本件原契約においては遅延損害金の年率の定めはなかった。
イ 原告と被告会社との間のメール（乙Ａ６）
原告は，平成２５年９月２１日，被告会社の当時の会長であったＡ氏に対し，「昨日，近日中に私が香港に移住する予定である旨ご報告申し上げましたが，これに際しまして，私（法律事務所）とＹ１社様との間で締結している，いくつかの契約のうちの一部について，現在の稼働状況の実態に合わせて，海外での訴訟対応等のコンサルティング業務につきまして，契約当事者を，私が設立したバージン諸島法人に変更していただきたくお願い申し上げます。」などと記載されたメールを送信した。これに対し，Ａ氏が，「問題が無いならば構いません。」と返信したことから，原告は，被告会社に対し，「貴社と当職との間で現在締結しておりますいくつかの契約書について，近日中に私が香港駐在する予定であることから（来月からを予定しております），現在の私の稼働状況（国内訴訟対応というよりも海外訴訟対応等が中心となっていること）に鑑みて，香港での業務の為に私が設立したＢＶＩ法人に契約当事者を変更させていただきたく，ご連絡申し上げました。」などと記載されたメールを送信した。
ウ 本件契約の締結とその変更（甲１９，乙Ａ７）
被告会社は，平成２５年１０月１日，本件原契約と同一内容の業務をａ社（前記イのメールにある「私が設立したバージン諸島法人」に相当）に委任した（本件契約）。本件契約において，被告会社がａ社に支払うべき弁護士報酬は，着手金月額６００万円（同年１１月分から前記各訴訟が判決又は和解合意によって終結する日が属する月分まで）及び成功報酬とされており，成功報酬は，上記各訴訟の判決による勝訴金額又は和解合意に基づいて被告会社らがｃ社らから受領する損害賠償金額その他の経済的利益の４パーセントの金額と定められていた。なお，本件契約においては遅延損害金の年率の定めはなかった。
被告会社及びａ社は，平成３０年１月２３日，本件契約に関し，上記着手金を月額６００万円から３００万円に減額すること，遅延損害金の年率を２１．９パーセントとすることなどを内容とする変更合意をした。
エ 本件契約に基づく弁護士報酬のうちの成功報酬の支払請求（甲４，甲１０，乙Ａ８，乙Ａ９）
原告は，ａ社の代表者として，被告会社に対し，平成３０年３月２０日，被告会社らとｃ社らとの訴訟事件が和解で解決したことについての本件契約に基づく弁護士報酬のうちの成功報酬として，１億０５２９万４９２４．６３米ドル（経済的利益を２６億３２３７万３１１５．７８米ドルとして，その４パーセント）を請求した（乙Ａ８）。なお，上記請求金額は，同日の外国為替公示相場（１米ドル１０７．１４円）で１１２億８１２９万８２２４．８円に相当する（乙Ａ９）。
被告会社は，上記請求金額が高額であると考え，請求に応じるか等を検討するため，直ちには同請求金額を支払わなかった。
原告は，被告会社が上記請求金額を支払わなかったことから，被告Ｙ２らに対し，平成３０年４月３日，上記請求金額及びこれに対する遅延損害金６９万４９４６．５米ドルを請求する旨のメールを送信した（乙Ａ１０）。なお，上記メールには，「ご案内のとおり，当該成功報酬の本来の御支払期限は，先月８日の翌日から起算して１０営業日目まで（即ち３月２３日まで）とされており（委任契約書２条３項），履行遅滞の場合の遅延損害金は２１．９％（委任契約変更合意書３条）とされておりますので，上記成功報酬の御支払の履行遅滞に伴う遅延損害金額は，本日現在で$６９４，９４６．５０となっております。」，「本通知は，貴社にとっては上記各金額が財務上重要な程度に高額である可能性があり，御支払手続の懈怠による支払遅延が長期に亘った場合は株主代表訴訟の提起の対象となり得ると懸念された為，念の為お知らせすると共に，既に約定日より１０日以上の御支払の遅延が発生しておりますので，改めて早急にお支払いいただきますようご連絡申し上げるものです。」との記載があった。なお，上記請求金額の年率２１．９パーセントの遅延損害金は，１日あたり約６７０万円である。
