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裁判年月日　令和 2年 3月 3日　裁判所名　東京地裁　裁判区分　判決
事件番号　平３０（ワ）１０５８２号
事件名　地位確認等請求事件
裁判結果　一部認容　文献番号　2020WLJPCA03038009

要旨
◆語学塾等の経営などを行う被告会社に雇用されていた米国籍の男性である原告が、被告会社に対し、一方的に就労を拒絶した上でした本件解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であるとは認められず、権利を濫用したものとして無効であると主張して、雇用契約上の地位確認を求めるとともに、未払賃金の支払を求めたほか、同解雇は、訴外従業員の虚偽事実の報告によりなされたものであるとして、不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、原告と被告会社との間の更新前の本件基本契約は、被告会社の更新申込みとこれに対する原告の承諾により、平成２９年１１月１８日以降も更新されたものであるところ、原告に被告会社の就業規則の規定に反した解雇事由に当たる行為があったとの事実は認められないから、本件解雇は、客観的に合理的な理由を欠くものであり、かつ、社会通念上相当であるとは認められず、無効であるが、更新後の本件基本契約は、契約期間満了により終了しているとして、原告が被告会社に対して請求できる賃金額を認定する一方、本件解雇は、専ら訴外従業員が創作した虚偽の事実を前提とするものであったとまでは認められないなどとして、同解雇の不法行為を否定し、請求を一部認容した事例

出典

評釈
田口靖晃・労政時報 4001号8頁

参照条文
労働契約法８条
労働契約法１６条
民法９５条
民法５３６条２項
民法７０９条
民法７１５条

東京都中野区〈以下省略〉
原告Ｘ
同訴訟代理人弁護士三笠禎介
東京都港区〈以下省略〉
被告Ｙ株式会社
同代表者代表取締役Ａ
同訴訟代理人弁護士石嵜信憲
同盛太輔
同橋村佳宏
同柳瀬安裕

主文

１　被告は，原告に対し，１１８万６０００円及びうち７０万円に対する平成２９年１２月２９日から，うち３６万８０００円に対する平成３０年１月２９日から，うち３万６０００円に対する平成３０年３月１日から，うち２万２０００円に対する平成３０年３月２９日から，うち１万８０００円に対する平成３０年４月２９日から，うち１万２０００円に対する平成３０年５月２９日から，うち１万２０００円に対する平成３０年６月２９日から，うち１万８０００円に対する平成３０年７月２９日からそれぞれ支払済みまで年６分の割合による金員を支払え。
２　原告のその余の請求をいずれも棄却する。
３　訴訟費用は，これを１０分し，その９を原告の負担とし，その余は被告の負担とする。
４　この判決は，１項に限り，仮に執行することができる。

