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裁判年月日 令和 4年 3月11日 裁判所名 大阪地裁 裁判区分 判決
事件番号 令2(ワ)3784号
事件名 未払い賃金等請求事件
文献番号 2022WLJPCA03116007
出典
裁判年月日 令和 4年 3月11日 裁判所名 大阪地裁 裁判区分 判決
事件番号 令2(ワ)3784号
事件名 未払い賃金等請求事件
文献番号 2022WLJPCA03116007
大阪市〈以下省略〉
原告 X
同訴訟代理人弁護士 古川拓
同 片田真志
同 日野田彰子
同 川村遼平
同 三上侑貴
大阪府泉佐野市〈以下省略〉
被告 株式会社Y
同代表者代表取締役 A
同訴訟代理人弁護士 平山正和
同 岡崎守延
同 村田浩治
同 井上耕史
同 辰巳創史
同 脇山美春
主文
1 被告は、原告に対し、66万9165円及びうち66万3132円に対する令和元年12月21日から支払済みまで年14.6%の割合による金員を支払え。
2 被告は、原告に対し、60万6801円及びうち60万1052円に対する令和元年12月21日から支払済みまで年14.6%の割合による金員を支払え。
3 被告は、原告に対し、60万1052円及びこれに対する本判決確定の日の翌日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。
4 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
5 訴訟費用は、これを5分し、その2を原告の負担とし、その余を被告の負担とする。
6 この判決は、1項、2項に限り、仮に執行することができる。
事実及び理由
第1 請求
1 被告は、原告に対し、116万0143円及びうち114万5309円に対する令和元年12月21日から支払済みまで年14.6%の割合による金員を支払え。
2 被告は、原告に対し、107万9844円及びうち106万6746円に対する令和元年12月21日から支払済みまで年14.6%の割合による金員を支払え。
3 被告は、原告に対し、105万8118円及びこれに対する本判決確定の日の翌日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要
本件は、原告が、被告の経営する飲食店で従業員として勤務したが、①賃金が未払いであるとして、雇用契約に基づき、賃金及びこれに対する遅延損害金(退職日まで平成29年法律第45号による改正前の商法514条所定の年6%の割合(以下「旧商事法定利率」という。)、退職日かつ最後の賃金の支払日の翌日から支払済みまで賃金の支払確保等に関する法律(以下「賃確法」という。)6条1項に基づく年14.6%の割合)の支払を求めるとともに(請求1(1)、2(1))、②時間外労働を行ったとして、雇用契約に基づき、割増賃金及びこれに対する各支払期日の翌日から退職日まで旧商事法定利率による遅延損害金並びに退職日かつ最後の賃金の支払日の翌日から支払済みまで賃確法6条1項に基づく年14.6%の割合による遅延損害金(請求1(2)、2(2))、③労働基準法(以下「労基法」という。)114条所定の付加金及びこれに対する本判決確定の日の翌日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金(請求3)の支払を求める事案である。
1 前提事実(証拠等の掲記のない事実は当事者間に争いがないか弁論の全趣旨により容易に認めることができる。)
(1) 当事者等
ア 被告は、飲食業等を営む株式会社である。
イ 被告代表者は、昭和51年○月○日生まれの男性である。
ウ 原告は、昭和55年○月○日生まれの男性である。
(2) 原告と被告との間の契約締結
被告は、大阪府和泉市所在のハワイアンカフェ「a店」(以下「本件店舗」という。)を営んでいた。本件店舗の営業時間は、午前11時から午後10時であり、ラストオーダーは午後9時である(甲15)。
原告と被告は、令和元年6月頃、原告が本件店舗で業務に従事する旨の契約(以下「本件契約」という。)を締結した。なお、本件契約の性質が雇用契約であるのか業務委託契約であるのかについて、当事者間に争いがある。
(3) 原告と被告代表者との話合い
