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裁判年月日 令和 3年10月12日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 令3(ワ)5079号
事件名 発信者情報開示請求事件
文献番号 2021WLJPCA10128006
出典
裁判年月日 令和 3年10月12日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 令3(ワ)5079号
事件名 発信者情報開示請求事件
文献番号 2021WLJPCA10128006
東京都渋谷区〈以下省略〉
Aこと
原告 X
同訴訟代理人弁護士 福永活也
静岡市〈以下省略〉
被告 株式会社Y
同代表者代表取締役 B
同訴訟代理人弁護士 松尾栄蔵
同 村上諭志
同 星野公紀
主文
1 被告は,原告に対し,別紙1発信者情報目録記載3及び4の各情報を開示せよ。
2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用はこれを3分し,その2を原告の,その余を被告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求
1 被告は,原告に対し,別紙1発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。
2 被告は,原告に対し,10万円及びこれに対する令和3年3月11日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要
本件は,「○○」と称するウェブサイト(以下「本件ウェブサイト」という。)内に作成された匿名掲示板に氏名不詳者が投稿した別紙2投稿記事目録記載1から6までの各記事(以下,順に「本件記事1」から「本件記事6」までといい,これらを併せて「本件各記事」という。)によって名誉権及び名誉感情を侵害されたと主張する原告が,本件各記事の投稿に係る経由プロバイダである被告に対し,① 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「法」という。)4条1項に基づき,上記投稿に係る別紙1発信者情報目録記載の発信者情報(以下「本件発信者情報」という。)の開示を求めるとともに,② 被告が任意にこれらを開示しないことによって精神的損害を被ったと主張して,不法行為に基づき,慰謝料10万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である令和3年3月11日から支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
1 前提事実(当事者間に争いのない事実並びに後掲証拠(枝番のある証拠について,全ての枝番を含む場合にはその表記を省略する。以下同じ。)及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)
(1)ア 原告は,「A」の名義でブログ,書籍等の執筆活動を行っており,30冊以上の書籍(電子書籍を含む。)を出版した経歴を有するとともに,複数のソーシャルネットワーキングサービス(以下「SNS」という。)において,10万人以上のフォロワー数を有するとされるアカウントを運営している。
(乙2〔丙3〕,4〔丙23〕)
イ 被告は,電気通信事業を営む株式会社である。
(2) 本件ウェブサイトにおいて,令和2年2月4日,「Aさん,人生初のオレンジヘアに挑戦 妊娠中に『ぶつかり男』被害受け『派手な髪色だと被害に遭いづらいと…』」というタイトルの掲示板(以下「本件掲示板」という。)が作成され,本件掲示板において,本件各記事を含む多数の投稿がされた。
(甲3,4の1,甲4の2の1,甲4の3~6)
(3) 本件各記事は,被告から割り当てられたIPアドレスを使用して投稿されたものである。
(甲6,7)
(4) 原告は,令和2年7月12日,被告に対し,法4条1項に基づき,本件発信者情報を任意に開示するよう求めたが,被告は,同年8月7日,原告に対し,「『権利が侵害されたことが明らか』(法第4条第1項第1号)であると判断できません」として,本件発信者情報を非開示とする旨通知した。
(甲8)
2 争点及び争点に関する当事者の主張
(1) 本件記事1による権利侵害の明白性の有無
(原告の主張)
本件記事1は,原告が髪の色を変えたというニュースに対して,「性犯罪者より絶対ママ友に避けられそうな髪色だね」と述べるものである。
これは,性犯罪者と対比させつつ,原告を性犯罪者よりもなお周囲に嫌悪される人物であると述べた上,「ぶつかり魔」に悩んでいた原告の意図を嘲笑的に捉えるものであり,原告を侮辱する表現に当たる。
さらに,「全日本女子プロレス入りでもするのか?」との表現は,一般的に女性が有する可愛さや綺麗さを求める志向とは相反する評価を述べるものであり,原告に対する侮辱意図を容易に感じ取ることができる。
