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裁判年月日　平成16年12月 2日　裁判所名　東京地裁　裁判区分　判決
事件番号　平１４（ワ）２３８１９号
事件名　損害賠償請求事件
裁判結果　請求棄却　文献番号　2004WLJPCA12020005

要旨
◆交通機動隊に所属するパトカーが交差点で二段階右折の違反をしたＡが運転する第一種原動機付自転車の停止を求めたところ、Ａは、一方通行道路の逆走、歩道走行、スピード違反を重ねて逃走した結果、普通貨物自動車に衝突して死亡した場合において、パトカーの約二分間程度の追跡は、警察官の職務の目的を遂行する上で必要であり、追跡の開始、継続、方法につき相当であって、警察官の職務に違法性はないとされた事例

出典
交民 37巻6号1623頁
新日本法規提供

評釈
Westlaw Japan・新判例解説 490号（2004WLJCC196）
交通事故損害賠償データファイル（過失相殺）

参照条文
警察官職務執行法２条
警察法２条
警察法６５条
国家賠償法１条１項

原告　Ｘ１
原告　Ｘ２
上記両名訴訟代理人弁護士　岡田康男
同　仁科豊
被告　東京都
同代表者知事　石原慎太郎
同指定代理人　江村利明
同　松本邦男
同　近藤潔
同　大橋健晴