また，原告は，被告会社の社外取締役である被告Ｙ７，同Ｙ６及び同Ｙ８に対し，平成３０年４月１２日，被告会社が前記成功報酬の支払を怠っている旨通知する内容証明郵便を差し出した（乙Ａ１１）。なお，上記通知書には，それぞれ「本書は，同報酬支払債務の履行遅滞に伴う遅延損害金の金額等が，貴社にとって財務上重要な程度に高額である可能性があり，御支払手続の懈怠による債務履行遅滞が長期に亘った場合等は，将来，Ｙ１社役員に対して株主代表訴訟が提起される可能性が相当程度あることから，社外取締役でおられる貴職に対してご注意を喚起し，Ｙ１社が早期に契約上の義務を完全に履行されることを期す趣旨でお知らせするものです。」（「Ｙ１社」とは被告会社を示す。）との記載があった。
(2)被告会社の原告及びａ社に対する弁護士報酬の過払金について
ア 被告会社は，原告又はａ社との間で，別紙「過払いに関する一覧表」の「契約番号／契約書（紛争の相手方）」欄記載のとおり，複数の訴訟に関する委任契約を締結していた（乙Ａ３２ないし３８）。上記各契約においては，いずれも弁護士報酬の一部として毎月払いの着手金が定められていたところ，その月額及び支払終了時期は，同別紙の「契約上の支払終了時期（条項） 契約上の支払額」欄記載のとおりであった。
イ 被告会社と原告又はａ社の間で締結された前記各契約に基づく月額着手金の支払終了時期は，別紙「過払いに関する一覧表」の「契約に基づき支払を終了すべき時点」欄記載のとおり到来した（乙Ａ３０。なお，同別紙に記載された契約番号〈省略〉の委任契約については，委任業務の対象となる訴訟が提起されていない（乙Ａ４１）。）が，その後も，被告会社は，原告又はａ社に対し，同別紙「支払日」欄記載の日に，前記各契約に基づく着手金を同別紙「過払い額」記載のとおり支払った（乙Ａ３２ないし４０）。
ウ 被告会社は，原告に対し，平成２９年２月２７日，被告会社から原告に対する弁護士報酬の過払金７８８万２２００円及び被告会社からａ社に対する弁護士報酬の過払金９０万円が存在することを通知し，返金を求めるメールを送信した（乙Ａ１２）。しかし，原告は同メールに返信せず，また，現在まで被告会社に対して返金手続をとっていない。
(3)本件関連訴訟等（甲４，甲１０及び乙Ａ３）
東京地方裁判所平成３０年（ワ）第２２４１６号事件は，ａ社が，被告会社に対して，平成３０年７月１１日に提訴した，本件契約に基づく成功報酬等を請求する金銭債務支払請求訴訟である。なお，同年１０月頃，インターネット上に，同訴訟の内容を報ずる記事が掲載された。
東京地方裁判所平成３０年（ワ）第３２３７６号事件は，被告会社が，ａ社及び原告に対して，平成３０年１０月１２日頃に提訴した，弁護士法７２条に違反する違法無効な本件契約に基づいて支払った弁護士報酬についての損害賠償を請求し又は不当利得の返還を請求するとともに，過払弁護士報酬の返還を請求する損害賠償等請求訴訟である。
２ 争点１（被告会社及び同Ｙ２による名誉毀損行為の有無）について
(1) 原告は，被告Ｙ２が被告会社と共同して本件記事等により名誉毀損行為に及んだと主張する。
しかしながら，本件記事等は被告会社のウェブサイトにおいて掲載されたものであること（前記第２の２(3)），本件記事等には「会社名 株式会社Ｙ１（被告会社）」「代表者名 代表取締役 Ｙ２」と記載されていること（甲１）からすると，本件記事等の記載内容も併せみれば，本件記事等を掲載した主体は被告会社であるとみるのが相当であり，被告Ｙ２個人も掲載主体とみるのは困難であるから，原告の前記主張は採用できない。