これらの表現は,表現価値に乏しく,単に原告を侮辱する個人攻撃であり,社会通念上許容される限度を超える侮辱行為として,原告の名誉感情を侵害することは明白である。また,本件記事1の「性犯罪者」という語は,通常強く目を引き,著しく感情を揺さぶるものであるから,この一語を含めて相手を侮辱する際には,その他の細部の表現態様が何であれ,全体として強い侮辱表現と評価できる。
(被告の主張)
本件記事1は,飽くまで原告の髪色が他人から避けられそうだと述べているにすぎず,原告の人格が他人から嫌悪されそうだと述べているわけではない。本件記事1は,原告が痴漢対策で髪色をオレンジ色にした結果,痴漢に避けられるよりむしろ「ママ友」に避けられそうだとの感想を述べたものである。
また,「全日本女子プロレス入りでもするのか?」との表現は,原告の髪色を全日本女子プロレスのメンバーの派手な髪色になぞらえたものにすぎない。
したがって,本件記事1は,社会通念上許容される限度を超える侮辱行為とはいえない。また,原告は,本件記事1が「性犯罪者」の語を用いていることから,細部の表現態様が何であれ,全体として名誉感情を侵害するものであると主張するが,失当である。
(2) 本件記事2による権利侵害の明白性の有無
(原告の主張)
本件記事2は,原告を「コンテンツ失格」,「ガイジ生活」と表現して侮辱している。「ガイジ」とは障害者を表す語であり,「ガイジ生活」とは障害者が送るような生活という意味である。このような表現は,表現価値に乏しく,単に原告を侮辱する個人攻撃であり,社会通念上許容される限度を超える侮辱行為として,原告の名誉感情を侵害することは明白である。
また,本件記事2は,原告について「生活してるくせにバカにされたくないヲチられたくない教えても欲しくない,ひたすら私を褒め尊敬し賞賛しろって…」と述べるものであるが,これは原告の生活がバカにされても仕方のないものであることを前提とするものであり,原告を嘲笑する表現に当たる。
さらに,本件記事2は,原告に対して「一生サクラ雇うわけにはいかないのよ~w」と述べるものである。「サクラ」とは,中立的な立場でない第三者に依頼して自らを擁護させる意味であるが,本件記事2は,特段の根拠もなく,原告がそのような行為をさせているかのように決めつけるものであり,原告を侮辱する表現に当たる。
そして,上記の各表現が単独では社会通念上許される限度を超える侮辱行為とはいえなくても,これらを全体として捉えれば,社会通念上許される限度を超えた侮辱表現に当たる。また,本件記事2の「ガイジ」とは,相当強い罵倒表現であって,強く目を引き,著しく感情を揺さぶる効果を有する。したがって,「ガイジ」という語を含めて相手を侮辱する際には,その他の細部の表現態様が何であれ,全体として強い侮辱表現と評価できる。
(被告の主張)
原告は,「人生全部コンテンツ」論を標榜し,自らの人生で起きたことを全て公衆に話題提供している。本件記事2の投稿者は,原告が,人生全部コンテンツを標榜していながら,コンテンツの自由な消費を認めていない時点で「コンテンツ失格」であるとの感想を述べたにすぎない。
「ガイジ生活」との表現は,原告が人生全部コンテンツを標榜し,自己の私生活を全てインターネットで公表している行為が非常識であることを表現する趣旨であり,「ガイジ」の語を選んだのは,本件記事2を投稿した者の語彙の乏しさから来るものにすぎない。
「生活してるくせにバカにされたくないヲチられたくない教えても欲しくない,ひたすら私を褒め尊敬し賞賛しろって…」との表現は,本件記事2の投稿者から見た原告に対する感想を列挙した上で,投稿者が原告に呆れた理由を一文にまとめたものであり,嘲笑のニュアンスは読み取ることができない。
「サクラを雇う」との表現は,通常,原告をネットで賞賛したり,褒めたりする者を雇う行為を指すところ,本件記事2の投稿者は,原告が,自著である「△△」について,大型ショッピングサイトであるアマゾンのレビューを書いてほしいとの依頼を第三者にしたことを根拠として,このような表現をしたものである。「一生サクラを雇うわけにはいかない」との表現は,いくら自分を褒めて欲しいと思っても,いつまでもサクラを雇って褒めさせるわけにはいかないとの感想を述べたものであって,名誉感情を侵害するものとはいえない。
なお,原告は,本件記事2が「ガイジ」という語を用いていることから,細部の表現態様が何であれ,全体として名誉感情を侵害するものであると主張するが,失当である。
(3) 本件記事3による権利侵害の明白性の有無
(原告の主張)
ア 本件記事3は,原告について「頭弱いワナビー相手の無償労働制奴隷サロンで情報商材詐欺して月謝で暮らし」と述べている。これは,原告が第三者を騙して無償で働かせることで利益を得る人物であるとの事実の摘示又は意見・論評の表現であって,原告の社会的評価を低下させる。そして,上記事実は真実ではなく,上記表現をすることについて公益目的も認められないから,上記表現は原告の名誉権を侵害することが明白である。
イ また,本件記事3は,原告について「サクラ雇ってネットde擁護」とも述べている。これは,原告がいわゆるサクラを有償で雇うことで,インターネット上で架空の擁護者を立てている人物であるとの事実の摘示又は意見・論評の表現である。上記表現に接した一般の読者は,原告が自由で公正な言論市場を歪める行為をする人物であると評価するから,上記表現は,原告の社会的評価を低下させる。そして,上記事実は真実ではなく,上記表現は原告の名誉権を侵害することが明白である。