主　　文

１　原告らの請求をいずれも棄却する。
２　訴訟費用は原告らの負担とする。

事実及び理由

第１　請求
１　被告は、原告Ｘ１に対し、２９１１万８３１７円及びこれに対する平成１１年１０月１４日から支払済みまで年５分の割合による金員を支払え。
２　被告は、原告Ｘ２に対し、２９１１万８３１７円及びこれに対する平成１１年１０月１４日から支払済みまで年５分の割合による金員を支払え。
第２　事案の概要
本件は、信号機による交通整理が行われていない交差点において、訴外Ａ（以下「訴外Ａ」という。）が運転する自家用普通貨物自動車に、Ｂ（以下「亡Ｂ」という。）が運転する原動機付自転車が衝突し、亡Ｂが死亡した交通事故に関して、亡Ｂの両親である原告らが、同事故により亡Ｂが死亡したのは、被告である東京都の警視庁第三交通機動隊に所属する警察官２名が、〈１〉必要性がないのに交通取締用四輪車で亡Ｂが運転する原動機付自転車の追跡を開始した上、危険な態様の追跡行為を執拗に継続した結果、亡Ｂが左右の安全を確認しないまま原動機付自転車を前記交差点に進入させたためである、〈２〉原動機付自転車が自家用普通貨物自動車と衝突したのを知りながら、亡Ｂに対し必要な救護措置を講じなかったためであるなどと主張して、被告に対し、国家賠償法１条１項に基づき損害賠償を求めた事案である。
１　前提となる事実（括弧内に証拠を記載したほかの事実は、当事者間に争いがない。）
(1) 　追跡の開始
亡Ｂ（昭和５７年１月１２日生。当時１７歳。）は、平成１１年１０月１４日午後１１時１８分ころ、第１種原動機付自転車（江戸川区ひ○○○○。以下「本件単車」という。）を運転して、通称船堀街道（以下「船堀街道」という。）を南から北に向けて進行し、別紙図面〈１〉地点（以下、別紙図面の地点を示すときは「別紙図面」の表記を省略する。）の東京都江戸川区松江５丁目１番先新船堀大橋東詰交差点を右折し、通称新大橋通り（以下「新大橋通り」という。）に進行した（甲８、乙２、３）。
同交差点付近の〈Ａ〉地点に交通取締用四輪車（いわゆる覆面パトカー。以下「本件パトカー」という。）を駐車し、同車内から同交差点付近の交通監視を行っていた、被告である東京都の警視庁第三交通機動隊に所属するＣ巡査長（以下「Ｃ巡査長」という。）及びＤ巡査長（以下「Ｄ巡査長」といい、この２名を「Ｃ巡査長ら」という。）は、本件単車は二段階右折することが義務付けられている車両であるにもかかわらず、これに違反して同交差点を右折したものと認め、直ちに、本件パトカーを発進させ、同交差点を左折して本件単車を追跡し、本件単車を運転する亡Ｂに対し停止することを求めた（乙２、３）。
しかし、亡Ｂは停止しようとせず、そのまま逃走を始めたため、Ｃ巡査長らは、本件パトカーにより本件単車の追跡を続けた。
(2) 　事故の発生
亡Ｂは、〈２〉地点で左折した後、〈３〉地点でさらに左折して一方通行路を逆走するなどして、〈４〉地点、〈５〉地点、〈６〉地点、〈７〉地点を通って走行を続け、〈８〉地点の信号機による交通整理が行われていない交差点に進入したところ、右方から走行してきた訴外Ａが運転する自家用普通貨物自動車（足立○○ぬ○○○○。以下「Ａ車両」という。）に衝突し、本件単車及び亡Ｂは転倒した（甲６、８。以下「本件事故」という。）。
(3) 　亡Ｂの死亡
亡Ｂは、本件事故後、ａ病院に救急車で搬送されたが、同月１５日午前１時３２分、同病院において胸腔内臓器損傷により死亡した（甲３、６・平成１１年１０月１８日付け実況見分調書）。
(4) 　相続
原告Ｘ１は亡Ｂの父、原告Ｘ２は亡Ｂの母であり、亡Ｂの死亡により、法定相続分に従い各２分の１の割合で同人の権利義務を相続した。
２　争点及び当事者の主張
(1) 　争点(1)（Ｃ巡査長らの職務行為の違法性）
（原告らの主張）
ア　Ｃ巡査長らの本件単車の追跡行為（以下「本件追跡行為」という。）の違法性
Ｃ巡査長らの本件追跡行為は、次のとおり、不必要かつ不相当なものであるから、違法である。
（ア）　本件追跡行為開始の違法性
Ｃ巡査長らは、本件追跡行為の端緒は二段階右折違反であるとしている。
しかし、そもそも二段階右折違反を取り締まるのは、原動機付自転車の場合、排気量が小さいなどのため、幅員の広い交差点を右折する際、迅速な移動が困難であることから、原動機付自転車の運転者自身の安全を確保するためである。したがって、二段階右折違反の場合、他人に危険を及ぼす違反行為の取締りとは異なり、違反者を捕捉して取締りを行う必要性が小さい。また、原動機付自転車は、四輪自動車とは異なり、運転を誤れば転倒の危険があるところ、交通違反の取締りに当たっては、運転者の対応を予測し、取締りのためにかえって運転者に危険が生ずることのないように十分配慮する必要がある。
Ｃ巡査長らが亡Ｂの違反行為を確認していたとしても、二段階右折違反は、前記のように軽微な違反行為であることからすると、拡声器で違反を指摘し、注意喚起を行うことで、取締りの目的は達成できたというべきである。したがって、本件追跡行為は、その必要性がないにもかかわらずなされたものである。
また、そもそもＣ巡査長らが本件パトカーを停車していた〈Ａ〉地点からは、本件単車のナンバープレートの色を確認することはできない。Ｃ巡査長らは、本件単車が交差点において二段階右折が義務付けられた車両であること、すなわち、亡Ｂの違反行為を確認することができなかったにもかかわらず、漫然と見込みで本件追跡行為を開始したものである。したがって、本件追跡行為の開始自体が違法であるというべきである。
（イ）　本件追跡行為の継続・方法の違法性
Ｃ巡査長らが、本件追跡行為を開始した時刻は午後１１時過ぎであり、周辺の車両交通量は少なく、がっしりした体格の男性が運転する原動機付自転車は識別が容易であったから、他の緊急車両等による捕捉可能性が高かった。Ｃ巡査長らは、亡Ｂが一方通行路の逆走を始めた〈３〉地点において、以後、亡Ｂが交差点を一時停止することなく通過するなどして逃走することも予測できたのであるから、他の車両や交番等へ無線で連絡し、連携捜査に切り替えるべきであった。
また、仮に、Ｃ巡査長らが、他の手段によって亡Ｂを捕捉することができなかったとしても、本件追跡行為の端緒は二段階右折違反であるところ、前記（ア）のとおり、二段階右折違反を取り締まる目的は運転者自身の安全確保にあり、他者への危険を防止するためではないから、本件追跡行為により運転者、他の通行人や通行車両の運転者の生命・身体の危険を惹起する以上、重大かつ深刻な新たな侵害行為が発生しないように、本件追跡行為を断念すべきであった。
さらに、本件単車は、一方通行路を逆走するという危険な走行をしていたのであるから、運転者、通行人又は通行車両の安全のため、追跡に当たっては、赤色灯を点灯するほか、サイレンを鳴らして追跡すべきであったにもかかわらず、Ｃ巡査長らはサイレンを鳴らさないまま本件追跡行為を行った。なお、被告は、本件追跡行為の際、Ｃ巡査長らはサイレンを鳴らしていたと主張する。しかし、本件事故の現場付近に居住している訴外Ｅ（以下「訴外Ｅ」という。）及び訴外Ｆ（以下「訴外Ｆ」という。）は、いずれも本件事故当時、本件事故時の衝突音を聞く前に、本件パトカーのサイレンを聞いていない。また、両名は、平成１６年２月２３日に実施したサイレン音の到達実験において、日頃聞いている緊急車両のサイレン音よりも小さいサイレン音すら聞こえたと述べている。さらに、原告Ｘ１は、平成１１年１２月２日、訴外Ａからサイレン音を聞いていない旨聞いている。これらの諸事情、訴外Ｅ及び訴外Ｆの第三者としての客観性とＣ巡査長らが当事者的立場にあること及びＣ巡査長らは虚偽ないしは不自然な供述をしていることを併せて総合的に判断すると、Ｃ巡査長らはサイレンを鳴らさずに、又は仮に鳴らしていたとしても到達範囲の狭い低い音量で鳴らして、本件追跡行為をしていたものと推認される。
以上のとおり、本件追跡行為の継続・方法は不相当であり、違法である。
イ　救護義務違反
警察官が被疑者を追跡中に事故が発生した場合、直ちに救急車の出動を要請し、その他負傷者の救護活動を開始すべき義務がある。本件の場合、Ｃ巡査長らは、〈７〉地点手前で、本件追跡行為を中断したところ、〈８〉地点は、夜間照明があり、直線の見通しの良い道路であるから、本件単車とＡ車両が衝突する状況を現認していたか、少なくとも、車両が接触したような音により何らかの事故が発生したことを認識することができた。したがって、Ｃ巡査長らは、直ちに〈８〉地点に赴き、救護活動を開始すべきであったにもかかわらず、あえて〈８〉地点には赴かず、合理的理由もなく〈２〉地点で待機し、救急車の出動を要請するなど救護活動を行わず、〈８〉地点で倒れている亡Ｂを漫然と放置した。しかも、〈８〉地点に到着後も、遠巻きにするような態度をとり、本件事故とは無関係であるかのように装い、その後〈８〉地点に到着した小松川警察署署員に対し、適切な報告をしなかった。