(2)ア 名誉毀損の不法行為は，問題とされる表現が，人の品性，徳行，名声，信用等の人格的価値について社会から受ける客観的評価を低下させるものであれば，これが事実を摘示するものであるか，又は意見ないし論評を表明するものであるかを問わず，成立し得るものであり，また，当該表現が社会から受ける客観的評価を低下させるものであるか否かは，当該表現の一般の読者の普通の読み方を基準として判断すべきである（最高裁判所平成６年（オ）第９７８号同９年９月９日第三小法廷判決・民集５１巻８号３８０４頁，同昭和２９年（オ）第６３４号同３１年７月２０日第二小法廷判決・民集１０巻８号１０５９頁参照）。
イ 被告会社は，平成３０年１０月２２日，同社の日本語版ウェブサイトの投資家情報欄及び同社の英語版ウェブサイトのIR News欄に本件記事等を掲載した（前記第２の２(3)）。同欄の一般の読者が本件記事等を読めば，本件記事等は，①原告が，被告会社に本件原契約から本件契約に切り替えさせることにより，弁護士でも弁護士法人でもないａ社が報酬を得る目的で業として法律事務を取り扱わせようとしたとの事実を前提に，これが弁護士法７２条に違反するとの法的見解を記載したもの（本件記載３及び４）（以下「見解Ⅰ」という。），②原告が，本件契約に切り替えさせる際，租税回避地である英領ヴァージン諸島に設立された法人に対して弁護士報酬を支払わせることにより日本での課税を免れるという目的があるにもかかわらずこれを告げず，近日中に香港に駐在する予定であることなどを理由として告げ，また，Ａ氏にａ社への切り替えが何ら問題がないかのように述べるなどしたとの事実を前提に，これが虚偽の説明であって，弁護士職務基本規程１４条，１５条，１６条に反するとの法的見解を記載したもの（本件記載５）（以下「見解Ⅱ」という。），③原告がａ社の代表者名義で，被告会社に対し，本件契約に基づく成功報酬として約１１２億円の請求を行ったとの事実や，成功報酬の支払が長期にわたり遅滞したときには，年率２１．９パーセントの遅延損害金が発生し，株主代表訴訟が提起される可能性があると述べたとの事実を前提に，これが，本件契約の成功報酬の定義にある「経済的利益」について原告が行った独自の解釈に基づくものであり，また脅迫的な通知であるので，弁護士職務基本規程２４条，２９条及び弁護士の報酬に関する規定５条１項に違反するとの法的見解を記載したもの（本件記載２及び６）（以下「見解Ⅲ」という。），④被告会社が原告又はａ社に対して７８８万２２００円又は９０万円の弁護士報酬過払金返還請求権を有しており，その返還を求めたが，原告が返還に応じないまま現在に至っているとの事実を前提に，これが実質的には金銭の横領行為であって，弁護士としての品位を失うべき非行（弁護士法５６条１項）に該当するとの法的見解を記載したもの（本件記載７）（以下「見解Ⅳ」という。），⑤以上を踏まえ，原告の行為が弁護士法５６条１項に定める懲戒事由である「弁護士としての品位を失うべき非行」に該当すると考えて，被告会社が懲戒請求を行ったこと（本件記載１）（以下「見解Ⅴ」という。），と読めるといえる。
なお，原告は，本件記事等の記載内容は，証拠等をもってその存否を決することが可能であるから，本件記事等は事実を摘示するものと主張する。しかし，法的な見解の正当性それ自体は，証明の対象とはなり得ないものであり，法的な見解の表明が証拠等をもってその存否を決することが可能な他人に関する特定の事項ということはできないから，原告の上記主張は採用できない。
ウ 被告会社の日本語版ウェブサイトの投資家情報欄及び同社の英語版ウェブサイトのIR News欄の一般の読者は，見解ⅠないしⅤのように読んだときには，「法令遵守を求められる弁護士である原告が，弁護士としての品位を失うべき非行を行ったとして懲戒請求を申し立てられるような，弁護士法や弁護士職務基本規程等に違反する行為，実質的な横領行為を行った」との印象を持つこととなる。したがって，本件記事等により原告の社会的評価が低下したということができるから，本件記事等の掲載は原告の名誉を毀損する不法行為といえる。