事実及び理由

第１　請求
１　原告が，被告に対し，雇用契約上の権利を有する地位にあることを確認する。
２　被告は，原告に対し，２４８万７１３７円及びうち９６万９７５０円に対する平成２９年１２月２９日から，うち５１万４８７５円に対する平成３０年１月２９日から，うち平成３０年２月から同年１１月まで毎月２８日限り９万４８７５円に対する各支払期日の翌日から，うち５万３７６２円に対する同年１２月２９日からそれぞれ支払済みまで年６分の割合による金員を支払え。
３　被告は，原告に対し，１３００万円及びこれに対する平成２９年１１月３日から支払済みまで年５分の割合による金員を支払え。
第２　事案の概要
本件は，原告が，被告に対し，被告は原告を雇用していたところ，一方的に就労を拒絶した上で原告を解雇したが，この解雇は客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当であると認められず，権利を濫用したものとして無効であると主張して，雇用契約に基づき，①雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認（請求１），②平成２９年１１月及び同年１２月支給分の賃金合計９６万９７５０円，平成３０年１月支給分の賃金５１万４８７５円，同年２月支給分から１１月支給分までの賃金１か月当たり９万４８７５円，同年１２月支給分の賃金５万３７６２円及びこれらに対する各弁済期の翌日又は後の日から支払済みまで商事法定利率年６分の割合による遅延損害金の各支払（請求２）を求めるとともに，上記解雇は被告従業員による虚偽事実の報告によりされたものであるなどと主張して，③不法行為（使用者責任）に基づき，損害金１３００万円（慰謝料１０００万円と弁護士費用３００万円の合計）及びこれに対する不法行為の後の日である平成２９年１１月３日から支払済みまで民法所定の年５分の割合による遅延損害金の支払（請求３）を求めた事案である。
１　前提事実
次の事実は，括弧内に掲げた証拠（なお，原則として枝番号を省略する。）及び弁論の全趣旨により認められる事実を除き，当事者間に争いがない。
(1) 　当事者
ア　被告は，語学塾・各種文化教室の経営，語学講習会・語学検定試験の実施及び通信教育事業並びに海外留学・国際交流の斡旋・仲介及び支援等を主たる目的とする株式会社である。
イ　原告は，米国籍の男性である。
(2) 　本件基本契約
ア　原告は，平成２８年１１月１８日頃，被告との間で，次の内容を含む「パートタイム・トレーナー雇用契約」を締結した（以下「本件基本契約」という。）（甲１，乙１１）。なお，契約書の原文は英文である。
（ア）　期間
平成２８年１１月１８日から平成２９年１１月１７日まで
（イ）　勤務場所
「○○関東」のオフィス
（ウ）　従事業務
原告は，被告の裁量に基づき，顧客の施設又は被告のトレーニング・センターにおいて，ビジネスの円滑な運営に必要とされる「英語又は必要に応じた他言語によるビジネス・スキル及びビジネス言語の訓練と指導」等の業務に従事する。
（エ）　勤務日時
本件基本契約の下で，原告と被告が相互に合意する勤務スケジュールに基づく（以下，この勤務スケジュールに係る合意を「本件スケジュール合意」という。）。
（オ）　賃金
時給４０００円（１時間に満たない勤務は時給率に応じて算定）。
（カ）　賃金支払
計算期間は月の初日から末日まで，支給は翌月２８日。
イ　被告は，平成２９年９月中旬頃，原告に対し，本件基本契約に係る更新後の契約書（甲１）を送付して，期間を同日から平成３０年１１月１７日までとして本件基本契約を更新する旨申し込み（以下「本件基本契約更新申込み」という。），原告は，平成２９年１１月１８日頃までに，上記契約書に署名をして被告に交付し，これを承諾した（以下，特に断らない限り更新後の雇用契約を含めて「本件基本契約」という。）。
(3) 　ａ社トレーナー合意
ア　原告は，平成２９年１月１０日頃，被告との間で，被告の顧客であるａ社（ａ，Ｉｎｃ．Ｊａｐａｎ。以下「ａ社」という。）における「社内トレーナー」としての業務につき，次の内容を含む「社内トレーナー附則―ａ社」と題する合意をした（以下「ａ社トレーナー合意」という。）（甲２の１）。なお，合意書の原文は英文である。
（ア）　期間
平成２９年１月１０日から同年６月３０日まで
（イ）　勤務場所
ａ社施設（本社施設）
（ウ）　従事業務等
原告は，被告のために「社内トレーナー」の義務を履行し，「△△マニュアル」と経営陣によって規定される教育担当専門職にふさわしい行動をとる。
（エ）　勤務可能時間
月曜日から水曜日まで午前８時から午後４時（正午から午後１時まで休憩），土曜日・日曜日の午前９時から午後７時（午後１時から午後２時まで休憩）
（オ）　賃金
最低月額３５万円（a minimum of 350,000 yen per month）支給。原告が全期間のサービス（労働）を全うできなかった場合，上記（エ）の時間の範囲内で実際に勤務した時間により計算することとし，月間１００時間を超えてレッスンが実施された場合には上記月額３５万円に加えて１時間当たり３５００円を支給する。
イ　原告は，平成２９年７月１日までに，被告との間で，期間を同日から平成２９年１２月３１日までとして，次の点を改めた上でａ社トレーナー合意を更新する合意をした（以下，特に断らない限り更新後の合意も含めて「ａ社トレーナー合意」という。）（甲２の２）。
（ア）　勤務可能時間
月曜日から水曜日まで午前８時から正午及び午後１時から午後４時，土曜日午前９時から午後１時及び午後２時から午後７時，金曜日午前７時から午後１時及び午後２時から午後７時
（イ）　賃金
上記（ア）に規定する時間の下で，月間１００時間当たりの定額賃金として３５万円（a regular wage of 350,000 yen per month for 100 teaching hours per month）を支給する。月間１００時間を超えてサービス（労働）が提供された場合，上記定額賃金に加えて１時間当たり３５００円を支給する。契約期間の最初又は最後の月（におけるサービス提供）が１か月に満たない場合，規定月額賃金の計算は，従業員が月間フルにサービス提供した場合と現実にサービス提供した日数との按分比例により計算し，原告が月間１００時間を超えてサービス提供した場合，１００時間を超える部分について１時間当たり３５００円を支給する。
（ウ）　義務
原告の負う義務は，「ＧＢＣ面接」，電話・ビデオによるレッスン，レッスン・教材の準備，最終報告の「インプット」，「ＧＢＣ報告」の「インプット」，メール・電話による交信，管理上の文書や「ＯＳポータル」の「インプット」，各課程の開始時における必要事項評価，参加者との協働のためにする「ＩＳＲの利用」，行動計画の作成，その他被告の指示する他の業務を含むが，それに限定されない。
(4) 　就業規則の定め
被告の「○○統轄営業部トレーナー用就業規則」（以下「就業規則」という。）中には，次の旨の定めがある（乙１３）。なお，原文は英文である。
ア　４条（職務の遂行）
トレーナーは上司の指示に従って自らの職務を忠実に遂行し，上司及び同僚と協力して業務に当たるものとする。
イ　６条（行動規範）
各トレーナーは，以下に挙げる全項目を守るものとする。
・　被告の名声もしくは評判を損なうような言動は行わない（９号）。
ウ　２５条（解雇）
次の事由に該当する場合，被告はトレーナーを解雇することがある。
・　その他正当な理由がある場合（６号）。
エ　３０条（懲戒の理由）
被告は以下のいずれかに該当するトレーナーに対し懲戒措置を講じることがある（１項）。
（ア）　被告，「お客様」及び業務に関して知り得た秘密情報・私的情報（個人情報を含むがそれに限定しない。）を他人に漏らした場合（１号）。
（イ）　被告の評判を傷付ける行為を行った場合（６号）。
（ウ）　本規則あるいは本規則に基づく規定に違反した場合（１３号）。
（エ）　意図的に又は重過失が原因の不適切な行為により被告に損害を与えた場合（１４号）。
（オ）　被告内の地位を利用して個人的な利益を得た場合（１７号）。
（カ）　その他，上記と同様と判断した場合（２１号）。
(5) 　業務割当の停止及び解雇
ア　被告は，平成２９年９月２９日，原告に対し，ａ社トレーナー合意に基づく業務担当から外して業務割当を停止する旨通知するとともに，ａ社と連絡を取らないよう通告した（以下「本件停止通知」という。）。
以後，原告は，ａ社トレーナー合意に基づく就労をしていない。
イ　被告は，平成２９年１１月２日，原告に対し，原告がａ社でとった行動（①被告又はａ社の教科課程と関係のないパーソナリティ・テスト〔以下「本件テスト」という。〕をレッスン中に実施したこと，②株式会社ｂ〔以下「ｂ社」という。〕と合併の話合い中で，原告が被告の直接の競業相手になるはずであったのに，被告の顧客であるａ社にビジネスを持ちかけるためのミーティング〔以下「本件ランチミーティング」という。〕に関与したこと）が就業規則上の解雇事由に当たるとして，同年１２月１日付けで解雇するとの意思表示をした（以下「本件解雇」という。）（甲５）。また，被告は，原告に対し，この際，本件スケジュール合意に基づく同日までの就労義務を免除した（甲５）。
以後，原告は，本件スケジュール合意に基づく就労をしていない。
２　争点
被告は，原告には解雇事由に当たる行動があったとして，①ａ社トレーナー合意を解約したと主張するとともに，②本件基本契約更新申込みは，原告に上記行動があったのにもかかわらず，これらがないものと信じてなされたものであり，錯誤により無効であると主張し，③仮にそうではないとしても，更新後の本件基本契約は本件解雇により終了したと主張した。これに対し，原告は，原告が解雇事由に当たるような行動をしたことはないとして，①ａ社トレーナー合意の解約を否認するとともに，②被告の上記錯誤を争い，③本件解雇は客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当であると認められず，その権利を濫用したものとして無効であると主張した。
さらに，原告は，本件解雇は被告の従業員が創作した事実に基づきなされたことなどから，不法行為に当たると主張した。
本件の主要な争点は，次のとおりである。
(1) 　原告がａ社において就業規則の定める解雇事由に当たる行動をしたか否か（争点１）
(2) 　本件解雇は被告の従業員が創作した事実に基づきされたことなどから不法行為に当たるか（争点２）
第３　争点に対する当事者の主張
１　争点１（原告がａ社において就業規則の定める解雇事由に当たる行動をしたか否か）
（被告の主張）
(1)　原告がａ社において就業規則の定める解雇事由に当たる行動をしたか
ア　本件テストの実施（解雇事由①）