このようなＣ巡査長らの行為は前記の救護義務に違反しており、違法である。
（被告の主張）
ア　Ｃ巡査長らの本件追跡行為の違法性について
交通違反を現認した警察官が、停止を求めても停止しない違反者を検挙又は逮捕するために追跡すること、あるいは、何らかの犯罪を犯し、又は犯そうとしているのではないかと疑い、職務質問を行うために追跡することは当然の職務行為であるから、追跡行為が不必要な場合や、逃走の態様及び道路交通の状況等から、相手方又は第三者に対する損害発生の具体的危険性があるなど、相当性を欠く場合の他は、当該運転者との関係において、原則として追跡行為が違法となることはない。
そして、Ｃ巡査長らの本件追跡行為には、次のとおり、違法性はない。
（ア）　道路運送車両法施行規則１条２項の規定によれば、原動機付自転車は、第１種原動機付自転車と第２種原動機付自転車に区分され、第１種原動機付自転車には白色の標識を、第２種原動機付自転車には薄黄色又は薄桃色の標識を取り付けることとされ、また、第２種原動機付自転車は、前泥除尖端部分に白帯の標識を付すこととされている。そして、道路交通法（以下「道交法」という。）３４条５項によれば、第１種原動機付自転車は、交差点において二段階右折をすることが義務付けられている。
Ｃ巡査長らは、本件パトカーに乗車して交通監視を行っていたところ、〈１〉地点を本件単車が右折進行するのを現認した。Ｃ巡査長らは、本件単車が一見して原動機付自転車であるところ、前泥除尖端部分に白帯の標識が付されておらず、また、その後に、車体後部に取り付けられた標識が白色であることを確認したため、本件単車が第１種原動機付自転車であるにもかかわらず、道交法３４条５項に規定された二段階右折の方法によらずに交差点を右折したものと認識した。
したがって、原告らが主張するように、Ｃ巡査長らは、漫然と本件追跡行為を開始したものではない。
（イ）　亡Ｂは、〈１〉地点において、交差点における右折方法の違反をして本件パトカーの追跡を受け、〈３〉地点から〈５〉地点の間及び〈６〉地点から〈８〉地点の間の通行禁止違反（一方通行逆行・道交法８条）、〈５〉地点から〈６〉地点の間の通行区分違反（歩道通行・同法１７条）、逃走中に各交差点を右左折する際の合図不履行（右左折の合図不実施・同法５３条）等、次々と違反行為を重ねており、全体として極めて重大な交通違反を犯していること、本件パトカーの車載拡声器を使用して、Ｄ巡査長が停止するように求めたにもかかわらず、これに応じず、かえって、車両後部の標識取付けステーを上方に折り曲げ、標識を地面と水平の状態にし、標識番号を後方から読みとることができないようにして逃走していることから、Ｃ巡査長らは、亡Ｂを現行犯人として検挙又は逮捕する必要があり、また、不審者として停止を求めて職務質問する必要性があった。原告らは、無線により他のパトカーや交番等に連絡し、連携捜査に切り替えるべきであったと主張するが、仮に、他のパトカーや交番等への無線連絡により応援を依頼することができたとしても、Ｃ巡査長らの停止の求めに応じず、交通違反を繰り返しながら逃走する亡Ｂが、他のパトカーや警察官の求めに応じて停止するとは通常考えられないから、本件追跡行為を継続する必要性があった。
また、本件単車が一方通行路を逆走した際には、Ａ車両を除き、車両及び歩行者の通行はなく、Ｃ巡査長らは、当初、本件単車の３０ないし４０ｍ後方から、時速４０ないし５０kmで追跡し、〈７〉地点で追跡を中断する直前には、本件単車と１００ｍ以上離れて追跡していた上、追跡開始後、追跡を中断するまで、断続的にサイレンを鳴らし、車載拡声器を使用して停止を呼びかけたり、一方通行路を逆走した際には、交差点を通過する毎に、緊急自動車が通過する旨の広報を行っていた。
したがって、本件追跡行為はその開始・継続・方法のいずれも相当である。
（ウ）　原告らは、本件追跡行為に当たり、本件パトカーはサイレンを鳴らしていなかったと主張する。
しかし、Ｄ巡査長は、本件パトカーのサイレンを断続して鳴らし、また、一方通行路を逆走した際、通過する各交差点や、Ａ車両とすれ違った地点において、車載拡声器を使用して、緊急自動車が通過する旨の広報を行っていた。
また、Ｃ巡査長らは、本件交差点の約１００ｍ手前の〈７〉地点の交差点を右折して、本件単車の追跡を中断しているのであるから、本件事故と本件パトカーがサイレンを鳴らしていたことや車載拡声器による広報との間に因果関係がないことも明らかである。
さらに、緊急自動車のサイレンを鳴らすのは、第三者に対して、緊急自動車の接近進行をあらかじめ知らせて、道交法４０条に定める義務を負わせ、緊急自動車の迅速な走行確保を目的とするものである。緊急自動車のサイレンを聞いたとしても、そのことから、直ちに、緊急自動車が単独で走行しているのか、他車を追跡中なのかを判別することはできないのであるから、第三者に危険な車が存在することを警告するためにサイレンを鳴らすのではない。しかも、サイレンを鳴らす義務は、道交法施行令１４条により、パトカーだけでなく、消防自動車、救急車等にも一律に課されているが、サイレンの鳴らし方については、法令上何らの規定もないことからして、緊急自動車は、追跡行為継続中、常にサイレンを鳴らしていなければならないというものではない。
いずれにしても、サイレンの鳴らし方いかんによって、Ｃ巡査長らによる本件追跡行為が違法となる余地はないから、原告らの主張は失当である。
イ　救護義務違反について
Ｃ巡査長らは、本件単車の追跡を中断し、〈７〉地点で右折する際、本件単車とＡ車両とが衝突したところを見ていない。確かに、Ｃ巡査長は、〈７〉地点を右折する際、車両が接触するような音を聞いたが、本件事故発生を見ていないのであるから、接触するような音のみから本件事故の発生を推認することは不可能である。
したがって、Ｃ巡査長らが本件事故の発生を見ていたことや、Ｃ巡査長が聞いた音から本件事故の発生を推認できることを前提とする原告らの救護義務違反の主張は失当である。
また、Ｃ巡査長らが、〈８〉地点に赴いた際、遠巻きにするような態度をとったり、本件事故と無関係な第三者を装ったり、小松川警察署署員に適正は報告をしなかったという事実はない。
(2) 　争点(2)（Ｃ巡査長らの職務行為と亡Ｂの死亡との因果関係）
（原告らの主張）
ア　本件追跡行為と亡Ｂの死亡との因果関係
本件追跡行為と亡Ｂの逃走との間には、本件追跡行為が継続する限り、危険な逃走が継続し、本件追跡行為が中断すれば、危険な逃走は中断するという関係があったから、本件追跡行為と本件事故との間に因果関係が存在することは明らかである。
被告は、Ｃ巡査長らが〈７〉地点で右折しており、〈８〉地点まで追跡したものではないこと、〈７〉地点と〈８〉地点の間は約１００ｍの距離があることから、本件追跡行為と本件事故の間に因果関係はないと主張する。しかし、本件パトカーが、〈７〉地点で右折した時点で、本件単車は〈８〉地点でＡ車両と衝突していたのであるから、Ｃ巡査長らが〈７〉地点で右折したからといって、因果関係の有無に影響することはない。また、パトカーの走行速度は、原動機付自転車の走行速度に比較して圧倒的に高速であるから、交差点の少ない直線道路であるなどの条件がそろえば、パトカーは容易に原動機付自転車に追いつくことが可能である以上、約１００ｍの距離があったとしても、そのことが因果関係上意味をもつことはない。
イ　救護義務違反と亡Ｂの死亡との因果関係
〈７〉地点で本件事故を認知したＣ巡査長らが、直ちに〈８〉地点に赴いていれば、訴外Ｆが午後１１時２３分に救急車を呼ぶため電話をかけるよりも７分早く救急車の手配をすることができた。人体の生命機構は、人知を越えて精妙不思議なものであり、危機状況においてはこの７分が救命の決定的な鍵になることは否定できない。したがって、この７分の遅れと亡Ｂの死亡との間に、因果関係が肯定できる。
仮に、因果関係が認められないとしても、Ｃ巡査長らが事故を隠蔽し、目前で自らの公的義務を放棄して逃避し、生命救護措置を遅らせた点は、慰謝料算定において、大きく考慮されるべきである。
（被告の主張）
ア　本件追跡行為と亡Ｂの死亡との因果関係について
本件パトカーは、そもそも〈７〉地点で右折したのであり、本件事故が発生した〈８〉地点まで、本件単車を追跡したのではない。しかも、〈７〉地点と〈８〉地点とは約１００ｍの距離があることも考慮すると、本件追跡行為と本件事故の間には因果関係がないことが明らかである。
イ　救護義務違反と亡Ｂの死亡との因果関係
本件事故後のＣ巡査長らの行動と、亡Ｂの死亡の間には因果関係はない。
(3) 　争点(3)（原告らの損害額）
（原告らの主張）
原告らの損害額（相続分を含む。）は、次のとおりである。
ア　治療関係費　３６万４７４０円
救急救命料として、３６万４７４０円を要した。
イ　死亡逸失利益　４９８０万００００円
