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裁判年月日 平成15年12月25日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平14(ワ)2960号
事件名 損害賠償請求事件
裁判結果 一部認容 文献番号 2003WLJPCA12250012
要旨
◆原告が外国人アーチストのコンサートを開催し、被告商品の販売促進の機会として提供する旨のスポンサー契約の成立までは認められないが、原告において会場の手配やアーチストの招聘などの準備を進めている段階に至って、被告が突然交渉を決裂させたことは、信義則に反し、被告には契約締結上の過失があるとして、原告の被告に対する損害賠償請求が一部認容された事例
出典
新日本法規提供
参照条文
民法1条
民法709条
裁判年月日 平成15年12月25日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平14(ワ)2960号
事件名 損害賠償請求事件
裁判結果 一部認容 文献番号 2003WLJPCA12250012
原告 有限会社フォレイネット
同代表者代表取締役 X
同訴訟代理人弁護士 番敦子
被告 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
同代表者代表取締役 A
同訴訟代理人弁護士 國生肇
主 文
1 被告は、原告に対し、298万円及びこれに対する平成14年2月21日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は、これを5分し、その1を被告の負担とし、その余を原告の負担とする。
4 この判決の第1項は仮に執行することができる。
事実及び理由
第1 請求
(主位的請求)
被告は、原告に対し、1000万円及びこれに対する平成14年2月21日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
(予備的請求)
被告は、原告に対し、1000万円及びこれに対する平成14年2月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要
1 本件は、原告が、被告に対し、〈1〉スポンサー契約の債務不履行に基づき、〈2〉仮にスポンサー契約が成立していなかったとしても被告の契約締結上の過失に基づき、さらに〈3〉仮に被告に契約責任が認められなかったとしても不法行為(使用者責任)に基づき、原告が被った損害の賠償を求めた事案である。
2 前提事実(証拠を括弧書きした事実のほかは争いがない。)
(1) 原告は、電子情報通信の代理店業等を業とする有限会社であり、被告は、電子通信事業等を業とする株式会社である。
(2) 原告は、被告のコンシューマー&オフィス事業部との間で、平成12年10月11日、販売代理店契約を締結した。
(3) 原告は、在日日系ブラジル人を対象として、ブラジルから有名アーチストを呼んで開催するコンサート「メガブラジル」(以下「本件コンサート」という。)を平成13年5月3、4日の両日に主催することを企画した。
(4) 原告と被告との間の交渉に関して主に担当したのは、原告側は代表者X(以下「X」という。)であり、被告側はB(以下「B」という。)であった。
(5) 原告と被告との交渉は、同年3月30日ころ決裂し、被告は本件コンサートに関与しないこととなった(甲5、29の1・2)。
(6) 原告は、同年4月下旬、本件コンサートの開催を中止した(弁論の全趣旨)。
3 原告の主張
(1) スポンサー契約の成立
ア 原告と被告は、平成13年2月16日、口頭にて、スポンサー契約を締結し、被告は、原告に対し、スポンサー料として、ブラジル人向け販売促進費として1000万円の支払を約束した。
イ 被告側の担当者は、Bであったが、
〈1〉 Bは、被告からスポンサー契約締結の代理権を与えられていた。
〈2〉 表見代理による契約成立
仮にBに代理権が与えられていなかったとしても、被告は、Bについて授権の表示を与えており、原告は、基本代理権を有するBについて代理権があると信ずるべき正当な事由を有していた。
すなわち、原告と被告は、平成12年7月以降、係長補佐の肩書を有するBを担当者として種々の契約を成立させてきたものである。したがって、民法109条、110条に基づく表見代理が成立する。
〈3〉 Bを使者とする契約成立
仮に表見代理が成立しないとしても、Bは、被告の使者として、被告の決裁権者の正式回答を原告に伝えているから、スポンサー契約は有効に成立した。
(2) 契約締結上の過失