原告は，ａ社の社内トレーナーとして勤務していた際，被告に無断で，ｂ社の営業活動として，英語のレッスン時間のうち２０分間を使って，ａ社の受講生に対し，英語のレッスンと無関係でコーチングの基礎資料となり得る性格・行動様式を診断・判断するエニアグラムテスト（Enneagram test）（本件テスト）を実施した。
イ　本件ランチミーティングにおける言動（解雇事由②）
原告は，コーチングの資格を有し，コーチング等の事業を展開して，ｃ株式会社（以下「ｃ社」という。）を運営していたところ，平成２９年８月，同社が被告の従業員（トレーナー）であったＢ（以下「Ｂ」という。）が代表取締役を務めるビジネスコーチングに関する会社であるｂ社に買収され，Ｂと共同でコーチング事業を行うようになった。
そして，原告は，Ｂと共に，ａ社のＣＯＯ（最高執行責任者）であったＣ（以下「Ｃ」という。）に対し，ランチミーティングの実施を申し入れ，平成２９年８月２８日，本件ランチミーティングの席上において，トレーナーとして業務に従事していく中で受講生と密接な関係を築いてきた，ｂ社がａ社に対してより良いコーチングサービスを提供できる，「ＣＳＲ」の実施も可能であるなどの旨説明等をして，ｂ社の営業活動を行った。
ウ　本件停止通知及び本件解雇に至った経緯
被告は，平成２９年９月１９日，Ｃ及びａ社研修担当者から，原告及びＢについて，ａ社の社内トレーナーの地位を利用して本来英語のレッスンを実施するべき時間に本件テストを実施していて重大な契約違反がある，本件テストはａ社の社内トレーナーとしての業務と何ら関連性がなくｂ社のコーチング業務に関連するものでｂ社の営業活動の一環と考えざるを得ない，本来実施するべき業務を懈怠して被告と競合する業務に関する営業活動を行っていて強い不信感，憤りを感じる，担当から外してほしいとの苦情を受けた。なお，被告にとって，ａ社は，売上額等に照らし重要な顧客であった。
そこで，被告は，原告及びＢをａ社の社内トレーナーから外すこととし，本件停止通知及び本件解雇の意思表示をした。
エ　解雇事由に当たる行動の存在
原告の前記ア及びイの各行為は，就業規則４条（職務忠実遂行等義務）及び６条９号（評判を損なう言動等禁止）に違反するとともに，同３０条１項１号（秘密情報等漏えい）・６号（評判を傷付ける行為）・１３号（就業規則等規定違反）に定められた懲戒事由に該当する。また，原告の上記行為は，同３０条１項１４号（意図的又は重過失原因の不適切行為で被告損害）・１７号（地位利用で個人的利益）に直接該当しないものの，原告が個人的な利益を得るために意図的にａ社にｂ社の営業活動を行ったことで被告・ａ社間の契約を喪失する可能性を生じさせて被告に重大な損害を与えるおそれがあったことから，同３０条１項２１号（懲戒理由規定事由と同等）に定める懲戒事由にも該当する。
したがって，原告の上記行為は，同２５条６号（その他正当な理由がある場合）の定める解雇事由に当たる。
(2)　本件停止通知によるａ社トレーナー合意の解約
被告は，平成２９年９月２９日，原告の前記(1)ア及びイの行為を理由として，本件停止通知により，ａ社トレーナー合意を解約した。
(3)　本件基本契約更新申込みの錯誤無効
被告は，Ｃらから苦情を受ける前の平成２９年９月上旬頃，本件基本契約更新申込みをしたが，この際，原告には前記(1)ア及びイの各行為があったのに，このような行為はないと信じていた。原告の上記行為は，就業規則に違反する解雇事由に当たる上，被告は，従業員に対し，就業規則等で，業務に関して知り得た秘密情報・私的情報（個人情報を含むがそれに限定しない。）を他人に漏らすことを厳に禁じており，原告の上記行為は著しい契約違反行為でその背信性も極めて高いから，被告が本件基本契約更新申込みをした当時原告の上記行為を認識していれば本件基本契約更新申込みをしなかったことは明らかであり，本件基本契約更新申込みは錯誤により無効である。
(4)　本件解雇の有効性
仮に本件基本契約更新申込みが錯誤により無効ではないとしても，原告の前記(1)ア及びイの行為は就業規則２５条６号（その他正当な理由がある場合）の定める解雇事由に該当し，その悪質性も高い。したがって，本件解雇は客観的に合理的な理由があり社会通念上相当なものとして有効であり，その結果，本件スケジュール合意も終了した。
(5)　原告が民法５３６条２項により請求できる賃金額
仮にａ社トレーナー合意が解約されず，本件基本契約更新申込みが無効ではなく，本件解雇が無効であったとしても，原告が被告に対して民法５３６条２項に基づき請求できる賃金額は，次のものに限られる。
ア　ａ社トレーナー合意に基づく賃金
平成２９年１０月分ないし同年１２月分の基本給月額３５万円
イ　本件スケジュール合意に基づく賃金
平成２９年１１月分ないし平成３０年６月分の５２時間分合計２０万８０００円から既払金７万２０００円を控除した残金
（原告の主張）
(1)　原告がａ社において就業規則の定める解雇事由に当たる行動をしたか
ア　本件テストの実施（解雇事由①）
原告は，ａ社の社員向け英語教育で実施するレッスンの内容やそこで使用する教材について原告が適切と判断するものを適宜選択していて，被告，ａ社及びその受講生らから問題ありと指摘されたことは一切なかった。また，原告は，本件テストの結果を，受講者各人が持つ顕在的又は潜在的能力，適応力，向上の可能性等当該受講者に対する英語力習得に関わる助言，訓練，指導等に役立てることができた。原告が本件テストで得られた受講者の個人情報を第三者に漏えいしたことはなく，Ｃとのランチミーティングで開示したこともない。
イ　本件ランチミーティングにおける言動（解雇事由②）
被告は，コーチングを事業の一つとしていない。仮に被告がコーチングを事業の一つとしていたとしても，原告は，これを知らなかったし，知り得る立場にもなかった。また，原告の経営するｃ社はｂ社に買収されておらず，両社は合併もしていない。ｂ社の主たる目的はコーチング業務であるが，ｃ社の目的にコーチング業務はない。原告は，ｂ社の役員，社員でなく，同社に出資しておらず，同社から一切報酬等を受領していない。
本件ランチミーティングの設定に原告は一切関与していない。原告は，Ｂから，「コーチングやＣＳＲ（Corporate Social Responsibility。企業の社会的責任）の話題が出るだろうから原告も参加してはどうか」と誘われ，コーチングやＣＳＲに興味を持っていたことから，時間が許せば参加する旨回答したが，コーチング・ビジネスの営業行為やプレゼンテーションをするなどの話は一切出ていなかった。原告は，本件ランチミーティング当日，都合で３０分以上遅刻して到着したので，到着前のやりとりについて知り得なかったし，到着後，１０分弱にわたり，Ｃに対し，フィリピン共和国で関与している社会奉仕事業について話したのみで，本件テストの結果を示したこともｂ社のためプレゼンテーションを行ったこともコーチングの話をしたこともない。
ウ　本件停止通知及び本件解雇に至った経緯
Ｃは，本件ランチミーティングの席におけるＢの発言につき懸念を表明したものの，原告について何の懸念も表明しておらず，原告及びＢを担当から外すことを頼んだり提案したりしたこともなく，原告を英語教師として評価していた。
(2)　本件停止通知によるａ社トレーナー合意の解約
本件停止通知は暫定的な処置に係る通知にすぎず，被告の原告に対するａ社トレーナー合意を解約するとの意思表示は存在しない。
(3)　本件基本契約更新申込みの錯誤無効
前記(1)アないしウのとおり，原告が就業規則の定めに違反する行動をしたことはない。したがって，本件基本契約更新申込みの意思表示に錯誤はない。
(4)　本件解雇の有効性
上記同旨の理由により，本件解雇は客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当であると認められず，権利を濫用したものとして無効である。
(5)　原告が民法５３６条２項により請求できる賃金額
民法５３６条２項に基づき原告が請求できる賃金は，原告の賃金の実質が出来高払の性質を有することから，合理的な月間の実績に基づいて算定されるべきである。
ア　ａ社トレーナー合意に基づく賃金
原告は，ａ社トレーナー合意に基づく賃金として，平成２９年８月分４７万２５００円，同年９月分３６万７５００円を得ており，その１か月平均額は４２万円であった。
したがって，原告は，被告に対し，民法５３６条２項に基づき，①平成２９年の１０月分及び１１月分の賃金合計８４万円，②平成２９年１２月分の賃金４２万円の請求権を有する。
イ　本件スケジュール合意に基づく賃金
原告は，本件スケジュール合意に基づく賃金として，平成２９年８月分１１万８０００円，同年９月分７万１７５０円を得ており，その１か月平均額は９万４８７５円であった。なお，平成２９年１０月分は，本件停止通知以後のもので，被告が意図的にトレーナー業務を原告に担当させていなかったから，賃金算定の基礎にするべきではない。
本件基本契約の期間は平成３０年１１月１７日までであり，被告は，原告をトレーナー業務からほとんど外したものであるから，原告は，被告に対し，民法５３６条２項に基づき，①平成２９年１０月分の賃金残３万４８７５円（上記９万４８７５円－既払６万円）及び同年１１月分の賃金９万４８７５円（上記平均額。この項について以下同じ。）の合計１２万９７５０円，②平成２９年１２月分の賃金９万４８７５円，③平成３０年の１月分から１０月分の賃金合計９４万８７５０円（月額９万４８７５円×１０か月），④平成３０年１１月分（１７日まで）の賃金５万３７６２円（９万４８７５円×１７日／３０日，小数点以下切捨て）の各請求権を有する。
２　争点２（本件解雇は被告の従業員が創作した事実に基づきされたことなどから不法行為に当たるか）
（原告の主張）
(1)　不法行為
本件解雇は，被告従業員のＤ（以下「Ｄ」という。）が，Ｃから前記１（被告の主張）(1)ウの苦情を受けたことを前提としたものであるが，Ｃはこのような苦情を申し入れたことを否定しており，この事実はＤが創作したものである。したがって，本件解雇は，Ｄが創作した虚偽の事実に基づくものであるから，違法かつ不当であり，原告の法律上保護される利益を侵害するものとして不法行為を構成する（民法７０９条）。また，被告は，Ｄの使用者として，Ｄの業務に関連した上記虚偽の事実創作の不法行為につき賠償責任を負う（民法７１５条）。
(2)　慰謝料
原告は，被告及びＤの上記不法行為により，多大な精神的苦痛を味わうとともに，語学教育業界におけるトレーナーとしての名誉・信用を著しく毀損され，回復困難な損害を被った。これに対する慰謝料としては１０００万円が相当である。
(3)　弁護士費用
原告は，本件の原告訴訟代理人弁護士に対し，前記Ｃの苦情申入れの事実が虚偽であることを証明するに足りる証拠を入手するため，ａ社に働きかけることを依頼し，同弁護士は，多大な時間と労力を費やすことで，ＣとＤとの間で交わされた電子メール及び関連する情報を入手することができた。このような作業は弁護士の協力なしには不可能であり，本件の原告訴訟代理人の弁護士報酬の額は３００万円を下回らない。