亡Ｂは、死亡当時、１７歳で高校２年生の男子であったことから、基礎収入を平成９年賃金センサス男子労働者学歴計・全年齢の平均年収である５７５万０８００円とし、男子独身であることから生活費控除率を５０％、１８歳から６７歳までを就労可能期間とすると、死亡逸失利益は、次のとおり４９８０万円となる。
５７５万８００円×（１－５０％）×１７．３０３６（１７歳から６７歳まで５０年のライプニッツ係数１８．２５５９－１７歳から１８歳まで１年のライプニッツ係数０．９５２３）≒４９８０万円
ウ　死亡慰謝料　３０００万００００円
Ｃ巡査長らは、本件事故の捜査を行った小松川警察署署員に対し、真実を告げ、原告らに事故の真相につき説明すべき義務があるにもかかわらず、虚偽の事実を告げた。その後、訴外Ａが本件追跡行為を目撃していることが分かると、本件追跡行為を中断したから本件事故の発生を現認していないなどと虚偽の報告をし、また、原告らが告訴した後の検察官の捜査に対しても虚偽の事実を述べている。これらを考慮すると、原告らの固有の慰謝料も含めて、死亡慰謝料は３０００万円が相当である。
エ　葬儀費用　２７８万５０９４円
原告らは、亡Ｂの葬儀費用として、２７８万５０９４円を支出した。
オ　損害のてん補
前記アないしエの損害額の合計は８２９４万９８３４円であるところ、原告らは既に自動車損害賠償責任保険から３０００万３２００円を受領していることから、残額は５２９４万６６３４円となる。
カ　弁護士費用　５２９万００００円
本件事故と相当因果関係のある弁護士費用としては、前記オの５２９４万６６３４円の約１割に当たる５２９万円が相当である。
キ　まとめ
前記オの損害残額及び前記カの弁護士費用の合計は５８２３万６６３４円であるところ、原告らの各損害額は、相続分を含めてその各２分の１である２９１１万８３１７円となる。よって、原告らは、それぞれ２９１１万８３１７円及びこれに対する本件事故日である平成１１年１０月１４日から支払済みまで民法所定の年５分の割合による遅延損害金の支払を求める。
（被告の主張）
原告らが主張する損害額はいずれも争う。
第３　当裁判所の判断
１　本件追跡行為及び本件事故の発生前後の状況等について
(1) 　認定事実
前記前提となる事実、証拠（甲１、２の１ないし４、３、６、８、９ないし１１、１６の１・２、乙１ないし３、原告Ｘ１、証人Ｃ、同Ｄ、同Ｆ、同Ｅ）及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。
ア　亡Ｂは、平成１１年１０月１４日、午後１０時ころ（以下、時刻の記載はいずれも同日のそれであり、日付けの記載は省略する。）までアルバイトをして一旦帰宅し、食事をした後、原告らに「ちょっと出かけてくる。」と言って、本件単車を運転して外出した。本件単車は、ヤマハ製スーパージョグＺＲ、排気量４９ｃｃであり、第１種原動機付自転車（甲６・平成１１年１１月１５日付け実況見分調書、９・１６、１７及び２７頁、乙１）であった。
外出に際して、亡Ｂは、青色系の作業服を着て、スニーカーを履き、フルフェイス型ヘルメットをかぶっていた（甲６・平成１１年１０月２９日付けの撮影対象物を「本件、交通事故により死亡したＢが、事故当日着ていた衣類並びにヘルメットについて撮影したもの。」とする実況見分調書、９・８３頁ないし９４頁）。
その後、亡Ｂは、午後１１時１８分ころ、本件単車を運転して、船堀街道を南から北に向かって走行し、新船堀大橋東詰交差点（〈１〉地点）に差し掛かり、同交差点中心付近を通って新大橋通りに右折進行した（乙２、３、証人Ｃ、同Ｄ）。
イ　Ｃ巡査長らは、午後１０時過ぎころ、交通の指導取締りを行うため、Ｃ巡査長が本件パトカーを運転し、Ｄ巡査長が助手席に乗車して、所属する警視庁第三交通機動隊を出発した（乙２、３）。
そして、午後１１時１５分ころ、Ｃ巡査長は、船堀街道上の新船堀大橋東詰交差点（〈１〉地点）に近い〈Ａ〉地点に、本件パトカーの前部を南に向けて停車させ、助手席に乗車していたＤ巡査長とともに、約３０ｍ前方の同交差点の交通監視を開始した（乙２、３、証人Ｃ、同Ｄ）。
交通監視を開始して、２、３分が経過したころ、Ｃ巡査長らは、対向する片側３車線の中央線寄りの右折専用レーンを南から北へ向かって進行してきた本件単車が、〈１〉地点の交差点中心付近を右折進行するのを発見した（乙２、３。証人Ｃ、同Ｄ）。
ウ　Ｃ巡査長らは、本件単車の前方の泥除尖端部分に白帯が付されていなかったことから、当該車両は道交法３４条５項により、二段階右折が義務付けられている第１種原動機付自転車であると判断し（前記イのとおり、船堀街道は片側３車線であり、同条同項により、原動機付自転車が二段階右折を義務付けられる道路である。）、当該車両の運転者を右折方法違反について指導取締りを行うため、Ｃ巡査長は本件パトカーを発進させるとともに、Ｄ巡査長は本件パトカーの赤色灯を点灯し、本件単車の追跡を開始した（乙１、２、３、証人Ｃ、同Ｄ）。
本件単車の追跡を開始したとき、本件パトカーの前方約３０ｍの〈１〉地点の交差点では、対面する信号機の灯火が赤色で、同時に、右折の青色矢印も表示していたことから、Ｄ巡査長は、同交差点の手前で、本件パトカーの助手席側に設置されているフットスイッチを踏んでサイレンを鳴らすとともに、車載拡声器を使用して緊急車両が左折する旨の広報をした。
Ｃ巡査長は、〈１〉地点の交差点において本件パトカーを左折させ、新大橋通りに進行したところ、本件単車が前方約８０ｍの地点（江戸川区松江５丁目１番２０号所在の清伸マンションの前）付近を時速約５０kmで走行しているのを発見した（乙２、３、証人Ｃ、同Ｄ）。発見と同時に、Ｃ巡査長らは、本件単車の車体後部に取り付けられている標識が白色であったことから、本件単車が第１種原動機付自転車であることを改めて確認することができたが、標識に記載されている車両番号を読みとることはできなかった。また、Ｃ巡査長らは、本件単車の運転者が作業服を着用し、体格が大きかったことから、運転者が男性であろうと推測したものの、フルフェイス型ヘルメットを着用していたことから、年齢、容貌等さらに運転者を特定する情報を得ることはできなかった（乙２、３、証人Ｃ、同Ｄ）。
エ　Ｃ巡査長は、〈１〉地点の交差点を左折した後、本件パトカーの速度を上げて、時速約６０kmで本件単車を追跡し、〈２〉地点の交差点の手前では、本件パトカーと本件単車の距離が約３０ｍまでに縮まった。Ｄ巡査長は、車載拡声器を使用して亡Ｂに対して停止することを求めたが、亡Ｂは停止する様子を全く見せずに走行を続け、〈２〉地点の交差点の直前で急に減速した後、〈２〉地点の交差点を合図をしないで左折した（乙２、３、証人Ｃ、同Ｄ）。
オ　本件単車に続いて、本件パトカーが〈２〉地点に差し掛かったことから、Ｄ巡査長はサイレンを鳴らすとともに、車載拡声器により緊急自動車が左折する旨広報をし、これを待って、Ｃ巡査長は〈２〉地点の交差点を左折したところ、本件単車がアクセルを全開させるように加速しながら〈２〉地点と〈３〉地点の中間付近を走行しているのを発見した。この時、亡Ｂは、走行しながら、左手で本件単車の後部に取り付けられている標識取付けステーを押し上げて標識が地面とほぼ平行になるような状態にした（本件単車は、標識取付けステーがこのように容易に押し上げることができるようにされていた。甲６・平成１１年１１月１５日付け実況見分調書の写真番号５３、甲９の写真番号５３、乙２、３、証人Ｃ、同Ｄ）。
本件単車は、そのまま走行を続けて、〈３〉地点の交差点に差し掛かり、同交差点直前で急に減速し、後輪を横滑りさせながら、合図をしないで同交差点を左折し、西から東に向かってのみ通行ができる一方通行路を、東から西に向かって逆方向に時速約６０kmで走行し始めた（乙２、３、証人Ｃ、同Ｄ）。
カ　Ｃ巡査長らは、停止を求めたにもかかわらず本件単車が逃走した上、前記のように標識取付けステーを押し上げるなどしたため、本件単車の運転者は、交通違反のみならず、何らかの犯罪を犯しているのではないかと考え、さらに追跡を続け、本件パトカーが〈３〉地点の交差点に差し掛かったので、Ｄ巡査長は、同交差点手前でサイレンを鳴らすとともに、車載拡声器で、緊急自動車が左折して一方通行路を逆方向に走行する旨を広報し、これを待って、Ｃ巡査長は、引き続き本件単車を追跡するため、同交差点を左折し、一方通行路を逆方向に走行を始めた。
〈３〉地点の交差点を左折した後、本件単車及び本件パトカーは交差点を２箇所通過したが、いずれの交差点においても、本件単車は若干減速したにすぎなかったのに対し、Ｃ巡査長は交差点手前で十分に減速し、左右の安全を確認しながら通過した。このため、本件パトカーは本件単車に追いつくことができなかった（乙２、３、証人Ｃ、同Ｄ）。
キ　〈３〉地点の交差点を左折し、一方通行路を逆方向に走行していた本件単車は、〈５〉地点の交差点に差し掛かり、同交差点を右折して、船堀街道の東側に設けられている歩道上を、時速約２０kmで〈６〉地点方向に向かって走行し始めた（証人Ｃ）。