原告と被告代表者は、令和元年11月18日、同月22日、同年12月2日に話合いを行った(甲19の1ないし13、20)。
(4) 原告による労働基準監督署への申告
原告は、令和元年12月23日、泉大津労働基準監督署に対し、賃金が未払いであるとして申告を行った(甲16の3)。
(5) 被告又は被告代表者による金員の振込み
被告又は被告代表者は、原告に対し、令和元年12月6日に50万円、同月13日に37万7113円を振込送金した。
2 争点
本件の主な争点は、①本件契約が雇用契約か業務委託契約か(争点1)、②争点1が雇用契約となる場合、未払賃金、割増賃金の額(争点2)、③弁済の有無(争点3)である。
3 争点に関する当事者の主張
(1) 争点1(原告と被告との関係が雇用契約か業務委託契約か)について
(原告の主張)
ア 本件契約締結に至る経緯
原告と被告代表者は、サッカースクールのチームメイトとなり、共通の知人の紹介で知り合った。被告代表者は、知り合った直後、原告が飲食店での勤務経験があること及び転職活動中であることを知り、原告に対し、店舗の利用料1回3000円でディナーの時間を使用しないかと持ちかけた。原告は、自信がなく、当時はイタリアンレストランで働く話があったため、提案を断った。
その後、被告代表者は、原告に対し、本件店舗で働かないかと提案した。被告代表者は、原告に対し、給料は月25万円程度であると説明した。その原資として、本件店舗の売上げが月に100~140万円あり、経費を控除しても、その程度の給料は十分に捻出できると説明した。原告は、イタリアンレストランよりも給料が好条件であったため、被告で働くことを決めた。
イ 本件店舗に関する事情
(ア) 被告は、本件店舗のほか、「b店」という衣料品店及び「c店」という飲食店を営んでいた。また、被告代表者の妻も、実質的経営者として被告の経営に関与しており、被告代表者の妻は主として本件店舗で働いていた。
(イ) 本件店舗で働く従業員は原告が働く以前から被告に雇われていたものである。原告と被告との間で使用者を交代する内容の事業譲渡を行った事実はなく、派遣契約を締結した事実もない。また、各種社会保険の事業主は、現在に至るまで被告のままである。
(ウ) 毎月下旬になると、被告代表者の妻が、シフト表を持参する。原告は、これを渡されてほかの従業員のシフトを把握していた。シフト表には、原告が関与していない「b店」及び「c店」のシフトも記載されており、原告には作成し得ないことが明らかである。被告が一括して全店舗の従業員のシフトを管理していたことは明らかである。
(エ) 原告は、毎月、本件店舗の従業員の給与を計算し、その書面を被告代表者に提出した。被告代表者は、これを受けて給与明細書を作成し、被告代表者の妻経由で原告に交付していた。原告は、これに基づき、売上金から各従業員の給与を取り分けて手交していた。給与明細書の名義は被告であり、原告は本件店舗の店長として手交していたにすぎない。
(オ) 原告は、被告代表者や被告代表者の妻から、日々の業務内容に関する指示・指導を受けて本件店舗を経営していた。原告はメニューや価格、営業時間などの重要事項を自ら決めたことはなく、全て被告代表者が決めたものに従っていた。
(カ) 原告は、被告代表者に指示されて、毎日、閉店作業を終えると売上金額を報告しており、事実上、閉店時間を報告していた。原告は、何度か仕事を休むことがあったが、その際は、前日までに被告代表者の許可をもらい、LINEで確認の連絡をしていた。
(キ) 原告は、本件店舗で働くアルバイトの採用等に何ら関与していない。
(ク) 原告は、被告代表者に対し、月の売上げから店舗の賃料として毎月30万円を渡していたが、賃料の請求書・領収書を一切見たことがない。また、被告代表者と原告との間で、本件店舗について転貸借契約を締結したこともない。
(ケ) 仕入れなどの費用は売上金から捻出することになっていたものの、実際には被告代表者が説明していた半分ほどしか売上げがなかったため、原告が一部立て替えて支払っていた。その後、原告が立て替えていた費用は被告が支払うこととなり、実際にほぼ全額が支払われた。
(コ) 水道・光熱費、インターネット回線料などの諸費用は、被告代表者から振込用紙を手渡されて原告が支払に行くときもあれば、被告代表者に言われた金額を言われるがまま被告代表者に売上金から手渡すこともあった。