ア 仮にスポンサー契約が成立していなかったとしても、Bによる平成13年2月16日の口頭による連絡によって、原告はスポンサー契約の成立を前提として、これを信頼して本件コンサートの準備を始めたのであり、後に、一方的に契約を締結しなかった被告には、契約締結上の過失がある。
イ 被告は、同年3月29日午後4時55分、突然、ビザ取得の期限を同月30日午後3時とする電子メールを送りつけた。この期限は、被告が、この時期に至って一方的に通告してきたものであり、商道徳上も認められるものではない。
ウ 被告は、原告が本件コンサートの準備を進め、すでに後戻りできなくなった段階において、その事実を知りながら、突然、ビザ取得の期限を一方的に通告してきたものであり、契約締結上の過失があることは明らかである。
エ 被告は、契約成立の条件として、平成13年3月末日を期限とするアーチストとの契約書の提出とアーティストビザの取得を主張するが、同年2月16日のスタート段階においては厳密な期限が提示されてはいない。また、同年3月15日の打ち合せ段階においても、「期限」というものではなく、あくまで予定であり、目安であった。
(3) 不法行為責任(予備的請求原因)
ア 仮に被告に契約責任が認められないとしても、被告には不法行為責任がある。
イ Bの原告代表者に対する一連の言動は、原告がスポンサー契約が成立したと考え、本件コンサートの準備を進めるに十分なものであった。原告は、Bの言辞を受けて、出捐を伴う準備を進めたのであり、このことはBも十分に認識していた。ところが、平成13年3月29日になって、Bは突然、原告に対し、「期限」を持ち出し、本件コンサートを中止に追い込んだ。Bは、被告が本件コンサートの企画から降りることが、本件コンサートの中止を意味することは十分に承知していた。
ウ 上記事実は、Bの業務執行における原告に対する権利侵害行為であるから、被告には、Bの使用者として、民法715条の使用者責任が生じる。
(4) 因果関係
ア 本件コンサートの企画は、被告の販売促進を目的とする被告名を冠とするコンサートであった。被告がスポンサーであることから、本件コンサートの企画の信用力は高まり、関係企業等は契約上の便宜を申し出ていた。ところが、被告が一方的にスポンサーから降りるという事態に至り、高まっていた信用が失墜し、それまでの便宜申出の撤回や不利益な対応をされることになり、原告の資金計画は狂ってしまった。
イ 原告は、被告からスポンサー料が入金されるまでのつなぎ融資を国民金融公庫に申し入れていたが、Bが当初約束していた契約書作成を結局履行しなかったことから、この融資も実行されず、資金不足が加速した。しかし、仮にこの融資が受けられなくても、被告がスポンサーから降りなければ、Xが親戚、知人から借金をしてでも本件コンサートを開催することが可能であった。
ウ 原告は、被告に代わるスポンサーを探したが、被告がスポンサーを降りたことで原告の信用力は低下していたこと、もともと本件コンサートが被告の販売促進を目的とする企画であったこと、すでにコンサートが1か月後に迫っており、十分な期間が得られなかったこと等の理由から、被告に代わるスポンサーを探すことはできなかった。
エ 被告は、被告が本件コンサートの企画から離脱することにより、本件コンサートが中止に追い込まれることを認識していたはずである。被告の行為と本件コンサートの中止による損害との間には因果関係が存在する。
(5) 原告が被った損害
ア 原告は、スポンサー契約を被告が一方的に破棄したことにより、以下のとおり、合計2469万3836円(1ドル=125円で換算)の損害を被った。本訴請求は、そのうち1000万円についての内金請求である。
〈1〉 アーティスト 606万2500円(4万8500ドル)
・a 1万8000ドル
・b 2万3000ドル
・c 7500ドル
〈2〉 会場 398万3216円
さいたまアリーナ 200万円+75万円
浜松アリーナ 123万3216円
〈3〉 人件費 366万円
事務担当4名 176万円
ウェッブ担当1名 70万円
その他 120万円
〈4〉 アーティストビザ 25万5000円(2040ドル)
単価30ドル×68名=2040ドル
〈5〉 招聘許可申請 170万円
単価2万5000円×68名=170万円
〈6〉 プロモーション費 533万3920円
・人件費 合計501万円(12か所での合計)
単価1000~1500円×人数1~4名×日数4~26日
・材料費 合計32万3920円
〈7〉 移動費 125万円
〈8〉 新聞広告費 33万1200円
〈9〉 入場料代理店返還 211万8000円
500円×4236枚=211万8000円
〈10〉 合計 2469万3836円
イ 仮にスポンサー契約が成立しておらず、契約締結上の過失が問題となるとしても、原告は、スポンサー契約の成立を前提として準備を進めていたのであり、以下の費用について、平成15年3月30日までに支払義務が発生しており、かつ実際に支払済みであるから、これらは契約締結上の過失による損害といえる。