被告らは，原告が本件記事等で指摘されている報酬を請求する訴訟をａ社の代表者として自ら提起し，同訴訟を含む本件関連訴訟における公開法廷の場で本件記事等で指摘されている弁護士法違反の有無等が争われていることからすれば，仮に本件記事等のウェブサイトへの掲載によって社会的評価が低下したとしても，その程度は受忍限度の範囲内である旨主張する。しかしながら，原告の行為が懲戒請求申立対象となるほど悪質なものであるとの印象を与えることは，本件関連訴訟が係属中であってもなお社会的評価を低下させるものということができるから，被告らの主張は採用しない。
３ 争点３（正当業務行為の抗弁の成否）について
(1)被告会社が本件記事等を掲載した行為の違法性
本件のように，弁護士について懲戒請求を申し立てた事実及びその理由となる非違行為をウェブサイト上で公表する行為は，当該弁護士の名誉や信用を著しく低下させるおそれがあるものであるから，その違法性は原則として否定されない。しかし，当該公表行為が業務上正当なものであり，その内容が重要な部分において客観的な証拠に基づく事実を前提とする合理的なものと認められ，かつ，当該弁護士の名誉や信用を可能な限り尊重した必要最小限の公表方法を用いるなど，当該公表行為が社会的に相当と認められる場合には，正当業務行為として例外的に違法性が阻却されるものと解すべきである。
そこで以下，本件が上記の場合に該当するかについて検討する。
(2)本件記事等の掲載行為は業務上正当なものであったか
昨今，特に上場会社に対しては，不祥事（重大な法令違反その他の不正・不適切な行為等）が発覚した場合には，株主その他の利害関係人に対して，その内容を積極的に開示することで，早期に当該会社の信頼回復を図ること，それによって資本市場全体の信頼性を維持することが求められており（乙Ａ１９ないし２１），実際，不正・不適切な行為等につき調査の上，積極的に開示することで信頼回復に努めている上場会社も存在するところである（乙Ａ２２ないし２７）。
原告は，平成２６年６月２６日から平成２７年６月２６日までの間，被告会社の監査役を務めていた（前記第２の２(1)ア）。本件関連訴訟の提起により，そのような原告が，高額の成功報酬を被告会社に請求していること，同成功報酬の遅延損害金の年率が２１．９パーセントであること，支払われない場合には株主代表訴訟が提起される可能性があると主張されていること，被告会社が元監査役である原告について弁護士法違反行為をしたと主張していること，被告会社が原告等に対し法的根拠のない弁護士報酬金約８８０万円を交付し，その返還を受けていないと主張していることなどが明らかになることとなった（前記１(1)ないし(3)）。その結果，株主その他の利害関係人に，被告会社の元監査役である原告が被告会社に対し違法あるいは不正・不適切な行為を行ったと受け取られるとともに，被告会社がそのような行為に加担していたとも受け取られる可能性が生じたといえる。
このような場合，昨今の情報開示要請の実情からして，被告会社が元監査役であった原告の不祥事と思われる事項についての経緯等を説明し，被告会社が当該事項に加担していないことや，当該事項に関して懲戒請求を申し立てるなどの対応策を講じたことを公表することは，上場会社として業務上正当なものであったということができる。
(3)本件記事等の内容は，重要な部分が客観的な証拠に基づく事実を前提とする，合理的なものか
本件記事等につき，以下，見解ⅠないしⅣの各前提事実のうち重要な事実が客観的な証拠に基づくものということができ，かつ，見解ⅠないしⅤの法的見解が合理的なものであると認められるかについて，検討する。
ア 見解Ⅰ（原告が，被告会社に本件原契約から本件契約に切り替えさせることにより，弁護士でも弁護士法人でもないａ社が報酬を得る目的で業として法律事務を取り扱わせようとしたとの事実及びこれが弁護士法７２条に違反するとの記載）について