ウ 以上の表現に加えて,本件記事3は,原告について「チンピラみたい」などと述べているが,これは正当な意見・論評の範囲を超えた個人攻撃であって社会通念上許される限度を超えた侮辱行為に当たるから,原告の名誉感情を侵害することが明白である。
(被告の主張)
ア 本件記事3における「頭弱いワナビー相手の無償労働制奴隷サロンで情報商材詐欺して月謝で暮らし」との表現のうち,第三者を騙しているとの部分は,具体的にどのような騙し方をしているのかを読み取ることができず,証拠によって存否を決することができない。したがって,当該部分は意見・論評に当たり,上記表現は全体として意見・論評に当たる。なお,上記部分について,「ワナビー相手」と記載されていることから,原告がワナビー(wanna be。何かになりたいと期待する者)に対し,何かになれると期待させてサロンでの仕事を手伝わせているという欺罔手段程度は読み取ることができるとしても,これは真実である。
そして,いわゆるオンラインサロンとして原告が開設した「□□」では,メンバーが無償で原告の仕事をしているほか,原告自身,「サロン奴隷制度論」について,「そもそもオンラインサロンってそういう仕組みだから」と述べており,オンラインサロンが奴隷制度のようなものだと認めているから,上記表現のうち,原告が無償で第三者を働かせることで利益を得ているとの事実は真実である。よって,上記表現には違法性阻却事由をうかがわせる事実が存在するから,上記表現は原告の名誉権を侵害することが明白であるとはいえない。
イ さらに,企業がサクラを雇う行為が不当景品類及び不当表示防止法又は不正競争法防止法に違反するのに対して,一般人である原告は,サクラを雇っても何らかの法律に違反するわけではないから,サクラを雇ったとの事実により,原告の社会的評価が低下するわけではない。
仮に原告がサクラを雇っているとの事実により原告の社会的評価が低下するとしても,「サクラ」の定義は明らかでなく,「ネットde擁護」(ネットで擁護)とは何をすることなのかも明らかでないから,「サクラ雇ってネットde擁護」との表現は,意見・論評に当たる。そして,原告は自著についてアマゾンでのレビューを書いてほしいと第三者に依頼したことがあり,原告がサクラを雇ったことは事実であるから,上記表現は,その前提部分において真実であり,違法性阻却事由をうかがわせる事情がある。よって,上記表現は,原告の名誉権を侵害することが明白であるとはいえない。
ウ 「チンピラみたいなことするぐらいなら」との表現は,投稿の流れからすると,「□□サロン」での無償労働とサクラを雇って擁護させることを指すものと解されるところ,上記ア及びイのとおり,□□サロンで無償労働が行われていることと原告がサクラを雇っていることは真実であり,本件記事3の投稿者は,かかる事実を前提に,誠実でない生き方をするくらいなら,何もしない方が人としてましであるという感想を述べる趣旨で「チンピラみたいなことするぐらいなら何もしない方がマシでしょ」と述べたものである。よって,上記表現は,原告の名誉感情を侵害するものとはいえない。
(4) 本件記事4による権利侵害の明白性の有無
(原告の主張)
ア 本件記事4は,「高齢ブス」,「美容院行こうがたいていの人は興味ないって気付いてないのがすごい」,「毎回毎回代わり映えのしないブサイクな面」,「勘違いブス載せるスレの餌食になってる逸材」などと,執拗に原告の容姿を侮辱している。かかる表現は,表現価値に乏しく,原告の容姿を貶めるだけの個人攻撃であり,原告に対する名誉権侵害が成立することは明白である。
イ なお,原告が過去に他人に対して「ブス」との形容を用いたことがあったとしても,本件記事4とは全く状況を異にする場面のことであり,また,何年も前のことであって,現在において,全く関係のない第三者から同様の発言をされることについて高い受忍限度を課せられるいわれはない。
(被告の主張)
ア 原告は,自分自身を「ブス」と表現し,人生全部コンテンツとのスローガンの下,「日本一のブス」と罵られた経験を公衆に提供している。原告にとって,「ブス」はコンテンツの一つであって,本件記事4は,原告が自ら公表している自己に対する評価を指摘するものにすぎず,原告の名誉感情を侵害するものとはいえない。
イ また,原告は,過去に他人を「ブス」と形容するツイートを投稿しているから,原告自身,他人を「ブス」と形容することは社会通念上許される行為であると認識している。したがって,原告を「ブス」と表現することは,社会通念上許容される限度を超えた侮辱行為に当たるものではない。
(5) 本件記事5による権利侵害の明白性の有無
(原告の主張)
本件記事5は,原告を「典型的な子供虐待する親」,「虐待親」と表現している。これは,原告が自らの子を虐待する人物であるとの事実の摘示に当たるところ,原告が自らの子を虐待しているとの事実は存在しないから,違法性阻却事由をうかがわせる事情もない。