Ｃ巡査長は、本件単車を追跡して〈５〉地点の交差点を右折し、船堀街道に進入しようとしたが、同街道は、北行、南行車線とも走行中の車両があったことから、交差点手前で一旦停止した。そして、Ｄ巡査長がフットスイッチを強く踏み続けて大きくサイレンを鳴らし続けるとともに、車載拡声器で、緊急自動車が右折する旨広報をした後、本件パトカーを徐々に進行させ、船堀街道の北行、南行車線を走行していた車両が停止したことを確認してから、同交差点を右折して、船堀街道の北行車線に進入した（乙２、３、証人Ｃ、同Ｄ）。
ク　〈５〉地点の交差点を右折したＣ巡査長らは、船堀街道の東側歩道上を時速約２０kmで走行していた本件単車が〈６〉地点の交差点を右折し、東から西に向かってのみ通行ができる一方通行路を、西から東に向かって逆方向に進入するのを認めた。
本件パトカーが船堀街道の北行車線を北上し、〈６〉地点の交差点に差し掛かったところ、対面する信号機の灯火は青色であったが、Ｄ巡査長は、同交差点の手前からサイレンを鳴らし、車載拡声器を使って緊急自動車が右折して一方通行路を逆方向に走行する旨広報し、船堀街道の南行車線（対向車線）を走行してきた車両が、同交差点手前で停止するのを待って、Ｃ巡査長は、同交差点で本件パトカーを右折させた。〈６〉地点の交差点を右折したＣ巡査長らは、本件単車が、江戸川区松江５丁目３番１３号の「有限会社濱屋製作所」前の一方通行路を逆方向に走行しているのを発見し、ひき続き追跡した。
ケ　〈６〉地点の交差点を右折して、一方通行路を逆方向に走行していた本件単車及び本件パトカーは、交差点を２箇所通過したが、前記カと同様に、本件パトカーは本件単車に追いつくことはできなかった。一方、Ｄ巡査長は、本件パトカーが本件単車を追跡して、〈６〉地点から一方通行路を逆方向に走行し始めたときから、継続してサイレンを鳴らすとともに、交差点を通過する際には、直前からフットスイッチを強く踏み込んで一段と大きくサイレンを鳴らし、また、車載拡声器を使って、緊急自動車が一方通行路を逆方向に走行していることを広報した（乙２、３、証人Ｃ、同Ｄ）。
コ　本件単車が〈７〉地点の交差点を直進して通過したころ、本件パトカーは、別紙図面の「小松川第２駐車場」付近に差し掛かった。Ｃ巡査長は、このまま追跡を継続しても本件単車に追いつき、停止させることは困難であると考え、追跡を一旦打ち切って新大橋通りに向かうこととし、Ｄ巡査長に対し、「無理だ。戻ろう。右だ。」と指示した。このため、Ｄ巡査長は、フットスイッチを強く踏み込んで一段と大きくサイレンを鳴らすとともに、車載拡声器を使って、緊急自動車が交差点を右折して一方通行路を逆方向に走行する旨の広報をし、これを待って、Ｃ巡査長は、新大橋通りに向かうため、〈７〉地点の交差点を右折して、南から北に向かってのみ通行ができる一方通行路を、北から南に向けて本件パトカーを走行させた（乙２、３、証人Ｃ、同Ｄ）。
サ　〈７〉地点の交差点を通過した本件単車は、午後１１時２０分ころ、そのまま走行を続けて〈８〉地点の交差点に差し掛かり、減速することなく、交差点内に進入したところ、右方から走行してきたＡ車両の左側面に衝突し、本件事故が発生した。
衝突後、本件単車は衝突地点から約１０．０ｍ離れた地点に倒れ、亡Ｂは約１４．５ｍ離れた地点に倒れた（甲６・平成１１年１０月１８日付け実況見分調書）。
訴外Ｆは、本件事故の現場付近の自ら経営していたスナック「ｂ」の店内で、従業員２名と雑談中、衝突音を聞き、店外に出たところ、本件単車及び亡Ｂが倒れているのを発見した。訴外Ｆは、救急車を要請するため、一旦、店舗内に戻り、午後１１時２３分ころ、救急車を要請した後、再び本件事故の現場に戻った（甲２の３、１０、証人Ｆ）。
また、訴外Ｅは、当時、本件事故の現場付近にある自宅寝室で読書をしていたところ、衝突音を聞き、屋外に出て、本件単車及び亡Ｂが倒れているのを発見した。その直後、訴外Ｅは、訴外Ｆから、既に救急車を要請していることを聞いた。また、訴外Ｅは、本件事故の現場付近に集まっていた人が、「一方通行を逆に飛び出したんだって」「警察に追われていたんだって」と話しているのを聞いた（甲１、証人Ｅ）。
シ　Ｃ巡査長は、〈７〉地点の交差点で右折した後、〈３〉地点の交差点を直進し、〈２〉地点の交差点に向かって、一方通行路を逆方向へ本件パトカーを走行させた。この間、Ｄ巡査長は、サイレンを鳴らし続け、〈３〉地点の交差点を通過する際には、その直前からフットスイッチを強く踏み込んで一段と大きくサイレンを鳴らし、また、車載拡声器を使って、緊急自動車が一方通行路を逆方向に走行していることを広報した（乙２、３、証人Ｃ、同Ｄ）。
〈３〉地点の交差点を通過し、〈２〉地点の交差点に差し掛かったので、Ｃ巡査長は、本件単車が〈８〉地点の交差点を右折して〈９〉地点の交差点に進行してきた場合に備え、中央分離帯が設けられていない〈２〉地点の交差点の手前で〈９〉地点の交差点を見渡せる位置に、本件パトカーをその前部を新大橋通りに向けて停車させた。本件パトカーを停車させた後、Ｃ巡査長らは、〈９〉地点の交差点の監視を始めたが、その際、赤色灯を本件パトカーの屋根部に出したまま、消灯していた（乙２、３、証人Ｃ、同Ｄ）。
ス　Ｃ巡査長らは、〈２〉地点の交差点付近に停車させた本件パトカーの車内から、〈９〉地点の交差点を約２分間監視していたが、本件単車は〈９〉地点の交差点に現れなかった。そこで、Ｃ巡査長は、本件パトカーが追跡を打ち切る前に、本件単車が〈８〉地点の交差点に向かって走行していたことから、〈８〉地点の交差点に赴くこととし、Ｄ巡査長に赤色灯を点灯させて、本件パトカーを発進させ、〈２〉地点の交差点を左折し、さらに、〈９〉地点の交差点を左折して、通称銀杏並木通り（以下「銀杏並木通り」という。）を〈８〉地点の交差点に向かって走行した（乙２、３、証人Ｃ、同Ｄ）。
セ　本件パトカーが銀杏並木通りを北に向かって走行し、同交差点に差し掛かったところ、Ｃ巡査長らは、同交差点付近に２０人くらいの人だかりができており、交差点先の道路右端に、本件単車が転倒し、亡Ｂが俯せに倒れているのを発見し、本件事故の発生を知った。
Ｃ巡査長は、本件事故の現場を通過した後に、本件パトカーを停車させ、Ｄ巡査長が降車して本件事故の現場に駆け付けた。本件パトカーの車内に残ったＣ巡査長は、車載無線機で、警視庁通信指令本部に対し、本件事故の発生を報告した（乙２、３、証人Ｃ、同Ｄ）。
ソ　本件事故の現場に駆け付けたＤ巡査長は、倒れていた亡Ｂに声を掛けたり、同人の肩を軽く叩くなどしたが、同人は全く反応しなかった。Ｄ巡査長は、その付近で、「救急車呼んだけど、まだ来ない。」と話しているのを聞き、既に救急車の派遣要請がされていることを知り、亡Ｂが意識がなく、多量の出血をしていることから、動かすのは危険であると判断し、同人をそのままの状態にして、本件事故の現場付近に集まっている者に対し、本件事故の目撃状況を尋ねてまわった。そして、銀杏並木通りの反対側道路端には、トラックのものと思われるタイヤが１本落ちているにもかかわらず、周囲にトラックが見当たらないこと、同所から走り去ったトラックがいることから、ひき逃げ事故ではないかと考え、本件パトカーまで戻り、Ｃ巡査長に対し、ひき逃げ容疑の手配及び重ねて救急車の派遣要請をするとともに、小松川警察署署員の派遣を依頼してから、亡Ｂのそばに戻り、救急車の到着を待った（乙３、証人Ｄ）。
タ　Ｃ巡査長は、車載無線機により、ひき逃げ容疑の手配及び救急車の派遣要請等をしていたところ、本件パトカーに近寄ってきた女性に、救急車を呼んだのにパトカーが先に到着した理由を尋ねられた。Ｃ巡査長は、通報を受けて来たのではなく、通りかかったものであることを告げた後、車載無線機での通話を続けたところ、女性は、立ち去った。
その後、訴外Ａが、本件事故の現場に現れ、本件事故の一方当事者である旨述べたことから、Ｃ巡査長は、訴外Ａを本件パトカーの後部座席に乗車させ、本件事故に関する事情聴取を始めた。
さらに、その後、小松川警察署署員が到着したことから、Ｃ巡査長らは、本件交差点に到着して亡Ｂが路上に倒れているのを発見した際の状況、訴外Ａを発見した際の状況等を報告して同署員に本件事故の処理を引き継ぐとともに、本件単車を、〈１〉地点から〈７〉地点まで追跡した状況、〈７〉地点で追跡を打ち切った後、本件交差点に到着するまでの状況等について説明した（乙２、３、証人Ｃ、同Ｄ）。
チ　午後１１時３４分、本件事故の現場に救急車が到着し、亡Ｂに対する救急活動が開始され、翌日の平成１１年１０月１５日午前０時４分に亡Ｂはａ病院に搬送されたが、同病院において同日午前１時３２分死亡した（甲２の１ないし４、３、６・平成１１年１０月１８日付け実況見分調書）。
(2) 　補足説明
ア　原告らは、Ｃ巡査長らはサイレンを鳴らさないで本件追跡行為を行ったと主張する。