ウ 本件契約締結後の事情
(ア) 原告は、令和元年6月1日から本件店舗で店長として働くようになった。6月は諸経費を除くと15万6729円しか残らなかったため、原告は、その金額しか給料として受け取ることはできなかった。さらに、同年7月以降は、売上げが67から80万円しか上がらず、原告は、給料を受け取ることができないばかりか、仕入のために毎月15から25万円を立て替えざるを得なくなった。
(イ) 原告は、令和元年11月18日、被告代表者と協議の場をもった。被告代表者は、原告に対し、令和元年11月18日、原告・被告間の契約が雇用であると回答した。
また、被告代表者は、原告と被告代表者に支払っていた給料を委託料として申告することを提案した。そのため、原告は、被告代表者に対して、自分が委託なのかと尋ねたところ、被告代表者は、原告に対して、「違う、違う」と回答した。
さらに、被告代表者は、原告に対し、「社員として入った方がいいやろな」と考えて原告と契約を締結するに至った旨を告げた。
(ウ) 令和元年11月22日に、過去の売上げについて説明する場がもたれたが、原告が求めていた売上表や帳簿が開示されることはなく、根拠が不明瞭なデータが示されるにとどまった。そのデータも、被告代表者が当初説明していた売上金額とはかけ離れていた。そのことを原告が指摘すると、被告代表者は、原告に対して同月末で退職するよう求めた。被告代表者は、退職するよう求める一方で、立て替えた金額と給料はきちんと支払うかわりに11月末日までは被告の下で働き続けることを提案した。
(エ) 令和元年11月25日、本件店舗に働きに来ていた被告代表者の妻が突然怒り出し、「そんなに嫌なら辞めてください」という旨の発言をした。そのため、原告は、荷物をまとめて帰宅した。原告は、退職に際し、自身の給料として売上金から19万7899円を受け取って帰宅した。
(オ) 原告は、被告代表者に対し、立替金と給料の支払について協議する場をもちたいと連絡し、令和元年12月2日に協議の場をもった。
(カ) その後、被告は、原告に対し、立替金の一部である50万円及び37万7113円を支払ったが、その後は何ら支払がなく、連絡をしてもまともに取り合われなくなったため、原告は、泉大津労働基準監督署に相談した。泉大津労働基準監督署は、原告が労働者であるとの判断を前提に、被告に対して行政指導を行った。被告は、これを受けて、原告が求めていた金額のうち、未払給与の元金と同額である114万5309円を解決金として支払う内容の示談書を作成し、担当の労働基準監督官を介して原告に交付した。
(キ) 被告代表者は、令和元年12月23日、担当の労働基準監督官に対し、「Xさんが被った赤字については全額返済いたしました」と述べた。また、被告代表者は、遅くとも令和2年2月3日には、本件に関する相談を弁護士に行っている。原告から危害を加える旨の告知を受けて赤字精算分を支払っていたのであれば、そうした事実が被告代表者から主張されないはずがない。それにもかかわらず、被告代表者は、申告手続を通じて、そのような主張を一切行っていない。
(ク) 原告は、被告代表者が先輩であったことや、本件店舗の売上げが低いことに対する責任感から、本件紛争が顕在化するまで、直接、被告代表者に対して、未払賃金を請求することができずにいた。在職中の労働者が未払賃金を請求できずにいることは多く、むしろ、退職を決意したときに初めて未払賃金を請求する決断をするケースが通常である。
エ 書類の作成
(ア) 被告は、令和元年6月16日、阿倍野公共職業安定所に提出する再就職手当支給申請書及び雇用状況等証明書に署名・押印した。原告は、同書面を阿倍野公共職業安定所に提出し、令和元年7月5日、再就職手当の支給決定通知書の交付を受けた。
(イ) 被告は、令和元年11月30日、原告が退職したことを証明する退職証明書を作成した。同証明書の入社年月日欄には「2019年6月1日」との記載がある。
オ LINEの記載
(ア) 原告は、被告代表者に対して、日々の売上げを報告し、被告代表者がその行為に疑問や異論を差し挟まずにいることから、原告が自らの職責として被告代表者に日々の売上げを報告しているものと評価できる。なお、被告代表者や被告代表者の妻が本件店舗にいるときは口頭で売上げを報告していた。