また,仮に上記表現が意見・論評であるとしても,違法性阻却事由の有無を判断するに当たっては,暴力・ネグレクト等の社会的非難の対象となる客観的事実関係があるかが問題とされるべきところ,そのような事実は存在せず,違法性阻却事由をうかがわせる事情は存しない。被告が指摘する児童虐待の通報は,飽くまで第三者が原告のSNSを見て主観的な思い込みでしたものであって,原告の育児状況に客観的に非難の対象となるべき点があることを裏付けるものではない。なお,被告が重要部分とする「典型的な」という表現は,細部にすぎない。
以上からすれば,本件記事5は,原告の名誉権を侵害するものであることは明白である。
(被告の主張)
本件記事5は,子どもを虐待する親は,自分は虐待していないと考え,虐待だと指摘されると「誰彼構わず逆ギレ」するものであり,原告はその指摘に当てはまっていることを述べたものである。したがって,本件記事5の重要部分は,「典型的な」との部分である。
そして,どのような行為があると「典型的」であるかは証拠等をもって決することができないから,「典型的な子供虐待する親」との表現は,意見・論評に当たる。そして,原告は,複数回にわたり児童虐待で通報され,警察も出動しているにもかかわらず,虐待を否定し,同様の行為を繰り返している。したがって,上記表現は違法性阻却事由をうかがわせる事情がある。
また,原告は「虐待親」との表現が原告の名誉権を侵害するものと主張するが,当該表現は,「もう虐待って言われただけでそれだけ誰彼構わず逆ギレしてる時点で完全に虐待親なんだって」との文脈で使用されたものである。上記のとおり,本件記事5の投稿者は,「虐待している」と言われただけでキレているのは「虐待親」の典型だと指摘しているにすぎず,その趣旨は「典型的な子供虐待する親」との表現と同じである。そうすると,上記表現は意見・論評に当たるところ,これは前提部分において真実であるから,違法性阻却事由をうかがわせる事情がある。
さらに,原告については,社会的非難を浴びる客観的事実関係が,写真と共に掲載されている。
よって,本件記事5は,原告の名誉権を侵害するものとはいえない。
(6) 本件記事6による権利侵害の明白性の有無
(原告の主張)
ア 本件記事6は,原告を「キチガイA」と表現した上,「サクラ雇ってんだろうな」と,特段の根拠なく,原告がいわゆるサクラをさせているかのように決めつけて侮辱している。このような表現は,表現価値に乏しく,単に原告を侮辱する個人攻撃であり,社会通念上許容される限度を超える侮辱行為として,原告の名誉感情を侵害することは明白である。
イ なお,被告は「キチガイA」と「正論しか言わないCさん」が対比されていることから,「キチガイ」と「正論しか言わない」が反意語である旨主張するが,上記2名を対比しているからといって,「キチガイ」と「正論しか言わない」が反意語であると評価できるわけではない。本件記事6において,「キチガイ」が侮辱用語として用いられていることは明らかである。
また,被告は,本件記事6における侮辱表現を正当化する根拠として様々な事実を主張するが,これらの事実は本件記事6において述べられているわけではなく,そもそも上記主張の大半は客観的根拠がない。
ウ また,本件記事6は,「サクラ雇ってんだろうな」と,特段の根拠なく,原告がいわゆるサクラを使っているかのように決めつけて侮辱している。上記表現は,社会通念上許容される限度を超える侮辱行為として,原告の名誉感情を侵害することが明白である。
(被告の主張)
ア 「キチガイ」との用語は,精神障害のある者に対する侮辱用語として使われるほか,「マニア」や「非常識な人」との意味合いで使われる場合もある。本件記事6において,「キチガイA」は,「正論しか言わないCさん」との対比で用いられていることから,本件記事6における「キチガイ」とは,曲論・邪論を言う人物という意味で用いられている。
そして,原告は,人生全部コンテンツ論の下,専業主婦を「付属品」と表現するなど,一般人との感覚のズレが指摘される言動がたびたび見られ,その主張が曲論・邪論ではないかと受け止められている。したがって,本件記事6における「キチガイA」との表現は,原告の名誉感情を侵害するものとはいえない。
イ また,「サクラ雇ってんだろうな」との表現は,本件記事6の投稿者が,原告が何らかのサクラ行為をしているのではないかと推測したことを「あくまで推測だけど」と前置きした上で述べたものにすぎず,原告の名誉感情を侵害するものとはいえない。
(7) 原告が本件発信者情報の開示を受ける正当な理由の有無
(原告の主張)
ア 原告は,本件各記事の投稿者に対する損害賠償請求を予定しており,本件発信者情報はそのために必要であるから,原告が本件発信者情報の開示を受けるについては,正当な理由がある。
イ 被告が主張する原告訴訟代理人弁護士の発言は不知。少なくとも,発信者情報開示請求で特定した人物の顔について述べたものではない。そもそも,原告訴訟代理人弁護士の言動と,原告の権利行使とは無関係である。また,原告訴訟代理人弁護士は,過去に発信者情報開示請求訴訟により取得した発信者情報を公開したことはない。
また,被告が主張する原告の発言は,一般論として匿名で誹謗中傷をする者に対して批判を述べたものであって,本件とは無関係である。
(被告の主張)
原告訴訟代理人弁護士は,発信者情報開示請求で特定した人物を友人限定で回覧しているほか,酔った勢いで晒すとも述べている。