（被告の主張）
Ｄは，その記憶に基づいて説明をしていたものであり，Ｄに違法性を基礎付ける故意又は過失は存在しない。仮に被告に不法行為責任があるとしても，原告が民法５３６条２項に基づく賃金相当額のほかに慰謝料請求権が生じるような多大な精神的苦痛その他回復困難な損害を被ったとの事実はない。
また，原告のいうＣとＤとの間の電子メールによるやり取りは，原告がＣに対して平成３０年５月２１日及び同年６月１４日頃に書簡を送付して，原告に有利な言動を取るよう威迫した後にされたものであるから，Ｃがその中で前記申入れの事実を否定していることは，被告主張の解雇事由の不存在や原告主張の不法行為の成立を根拠付ける事情とは全くなり得ない。
第４　当裁判所の判断
１　認定事実
前提事実のほか，後掲の証拠及び弁論の全趣旨によれば，次の事実が認められる。
(1) 　ａ社における授業と本件テストの実施
ア　被告は，平成６年頃から，ａ社の従業員に対して，被告の語学講師を派遣して英語教育を提供するようになり，取引規模を年約５０００万円まで拡大しながら，英語の話す力，聴く力，語彙を増やしつつ，ビジネスにおける英語での意思疎通（コミュニケーション）ができるようにするための授業を講師１対生徒１の方法で実施していた。
イ　原告は，ａ社トレーナー合意に基づき，平成２９年１月１０日頃から同年９月２８日頃までの間，ａ社施設において，ａ社従業員合計６９名に対し，被告のために「社内トレーナー」として英語の授業を実施した。
ウ　原告は，上記授業の各初回に，受講生全員に対して，約２０分間を用いて本件テスト（甲２２，乙２１）を実施し，その結果を被告貸与のパソコンを使用して被告指定の電子メールアカウントから各受講生の電子メールアカウント（被告指定）に通知した。本件テストは，「性格タイプ」を診断することを目的とするもので，３８項目の質問に回答する方式（うち３７項目については回答２択）で，次のような問いを含むものであった。なお，原文は英文である。
（問１）私はこれまで（I’ve been）
□　ロマンチックで，想像性豊かだった。（romantic and imaginative.）
□　実際的で現実的だった。（pragmatic and down to earth.）
（問６）これまで大体において，（Generally, it’s been）
□　私から感情的反応を引き出すことは簡単だった。（easy to “get a rise” out of me.）
□　私から感情的反応は引き出しにくかった。（difficult to “get a rise” out of me.）
（問２１）私がこれまでよく感じたのは，（I’ve often felt the need to）
□　「大黒柱」にならねばということだった。（be a “pillar of strength.）
□　完璧にやってみせなければということだった。（perform perfectly.）
（甲２２，３８，乙２１，３１，証人Ｄ〔５～６頁〕，原告本人〔１～２・６・１０～１１頁〕）
(2) 　原告及び被告のコーチングとの係わり
ア　コーチングとは，心理学やカウンセリング等の理論・技法を用いた対話により相手の自己実現や目標達成を図る人材開発の技法の一つである。
イ　原告は，平成２６年５月に設立されたｃ社の代表取締役であり，同月以来，コーチング等の事業を取り扱っていた。
他方，被告は，英語等の他言語を用いてコーチングを行う事業を実施していた。ただし，被告は，原告にコーチング職を担当させていなかった。
ウ　ｂ社は，平成２９年７月２６日に設立された，「個人，企業に対するコーチング及び人材教育研修並びにそれらの支援業務」等を目的とする株式会社であり，その代表取締役はＢであった。
当時，Ｂは，被告との合意に基づき，ａ社で語学授業を実施していたが，ｂ社設立に先立つ同年６月２７日，被告の人事部長であるＥ（以下「Ｅ」という。）に対し，日本を本拠地とするビジネスコーチング会社（ｂ社）を立ち上げようとしていること，対象顧客層は会社の上級管理職（エグゼクティブ）で自分自身やビジネスそのものを成長させたいと願っている方々であること，今後はｂ社でフルタイムにて働くことになる予定であるが被告との契約が残っている数か月間は被告とｂ社で労働が重複すると思われること，今後も被告との関係継続を熱望することなどを伝えた。これに対し，Ｅは，被告にとって機密情報，プライバシー情報とその保護，知的財産権及び利益相反はより重要になっている，ｂ社が被告顧客に対してサービスを提供することは大いに懸念があるなどの旨回答した。
エ　国際コーチ連盟日本支部のインターネット上のウェブサイト（フェイスブック）には，平成２９年１０月８日付けで，ｂ社の「コーチングパートナー」である原告及び「Ｂ１」と称する人物が発表者となって同月１２日に発表することを告知する記事が掲載されるとともに，同日付けで，原告らが上記発表をしている場面を撮影した写真付き記事が掲載された。
（甲６，１５，１６，乙４ないし９，１５ないし１７，２０，２９，３０，証人Ｅ〔１～３頁〕）
(3) 　本件ランチミーティング
Ｂは，当時ａ社のＣＯＯ（最高執行責任者）であったＣに対し，ランチミーティング（昼食会）の実施を依頼して，原告と一緒に出席する内容で調整し，平成２９年８月２８日，本件ランチミーティングが実施された。原告は，約３０分遅刻して本件ランチミーティングに出席した。原告は，Ｃに対し，その行っている社会貢献事業及び企業の社会的責任（Corporate Social Responsibility。略称「ＣＳＲ」。）に関する事例を話すとともに，コーチングについて話をした（このことは，原告も，後日Ｅらに送信した電子メール中の記載により認めている〔後記(4)エ〕。）。
（甲１１，３７，乙２９，証人Ｃ〔８～１１頁〕，原告本人〔４～５・１６・２４頁〕）
(4) 　Ｃの被告に対する申入れと被告の対応
ア（ア）　本件ランチミーティングに係るＣの言動と被告の対応
被告は，半年に１回，ａ社を訪問し，被告から派遣されているトレーナー（講師）に関する受講生の反応を聴取してａ社向けのプログラムの検討を定期的に行っていた（以下「トレーナーフィードバック」という。）。
被告の従業員であったＤは，平成２９年９月１９日，トレーナーフィードバックのためａ社に赴き，Ｃ及びａ社研修担当者と面会した。この際，Ｃは，Ｄに対し，本件ランチミーティングにおけるＢ及び原告の言動について，少なくともＢの言動について懸念を伝えるとともに，原告及びＢの言動について，不快に感じる，心地よく感じない（uncomfortable）との認識を伝えて，苦情を申し入れた。
（イ）　なお，この点，Ｄの陳述書（甲２０，乙３１）中には，Ｃは，上記トレーナーフィードバックの席上で，原告について，無断で本件テストを実施したこと，ａ社にコーチングの営業活動を行ったことから，これ以上インハウスプログラムを教えるべきではないと要請し，早急にａ社での授業担当から外すよう指示したとの記載部分がある。しかし，Ｄの証言中の，Ｃは原告について，倫理的に一線を越えてしまったからこのままインハウストレーナーを続けることは「カンファタブルではない（uncomfortable）」と言ったのにとどまるとする証言部分と合致しないことに照らし，採用しない。
他方，Ｃの陳述書（甲３７）及び証言中には，Ｃは，本件ランチミーティングにおけるＢの言動について懸念を伝えたことはあるが，原告の言動について特段の懸念を伝えたことはなく，原告及びＢをａ社における英語レッスンから外すよう頼んだり提案したりしたこともなく，その旨要望することも全く考えておらず，原告について苦情を申し入れたことはないとの記載部分及び証言部分がある。しかしながら，後記イのとおり，Ｃは，Ｄから被告が原告との契約を解除してａ社の担当から外す旨検討し準備を進めていることの報告を受けた際，これに対する異議を述べず，かえって，上記検討に協力して質問に答えるとともに，上記準備が進むことを望む旨の意思を表明していたこと，証拠（甲１８，１９，３４，乙３１，証人Ｄ〔１０～１３頁〕，証人Ｃ〔２～４・７～８頁〕，原告本人〔７～９頁〕）及び弁論の全趣旨によれば，原告は，Ｃに対し，本件解雇後の平成３０年５月２１日頃，原告がＣの苦情により被告から解雇されるに至ったとの旨や，書面により回答しなければ，Ｃが上記苦情を述べたとみなして行動するとの旨記載した書面（甲１８）を送付し，さらに，同年６月１４日頃，Ｄの陳述書等にＣが原告に係る苦情を述べたとの記載があり，その結果，原告が解雇され人格を毀損されており，Ｃが上記苦情を申し入れたか否かが明らかにされない場合，上記苦情が実際にあったものとみなし，原告の名誉と，原告がこれらの発言や解雇によって被った全ての損害を回復するため法的手続をとるとの旨記載した書面（甲１９）を送付し，さらに，同年１０月５日頃，東京地方裁判所に対し，ａ社を被告として，ＣのＤに対する言動が不法行為に当たるとして使用者責任に基づく損害賠償請求訴訟を提起するなど，Ｃに対する威圧とも取れる行動を繰り返していて，Ｃには原告に有利な虚偽の証言をする合理的な動機があることが認められることに照らし，採用しない。
イ　被告の対応とＤ・Ｃ間の電子メールのやりとり
Ｄは，その後，直ちにＥ及び被告のオペレーションマネージャーであったＦ（以下「Ｆ」という。）に報告するなどし，被告内部でＢ及び原告をａ社担当トレーナー（講師）から外すことの検討が始まった。
Ｄは，Ｃに対し，電子メールを送信して，平成２９年９月２０日，Ｃとの同月１９日の面会を踏まえ，被告の人事部長及びオペレーションマネージャーと会議を実施してＢ及び原告の今後につき検討した結果，今回の件が明るみになった今，二人とも契約を速やかに解除するのがよいであろうとの結論になった，Ｂ及び原告がプロフェッショナルとしても道徳的にも一線を越えたことは明らかである，二人がこれまでもこれからも一緒に仕事をしていくつもりであると思われるので，ａ社のインハウスプログラムから二人とも外すしかないと考えているなどの旨報告し，同月２１日，被告法務部の確認がされ次第対応するが解除の時期は未定であるなどの旨報告した。さらに，Ｄは，Ｃに対し，電子メールを送信して，同月２２日午後０時４４分頃，被告法務部からの質問として，Ｂ及び原告が「彼らのビジネス」につきＣに「プレゼンテーション」（判決注・計画・企画・意見等の提示・発表）を行った際にどのようなコーチングサービスを実施すると言っていたかを尋ね，Ｃは，同日午後２時５２分頃，Ｃ自身，具体的に何なのかを確認したが，Ｂ及び原告が言っていたのは「ビジネス/エグゼクティブ/ライフ」コーチングとのことであった，英語でのコーチングを実施するのかについては具体的に尋ねなかったとの旨回答した。