そして、本件事故当時、本件事故の現場付近でスナックを経営していた訴外Ｆは、同店内にいたところ、ガチャンという音を聞いて事故と思い、店外へ出て、本件事故の発生を知った、ガチャンという音を聞く前には、パトカーのサイレン音を聞いていない旨証言し（甲１０、証人Ｆ）、訴外Ｅは、本件事故当時、本件事故の現場付近の自宅の寝室におり、金属と金属がぶつかるような衝突音で、本件事故に気付いたが、本件事故前に、パトカーのサイレンを聞いていない旨証言する（甲１、証人Ｅ）。また、原告らは、本件事故当時、訴外Ｆ及び訴外Ｅは、本件パトカーがサイレンを鳴らしていれば聞こえる場所にいたとして、「サイレン音の現場実験のまとめ」（甲１６の１・２）を提出する。さらに、原告Ｘ１は、訴外Ａから、本件事故前に本件単車及び追跡中の本件パトカーと〈Ｂ〉地点ですれ違った、その時、サイレンは聞こえなかった旨聞いたと供述する（原告Ｘ１本人）。
イ　しかしながら、サイレンが聞こえるか否かは、サイレンの音量、音質、音源との距離のほか、気象条件、周辺の環境、時間帯、屋外か屋内（車内）か、聞き手の状況等の様々な条件に左右されると考えられる。そして、訴外Ｆは、本件事故当時、店内で、従業員２名と雑談中であった上、店内には有線放送から音楽が流れており、また、カラオケの使用に備えて店舗には防音設備が施されていたことが認められるところ（証人Ｆ）、本件パトカーが本件追跡行為を中断した〈７〉地点からでも約１００ｍ離れた防音設備が施された店舗内の音楽が流れている中で、雑談に集中していた訴外Ｆが、本件パトカーのサイレン音が聞こえず、又は記憶していないとしても、不自然ではない。また、訴外Ｅは、本件事故当時、前記〈７〉地点からでも約１００ｍ離れた、窓を閉めた自宅寝室で、就寝前の読書中であったのであるから（証人Ｅ）、読書に集中していた訴外Ｅが、本件パトカーのサイレンが聞こえず、又は記憶していないとしても不自然ではないことは同様である。
また、前記の「サイレン音の現場実験のまとめ」（甲１６の１・２）については、同実験に使用されたサイレンが、本件パトカーに車載されているサイレンと同一又は同種の機器か明らかではない上（甲１６の１・２）、訴外Ｆの場合、本件事故当時の店舗は既に取り壊されており、隣接する住居部分で待機していたこと、訴外Ｆ及び訴外Ｅは、これからサイレンが鳴らされることを原告ら代理人からあらかじめ連絡されていたこと（証人Ｆ、同Ｅ）などからすると、前記実験の結果をもってしても、本件事故当時、パトカーのサイレンを聞いていない旨の訴外Ｆ及び訴外Ｅの前記証言等が、直ちに本件パトカーがサイレンを鳴らしていなかったことを示すものと評価することはできない。
さらに、原告Ｘ１の訴外Ａの話についての前記供述は伝聞である上、仮に同原告が訴外Ａから、サイレンは聞こえなかった旨聞いていたとしても、訴外Ａが本件パトカーとすれ違った際、Ａ車両の窓が閉まっていたか否かや、同車両内のカーラジオやカーステレオの使用状況等も明らかではないから、そのことをもってしても、本件パトカーがサイレンを鳴らしていなかったと認めることはできない。
ウ　他方、前記(1)で認定したとおり、本件パトカーは、一方通行を逆走する本件単車を、同様に逆走して追跡したところ、そのような追跡をするに当たって、サイレンを鳴らし、第三者に対して、緊急自動車が走行していることを周知させなければ、当該パトカー自体が他の車両と衝突するなどの危険性があることからすれば、サイレンを鳴らしながら走行するのが自然であり、むしろ、本件追跡行為がサイレンを鳴らさないまま行われたとは考えにくい。しかも、証人Ｃ及び同Ｄは、いずれもサイレンを鳴らしながら本件追跡行為を行った状況について、前記(1)の認定事実に沿う具体的かつ詳細な証言（乙２、３の陳述書の記載を含む。）をしており、その証言に特段不自然・不合理な点は認められない。
以上に加え、前記イの事情も併せ考慮すれば、前記アの原告らの主張に沿う各証拠をもってしても、証人Ｃ及び同Ｄの前記証言等を排斥することはできないから、前記(1)の認定は左右されない。
したがって、原告らの前記主張は採用することができない。なお、原告らは、Ｃ巡査長らがサイレンを鳴らしていたとしても、到達範囲の狭い低い音量で鳴らしていたとも主張するが、前記(1)の認定事実によれば、Ｃ巡査長らは、一方通行を逆走するなどその必要性が高い場合には、より強くサイレンを鳴らすなどしていたものと認められるから、原告らのこの主張も採用することはできない。
２　争点(1)（Ｃ巡査長らの職務行為の違法性）について
前記１(1)の認定事実を前提に、Ｃ巡査長らの職務行為の違法性について検討する。
(1) 　本件追跡行為について
ア　まず、警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯したと疑うに足りる相当な理由のある者を停止させて質問し、また、現行犯人を現認した場合には速やかにその検挙又は逮捕に当たる職責を負うものであって（警察法２条、６５条、警察官職務執行法２条１項）、その職責を遂行する目的のために被疑者を追跡することはもとよりなし得るところである。したがって、警察官がこのような目的のために交通法規等に違反して車両で逃走する者をパトカーで追跡する職務の執行中に、逃走車両の運転者が損害を被ったとしても、原則として違法となるものとはいえず、前記追跡行為が当該職務目的を遂行する上で不必要であったり、又は当該追跡の開始、継続及び方法が、逃走車両の逃走の態様及び道路交通状況等から予測される逃走車両の運転者に対する被害発生の具体的危険性の有無及びその内容に照らし、不相当であると認められる場合には、例外的に当該職務執行が違法となるものと解するのが相当である。
イ　本件についてこれをみると、前記１(1)で認定した事実によれば、第１種原動機付自転車である本件単車を運転して走行する亡Ｂは、〈１〉の交差点において、二段階右折をしなければならないのに、このような方法によらずに右折したものであり、亡Ｂの行為は道交法３４条５項違反（２万円以下の罰金又は科料（同法１２１条１項５号））に当たるから、これを現認したＣ巡査長らが、指導取締りのため、本件単車の追跡を開始した行為はその必要性があるといえる。
また、亡Ｂは、合図をしないまま、〈２〉地点、〈３〉地点、〈５〉地点及び〈６〉地点の各交差点を右左折しており、これらの行為は道交法５３条１項違反（５万円以下の罰金（同法１２０条１項８号））に当たる。さらに、亡Ｂは、〈３〉地点と〈５〉地点の間及び〈６〉地点と〈７〉地点の間を一方通行の規制に反して逆走したのであるから、その行為は同法８条１項違反（２万円以下の罰金又は科料（同法１２１条１項１号の２））に、〈５〉地点と〈６〉地点との間では歩道を走行したのであるから、その行為は同法１７条１項違反（３月以下の懲役又は５万円以下の罰金（同法１１９条１項２号の２））にそれぞれ当たる。しかも、前記１(1)のとおり、一方通行路を逆走中に交差点を通過する際、本件単車は若干減速したにすぎないのに対し、本件パトカーは十分に減速したことにもよるが、本件パトカーは本件単車に追いつくことができなかったこと、〈１〉地点から〈２〉地点の間を本件パトカーは時速約６０kmで走行したにもかかわらず、本件単車と本件パトカーの距離は約３０ｍまで縮まったにすぎないこと、本件単車は、〈３〉地点から〈５〉地点までの間を時速約６０kmで走行していたことなどを総合すると、本件単車は相当の距離を原動機付自転車の制限速度である時速３０kmを超えて走行していたものと認められ、そうすると亡Ｂの行為は同法２２条１項、同法施行令１１条違反（６月以下の懲役又は１０万円以下の罰金（道交法１１８条１項１号））にも当たる。
以上のとおり、Ｃ巡査長らが当初現認した違反は、二段階右折違反のみであったものの、亡Ｂは、逃走を始めた直後から、合図なしの右左折、一方通行道路の逆走、原動機付自転車による歩道走行、最高速度違反の道交法違反を重ね、追跡を逃れようとしたものであり、全体として重大な道交法違反を犯したものといわざるを得ない。また、亡Ｂは、本件パトカーから停止することを求められたのに、停止せずに逃走を続けたばかりか、走行しながら、本件単車の後部に取り付けられている標識が地面と平行になるように標識取付けステーを左手で上方に押し上げ、後方から標識番号を読みとることができないようにしたのであるから、道交法違反のみならず、挙動不審者として、他に何らかの犯罪に関係があるものと疑われても不自然ではない行動をとったものといわざるを得ない。そうすると、Ｃ巡査長らは、亡Ｂを道交法違反の被疑者として取り締まるだけでなく、挙動不審者として職務質問を行う必要性があったといえる。したがって、Ｃ巡査長らが、本件パトカーにより本件単車を追跡した行為は、当該職務目的を遂行する上で必要なものであったというべきである。
ウ　また、前記１(1)で認定したとおり、Ｃ巡査長らは、本件単車の運転手がその体格等から男性であろうとの推測はできたものの、フルフェイス型ヘルメットを着用していたため、年齢、容貌等を知ることができなかった上、亡Ｂは、本件パトカーから停止を求められた際、前記のとおり、本件単車の後部の標識取付けステーを上方に押し上げ、標識に記載されている車両番号を後方から確認することができないようにしていたことから、後刻、運転者を特定して捕捉することは困難であり、追跡を継続する必要性があったというべきである。