原告自身も,発信者情報開示請求で開示された人物の「写真と名前を公開する刑でいいと個人的には思う」とツイートしている。
したがって,本件発信者情報を原告に開示した場合,本件各記事の投稿者がプライバシーを侵害される可能性があることから,原告が本件発信者情報の開示を受けるにつき,正当な理由があるとはいえない。
(8) 本件発信者情報のうち開示されるべきもの
(原告の主張)
通常,ある投稿の発信者と,その投稿に際し利用されたインターネット接続サービスに係る契約者とは,家族関係や会社内の関係等,一定の関係を有する場合が通常であり,本件各記事の送信に利用した回線の契約者に関する情報は,本件各記事の発信者の特定に資する情報として,開示請求が可能である。
(被告の主張)
本件各記事の発信者(投稿者)とこれに係る被告との契約者とはいずれも異なる。発信者は,契約者の契約する回線を利用し,本件各記事を投稿したものである。
そして,発信者と契約者とが異なる場合,法4条1項所定の「権利の侵害に係る発信者情報」として開示の対象となるのは,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律第4条第1項の発信者情報を定める省令1号及び2号所定の氏名又は名称及び住所に限られ,同省令3号及び4号所定の電話番号及びメールアドレスはこれに当たらない。
(9) 被告による本件発信者情報不開示に係る「重大な過失」(法4条4項本文)の有無
(原告の主張)
本件各記事は,一見して原告の名誉権及び名誉感情を侵害することが明らかであるから,本件発信者情報を開示しなかったことにつき,被告には重大な過失がある。
(被告の主張)
本件各記事の文言それ自体からは,本件各記事が原告の権利を侵害していることが一見明白であるとはいえない。
また,本件各記事に係るいずれの投稿者についても,発信者情報開示請求の分野において著名な弁護士を代理人として,本件各記事が原告の権利を侵害しないことを主張している状況にあり,ましてや本件各記事を投稿した者がプライバシー侵害の被害者になる可能性までも主張している。
したがって,被告が原告に対して本件発信者情報を開示しなかったことについて,重大な過失があるとはいえない。
第3 当裁判所の判断
1 判断の基礎となる事実
前記第2の1の前提事実に加え,後掲証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実を認めることができる。
(1) 原告(令和3年3月1日の本訴提起時34歳)は,平成16年頃から,ブログを開設して投稿をするようになった。その後,ブログ以外のSNSのアカウント開設や書籍の出版も行うようになり,平成30年7月には,上記アカウントのフォロワー数が10万人から100万人存在する「トップインフルエンサー」と自ら称したり,令和2年8月に提起した訴訟における訴状で,上記フォロワー数は最大24万人以上の著名人である旨記載したりしている。(甲1,乙1〔丙6〕,2〔丙2〕,4〔丙21,23〕)
(2) 原告は,「人生全部コンテンツ」をモットーとして標榜し,様々な発信活動をしている。そのような中,いわゆるアンチと呼ばれる原告の発信活動に批判的な者らによる反応も目立つようになっていった。
例えば,原告は,平成24年頃から翌25年頃にかけて,自身のブログや自身が編集長を務める美容医療クーポンサイトに「血液クレンジング」(採取した血液に医療用のオゾンを混ぜ再び体内に戻すとされるもの)を推奨する記事を多数掲載していたが,平成31年頃,これらの記事について,「血液クレンジング」の医学的有効性に対する疑問に基づく批判のみならず,記事を装った広告(いわゆるステルスマーケティング。略称ステマ)ではないかという批判がされた。上記記事がステマと疑われたのは,原告が「血液クレンジング」の施術を受けたクリニックが上記サイトのクーポン提供元であるなど,同クリニックと原告との間に利害関係があるとみられたためであった。
この他,原告が,平成29年11月,SNSの一つであるツイッターに「童貞が『html…エッチtmlってなんかエロいですね』と言った時,私は,童貞というのは救う方法のない病気なのだと悟った。すごいね…ほんとにすごいね。」との投稿をしたことや,令和元年5月以降,専業主婦に関し,「専業主婦生活,人との交流なさすぎ…外出自粛生活ずっとやってるようなもの」,「専業主婦は,外で働くつらさと『稼ぎ続けなければいけない』プレッシャーからは解放される。そのかわり夫に対して『この人の愛を失ったら終わり』『社会復帰したくても出来ない』『誰かの付属品的な人生』というつらさがある。」等の投稿をしたことなども,批判等の対象となった。
(甲1,乙1〔丙6〕,2〔丙2~6,11〕
(3) 原告は,「□□」と称するいわゆるオンラインサロン(月額会員制のウェブ上で展開されるクローズドなコミュニティ。以下「本件サロン」という。)を主宰していたこともある。その会員数は,平成30年6月頃には約450人と説明されていた。本件サロンは,企業からの受注案件について,会員が,自主的に無報酬で,マーケティングやプロデュースの勉強の趣旨で取り組むというコンセプトのものであった。