〈1〉 コンサート会場費
さいたまアリーナについて、原告は、本来364万0350円の支払義務があったが、このうち200万円について、平成13年3月27日に支払った。
〈2〉 招聘許可申請等請負代金
原告は、出演者等の招聘許可証(在留資格認定証明書)の申請等について、68人分合計170万円で代行業者に依頼し、そのうち30万円については平成13年3月30日までに支払う約束となっており、支払義務が発生した。
〈3〉 アーチストのキャンセル料
原告は、各アーチストと平成13年3月初めに契約締結しており、いずれのバンドもキャンセルの場合には報酬の50パーセントを支払う約定となっており、キャンセル料の総額は325万円(2万6000USドル。当時の為替レート(1ドル125円)で換算)であるが、このうち150万円を支払済みである。
〈4〉 プロモーション人件費
平成13年2、3月には、すでにプロモーションを行っており、その人件費のうち98万円は支払済みである。
〈5〉 事務所人件費
平成13年2、3月における事務担当人件費は366万円である。
〈6〉 合計 844万円
4 被告の主張
(1) スポンサー契約の成立について
原告と被告との間でスポンサー契約が口頭で成立したとの原告の主張は否認する。Bは被告の一般従業員であり、被告を代表する権限はない。また、表見代理が成立する余地もない。
(2) 契約締結上の過失について
ア 本件コンサート自体は被告が依頼したものではない。BがXに依頼したのは、フリーコール出展、すなわちブラジル人向け被告商品の販売促進の機会があれば、紹介してもらいたいということと、その機会における販売促進への協力であって、本件コンサート自体を企画遂行して欲しいと依頼した訳ではない。
イ XとBが、原告がスポンサー契約と称する契約(被告はフリーコール出展契約と称している。以下「本件契約」という。)の締結を目指して折衝していたことは事実である。Xは、本件コンサートが確実に実施されることを確約し、契約締結のための被告の社内決裁をとるためには、確実に本件コンサートが実施される客観的な資料、すなわちアーチストビザとアーチストの契約書が必要であることは十分認識していた。
ウ 原被告間で将来締結される予定であった本件契約の内容は、
〈1〉 原告は、人気のある3組のブラジル人アーチストのコンサートを開催し、ブラジル人向け被告商品の販売促進の機会として提供し、被告の販売促進にも一定の協力をする。
〈2〉 被告は、〈1〉の対価として、原告に対し1000万円を支払う。
という2点に要約される。
エ それゆえ原告は、本件契約成立の前提として原告が自ら確実に本件コンサートを開催できるということでなければならず、被告は、イベントが無事終了して所定の販売促進の協力がなされたことに対して1000万円を支払うのみであり、資金繰りを含めて本件コンサート開催に向けて何らかの助力をするものではない。
オ 仮に契約締結上の過失が認められたとしても、原告をして、本件契約が締結されてイベント終了後に1000万円支払われると信じさせたことに対して責任があるのみで、その信頼が毀損されたことによる損害の範囲内において、原告は被告に対して損害賠償を請求しうるのみである。原告の企画書(甲16の2)によれば、費用として計上されたもののうち、被告に関係するものは「NTTコミュニケーションズ・サービス受付スタッフ×25名(日当1万円) 100万円」のみであり、これらのスタッフの手配にコストを要していたのであれば、損害賠償を求めうるが、それ以外の会場費等の費用は被告とは無関係であり、原告が独自に調達すべき費用である。
(3) 本件コンサート中止との因果関係
ア 被告が本件契約締結を断念しても、本件コンサート終了後に1000万円が原告に支払われなくなるだけであり、被告の企画書(甲16の2)によれば支出のうち100万円が必要なくなるので、収支は最大で900万円悪化するだけであるから、直ちに本件コンサートが中止される原因にはなり得ない。
イ また、原告は、本件コンサートが被告のためだけに主催しようとしたかのごとく主張するが、チケットが全部売れれば9100万円の収入になることから、原告の利益は5600万円であり、これに被告以外のスポンサー料が上乗せされるのであるから、原告の利益のために企画されたものというべきである。
ウ したがって、被告が本件契約締結を断念したことから直ちに本件コンサートが中止になるものではない。
(4) 被告が本件契約締結を断念したことの違法性