さらに、前記イのとおり、亡Ｂの逃走の態様は、道交法違反を繰り返す危険かつ悪質なものであるが、深夜の時間帯であった上、本件単車及び本件パトカーが逆走した〈３〉地点から〈５〉地点を結ぶ道路及び〈６〉地点及び〈８〉地点を結ぶ道路と交差する道路は幹線道路ではなかったこと（甲６・平成１１年１０月１８日付け実況見分調書・図面第１、８）、本件パトカーは、〈５〉地点で交差点を右折し、船堀街道に進入する際、又は〈６〉地点で交差点を右折し、一方通行路に進入するため船堀街道を横断する際に、他の車両を避けるために停止したときを除き他の車両を避けるために停止しなければならなかったようなことはない上、本件パトカーが〈１〉地点の交差点から〈７〉地点の交差点に至るまでの本件追跡行為の間に、本件単車又は本件パトカーと他の車両が衝突又は接触するような具体的危険が差し迫った状況にあったとは認められないことを総合すると、本件追跡行為を継続すること自体が、直ちに事故発生の具体的危険性を高めていたものとはいい難い。しかも、本件単車を追跡中、本件パトカーは赤色灯を点灯し、サイレンを鳴らしており、特に、交差点を右左折又は通過する際には、Ｃ巡査長は、減速し、左右の安全を確認しながら交差点に進入し、Ｄ巡査長は、交差点手前から緊急自動車が交差点に接近していること及び一方通行路を逆走することなどの広報をしていた。そして、交差点における走行態様の違い等から、総じて本件パトカーの速度より本件単車の速度が速かったため、本件パトカーは本件単車に追いつくことはできなかったものであり、〈１〉地点と〈２〉地点の間で本件パトカーが本件単車に最も近づいた時でもその距離は約３０ｍであった。また、本件パトカーが本件単車を追跡したのは、〈１〉地点を起点として本件パトカーが追跡を中断した〈７〉地点までとしても距離にして約１２００ｍ程度で（甲８）、追跡時間も約２分間程度の短時間であり（前記１(1)ア、サ）、長い距離を、長時間にわたり、執拗に追跡したものともいえない。
このような本件パトカーの追跡方法と、前記イのような亡Ｂの逃走方法等を比較すると、本件追跡行為には、その継続、方法のいずれの点においても不相当な点は認められないというべきである。
エ　以上のとおり、Ｃ巡査長らによる本件追跡行為は、当該職務の目的を遂行する上で不必要なものであるとか、追跡の開始、継続及び方法が、逃走車両の逃走の態様及び道路交通状況等から予測される逃走車両の運転者に対する被害発生の具体的危険性の有無及び内容に照らして不相当であるとはいえないから、Ｃ巡査長らの職務行為が違法であるとは認められない。
オ　原告らは、本件追跡行為の端緒が二段階右折違反という軽微な違反行為であったことからすると、あえて追跡を行わず、車載拡声器で違反を指摘し、注意喚起を行うことで取締りの目的は達成できたというべきである、本件追跡行為を開始した時刻は午後１１時過ぎであり、周辺の車両交通量が少なく、がっしりした体格の男性が運転する原動機付自転車を識別することは容易であったから、他の緊急車両等による捕捉可能性が高い一方、本件単車が〈３〉地点で一方通行路の逆走を始めたときに、以後、亡Ｂが交差点を一時停止することなく通過するなどして逃走することが予測できたから、他の車両や交番等へ無線で連絡し、連携捜査に切り替えるべきであった、仮に他の手段によって捕捉することができなかったとしても、捜査の端緒が二段階右折違反という軽微な違反であることからすると、本件追跡行為により運転者、他の通行人、通行車両の運転者の生命・身体の危険を惹起する以上、重大かつ深刻な新たな侵害行為が発生しないように、本件追跡行為を断念すべきであったと主張する。
しかしながら、二段階右折違反を現認したＣ巡査長らが指導取締りのため本件単車を追跡する必要性があったことは前記のとおりである。そして、亡Ｂは、逃走を始めた直後である〈１〉地点と〈２〉地点の間で停止を求められた際に停止しなかったばかりか、急に減速した上、合図なしで〈２〉地点の交差点を左折した後も、道交法違反を繰り返し、かつ、本件単車の後部の標識を後方から見えないような状態にして逃走したものである。このように逃走しようとする運転者に対して、原告らが主張するように、車載拡声器でその違反を指摘し、注意喚起を行うことのみによって、取締りの目的を達成することができるとは到底いえない。また、交通量が少ないとはいえ、体格の大きい男性が運転する原動機付自転車というのみでは、本件単車や運転手の特定として不十分であることは前記のとおりであり、したがって、他の車両や交番等への無線連絡により、連携捜査に切り替えることで取締りの目的を達成できたとは考えにくいから、連携捜査に切り替えるべきであったともいえない。確かに、本件単車が〈３〉地点で一方通行路の逆走を始めたときに、以後、亡Ｂが交差点を一時停止することなく通過するなどして逃走することを予測することができなかったとはいえないが、当時は交通量が少なく、本件追跡行為の間に、本件単車又は本件パトカーと他の車両が衝突又は接触するような具体的危険が差し迫った状況にあったとは認められないことは前記のとおりである。また、前記のような態様で逃走することが予測できたことのみで追跡行為が許されないと解するとすれば、およそ車両を運転して逃走する被疑者の取締りや挙動不審者に対する職務質問を行うことはできないこととなってしまうことから相当ではない。
したがって、原告らの前記主張は採用することができない。
(2) 　救護義務違反について
次に、原告らは、Ｃ巡査長らは本件単車とＡ車両が衝突する状況を現認していたか、少なくとも車両が接触したような音により、事故が発生したことを認識することができたのであるから、直ちに、〈８〉地点に赴き、救護活動を開始すべきであったにもかかわらず、あえて〈８〉地点には赴かず、〈２〉地点で漫然と待機し、救急車の出動を要請する等救護活動を行わず、亡Ｂを放置したのであり、Ｃ巡査長らには救護義務違反があると主張する。
しかしながら、Ｃ巡査長らが本件事故を現認したと認定するに足りる証拠はなく、かえって、前記１(1)の認定事実及び証拠（乙２、３、証人Ｃ、同Ｄ）によれば、Ｃ巡査長らは、〈７〉地点の交差点で右折する際にも本件事故が発生したことを認識しておらず、後に〈８〉地点の本件事故の現場で本件事故の発生を知ったことが認められる。
確かに、Ｃ巡査長は、〈７〉地点の交差点を右折する際、「ガシャ」というかすかな音を聞いたと供述するところ（乙２、証人Ｃ）、その音は本件事故発生時の音である可能性が高い。しかしながら、本件事故の現場である〈８〉地点と〈７〉地点は約１００ｍ離れている上（甲８）、Ｄ巡査長はそのような音を聞いていないこと（乙３、証人Ｄ）、Ｃ巡査長は、後に本件事故の現場に行った際もその音のことは思い出さず、ふり返って思い出したのは本件事故当日に、実況見分等をした後に赴いた小松川警察署においてであったこと（証人Ｃ、同Ｄ）などからすれば、〈７〉地点でＣ巡査長が聞いた音は、同人が証言するように、サイレンとＤ巡査長の広報の声ではっきりとは聞こえない程度のかすかな音であったと考えられる。そして、前記のとおり、本件追跡行為の間に、本件単車又は本件パトカーと他の車両が衝突又は接触するような具体的危険が差し迫った状況にあったとは認められないことからすると、Ｃ巡査長が前記のようなかすかな音を聞いたことのみで、本件事故が発生したことを認識することができたとはいえない。
そうすると、前記１(1)の認定事実のとおり、Ｃ巡査長らが、〈７〉地点の交差点を右折して新大橋通りに向かい、〈２〉地点に本件パトカーを停止させて待機した後、〈８〉地点に到着したことをもって、Ｃ巡査長らが亡Ｂを〈８〉地点に漫然と放置し、救護義務に違反したものと認めることはできない。また、前記１(1)の認定事実によれば、Ｃ巡査長らが、原告らが主張するように、〈８〉地点に到着した後も遠巻きにするような態度をとり、あるいは本件事故と無関係であるかのように装ったとか、〈８〉地点に到着した小松川警察署署員に対し適切な報告をしなかったとは認められず、他にそのような事実を認定するに足りる証拠はないから、本件追跡行為を中断した後のＣ巡査長らの行為に違法性があるということはできない。
(3) 　まとめ
前記(1)及び(2)のとおり、本件追跡行為及び本件追跡行為を中断した後のＣ巡査長らの行為に国家賠償法上の違法性があるとは認められない。そうすると、その余の点について検討するまでもなく、原告らの請求はいずれも理由がない。
第４　結論
以上の次第で、原告らの請求はいずれも理由がないから、これを棄却することとし、主文のとおり判決する。
（裁判長裁判官　松本利幸　裁判官　瀬戸啓子　裁判官　蛭川明彦）