(イ) 被告代表者が、原告に対し、繰り返し謝意を述べていることも、原告が労働者であることの証左である。
(ウ) 原告が、被告に対して休みの連絡をしていたのは、自らの労働時間は被告の管理下にあると認識していたためである。被告代表者もこうした原告の行動に異論を述べることなく、「了解」と返答していることから、現に原告の出勤日は被告の管理下にあったものと評価することができる。
(エ) 従業員のシフトについてのやり取りをみると、被告代表者が本件店舗のシフトについて最終的な決定権限を有しているものと評価できる。
(被告の主張)
ア 本件契約締結に至る経緯
(ア) 本件店舗は、元々被告が営んでいたものである。本件店舗は、被告が第三者から月額30万円の賃料で賃借してきたものであるところ、原告の求めにより、「原告が本件店舗を営み、その収支は全て原告に帰属し、被告は本件店舗の利益のいかんにかかわらず原告から何らの金員も受け取らず、また被告は本件店舗の費用を一切負担しない」という内容の契約を締結した。
(イ) 本件契約では、原告が賃料のみを負担することとし、それ以外には、原告と被告は、互いに何らの金銭も請求しないというものであった。すなわち、原告は、本件店舗の経営における売上げを全て自身で取得し、その中から必要経費(家賃、人件費、食材等の費用、光熱費等)を支払い、残った金員は全て原告が取得する一方、仮に赤字となれば原告が負担するという約束であった。この内容は、被告にしてみれば何のメリットもないものであるが、原告と被告の共通の知人から、「原告が仕事を探している。原告に飲食店をやらせてもらえないか」と頼まれ、同知人に世話になっているとの気持ちがあったことから、被告は依頼に応じたものである。
(ウ) 原告は、本件店舗の開業に当たり、何の開業資金も負担せず、宣伝費用も負担せずに、本件店舗の設備・従前の顧客を引き継ぐという原告にとって甚だしく有利な内容であるが、これはひとえに、被告代表者の原告に対する好意によるものである。
イ 本件店舗に関する事情
(ア) 令和元年6月1日以降、本件店舗の経営は全て原告が決定して実行してきたものであり、被告が原告に何らかの指示をしたり、指揮監督を行った事実はない。
本件契約は、本件店舗をそのままの形態と内容で原告が承継することを内容としていた。その関係で、原告が被告代表者に営業内容を尋ねれば、それに答えることは当然であるし、被告代表者が営業内容についてアドバイスすることも当然あるが、これらは「指示・指導」とは全く異質のことで、最終的な営業内容ないし営業方法の決定は原告が行っていた。
(イ) 原告が本件店舗を営んでいた令和元年6月1日から同年11月25日の間において、本件店舗の売上げは全て原告が受け取ってきた。他方、被告は、その間に、本件店舗の売上げを受け取ったことは一切なく、当然ながら経費の支払も全く行っていない。なお、家賃、光熱費は被告名義の契約のままであったことから、被告が支払額を原告から受け取り、各支払先に支払っていた。
(ウ) 本件店舗の経営が被告から原告に承継された時点で、それまで本件店舗で勤務していたパート従業員は、そのまま原告の従業員として継承された。これらのパートに対する賃金の支払も原告が行ってきた。被告は、かかる従業員への賃金の支払にも、一切関わっていない。なお、パート従業員には給与明細書が発行されているが、原告には発行されていない。
給与明細書に被告の記載があるのは、シフト表と同様に、原告が自身で新規に作成しようとせず、それまで被告代表者ないし被告代表者の妻が作成していた書式をそのまま使用することとしたからである。
(エ) 本件店舗の鍵は、本件店舗の経営が被告から原告に承継された時点で被告が原告に渡し、被告は保持していない。
(オ) 原告が本件店舗の営業を承継した時点で、原告は、自身でシフト表を作成せずに、それまで被告代表者ないし被告代表者の妻が作成していたものをそのまま使用することとした。これにより、被告代表者ないし被告代表者の妻は、シフト表を作成して原告に渡し、これを原告が本件店舗の営業に合わせて適宜調整、変更して従業員のシフトを管理していたものである。
(カ) 売上金額については、被告代表者も気になったことから、原告に知らせてほしいとは頼んでいたが、実際には毎日報告があるわけではなく、原告が気が向いたときに報告していたというのが実態である。被告代表者は、報告がなくても督促するなどのことは全く行っていない。