ア Xは、1000万円は平成12年度の予算で賄うことを告げられており、平成13年3月末日までに決裁されなければならないことを分かっていたはずである。しかも、Xは、3月末までにアーチストビザを取得して、アーチストとの契約書とともに被告に提出することを確約していた。Bは、提出期限を守らなければ契約が不能になる旨警告していたはずであるが、上記確約を信頼していた者が警告を行わなかったとしても信義則違反とはならない。
イ 本件契約については、原告の責めにより信頼関係が破壊された。
本件コンサートは関東・東海一円に居住する在日ブラジル人の約1割が入場するとの前提で動員を計画しており、十分なプロモーションが必要とされるところ、原告の主張どおりでも本件コンサート開催まで1か月に迫った4月6日に在留許可を取得し、その後のビザの取得、短期間での効果的なプロモーションの実施など問題は山積していた。
このような状況において、被告が客観的に判断して、コンサートを一度も開催した実績のない原告には円滑なコンサート開催は不可能であると考えたことは無理からぬことであり、本件コンサートが確実に開催される証拠の多くを原告は提出しないことを考えれば、原告の責めにより信頼関係が破壊されたのである。このような状況から被告は本件コンサートヘの協力を見送ったのであり、何らその責任を問われるものではない。
(5) 損害について
仮に被告が本件契約締結を断念したことと本件コンサートの中止の間に相当因果関係があったとしても、原告の主張する損害との間には、相当因果関係はない。原告が主張する損害は、直ちにキャンセルするか、着手を中止していれば発生しなかったはずのものばかりである。
第3 当裁判所の判断
1 証拠(甲23、30、乙8、9、証人B、原告代表者のほか、認定事実中に括弧書きした証拠)及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる(なお、日付は、すべて平成13年である。電子メールのやり取りについては、末尾に(送信者名→受信者名、時刻)を記載してある。)。
(1) 1月末ころ、Xは、Bから、新年度のイベントの企画を出して欲しいと要請され、2月7日、「新世紀大イベント企画」と題した本件コンサートの企画書(甲16の1)をBに提出した。その返答はアーチストの都合もあったことから、2月15日までにするように依頼した。
なお、出演アーチストの変更後の企画書(甲16の2)には、公演総費用として3500万円余りが必要であると算出されている。
(2) 2月16日、Xは、Bに対し、2月9日からXが原告の代表取締役に就任することを報告し、今回のプロジェクトは被告をメインスポンサーと考えていると伝え(X→B、am1:03)、Bは、Xに対し、「新世紀大イベント企画」の件について、Xが契約予定の3組のアーチストは、ブラジルで大人気であるので集客に問題ないと判断し、部長の時間を押さえてあるので正式な返答は本日中にすると伝えた(B→X、am10:09。甲2の1)。
(3) 2月26日、Xは、Bに対し、アーチストに一部変更の可能性があることを伝え、スポンサー契約の契約書か証明書が銀行に援助を依頼するためには必要であると告げた(X→B。甲2の2)。
(4) 3月1日、Bは、Xに対し、アーチスト「a」の契約書のコピーを催促し、来日するアーチストのビザはアーチストビザであるか問い合わせたのに対して(B→X、pm3:39)、Xは、Bに対し、「a」との契約書はまだで、ほかのアーチストの決定は今週末になり、ビザに関しては来週明けにバンドを確定してアーチストビザの申請をすることになっていると告げた(X→B、pm7:06。甲2の4)。
(5) 3月4日、Xは、Bに対し、来日するバンドが決まり、火曜日(3月6日)に仮契約書が届き、Xがサインすれば確定する、月曜日(3月5日)からアーチストビザ申請のために動き回り、ポスター等の制作も始まることを伝え(X→B、am6:12)、3月5日、Bは、Xに対し、社内決裁をとるためにはアーチストとの契約書、招聘ライセンス等の必要書類が決められているので、準備が整ったものから順次届けて欲しい旨を伝え(B→X、pm9:00)、3月6日、Xは、Bに対し、契約書は3月8日までにコピーが届くのでメールかファックスですぐに送ることを告げた(X→B。甲2の6)。
(6) 3月6日、Xは、Bに対し、送られてきたアーチストの仮契約をメールに添付して送り(X→B、pm4:10)、3月7日、Bは、Xに対し、送られてきた仮契約のファイルについてソフトの都合で開けず、開いたとしてもポルトガル語では読めないので翻訳したものを依頼し(B→X、am10:13)、Xは、Bに対し、翻訳したものは時間がかかることを告げた(X→B。甲20)。