前記１(1)ウ及びエによれば，平成２５年１０月１日に被告会社がａ社との間で本件契約を締結したこと，本件契約において被告会社がａ社に委任した業務の内容は，弁護士である原告が被告会社から受任した業務であること，原告は，ａ社の代表者として，被告会社らとｃ社らとの訴訟事件が和解で解決したことについての弁護士報酬のうちの成功報酬を請求したことが認められ，また，前記第２の２(1)アによれば，ａ社は弁護士又は弁護士法人ではないのであるから，被告会社による前記の法的な見解が前提とする事実は，いずれも重要な部分が客観的な証拠に基づくものということができる。
そうすると，被告会社が，本件契約が弁護士法７２条（非弁護士の法律事務の取扱等の禁止）及び弁護士職務基本規程１１条（非弁護士との提携）に違反すると考えることには，合理性が認められる。
イ 見解Ⅱ（原告が，本件契約に切り替えさせる際，租税回避地である英領ヴァージン諸島に設立された法人に対して弁護士報酬を支払わせることにより日本での課税を免れるという目的があるにもかかわらずこれを告げず，近日中に香港に駐在する予定であることなどを理由として告げ，また，Ａ氏にａ社への切り替えが何ら問題がないかのように述べるなどしたとの事実及びこれが虚偽の説明であって，弁護士職務基本規程１４条，１５条，１６条に違反するという記載）について
前記１(1)によれば，平成２４年１１月１７日に被告会社が原告との間で本件原契約を締結していたこと，平成２５年９月２１日に原告が被告会社に対して本件原契約の契約当事者を原告から原告がバージン諸島（英領ヴァージン諸島）に設立したａ社に切り替える（本件契約を締結する）ようメールで要請したこと，原告は，その際，被告会社に対し，契約当事者を切り替える理由として，①近日中に原告が香港に駐在する予定であること，②原告の現在の稼働状況としては海外訴訟の対応等が中心となっていることを挙げた上，本件契約について問題がない旨説明したこと，後日原告は，ａ社の代表者として，弁護士報酬のうちの成功報酬を請求したことが認められるから，被告会社による前記の法的な見解が前提とする事実は，いずれも重要な部分が客観的な証拠に基づくものということができる。
そして，原告が被告会社に説明した前記①及び②の事情は，この時期，租税回避地として知られる英領ヴァージン諸島に設立したａ社に契約当事者を切り替える理由として不自然であるため，上記の事情が理由とは考えられないこと，弁護士でも弁護士法人でもないａ社が弁護士報酬を請求していることからすれば，本件契約への切り替えは弁護士法７２条等に違反するという問題があることを踏まえると，被告会社として，契約当事者を切り替える理由に係る原告の説明が虚偽であり，弁護士職務基本規程１１条（違法行為の助長），１５条（品位を損なう事業等への参加）及び１６条（営利業務従事における品位保持）に違反すると考えることには，合理性が認められる。
ウ 見解Ⅲ（原告が，ａ社の代表者名義で，被告会社に対し，本件契約に基づく成功報酬として約１１２億円の請求を行ったとの事実や，成功報酬の支払が長期にわたり遅滞したときには年率２１．９パーセントの遅延損害金が発生することや株主代表訴訟を提起される可能性があることに言及したとの事実及びこれが本件契約の成功報酬の定義にある「経済的利益」について原告が行った独自の解釈に基づくものであり，また脅迫的な通知であるので，弁護士職務基本規程２４条，２９条及び弁護士の報酬に関する規程５条１項に違反するという記載）について