その後，Ｄは，Ｃに対し，電子メールを送信して，同月２５日午後６時４６分頃，同月２９日にＢ及び原告との契約を解除予定である，このことは９５％確定した情報であるが，確定した段階で再度報告する，最終勤務日はＢが同月２５日（電子メール送信の当日），原告が同月２７日（水曜日）であるとの旨報告し，Ｃは，同月２５日午後７時１０分頃，「ありがとうございます，Ｄ。全ての関係者にとりスムーズに事が運ぶことを願っています。」との旨返信をした。
さらに，Ｄは，Ｃに対し，電子メールを送信して，同月２６日，同月２９日付けでＢ及び原告を解除することになったこと，同月の残日数及び平成２９年１０月以降の代替講師に関する検討状況等を報告し，同月２８日午前１１時０１分頃，Ｂ及び原告が同月２９日の被告との会議後に接触（コンタクト）してくる可能性があるが状況から何も答えないのがよいと思うとの旨伝え，同月２８日午後２時頃，同日付けでＢ及び原告のセキュリティーカードを無効にするよう依頼したことなどを報告し，同日午後７時１２分頃，翌２９日にＢ及び原告と個別に会議をして，ａ社のインハウストレーナーでなくなると伝える予定であること，受講生には午前９時３０分に通知する予定であるが詳細には触れないつもりであることなどを報告した。
なお，この間，ＣがＤに対して，Ｄの報告した被告の上記検討や方針に異論を述べたとの事実を認めるに足りる客観的証拠はない。
ウ　原告面談と本件停止通知等
Ｆは，原告に対し，平成２９年９月２８日，同月２９日正午から被告本部にて原告と面談を実施すること，目的は先にａ社から寄せられた苦情について話し合うことであることを通知した。
Ｄ，Ｆ，Ｅほか１名は，同月２９日，Ｂ及び原告とそれぞれ個別に面談し，ａ社の業務割当を停止することなどを通知した（うち，原告に対する通知が本件停止通知である。）。この際，原告は，被告に対し，次の旨説明した。
（ア）　ａ社で最初に教えた全ての生徒に対して授業（レッスン）中の２０分間を利用して本件テストを実施した。本件テストは生徒の性格を知るために使用し，授業を生徒に合わせて改変（カスタマイズ）するのを助けてくれた。生徒らは送付されたリンク（クリックすることで移動可能なインターネットアドレスの記載）からインターネット上にアップロードされた結果を知ることができた。
（イ）　被告がコーチングを業として行っていると気付いていなかった。
Ｂはｂ社の株式を１００％保有し，原告はｃ社の株式のうち３０％を保有しており，ｂ社のホームページに両社が統合されたと記載されているが統合は実現せず，現在Ｂとの間にビジネス関係は存在しない。
（ウ）　本件ランチミーティングに参加したのはａ社に対してコーチングを行うというアイデアを提案するとともに「ＣＳＲ活動」について話をするためであり，そのアイデアは原告及びＢによるもので，原告が遅刻したことからその前にＢがどのような提案をしたか確信がない。利益相反が生じたとは信じていないが，本件ランチミーティング前に被告に相談しなかったのは愚かな判断であった。原告は，無償の「ＣＳＲ」に力を入れている。本件ランチミーティングは上手くいかなかったと感じ，Ｃに対して「ＣＳＲ活動」のみしか「フォローアップ」していない。
エ　本件停止通知直後の原告の対応
上記面談が行われ本件停止通知を受けた当日である平成２９年９月２９日，原告は，Ｆ及びＥに対し，電子メールを送信して，「私がＣとＣＳＲやコーチングの件で話し合ったことが貴社を何らかの危険にさらしているとすれば，お詫びします。それは私が決して意図していなかったことです。」「私はいつもａ社で楽しく働いており，同社が不快の念を持っているとすれば，とても心が乱れます。」などの旨伝え，さらに，同年１０月１日午前５時０９分頃，上記面談の内容の要約であるとして，次の旨記載した電子メールを送信した。
（ア）　教材について，原告の使用する教材に制約はなく，原告が使用した教材について疑問を呈した者は一人もなかった。本件テストについて，全ての受講者との初回のトレーニングで使用し，レベルを計測し，リスニング語彙やディスカッションの目的で使用した。
（イ）　本件ランチミーティングについて，コーチングやＣＳＲの必要性があるとするａ社内部の賛成者との何人かと話し合ってＢが招待され，原告もＢから誘われて参加した。Ｂから，Ｃが原告の行っている社会奉仕事業とＣＳＲの仕事に興味を持っていると聞き，幾つかの事例について話をした。その席では，いかなる討議や勧誘，確認作業なども行われなかった。
（ウ）　Ｃがコーチングに興味を持っているかどうか打診するためランチを共にした。
オ　本件解雇の通知
被告は，原告に対し，本件停止通知後もａ社トレーナー合意以外の個別の合意に基づく授業を担当させていたが，平成２９年１１月２日，本件解雇の意思表示をした。
（甲５，１１，２０，乙１９，２８ないし３１，証人Ｄ〔４～１１頁〕，証人Ｅ〔５～９頁〕，原告本人〔４～５・１５～１８・２４頁〕）
２　争点１（原告がａ社において就業規則の定める解雇事由に当たる行動をしたか否か）
(1) 　原告がａ社において就業規則の定める解雇事由に当たる行動をしたか
ア　本件テストの実施（解雇事由①）
（ア）　就業規則４条（上司の指示に従って自らの職務を忠実に遂行）
Ｄの証言中には，ａ社における英語授業において定められた教材でないものを講師の方から自主的に使うことは許されないとの証言部分（証人Ｄ〔１～３頁〕）がある。
しかしながら，被告が原告に対して上記授業において被告の推奨する教材以外の教材の使用を明確に禁止していたとの事実を認めるに足りる的確な客観的証拠はない。かえって，認定事実(1)イ及びウのとおり，原告は，本件テストを，平成２９年１月１０日頃から上記授業を担当するようになった後約８か月間実施していたが，この間，被告やａ社がこれを問題視して中止を求めるなどしたとの事実を認めるに足りる証拠はないことに照らせば，上記授業の具体的な内容や進行は相当程度原告の裁量に委ねられていたものと認められる。また，認定事実(1)ウのとおり，本件テストは「性格タイプ」を診断する目的で作成されたもので，使用されている英文には英語を母国語としない大卒者にとって難解な表現が含まれているが，講師１対生徒１の授業の中での実施であるから，英会話のやりとりを通じて意味を推知することも相当程度可能と考えられるし，テスト結果を踏まえた生徒の感想等を話題にするなどしつつ英会話を展開して意思疎通能力を向上させる効果等も否定し難いと考えられ，初回のみ約２０分間という実施時間の短さも踏まえると，本件テストの実施が原告の裁量を逸脱したものとまでは認められない。
したがって，本件テストの実施が就業規則４条に違反するものとは認められない。
（イ）　就業規則３０条１項１号（秘密情報等漏えい）・１７号（地位利用による個人的利益）
本件テストの結果がｂ社を含む第三者に漏えいした事実を認めるに足りる証拠はないし，本件テストの結果により原告が個人的利益を得ていた事実も認めるに足りる証拠はない。
したがって，本件テストの実施は就業規則３０条１項１号・１７号に違反するものとは認められない。
（ウ）　小括
その他，本件テストの実施が就業規則の規定に違反すると解するべき理由は認められない。
なお，認定事実(4)アに説示したところのほか，ＣがＤに対して原告が本件テストを実施したことにつき苦情を申し入れたとの事実を認めるに足りる証拠はない。
イ　本件ランチミーティングにおける言動（解雇事由②）
（ア）　就業規則３０条１項１７号（地位利用による個人的利益）
認定事実(2)イのとおり，原告は，本件ランチミーティング当時，コーチング事業を取り扱っていたものであるから，原告が本件ランチミーティングにおいて被告の顧客のＣＯＯであるＣに社会貢献事業と企業の社会的責任（「ＣＳＲ」）の話をするとともにコーチングについて話をした点（言動）については，コーチング事業に係る営業を行ったと評価し得るものであり，被告内の地位を利用して個人的な利益を得ようとしたとみる余地もある。
しかしながら，原告がこれによって現にａ社と直接契約をするなどして利益を得たとの事実は認められない以上，原告の上記言動は，就業規則３０条１項１７号が規定する「被告内の地位を利用して個人的な利益を得た場合」に当たるものとは認められない。
（イ）　就業規則３０条１項６号（評判傷付け行為）・１４号（重過失不適切行為等による損害）
次に，認定事実(4)アのとおり，本件ランチミーティングにおける原告の上記言動は，被告の重要な顧客であるａ社のＣＯＯであるＣが，不快に感じる，「心地よく感じない」との苦情を申し入れた原因となっている。
しかしながら，Ｃの上記苦情は，飽くまで原告個人に対する感情を吐露したものであり，これによって直ちに「被告の評判を傷付け」た（就業規則３０条１項６号），あるいは「意図的に又は重過失が原因の不適切な行為により被告に損害を与えた」（就業規則３０条１項１４号）とまで評価することは困難というべきである。
したがって，原告の上記言動が就業規則３０条１項６号・１４号に違反するものとは認められない。
（ウ）　小括
その他，本件ランチミーティングにおける原告の前記言動が就業規則の規定に違反すると解するべき理由は認められない。
なお，原告が被告に対してコーチング事業の競業避止義務を負う旨の合意の存在を認めるに足りる証拠はなく，被告がコーチング事業を営んでいることを原告が知っていたと認めるに足りる証拠もない（かえって，認定事実(2)ウのとおり，ＥのＢに対する懸念表明の内容をみても，被告の従業員において被告がコーチング事業を営んでいると明確に理解することは困難であったと考えられる。）。したがって，本件ランチミーティングにおける原告の前記言動が故意に被告の顧客を相手に競業しようと営業を試みた悪質な行為であるとまでは評価し得ない。また，認定事実(4)ウ及びエのとおり，原告は，被告から本件停止通知を受けた際，直ちに謝罪と反省の態度を示しており，使用者である被告としては，原告がＣに謝罪することでａ社の担当を継続できないかについてａ社側と協議することや，原告から同種行為に及ばないことを誓約させた上でａ社以外の個別合意を継続することもできたと考えられ，この点から見ても，本件ランチミーティングにおける原告の上記言動をもって，直ちに本件解雇に客観的に合理的な理由があるものとは認め難い。
(2) 　本件停止通知によるａ社トレーナー合意の解約
前提事実(2)及び(3)によれば，原告と被告との間の雇用契約は，本件基本契約により期間・勤務場所・従事業務・賃金額・賃金の支払期日につき合意しつつ，具体的な労働条件のうち勤務スケジュールは本件スケジュール合意により別途合意の上定めるとの内容の契約であるが，ａ社トレーナー合意は，本件基本契約において合意された事項のうち，勤務場所・従事業務・賃金額につき特段の条件を合意するとともに，本件スケジュール合意により合意するべき勤務スケジュールを併せて合意したものであって，本件基本契約に係る労働契約中の労働条件に係る個別の合意であると解される。
そして，労働契約の内容である労働条件は労働者と使用者の合意により変更されるべきものであり（労働契約法８条），就業規則中の根拠規定等に基づかない限り，使用者の一方的な意思表示により変更できるものではないから，本件停止通知によりａ社トレーナー合意を解約したとの被告の主張は，法律上の根拠がなく，失当である。