(7) 3月8日、Bは、Xに対し、本件コンサートの集客プロモーションは可能な限り早い時期に行い、ポスターやチラシは4月初旬には配備完了する必要があること、原告と被告との間にNTTメディアスコープに入ってもらうが、原告への支払額1000万円には変更がないことを告げ(B→X、pm4:25)、3月9日、Xは、Bに対し、集客プロモーションは3月中に始め、新聞やテレビは興行ビザの関係で4月上旬からとなるが、ポスターやパンフレットは3月中に始まること、3月13日ころにはプロモーション側のサイン入りの契約書、映像利用許可書、写真等が届くので、パンフレット等の制作に入れる旨を告げた(X→B。甲2の7)。
(8) 3月15日、事前に送付されていた進捗状況を確認する照会書(甲4の1、2)に基づき、Xは、3月末までにはビザの取得ができる予定である旨を告げた(甲4の2、乙10)。なお、同照会書には「ビザはいつ取れる予定ですか?」という問いになっているだけで、被告から期限を定めてはいない。
(9) 3月17日、Xは、Bに対し、アーチスト「b」の契約書をメールに添附して送った(X→B。甲2の9)。
(10) 3月29日、Bは、Xに対し、本件コンサートにおける「フリーコール出展」という言葉を使い、3月30日午後3時までに、原告とブラジル側プロダクションとの間の契約書とアーチストビザの書類を提出することを求め、提出がないと本件コンサート開催の確約が取れないためフリーコール営業を実施するための事務処理を進められず、残念ながら見送ることになると告げた(B→X、pm4:55。甲5)。
(11) 招聘したアーチストらの在留資格認定証明書(甲6)は4月4日に発行され、原告は、これを4月6日に受け取った。
(12) 3月21日、Xは、Bに対し、来日アーチスト三者の契約書をメールに添付して送信し、招聘許可の件は、受取日が金曜日なので、3月30日に間に合わなければ、次の金曜日(4月6日)になると告げたメールが存在する(X→B、am2:36。甲14の2)。ところが、このメールは、被告側の受信トレイには残っていない(乙7)。
2 スポンサー契約の締結の有無について
以上認定の事実によれば、原告代表者であるXと被告担当者であるBとの間の一連のメールのやりとりの中で、スポンサー契約が成立するためには社内決裁が必要であることは明示されており、XとBは社内決裁を受けるために必要な条件について協議してきたものであるから、社内決裁がない以上は、スポンサー契約が成立していたと認めることはできない(Bを使者とする構成でも同じことである。)。
また、スポンサー契約の交渉以前の平成12年10月に成立した販売代理店契約(甲1)においては、契約書の被告側の記名押印はコンシューマ&オフィス事業部長名義でされており、そのことはXも承知していたはずであるから(XはBに対しスポンサー契約の契約書作成を催促していた。)、仮にBが上司のゴーサインが出たと告げていたとしても、Bに被告を代理して本件契約を(口頭で)締結する代理権があるとXが信じることはおよそ考えられず、表見代理が成立する余地はないといわざるを得ない。
3 契約締結上の過失の有無について
前記認定事実によれば、原告と被告との間では、正式な契約書は交わされていなかったものの、本件コンサートに関して、ブラジル人向け被告商品の宣伝のために利用する見返りとして、被告が1000万円の出捐をするという内容で担当者(原告代表者であるX、被告担当者であるB)レベルでは共通認識を持ち、平成13年2月16日から3月末にかけて、そうした内容を持つ契約の締結に向けて準備が着々と進んでいたものといえる。そして、原告と被告との交渉は、最終的には決裂するに至っているが、その直接の原因としては、一応、被告が本件契約の社内決裁をとるためには原告から契約書とアーチストビザの提出を受ける必要があるのに、原告がこれを提出しなかったことにあるとされる。しかしながら、前記認定事実のXとBのメールのやり取りからすれば、原告は、3月30日を絶対に動かせない期限(デッドライン)であると認識していないことがうかがえ、仮に契約書が添付された3月21日のメールがBに届いていなかったとしても、仮契約書等をBに送付したり、アーチストビザ取得のための在留資格認定証明書(招聘許可)を3月末日前後には取得できるように努力しているのであり、原告に責任があるとはいえず、むしろ、3月30日がデッドラインであると、Bが明確に通告したのは、その前日である3月29日のことであるから、それまでのXとBの交渉経過からすると、余りにも唐突に過ぎ、原告の信頼を裏切るものであり、信義則上、本件契約成立に向けた原告の信頼を保護する必要があり、被告には契約締結上の過失があるといえる。