本件サロンについては,平成30年8月頃,女性会員において,男性会員から性犯罪の被害を受け,それを本件サロン内で問題提起したが無視されたなどと指摘する記事がインターネット上に掲載された。原告としては,上記女性会員の申告を受けた際,真偽不明であることなどから,上記問題提起に係る投稿を削除し,加害者とされた男性会員に対する特段の措置は取らないといった対応をしたため,インターネット上では,原告が性犯罪を隠ぺいしたとする指摘もされた。
(甲1,乙1〔丙8〕,乙2〔丙3,7,9,10〕)
(4) 令和元年に原告が内縁の夫についてまとめた書籍を出版した際,あるオンラインサロンの会員を対象に,同書籍につき,アマゾンのレビューに対する投稿を促すととともに,投稿済みのレビューのうち好評価のもの全てに「役に立った」とする評価をするよう促す投稿がされた。すると,インターネット上で,この投稿が,原告によるいわゆるサクラ行為であるとして批判する投稿等が行われた。
(乙1〔丙7〕)
(5) 原告は,令和元年○月,男児(以下「本件男児」という。)を出産したが,本件男児に係る妊娠経過につき,ブログに「妊活編」と題して継続的に記事を掲載していた。そして,同年3月20日の記事では,妊娠検査薬の検査で陰性で,翌日生理が来たとしていたにもかかわらず,同月27日の記事では,妊娠した旨が掲載されたため,あり得ない経過であると批判の対象となった。
また,原告は,令和2年1月,ジョリージャンパー(乳幼児の体を紐等で固定させて上下左右に揺らす遊具)で本件男児を遊ばせていた際,本件男児が体を固定する紐をつけたまま寝入った状態を撮影した動画をSNSに投稿したり,同年5月,本件男児が足温器の中に頭まで入った状態を撮影した写真をSNSに投稿したりしたが,その都度,これらの投稿を見た複数の者が,原告が本件男児を虐待している疑いがあるなどとして,警察や児童相談所に通報した。原告は,この通報があったこともSNSに投稿し,当該通報が「嫌がらせ」であると表現したり,虐待の事実はない旨記載したりした。
(甲1,乙1〔丙14,15〕,2〔丙3,12〕)
(6) 令和2年2月4日,氏名不詳者により本件掲示板が作成され,一番目の投稿として,原告と本件男児が二人で写った写真の他,本件掲示板のタイトルと同じ見出しのスポーツ新聞の記事サイトの紹介及び同記事の内容の要約が掲載された。本件掲示板には,同月13日までに,1400以上の投稿がされた。
本件各記事については,別紙投稿記事目録の投稿日時欄記載の日時に投稿されたもので,本件記事1から本件記事5までは同一の者により,本件記事6については他の者により投稿された。
(甲3の1及び2,甲7の1,乙1,2)
2 争点(1)(本件記事1による権利侵害の明白性の有無)について
証拠(乙1)及び弁論の全趣旨によれば,本件記事1における「性犯罪者より絶対ママ友に避けられそうな髪色だね」との表現は,原告のことを「性犯罪者」が避けるよりも「ママ友」が避けると想定されるという趣旨,すなわち「性犯罪者」と「ママ友」とを対比したものと認められ,違法な侮辱的表現とは認められない。もっとも,上記表現自体によれば,同表現は,「性犯罪者」よりも原告の方が「ママ友」に避けられるという趣旨,すなわち「性犯罪者」と原告とを対比したものと理解する余地はある。しかし,仮にそのような理解を前提としても,上記1認定の事実にも照らせば,その趣旨は原告の髪色が投稿者にとっては強い違和感がある旨の意見ないし感想を述べるものにすぎないと解されるから,違法な侮辱的表現とまで認めることはできない。
また,「全日本女子プロレス入りでもするのか?」との表現は,原告の髪色が派手であることを女子プロレスラーの演出になぞらえて強調する趣旨と解され,特に侮辱の趣旨が強いものとは認められない。
したがって,本件記事1は,原告の権利を侵害することが明白であるとはいえない。
3 争点(2)(本件記事2による権利侵害の明白性の有無)について
(1) 上記1認定の事実によれば,本件記事2における表現は,全体として,「人生全部コンテンツ」をモットーとして標榜する原告について,投稿者としてはコンテンツとしての有意な価値を認めることができないという投稿者の意見ないし感想を述べるものであり,原告を違法に侮辱するものとは認められない。
(2) 本件記事2における「ガイジ生活」との表現のうちの「ガイジ」とは,証拠(甲4の2の2,甲9,乙5〔丙31,32〕)によれば,元々は障害児ないし知的障害児の蔑称として限定された地域で用いられていたものが,罵倒語として専らインターネット上の電子掲示板等で使用されるようになったもので,一般的には使用すべきではない用語とされていることが認められる。したがって,「ガイジ生活」という表現は,品位を欠く表現とはいえるが,この表現があるからといって直ちに違法な侮辱となるものとは認められない。また,「生活してるくせにバカにされたくないヲチられたくない教えても欲しくない,ひたすら私を褒め尊敬し賞賛しろって…」という部分についても,上記1認定の原告のインターネットないしSNS上の言動等を踏まえ,インフルエンサーを自称する原告に対する投稿者の評価を述べるものといえ,違法な侮辱に当たるとは認められない。