前記１(1)エによれば，原告が，ａ社の代表者名義で，平成３０年３月２０日，被告会社に対し，被告会社とｃ社らとの訴訟事件が和解で解決したことについての本件契約に基づく弁護士報酬のうちの成功報酬として，１億０５２９万４９２４．６３米ドル（経済的利益を２６億３２３７万３１１５．７８米ドルとして，その４パーセント）を請求したこと，上記金額は同日の外国為替公示相場（１米ドル１０７．１４円）で１１２億８１２９万８２２４．８円に相当すること，被告会社が支払期日までに上記請求金額を支払わなかったところ，平成３０年４月３日に原告が被告Ｙ２に対して「御支払手続の懈怠による支払遅延が長期に亘った場合は株主代表訴訟の提起の対象となり得る」，「既に約定日より１０日以上の御支払の遅延が発生しております」などと記載されたメールを送信したこと，同月１２日に原告が被告Ｙ７，同Ｙ６及び同Ｙ８に対して「御支払手続の懈怠による債務履行遅滞が長期に亘った場合等は，将来，Ｙ１社役員に対して株主代表訴訟が提起される可能性が相当程度ある」などと記載された内容証明郵便を差し出したことが認められる。そうすると，被告会社による前記の法的な見解が前提とする事実は，いずれも重要な部分が客観的な証拠に基づくものということができる。
また，被告会社が高額の遅延損害金（１日あたり約６７０万円）の発生を認識してもなお支払をちゅうちょするような高額な成功報酬額が提示されたのであれば，被告会社として，原告が成功報酬額の算定を独自の解釈に基づいて行ったためであり，この点に関する本件契約締結の際の原告による説明が不十分であると考え，さらに，原告による内容証明郵便における文言は，被告会社が成功報酬の支払に応じなければ高額の遅延損害金を請求することや株主代表訴訟を提起する旨予告するものと解することができて脅迫的であると考えて，弁護士職務基本規程２４条（弁護士報酬），２９条（受任の際の説明等）及び弁護士の報酬に関する規程５条１項（報酬の説明及び契約書の作成）に違反すると考えることには，合理性が認められる。
エ 見解Ⅳ（被告会社が原告又はａ社に対して合計８７８万２２００円の過払金返還請求権を有しており，その返還を求めたが，原告が返還に応じないまま現在に至っているとの事実及びこれが実質的には金銭の横領行為であって，弁護士としての品位を失うべき非行に該当するという記載）について
前記１(2)ア及びイによれば，原告又はａ社と被告会社との間で，別紙「過払いに関する一覧表」のとおり複数の委任契約が締結されていたこと，各契約に基づき支払を終了すべき時点以降も，被告会社が原告又はａ社に対して，同別紙のとおり弁護士報酬を支払っていたことが認められ，平成２９年２月２７日の時点において，被告会社から原告に対する弁護士報酬の過払金７８８万２２００円が，被告会社からａ社に対する弁護士報酬の過払金９０万円が，それぞれ存在していたということができる。そして，前記１(2)ウによれば，同日に被告会社が原告に対して弁護士報酬の過払金として合計８７８万２２００円の返還を請求したところ，原告がこれに応じなかったことが認められる。そうすると，被告会社による前記の法的な見解が対象とする事実は，いずれも重要な部分が客観的な証拠に基づくものということができる。
そして，弁護士報酬につき過払いが生じた場合，通常，受任者である弁護士には，依頼者に対して過払金を返還すべき義務があると考えられるから，返還請求を受けながら長期間これを返還しないことをもって実質的な横領であるとの評価をし，「弁護士としての品位を失うべき非行」（弁護士法５６条１項）に該当すると考えることには，合理性が認められる。
なお，原告は，被告会社が原告又はａ社に対して支払った前記弁護士報酬は過払金ではない旨主張するが，前記認定を覆す客観的証拠は存在せず，原告の主張は採用することができない。また，原告は，被告会社が原告から１５７万６００８円を受領しており，過払金の総額は８７８万２２００円ではない旨主張するが，上記金額は，別個の委任契約に基づく弁護士報酬の過払金の返還に充てられたものと認められる（乙Ａ４２，４３）から，この点に関する原告の主張も採用することができない。