この点、被告は、3月15日には、X自身が、アーチストビザを3月末までに取得すると確約したと主張するが、Xは、招聘許可の申請をした時期がその会合の直前ころであったので招聘許可自体が3月末ころになると思っていたと供述しており、その認識を前提にすれば、その会合の際のBが作成したメモ(乙10)に記載された「ビザ」とは、招聘許可も含めてアーチストビザを取得する一連の手続を指していると考えられ、上記メモの「しょうへい許可→アーチストビザ」との記載は、3月末に取れるのは招聘許可であり、この間の経緯についてXが説明したところをBがメモに記載したものと考えるのが自然であり、この点のBの証言は信用できず、被告の主張は採用できない。
被告内部の事情をうかがい知ることはできないが、3月29日のBのメールは、それ以前のメールとは余りにも異質であり、Xにしてみれば、まさに晴天の霹靂ともいうべきものであったといえる。Bは、原告から契約書の提出がないことから、部長に相談した上で、Xに電話で催促することを繰り返した旨証言しているが、これだけ頻繁にメールのやり取りをしていながら、3月30日がデッドラインであることを示す記載や、多少とも強い調子で提出を促す記載がメールに残っていてしかるべきであるのに、そのような痕跡はまったくなく、ただ電話で催促したというBの証言は不自然というほかなく、信用できない。
なお、被告の社内決済のための必要書類としてアーチストとの契約書や招聘ライセンス(実際には不要なので、結局、アーチストビザを指すことになる。)が決められている旨の3月5日のメールが存在するが、これにはいつがデッドラインか明示されておらず、かえって「準備が整ったものから順次届けて欲しい」旨が記載され、一応の期限も決められておらず、このメールをもって、Xが、上記の書類が被告の社内決済のために必要であると認識したとしても、絶対に3月30日までに提出しなければならないと認識したとまではいえない。
さらに、原告との間で本件契約を締結するか否かは本来自由であるから、被告としては、原告がこれまでコンサートを主催した経験がないことや資力の面から本件コンサートが実際に開催されるのか不安を感じたのであれば、交渉の早い段階で不安について率直に原告に告げた上で、その不安が払拭されない限りは本件契約を締結しないこととしたり、早々に原告との交渉を終了させることもできたのであるが、原告において会場の手配やアーチストの招聘などの準備を着々と進めている段階に至って、交渉を決裂させることは、交渉に入る当初の時点での吟味が不十分であった被告の責任であるというべきである。
4 因果関係について
前記認定事実によれば、本件コンサートの開催については、被告担当者のBから原告代表者のXに対して、企画の提案を促したことに端を発しており、原告は、在日ブラジル人向け被告商品を宣伝するために本件コンサートを企画したものであって、その中で被告はメインスポンサーとして位置付けられており、被告がこの企画から外れることは、企画の中核そのものが失われ、原告が被告の信用を利用する意図を有していたか否かに関わらず、被告が参加することを知って協力してきた企業や個人が協力を渋るであろうことは明白であり、これは本件コンサートを開催するにあたって、単に本件コンサート終了後の1000万円の出捐が失われたという経済的な損失以上に、原告は間接的にせよ大きな衝撃を受けたのであり、加えて被告が企画から外れたのが本件コンサートまで約1か月という時期であったことから代わりのスポンサーを探すことが容易ではないこともまた明らかであるから、被告の契約締結上の過失と本件コンサートが中止になったことの間には相当因果関係があるといえる。
以上のとおり、被告の契約締結上の過失により、原告は本件コンサートを中止する事態に追い込まれたのであり、中止に伴う損害は、被告の行為との間に相当因果関係があるといえる。
5 損害額について
契約締結上の過失に関する損害として原告が主張する844万円のうち、コンサート会場の費用については、原告が200万円を支出したことが認められる(甲24、25の1・2)。
そして、原告は、本件コンサートが中止となった前後に多数の人員に対して送金しており、その合計額が98万円となっていることも認められる(甲27)。これについて、原告は、平成13年2、3月には、すでにプロモーションを行っており、その人件費であると主張しているところ、原告と被告との交渉経過からすれば、同年3月には実際にプロモーション活動に入っていたことが認められるから、この金員も損害額と評価することができる。
しかしながら、その他の費用については、これを支出したことを認めるに足りる的確な証拠がない。
したがって、原告の損害額は298万円である。
6 よって、原告の請求は主文の限度で理由があるから、主文のとおり判決する。
(裁判官 田村政巳)
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■街頭ポスター貼り(掲示交渉)代行について
Q&A【1】街頭ポスター貼付(掲示交渉代行)サービスとはどのようなものですか?