(3) 　本件基本契約更新申込みの錯誤無効
前記(1)に説示のとおり，原告に被告の就業規則の規定に反し解雇事由に当たる行為があったとの事実は認められない。
したがって，本件基本契約更新申込みの意思表示に錯誤は認められない。
(4) 　本件解雇の有効性
前提事実(2)及び前記(3)に説示したところによれば，更新前の本件基本契約は，本件基本契約更新申込みとこれに対する原告の承諾により，平成２９年１１月１８日以降も更新されたものであるところ，前記(3)に述べたところと同旨の理由により，本件解雇は，客観的に合理的な理由を欠くものであり，かつ，社会通念上相当であると認められないことが明らかである。
したがって，本件解雇は，解雇権を濫用したものとして，無効である。
(5) 　原告が民法５３６条２項により請求できる賃金額
ア　民法５３６条２項により請求できる賃金の限度
前記(2)ないし(4)に説示したところによれば，原告が被告に対して本件停止通知より後ａ社トレーナー合意に基づく労務の提供ができず，本件解雇よりのち本件スケジュール合意に基づく労務の提供ができなくなったのは，失当である本件停止通知をし，無効である本件解雇の意思表示をして原告の上記労務の提供を拒んだ被告の責めに帰するべき事由によるから，原告は，本件停止通知および本件解雇以降も，ａ社トレーナー合意及び本件スケジュール合意に基づく賃金を受給する権利を失わない（民法５３６条２項）。
もっとも，前提事実(2)のとおり，本件基本契約において，原告の具体的な勤務スケジュールは原告と被告との合意（本件スケジュール合意）により初めて定まるものであり，被告が原告に対してこれを超えて勤務を割り当てる義務を負うものとは認められない。したがって，原告と被告との間で本件スケジュール合意により個別の労務提供に係る具体的な合意が成立しない限り，原告の被告に対する賃金債権は発生しないのであって，本件スケジュール合意及びａ社トレーナー合意により合意されていた勤務に係る賃金額を超えて，原告と被告との間での合意の存在しない勤務に係る賃金相当額の支払を求める原告の請求は失当である。
イ　原告が被告に対して請求できる賃金額
前記アに述べたところを前提とすれば，原告が被告に対して民法５３６条２項により請求できる賃金額は，原告と被告との間でａ社トレーナー合意及び本件スケジュール合意により具体的に合意が成立していた労務提供に係る限度，すなわち，次のとおりと認められる。
（ア）　ａ社トレーナー合意に基づく賃金
前提事実(3)のとおり，ａ社トレーナー合意は，１か月１００時間の授業を基本として賃金月額３５万円を支払うとの合意であるから，原告は，被告に対し，本件停止通知の後の日である平成２９年１０月１日からａ社トレーナー合意の期間満了日である同年１２月３１日まで，１か月当たり３５万円の３か月分（弁済期は同年１１月２８日，同年１２月２８日及び平成３０年１月２８日。）の合計１０５万円の賃金債権を有する。
なお，前提事実(3)のとおり，原告と被告は，ａ社トレーナー合意において，原告の勤務時間が１か月１００時間を超えた場合には上記定額賃金に加えて時給を加算する旨合意したことが認められるが，本件停止通知がされた平成２９年９月２９日以降，原告が被告との間でａ社トレーナー合意に基づく勤務を１か月１００時間を超えて行う旨の合意があったとの事実は認められない。
（イ）　本件スケジュール合意に基づく賃金
ａ　証拠（乙２３ないし２５，３５，３６）及び弁論の全趣旨によれば，本件解雇の意思表示がされた平成２９年１１月２日当時，本件スケジュール合意により合意されていた勤務スケジュール等は次のとおりであり，これらの授業は，本件解雇後，被告の従業員（講師）が担当したことが認められる（なお，会社名はいずれも仮名である。）。
①　ｄ社
被告は，原告に対し，平成２９年８月１４日，電子メールで，平成２９年１０月５日開始，木曜日の午後４時から午後５時３０分（１時間半），グループクラス（生徒数３名），必要時間数１９．５時間の授業を申し込み，翌１５日に原告から承諾を得て合意が成立し，原告は，平成２９年１０月５日からこの授業を担当した。平成２９年１１月１日以降については，次のとおり合計１０コマ（１５時間）実施された。
平成２９年１１月　６．０時間（１．５時間×４コマ）
平成２９年１２月　４．５時間（１．５時間×３コマ）
平成３０年１月　４．５時間（１．５時間×３コマ）
②　ｅ社
被告は，原告に対し，平成２９年７月７日及び同月１０日，電子メールで，平成２９年８月１５日開始，火曜日の午後５時から午後６時３０分（１時間半），プライベートクラス（受講生は「ＣＦＯ」），必要時間数５０時間の残り約半分の授業を申し込み，原告から承諾を得て合意が成立し，原告は，平成２９年８月１５日からこの授業を担当した。平成２９年１１月２日以降については，次のとおり合計８コマ（合計１３時間）実施された。
平成２９年１１月　３．０時間（１．５時間×２コマ）
平成２９年１２月　１．５時間（１．５時間×１コマ）
平成３０年１月　４．５時間（１．５時間×３コマ）
平成３０年２月　４．０時間（２．０時間×２コマ）
③　ｆ社
被告は，原告に対し，平成２９年３月１３日，電子メールで，平成２９年３月３０日開始，週１回・木曜日の午前１０時から午前１１時３０分（１時間半），プライベートクラス，必要時間数６０時間の授業を申し込み，同日に原告から承諾を得て合意が成立し，原告は，平成２９年３月３０日からこの授業を担当した。平成２９年１１月２日以降については，次のとおり合計１６コマ（２４時間）実施された。
平成２９年１１月　１．５時間（１．５時間×１コマ）
平成２９年１２月　６．０時間（１．５時間×４コマ）
平成３０年１月　なし
平成３０年２月　１．５時間（１．５時間×１コマ）
平成３０年３月　４．５時間（１．５時間×３コマ）
平成３０年４月　３．０時間（１．５時間×２コマ）
平成３０年５月　３．０時間（１．５時間×２コマ）
平成３０年６月　４．５時間（１．５時間×３コマ）
ｂ　他方，証拠（乙３６）及び弁論の全趣旨によれば，原告は，被告が原告の就労義務を免除した本件スケジュール合意に基づく平成２９年１１月３０日までの授業の１２コマ（１８時間分）の賃金相当額７万２０００円を平成２９年１１月の保証給（Guaranteed Payment）として支払ったことが認められる。
ｃ　以上によれば，原告の本件解雇以降の本件スケジュール合意に基づく各月の未払賃金の合計は，次のとおり，合計１３万６０００円と認められる。
①　平成２９年１１月（弁済期平成２９年１２月２８日）
０円（１０．５時間４万２０００円に既払１８時間分７万２０００円から充当）
②　平成２９年１２月（弁済期平成３０年１月２８日）
１万８０００円（１２時間４万８０００円に既払残７．５時間分３万円を充当）
③　平成３０年１月（弁済期平成３０年２月２８日）
３万６０００円（９時間）
④　平成３０年２月（弁済期平成３０年３月２８日）
２万２０００円（５．５時間）
⑤　平成３０年３月（弁済期平成３０年４月２８日）
１万８０００円（４．５時間）
⑥　平成３０年４月（弁済期平成３０年５月２８日）
１万２０００円（３時間）
⑦　平成３０年５月（弁済期平成３０年６月２８日）
１万２０００円（３時間）
⑧　平成３０年６月（弁済期平成３０年７月２８日）
１万８０００円（４．５時間）
３　争点２（本件解雇は被告の従業員が創作した事実に基づきされたことなどから不法行為に当たるか）
(1) 　認定事実(4)アのとおり，Ｃは，平成２９年９月１９日に行われたトレーナーフィードバックのためにＤと面会した際，Ｄに対し，原告の言動について不快に感じる，心地よく感じないとの認識を伝えて，原告に係る苦情を申し入れたものである。また，認定事実(4)ア及びイのとおり，ＣがＤに対して上記面会の際に原告をａ社の英語授業の担当から外して欲しいと求めたとまでは認められなかったものの，被告が原告をａ社の担当から外すことについて異議を述べないばかりか，これを支持する意思を伝えていたものである。
以上に述べたところによれば，本件解雇が専らＤが創作した虚偽の事実を前提とするものであったとまでは認められないし，本件解雇が原告の雇用契約上の権利や名誉・信用を故意により侵害し毀損する違法行為であったとまで評価することはできない。
(2) 　以上の次第で，Ｄ又は被告の原告に対する不法行為は認められない。
４　雇用契約上の権利を有する地位の確認を求める請求
前提事実(2)のとおり，本件基本契約（更新後）の期間は平成３０年１１月１７日に満了するものであり，同日が既に経過したことは当裁判所に明らかである。そして，弁論の全趣旨によれば，被告は，原告に対し，平成３０年１０月１５日に開かれた本件の第４回口頭弁論期日において，本件基本契約を平成３０年１１月１７日限り更新しない旨明確に主張したことが認められるのに対し，原告が被告に対して本件基本契約につき同日以降の更新を申し込んだとの事実を認めるに足りる証拠はなく，原告からその旨の主張もない。
したがって，本件基本契約は，同日の経過により終了したものと認められ，被告に対して雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認を求める原告の請求は理由がない。
５　結論
よって，原告の請求は，雇用契約に基づき，未払賃金合計１１８万６０００円及びうち平成２９年１０月分の賃金３５万円及び同年１１月分の未払賃金３５万円の合計７０万円に対する弁済期の翌日又は後の日である同年１２月２９日から，うち平成２９年１２月分の未払賃金３６万８０００円に対する弁済期の翌日である平成３０年１月２９日から，うち同年１月分の賃金３万６０００円に対する弁済期の翌日である同年３月１日から，うち同年２月分の賃金２万２０００円に対する弁済期の翌日である同年３月２９日から，うち同年３月分の賃金１万８０００円に対する弁済期の翌日である同年４月２９日から，うち同年４月分の賃金１万２０００円に対する弁済期の翌日である同年５月２９日から，うち同年５月分の賃金１万２０００円に対する弁済期の翌日である同年６月２９日から，うち同年６月分の賃金１万８０００円に対する弁済期の翌日である同年７月２９日からそれぞれ支払済みまで商事法定利率年６分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからその限りでこれらを認容し，その余の請求はいずれも理由がないからこれらを棄却することとし，訴訟費用の負担につき民事訴訟法６１条，６４条本文を，仮執行の宣言につき民事訴訟法２５９条１項をそれぞれ適用して，主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第１１部
（裁判長裁判官　阿部雅彦　裁判官　西村真人　裁判官　野口由佳子）