さらに,「一生サクラ雇うわけにはいかないのよ~w」との表現は,上記1(4)認定の事実が存在することを踏まえ,原告がサクラを利用したことを暗黙の前提として,原告のコンテンツとしての有用性について投稿者の意見ないし評価を付加的に述べたものにすぎないと認められ,上記1認定の事実に照らし,上記前提の真偽にかかわらず,違法な侮辱に当たるとは認められない。
したがって,本件記事2における原告指摘の表現の存在を考慮しても,上記(1)の認定判断が左右されるものとはいえない。
(3) 上記(1)及び(2)によれば,本件記事2は,原告の権利を侵害することが明白であるとはいえない。
4 争点(3)(本件記事3による権利侵害の明白性の有無)について
(1) 本件記事3における「頭弱いワナビー相手の無償労働制奴隷サロンで情報商材詐欺して月謝で暮らし」との表現は,本件サロンにおける会員の活動について,会員を欺罔して無償で働かせ原告が利益を得ている旨の事実を摘示するものと認めるのが相当であり,上記事実は原告の社会的評価を低下させるものと認められる。被告は,上記表現には原告が具体的にどのような方法で第三者を騙しているかを特定していないから意見・論評に当たると主張するが,「詐欺」の語自体にも事実の意味が含まれていることは明らかであるから,被告の上記主張は採用することができない。
(2) 被告は,本件記事3のうち第三者を騙しているとの部分につき,原告がワナビー(wanna be。何かになりたいと期待する者)に対し,何かになれると期待させてサロンでの仕事を手伝わせているという欺罔手段程度は読み取ることができるとした上,この点は真実である旨主張する。しかし,本件記事3中の「詐欺して」の部分が摘示する事実は上記程度にとどまるものとはいえず,被告の上記主張は失当である。他に上記部分について違法性を阻却すべき事実をうかがわせる事情を認めるに足りる証拠はない。
したがって,その余の点について判断するまでもなく,本件記事3は,原告の権利を侵害することが明白であると認められる。
5 争点(4)(本件記事4による権利侵害の明白性の有無)について
(1) 本件記事4は,原告について,「高齢ブス」,「ブサイクな面」,「勘違いブス」などという語を用いながら,原告がその容姿をSNSに投稿することを揶揄する趣旨のものと認められる。
そして,「ブス」ないし「ブサイク」という語は,侮蔑語としては強い表現であるといえるところ,上記1認定の原告の属性,言動等を考慮しても,原告の言動を批判するに当たりあえてその容姿を殊更に揶揄する必要性を認めるに足りる証拠はない。それにもかかわらず,本件記事4は,上記の語を3回も用いて原告の容姿を批判するものであり,社会通念上許される限度を超えた侮辱行為として,原告の名誉感情を違法に害するものと認めるのが相当である。
(2) 被告は,原告が自らを「ブス」と形容していると主張するところ,証拠(乙1〔丙11~13〕,4〔25,26〕)によれば,原告は,遅くとも平成26年以降,SNS上で自らを「日本一のブス」などと表現し,これを自身のアピール材料として利用したこともあることが認められる。しかし,上記証拠によれば,その文脈は,主として,ブスを始めとする容姿に係る表現に捉われずに生活ないし活動をしていこうという意識を訴えるものと認められ,「ブス」,「ブサイク」などと表現されることを無条件に甘受する趣旨とは認め難い。この文脈に照らせば,本件記事4の表現は,許容範囲を超えるものというべきであり,被告の上記主張は,上記(1)の認定判断を左右するものとはいえない。
また,被告は,原告が過去に他人を「ブス」と形容したことがあるとも主張する。確かに,証拠(乙4〔丙28〕)によれば,原告は,平成29年7月8日,「うるせぇよこの内面クソブスが。一生人の容姿ディスりながら日陰の人生送っとけよ!容姿ディス書いてるやつ大体全員ドブスだよ!しかも顔だけじゃなく内面もブスな救い難いブス。」との内容をツイッターに投稿していることが認められる。しかし,上記証拠及び弁論の全趣旨によれば,上記の投稿は,原告の容姿を中傷する投稿を受けて投稿されたものと認められ,この投稿をもって,原告が,無差別に他人の容姿を中傷したり揶揄したりする言動をする人物であると認めることはできない。したがって,原告が上記投稿をしたことがあるからといって,上記(1)の認定判断を左右するものとはいえない。
(3) 上記(1)及び(2)によれば,本件記事4は,原告の権利を侵害することが明白であると認められる。
6 争点(5)(本件記事5による権利侵害の明白性の有無)について
本件記事5は,全体として,原告が本件男児を虐待しているとの事実を摘示するものと認められ,同事実は,原告の社会的評価を低下させるものといえる。
しかし,上記1(5)認定の事実によれば,原告の本件男児に対する扱いは,主観的にはともかく,客観的には本件男児の身体に危険を及ぼしかねないもの,少なくとも本件男児に対する扱いとして不適切と認識することが不合理とはいえないものと認められるのであって,その認識が全くうかがえない原告の投稿内容などをも考慮すれば,本件記事5で摘示された事実について,真実であることをうかがわせる事情が存在しないということはできない。