Q&A【2】どのくらいの期間で何枚くらいの街頭ポスター貼付ができるのですか?
Q&A【3】街頭ポスターを貼る際は先方(許可承諾者)に許可をいただいて貼るのですか?
Q&A【4】ポスターの①貼付依頼~②貼付開始~③貼付完了等の流れについて教えていただけますか?
Q&A【5】ポスターの料金は1枚いくらで貼ってくれるのですか?
Q&A【6】ポスターの貼付エリアや貼り付け枚数等は指定できますか?
Q&A【7】ポスター貼付後のメンテナンス(貼り替え・剥がし)も依頼できますか?
Q&A【8】最低何枚から街頭ポスター貼りを依頼できますか?
Q&A【9】ポスター貼り替え期間の指定はできますか?貼りっぱなしではないですか?
Q&A【10】街頭ポスターの貼付交渉(新規掲示)の実績や事例はありますか?
■政治活動における広報支援について
Q&A【11】「ドブ板選挙プランナー」とはどのようなお仕事ですか?
Q&A【12】「ポスタリング」とはどのようなサービスですか?
Q&A【13】政治活動等の特殊な業界についてのポスター掲示交渉は難しいですか?
Q&A【14】政治活動用の街頭ポスター(二連|三連)貼りをお願いしたいのですが、特定政党の支援は可能ですか?
Q&A【15】政治活動におけるポスターについて公職選挙法や政治資金規正法等の知識はありますか?
Q&A【16】街頭で無料の「ウィン!ワッポン」をよく見かけますが、これで選挙の勝率が上がりますか?
Q&A【17】二連ポスターや三連ポスター製作前に「弁士の相手」のご提案もしてくれますか?
Q&A【18】ポスター「掲示責任者代行」とはどのようなものでしょうか?
Q&A【19】選挙妨害やその他クレーム対応等の代行も可能でしょうか?
Q&A【20】政治活動(選挙運動)における広報支援プランはどのようなものがありますか?
■営業専門会社による広報PR支援について
Q&A【21】飛び込み訪問、戸別訪問、挨拶回り代行等、ポスター貼り以外でもお願いできますか?
Q&A【22】飲食店や実店舗等の店内やトイレ等にポスターを貼ったり、ビジネスカード設置、チラシ配布等は可能ですか?
Q&A【23】全国どこでもポスター貼りが可能なのですか?
■ご検討中の方々に
Q&A【24】お問い合わせについて
Q&A【25】資料をダウンロード
Q&A【26】ノウハウ・テクニックを大公開!
■ご依頼(お申し込み)の前に
Q&A【27】お申し込みの流れ
Q&A【28】ご用意いただきたいもの
■ご依頼(ご契約)の後に
Q&A【29】進捗報告について
Q&A【30】お友達ご紹介キャンペーンについて
【ポスター【制作前の】候補予定者様】のメニューです。
「政治活動用ポスターのデザイン」は、こちらです。
公職選挙法規定の法的審査(レギュレーションチェック)対応済みの、個人ポスター、2連ポスター、3連ポスター等のデザインを制作!
「弁士相手探しマッチング」は、こちらです。
「探して、交渉して、お隣りへ!」理想の有名人や著名人の弁士相手を探して、地域有権者に対して認知度拡大の相乗効果を狙う!
「ポスターの掲示責任者代行」は、こちらです。
【全国対応】ポスターを掲示した選挙区からのクレーム対応・妨害等の「総合窓口」として、ポスター掲示責任者の代行をいたします。
【ポスター【制作後の】候補予定者様】のメニューです。
政治活動期間における「どぶ板専門!ポスター貼り(掲示交渉)代行」は、こちらです。
【稼働の流れ】
①新規ご挨拶回り|戸別訪問代行|握手代行
選挙区(指定エリア)の有権者(民家・飲食店・その他施設)に対して、候補予定者に代わって選挙ドットウィン!が直接ご訪問致します。
②名刺|ビラ|リーフレット等の手渡し配布
候補予定者と有権者を繋ぐため、名刺・ビラ・政策レポート・討議資料・リーフレットなど活動報告資料の直接手渡し配布を致します。
③留守宅|候補者PR資料ポスティング投函
ご訪問先がご不在の場合には、配布物を郵便受け等にポスティング投函致します。(想定ターゲットに完全100パーセントのリーチ率!)