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【実績一覧】地域ポスター広告PRのための【ポスターPR党】新規掲示許可交渉代行

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【実績一覧】選挙立候補予定者のための【政治選挙ポスター】新規掲示許可交渉代行

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【よくある質問 Q&A 一覧】
■街頭ポスター貼り(掲示交渉)代行について
Q&A【1】街頭ポスター貼付(掲示交渉代行)サービスとはどのようなものですか？
Q&A【2】どのくらいの期間で何枚くらいの街頭ポスター貼付ができるのですか？
Q&A【3】街頭ポスターを貼る際は先方(許可承諾者)に許可をいただいて貼るのですか？
Q&A【4】ポスターの①貼付依頼～②貼付開始～③貼付完了等の流れについて教えていただけますか？
Q&A【5】ポスターの料金は１枚いくらで貼ってくれるのですか？
Q&A【6】ポスターの貼付エリアや貼り付け枚数等は指定できますか？
Q&A【7】ポスター貼付後のメンテナンス(貼り替え・剥がし)も依頼できますか？
Q&A【8】最低何枚から街頭ポスター貼りを依頼できますか？
Q&A【9】ポスター貼り替え期間の指定はできますか？貼りっぱなしではないですか？
Q&A【10】街頭ポスターの貼付交渉(新規掲示)の実績や事例はありますか？