オ 見解Ⅴ（以上を踏まえ，原告の行為が弁護士法５６条１項に定める懲戒事由である「弁護士としての品位を失うべき非行」に該当すると考えて，被告会社が懲戒請求を行ったこと）について
前記アないしエのとおり，見解ⅠないしⅣの各前提事実のうち重要な事実が客観的な証拠に基づくものということができるから，被告会社が，これらを総合考慮して，原告の行為は「弁護士としての品位を失うべき非行」（弁護士法５６条１項）に該当すると考えることには，合理性が認められる。
(4)本件記事等の掲載行為は公表方法として必要最小限のものといえるか
前記のとおり，上場会社の不祥事については，株主を中心とする利害関係人に開示することが要請されているところ，本件記事等は被告会社の日本語版ウェブサイトの投資家情報欄及び同社の英語版ウェブサイトのIR News欄に掲載されている。
また，本件記事等の内容は，前記のとおり客観的な証拠に基づく事実及びこれに対する合理的な法的見解が記載されているのみであり，これを超えて，被告会社による不相当な意見ないし論評が記載されているとも認められない。
したがって，本件記事等の掲載行為は，被告会社による不祥事の公表方法として必要最小限のものであったと認められる。
(5)小括
以上によれば，被告会社が本件記事等をウェブサイト上に掲載した行為は，社会的に見て相当と認められるから，正当業務行為としてその違法性が阻却されるものというべきである。
第４ 結論
以上によれば，その余の争点について判断するまでもなく，原告の請求はいずれも理由がないからこれらを棄却することとし，主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第３２部
（裁判長裁判官 大濵寿美 裁判官 樋口真貴子 裁判官 町田哲哉）
〈以下省略〉
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Q&A【20】政治活動(選挙運動)における広報支援プランはどのようなものがありますか？
■営業専門会社による広報PR支援について
Q&A【21】飛び込み訪問、戸別訪問、挨拶回り代行等、ポスター貼り以外でもお願いできますか？
Q&A【22】飲食店や実店舗等の店内やトイレ等にポスターを貼ったり、ビジネスカード設置、チラシ配布等は可能ですか？
Q&A【23】全国どこでもポスター貼りが可能なのですか？
■ご検討中の方々に
Q&A【24】お問い合わせについて
Q&A【25】資料をダウンロード
Q&A【26】ノウハウ・テクニックを大公開！
■ご依頼(お申し込み)の前に
Q&A【27】お申し込みの流れ
Q&A【28】ご用意いただきたいもの
■ご依頼(ご契約)の後に
Q&A【29】進捗報告について
Q&A【30】お友達ご紹介キャンペーンについて
【ポスター【制作前の】候補予定者様】のメニューです。
「政治活動用ポスターのデザイン」は、こちらです。
公職選挙法規定の法的審査(レギュレーションチェック)対応済みの、個人ポスター、２連ポスター、３連ポスター等のデザインを制作！
「弁士相手探しマッチング」は、こちらです。
「探して、交渉して、お隣りへ！」理想の有名人や著名人の弁士相手を探して、地域有権者に対して認知度拡大の相乗効果を狙う！
「ポスターの掲示責任者代行」は、こちらです。
【全国対応】ポスターを掲示した選挙区からのクレーム対応・妨害等の「総合窓口」として、ポスター掲示責任者の代行をいたします。
【ポスター【制作後の】候補予定者様】のメニューです。
政治活動期間における「どぶ板専門！ポスター貼り(掲示交渉)代行」は、こちらです。
【稼働の流れ】
①新規ご挨拶回り|戸別訪問代行|握手代行
選挙区(指定エリア)の有権者(民家・飲食店・その他施設)に対して、候補予定者に代わって選挙ドットウィン！が直接ご訪問致します。
②名刺|ビラ|リーフレット等の手渡し配布
候補予定者と有権者を繋ぐため、名刺・ビラ・政策レポート・討議資料・リーフレットなど活動報告資料の直接手渡し配布を致します。