④政治活動ポスター貼り(新規掲示交渉!
【完全成果報酬】地獄のドブ板活動に必須となる、政治活動用ポスター貼り(新規掲示交渉代行!)(貼れた分だけの枚数課金となります)
⑤掲示(貼付)後のフォロー|クレーム対応
ポスター掲示(貼付)完了後における掲示許可承諾者へ、フォローやクレーム対応等のストレスな部分は選挙ドットウィン!が致します。
所属政党の「党員募集獲得代行」、政治団体および後援会等の「入会募集獲得代行」は、こちらです。
当該政党の「党員」「サポーター」募集等の規定に従って、選挙立候補(予定)者様に代わって政党への入党におけるご案内を促します。
どぶ板同行OJT(座学研修および実地特訓)で学ぶ「スパルタ個別訪問同行OJT」は、こちらです。
候補予定者様ご本人・選挙事務所スタッフ・ボランティア様が効率良く「どぶ板の政治活動」が行なえるようアドバイスいたします。
絶対的な地盤を構築する「立札看板設置交渉代行」は、こちらです。
選挙立て札看板(後援会連絡事務所)の設置交渉代行で、半永久的に絶対的な知名度を確立するためのご支援をさせていただきます。
あらゆる政治選挙におけるお困りごとを支援する「選挙の窓口」活動支援一覧は、こちらです。
「地上戦」「空中戦」「ネット戦略」などを駆使し、当選に向けたコンサルティングおよびプランニングのご支援をいたします。
■ポスターPRプラン一覧(枚数・サイズの選択)
選挙区エリアにおいて、ポスターの当該掲示許可承諾者に対して交渉し、同一箇所にどのように掲示するかをお選びいただきます。
【臨機応変型PR】ポスター掲示許可貼付交渉代行プラン ※ご発注選択率88% ★こちらをご確認下さい。
【連続二枚型PR】ポスター掲示許可貼付交渉代行プラン ※ご発注選択率6% ★こちらをご確認下さい。
【限定一枚型PR】ポスター掲示許可貼付交渉代行プラン ※ご発注選択率4% ★こちらをご確認下さい。
【個別指定型PR】ポスター掲示許可貼付交渉代行プラン ※ご発注選択率2% ★こちらをご確認下さい。
※ポスターのサイズは、A1サイズ、A2サイズをはじめ、ご希望に応じてご提案させていただきます。
■掲示場所・貼付箇所
「首都圏などの大都市」「田舎などの地方都市」「駅前や商店街」「幹線道路沿いや住宅街」等により、訪問アプローチ手段が異なりますので、ご指定エリアの地域事情等をお聞かせ下さい。
※貼付箇所につきましては、弊社掲示交渉スタッフが当該ターゲットにアプローチをした際の先方とのコミュニケーションにて、現場での判断とさせていただきます。
■訪問アプローチ手段
【徒歩圏内】
駅周辺の徒歩圏内における、商店街や通行人の多い目立つ場所でのPR
【車両移動】
広範囲に車移動が必要な、幹線道路沿いや住宅街等の目立つ場所でのPR
※全国への出張対応も可能ですので、ご要望をお聞かせください。
選挙ドットウィン!の「どぶ板広報PR支援」は、選挙立候補(予定)者様の地獄の政治活動を「営業力」「交渉力」「行動力」でもって迅速にお応えいたします。
「全国統一地方選挙」・「衆議院議員選挙」・「参議院議員選挙」・「都道府県知事選挙」・「都道府県議会議員選挙」・「東京都議会議員選挙」・「市長選挙」・「市議会議員選挙」・「区長選挙」・「区議会議員選挙」・「町長選挙」・「町議会議員選挙」・「村長選挙」・「村議会議員選挙」など、いずれの選挙にもご対応させていただいておりますので、立候補をご検討されている選挙が以下の選挙区エリアに該当するかご確認の上、お問い合わせいただけますようお願いいたします。
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