したがって,本件記事5は,原告の権利を侵害することが明白であるとはいえない。
7 争点(6)(本件記事6による権利侵害の明白性の有無)について
本件記事6における「キチガイA」との表現は,侮辱的な表現ではあるが,本件記事6全体が,「キチガイA」と「ど正論しか言わないCさん」を対置していることの他,上記1認定の原告の属性,言動等を考慮すれば,原告の名誉感情を違法に害するものとは認められない。
また,本件記事6における「Aってサクラ雇ってんだろうなと思ったw」との表現は,上記「キチガイA」と「ど正論しか言わないCさん」を対置する文脈の中での表現であることに加え,原告について上記1(4)認定の事情が存在することをも考慮すれば,やはり原告の名誉感情を違法に害するものとは認められない。
したがって,本件記事6は,原告の権利を侵害することが明白であるとはいえない。
8 争点(7)(本件発信者情報開示請求に係る正当な理由の有無)について
上記4及び5で説示したとおり,本件記事3及び本件記事4については原告の権利を侵害することが明白であり,証拠(甲1)及び弁論の全趣旨によれば,原告は,これらの記事の投稿者に対し,損害賠償請求その他の権利行使をする意思を有していることが認められる。したがって,原告には,本件発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があると認められる。
被告は,原告訴訟代理人弁護士や原告のこれまでの投稿等から,本件発信者情報を原告に開示した場合,投稿者のプライバシーが侵害される可能性があるとして,上記正当な理由があるとはいえない旨主張する。しかし,本件発信者情報の開示を受けるのは原告であり,その正当な理由の存否を判断するに当たり原告訴訟代理人の従前の投稿等は直接関係するものとはいえない上,被告が問題とする同代理人の投稿(乙1〔丙16,17〕,2〔丙15,16〕)自体,発信者情報開示請求により開示された情報を第三者に明らかにしたもの,ないししようとしたものとは認められない。被告が問題とする原告の投稿等(乙1〔丙18,19〕,2〔丙17,18〕)についても,匿名で誹謗中傷を行う者に対する一般的な見解を示したもの,又は発信者情報開示請求により開示された情報を第三者に明らかにしたものとは認められないものといえる。したがって,被告の上記主張は採用することができない。
9 争点(8)(本件発信者情報のうち開示されるべきもの)について
被告は,本件各記事の発信者(投稿者)が,その投稿に際し利用されたインターネット接続サービスに係る契約者とは異なるとし,これを前提に,本件発信者情報のうち開示されるべきものは契約者の氏名又は名称及び住所である旨主張し,被告提出の証拠(乙1,2)には上記前提に沿う記載がある。
しかし,上記証拠には,単に上記投稿者と契約者とが異なるという結論のみが記載されているにとどまり,両者の関係については何ら説明されていない。したがって,上記証拠から直ちに,上記投稿者と契約者とが別人である,あるいは,両者の使用する電話番号やメールアドレスが異なることを認めるには足りないというべきである。
したがって,原告は,本件発信者情報の全てについて,その開示を受けることができると認めるのが相当である。
10 争点(9)(法4条4項本文所定の「重大な過失」の有無)について
法4条1項に基づく発信者情報の開示請求に応じなかった特定電気通信役務提供者は,当該開示請求が同項各号所定の要件のいずれにも該当することを認識し,又は上記要件のいずれにも該当することが一見明白であり,その旨認識することができなかったことにつき重大な過失がある場合にのみ,損害賠償責任を負うものと解するのが相当である(最高裁判所平成22年4月13日第三小法廷判決・民集64巻3号758頁)。
原告は,本件各記事に係る発信者情報を被告が開示しなかったことにつき上記重大な過失がある旨主張するところ,上記2から7までの説示のとおり,本件各記事のうち原告の権利を侵害していると認められるのは本件記事3及び本件記事4のみである。そして,上記1認定の事実並びに上記4及び5の説示に照らせば,これらの両記事について,法4条1項各号所定の要件のいずれにも該当することが一見明白であると認めることはできない。したがって,被告が本件記事3及び本件記事4につき発信者情報の開示を拒否したことについて,重大な過失があるとはいえない。
よって,原告の被告に対する損害賠償請求は,理由がない。
第4 結論
以上の次第で,原告の請求は,本件発信者情報のうち本件記事3及び本件記事4に係るものの開示を求める限度で理由があり,その余は理由がない。よって,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第16部
(裁判長裁判官 伊藤正晴 裁判官 五十嵐浩介 裁判官 横山怜太郎)
別紙1
発信者情報目録
下記の各アイ・ピー・アドレスを各日時に被告から割り当てられていた各契約者に関する以下の情報
〈表省略〉
(ア) 氏名又は名称
(イ) 住所
(ウ) 電子メールアドレス
(エ) 電話番号
〈以下省略〉
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