③留守宅|候補者PR資料ポスティング投函
ご訪問先がご不在の場合には、配布物を郵便受け等にポスティング投函致します。(想定ターゲットに完全100パーセントのリーチ率！)
④政治活動ポスター貼り(新規掲示交渉！
【完全成果報酬】地獄のドブ板活動に必須となる、政治活動用ポスター貼り(新規掲示交渉代行！)(貼れた分だけの枚数課金となります)
⑤掲示(貼付)後のフォロー|クレーム対応
ポスター掲示(貼付)完了後における掲示許可承諾者へ、フォローやクレーム対応等のストレスな部分は選挙ドットウィン！が致します。
所属政党の「党員募集獲得代行」、政治団体および後援会等の「入会募集獲得代行」は、こちらです。
当該政党の「党員」「サポーター」募集等の規定に従って、選挙立候補(予定)者様に代わって政党への入党におけるご案内を促します。
どぶ板同行OJT(座学研修および実地特訓)で学ぶ「スパルタ個別訪問同行OJT」は、こちらです。
候補予定者様ご本人・選挙事務所スタッフ・ボランティア様が効率良く「どぶ板の政治活動」が行なえるようアドバイスいたします。
絶対的な地盤を構築する「立札看板設置交渉代行」は、こちらです。
選挙立て札看板(後援会連絡事務所)の設置交渉代行で、半永久的に絶対的な知名度を確立するためのご支援をさせていただきます。
あらゆる政治選挙におけるお困りごとを支援する「選挙の窓口」活動支援一覧は、こちらです。
「地上戦」「空中戦」「ネット戦略」などを駆使し、当選に向けたコンサルティングおよびプランニングのご支援をいたします。
■ポスターPRプラン一覧(枚数・サイズの選択)
選挙区エリアにおいて、ポスターの当該掲示許可承諾者に対して交渉し、同一箇所にどのように掲示するかをお選びいただきます。
【臨機応変型PR】ポスター掲示許可貼付交渉代行プラン ※ご発注選択率88％ ★こちらをご確認下さい。
【連続二枚型PR】ポスター掲示許可貼付交渉代行プラン ※ご発注選択率6％ ★こちらをご確認下さい。
【限定一枚型PR】ポスター掲示許可貼付交渉代行プラン ※ご発注選択率4％ ★こちらをご確認下さい。
【個別指定型PR】ポスター掲示許可貼付交渉代行プラン ※ご発注選択率2％ ★こちらをご確認下さい。
※ポスターのサイズは、A1サイズ、A2サイズをはじめ、ご希望に応じてご提案させていただきます。
■掲示場所・貼付箇所
「首都圏などの大都市」「田舎などの地方都市」「駅前や商店街」「幹線道路沿いや住宅街」等により、訪問アプローチ手段が異なりますので、ご指定エリアの地域事情等をお聞かせ下さい。
※貼付箇所につきましては、弊社掲示交渉スタッフが当該ターゲットにアプローチをした際の先方とのコミュニケーションにて、現場での判断とさせていただきます。
■訪問アプローチ手段
【徒歩圏内】
駅周辺の徒歩圏内における、商店街や通行人の多い目立つ場所でのPR
【車両移動】
広範囲に車移動が必要な、幹線道路沿いや住宅街等の目立つ場所でのPR
※全国への出張対応も可能ですので、ご要望をお聞かせください。
選挙ドットウィン！の「どぶ板広報PR支援」は、選挙立候補(予定)者様の地獄の政治活動を「営業力」「交渉力」「行動力」でもって迅速にお応えいたします。
「全国統一地方選挙」・「衆議院議員選挙」・「参議院議員選挙」・「都道府県知事選挙」・「都道府県議会議員選挙」・「東京都議会議員選挙」・「市長選挙」・「市議会議員選挙」・「区長選挙」・「区議会議員選挙」・「町長選挙」・「町議会議員選挙」・「村長選挙」・「村議会議員選挙」など、いずれの選挙にもご対応させていただいておりますので、立候補をご検討されている選挙が以下の選挙区エリアに該当するかご確認の上、お問い合わせいただけますようお願いいたします。
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