■政治活動における広報支援について
Q&A【11】「ドブ板選挙プランナー」とはどのようなお仕事ですか？
Q&A【12】「ポスタリング」とはどのようなサービスですか？
Q&A【13】政治活動等の特殊な業界についてのポスター掲示交渉は難しいですか？
Q&A【14】政治活動用の街頭ポスター(二連|三連)貼りをお願いしたいのですが、特定政党の支援は可能ですか？
Q&A【15】政治活動におけるポスターについて公職選挙法や政治資金規正法等の知識はありますか？
Q&A【16】街頭で無料の「ウィン！ワッポン」をよく見かけますが、これで選挙の勝率が上がりますか？
Q&A【17】二連ポスターや三連ポスター製作前に「弁士の相手」のご提案もしてくれますか？
Q&A【18】ポスター「掲示責任者代行」とはどのようなものでしょうか？
Q&A【19】選挙妨害やその他クレーム対応等の代行も可能でしょうか？
Q&A【20】政治活動(選挙運動)における広報支援プランはどのようなものがありますか？

■営業専門会社による広報PR支援について
Q&A【21】飛び込み訪問、戸別訪問、挨拶回り代行等、ポスター貼り以外でもお願いできますか？
Q&A【22】飲食店や実店舗等の店内やトイレ等にポスターを貼ったり、ビジネスカード設置、チラシ配布等は可能ですか？
Q&A【23】全国どこでもポスター貼りが可能なのですか？

■ご検討中の方々に
Q&A【24】お問い合わせについて
Q&A【25】資料をダウンロード
Q&A【26】ノウハウ・テクニックを大公開！

■ご依頼(お申し込み)の前に
Q&A【27】お申し込みの流れ
Q&A【28】ご用意いただきたいもの

■ご依頼(ご契約)の後に
Q&A【29】進捗報告について
Q&A【30】お友達ご紹介キャンペーンについて

【ポスター【制作前の】候補予定者様】のメニューです。

「政治活動用ポスターのデザイン」は、こちらです。
公職選挙法規定の法的審査(レギュレーションチェック)対応済みの、個人ポスター、２連ポスター、３連ポスター等のデザインを制作！

「弁士相手探しマッチング」は、こちらです。
「探して、交渉して、お隣りへ！」理想の有名人や著名人の弁士相手を探して、地域有権者に対して認知度拡大の相乗効果を狙う！

「ポスターの掲示責任者代行」は、こちらです。
【全国対応】ポスターを掲示した選挙区からのクレーム対応・妨害等の「総合窓口」として、ポスター掲示責任者の代行をいたします。

【ポスター【制作後の】候補予定者様】のメニューです。

政治活動期間における「どぶ板専門！ポスター貼り(掲示交渉)代行」は、こちらです。

【稼働の流れ】
①新規ご挨拶回り|戸別訪問代行|握手代行
選挙区(指定エリア)の有権者(民家・飲食店・その他施設)に対して、候補予定者に代わって選挙ドットウィン！が直接ご訪問致します。

②名刺|ビラ|リーフレット等の手渡し配布
候補予定者と有権者を繋ぐため、名刺・ビラ・政策レポート・討議資料・リーフレットなど活動報告資料の直接手渡し配布を致します。

③留守宅|候補者PR資料ポスティング投函
ご訪問先がご不在の場合には、配布物を郵便受け等にポスティング投函致します。(想定ターゲットに完全100パーセントのリーチ率！)

④政治活動ポスター貼り(新規掲示交渉！
【完全成果報酬】地獄のドブ板活動に必須となる、政治活動用ポスター貼り(新規掲示交渉代行！)(貼れた分だけの枚数課金となります)

⑤掲示(貼付)後のフォロー|クレーム対応
ポスター掲示(貼付)完了後における掲示許可承諾者へ、フォローやクレーム対応等のストレスな部分は選挙ドットウィン！が致します。