（別紙図面）〈省略〉

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以下の「政治選挙ポスター」画像をクリックし、全国選挙区における弊社の掲示交渉実績をご覧ください。
【実績一覧】選挙立候補予定者のための【政治選挙ポスター】新規掲示許可交渉代行

政治選挙ポスター掲示許可交渉(1)	政治選挙ポスター掲示許可交渉(2)	政治選挙ポスター掲示許可交渉(3)

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メディア関係者様向けのプレスリリース記事 


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⑧政策ビラPR	ポスタリング	④集合住宅PR

⑦意外注目PR	⑥公的公共PR	⑤独占単独PR

【よくある質問 Q&A 一覧】
■街頭ポスター貼り(掲示交渉)代行について
Q&A【1】街頭ポスター貼付(掲示交渉代行)サービスとはどのようなものですか？
Q&A【2】どのくらいの期間で何枚くらいの街頭ポスター貼付ができるのですか？
Q&A【3】街頭ポスターを貼る際は先方(許可承諾者)に許可をいただいて貼るのですか？
Q&A【4】ポスターの①貼付依頼～②貼付開始～③貼付完了等の流れについて教えていただけますか？
Q&A【5】ポスターの料金は１枚いくらで貼ってくれるのですか？
Q&A【6】ポスターの貼付エリアや貼り付け枚数等は指定できますか？
Q&A【7】ポスター貼付後のメンテナンス(貼り替え・剥がし)も依頼できますか？
Q&A【8】最低何枚から街頭ポスター貼りを依頼できますか？
Q&A【9】ポスター貼り替え期間の指定はできますか？貼りっぱなしではないですか？
Q&A【10】街頭ポスターの貼付交渉(新規掲示)の実績や事例はありますか？

■政治活動における広報支援について
Q&A【11】「ドブ板選挙プランナー」とはどのようなお仕事ですか？
Q&A【12】「ポスタリング」とはどのようなサービスですか？
Q&A【13】政治活動等の特殊な業界についてのポスター掲示交渉は難しいですか？
Q&A【14】政治活動用の街頭ポスター(二連|三連)貼りをお願いしたいのですが、特定政党の支援は可能ですか？
Q&A【15】政治活動におけるポスターについて公職選挙法や政治資金規正法等の知識はありますか？
Q&A【16】街頭で無料の「ウィン！ワッポン」をよく見かけますが、これで選挙の勝率が上がりますか？
Q&A【17】二連ポスターや三連ポスター製作前に「弁士の相手」のご提案もしてくれますか？
Q&A【18】ポスター「掲示責任者代行」とはどのようなものでしょうか？
Q&A【19】選挙妨害やその他クレーム対応等の代行も可能でしょうか？
Q&A【20】政治活動(選挙運動)における広報支援プランはどのようなものがありますか？

■営業専門会社による広報PR支援について
Q&A【21】飛び込み訪問、戸別訪問、挨拶回り代行等、ポスター貼り以外でもお願いできますか？
Q&A【22】飲食店や実店舗等の店内やトイレ等にポスターを貼ったり、ビジネスカード設置、チラシ配布等は可能ですか？
Q&A【23】全国どこでもポスター貼りが可能なのですか？

■ご検討中の方々に
Q&A【24】お問い合わせについて
Q&A【25】資料をダウンロード
Q&A【26】ノウハウ・テクニックを大公開！

■ご依頼(お申し込み)の前に
Q&A【27】お申し込みの流れ
Q&A【28】ご用意いただきたいもの

■ご依頼(ご契約)の後に
Q&A【29】進捗報告について
Q&A【30】お友達ご紹介キャンペーンについて

【ポスター【制作前の】候補予定者様】のメニューです。

「政治活動用ポスターのデザイン」は、こちらです。
公職選挙法規定の法的審査(レギュレーションチェック)対応済みの、個人ポスター、２連ポスター、３連ポスター等のデザインを制作！

「弁士相手探しマッチング」は、こちらです。
「探して、交渉して、お隣りへ！」理想の有名人や著名人の弁士相手を探して、地域有権者に対して認知度拡大の相乗効果を狙う！

「ポスターの掲示責任者代行」は、こちらです。
【全国対応】ポスターを掲示した選挙区からのクレーム対応・妨害等の「総合窓口」として、ポスター掲示責任者の代行をいたします。

【ポスター【制作後の】候補予定者様】のメニューです。

政治活動期間における「どぶ板専門！ポスター貼り(掲示交渉)代行」は、こちらです。

【稼働の流れ】
①新規ご挨拶回り|戸別訪問代行|握手代行
選挙区(指定エリア)の有権者(民家・飲食店・その他施設)に対して、候補予定者に代わって選挙ドットウィン！が直接ご訪問致します。

②名刺|ビラ|リーフレット等の手渡し配布
候補予定者と有権者を繋ぐため、名刺・ビラ・政策レポート・討議資料・リーフレットなど活動報告資料の直接手渡し配布を致します。

③留守宅|候補者PR資料ポスティング投函
ご訪問先がご不在の場合には、配布物を郵便受け等にポスティング投函致します。(想定ターゲットに完全100パーセントのリーチ率！)

④政治活動ポスター貼り(新規掲示交渉！
【完全成果報酬】地獄のドブ板活動に必須となる、政治活動用ポスター貼り(新規掲示交渉代行！)(貼れた分だけの枚数課金となります)

⑤掲示(貼付)後のフォロー|クレーム対応
ポスター掲示(貼付)完了後における掲示許可承諾者へ、フォローやクレーム対応等のストレスな部分は選挙ドットウィン！が致します。