(キ) 原告が、仕事を休む許可を被告代表者に求めたことはない。原告が店を開けない日に被告代表者に連絡してきたことはあるが、これは原告の代わりに被告代表者が本件店舗に入れないかを依頼するためのものである。被告代表者は、突然店が閉まると顧客に迷惑がかかることから、好意で原告に代わって店に入るようにしていた。
(ク) 原告が採用に関与していないのは、そもそも原告の営業期間中にアルバイト採用の場面がなかっただけのことである。
(ケ) 原告が主張するとおり本件契約が雇用契約であったのであれば、単なる従業員である原告が費用を立て替えて支払うなどのことは、本来的にあり得ないことである。
(コ) 店舗の賃料、水道光熱費などを負担していたのは原告である。売上金は経営者である原告に帰属するから、売上金から支払うのは原告が負担する意味にほかならない。
(サ) 原告が本件店舗を営んだ令和元年6月1日から同年11月までの話合いまでの間において、原告から、被告に対し、本件店舗の売上げ・経費などに関する資料が一切交付されておらず、被告から原告に対し、売上金の交付請求をした事実がなく、本件店舗で発生した赤字が被告に請求されたこともないほか、原告を労働者、被告を使用者とする雇用保険の加入もなされていない。
ウ 本件契約締結後の事情
(ア) 令和元年11月18日に、本件店舗において、被告代表者と原告が、本件店舗の経営について協議をしたことはある。同日の協議の場で、原告は、被告代表者に対し、「約87万円ほど赤字があるので、何とか援助してほしい」と述べた。被告代表者は、「店の赤字は経営者の原告の責任だから、被告に援助を求めるのはおかしい」と答えた。すると、原告は、「被告が赤字の援助をしないと店に危害を加える」旨を述べた。被告は、問題を大事にすることを嫌って、仕方なく、原告の述べた店舗の赤字分を援助することにした。
同日の協議で、被告代表者が、「原被告間の契約が雇用である」と述べた事実はないし、原告が被告代表者に対し、「委託ですか」などと述べた事実もない。また、被告代表者が、原告に対し、「『社員として入った方がいいやろな』と考えた」旨を述べたこともない。
(イ) 被告は、原告に本件店舗の経営を委ねるに際して、「これまで本件店舗は月に110~120万円の売上げがあった」ことを説明したが、原告が本件店舗を経営したところ、その売上げは月100万円に至らなかったようである。原告は、本件店舗の経営を止めた後、被告に対し、「月に120万円の売上げがあると嘘をついていた」などと言い出し、赤字分の補償を求めてきた。併せて、原告は、賃金の支払を求めてきた。
被告は、原告の請求を断っていたが、本件店舗の経営が知人の紹介によることから、原告の請求を全く無視できず、令和元年12月に87万7113円を支払った。
この頃、原告は、被告代表者に対し、「被告代表者が家族やアルバイトと一緒に参加する食のイベントの場に車で突っ込んで、被告代表者を殺してやる」、「支払に応じなければ、知り合いの者を連れて被告代表者方に押しかける」などの脅迫文言を繰り返し述べた。被告代表者は、かかる脅迫文言を聞いて、原告の求めに応じなければいかなる不利益を受けるかもしれないと畏怖し、不本意ながら原告の要求に応じた。
(ウ) 仮に、原告主張のように給料月額25万円の約定が存在したのであれば、その請求をするのが当然であるところ、被告代表者は、そのような請求を一切受けていない。
(エ) 令和元年11月頃に話合いの場をもったことはある。被告代表者は、本件店舗のみの収支を掲載した書類を作っておらず、ほかの経営店舗分と合わせた書類しかなかったので、それを見せたが、原告が主張するような書類を見せたことはない。また、被告代表者が、原告に対して、立て替えていた金額と給料を払うなどと述べた事実もない。
エ 書類の作成
(ア) 被告は、労働基準監督署から呼出しまで受け、また、本件が知人の紹介によるものであることから、早期に紛争を終息させることとし、原告の求めに応じる方向で対応することとした。示談書は、かかる経過の中で作成されたものである。被告が、退職証明書の作成に応じたのも、紛争を早期に終息させたいとの意向により原告の申出を受け入れたものであり、記載されている内容は事実ではない。
(イ) 再就職手当支給申請書及び雇用状況等証明書は、原告が、被告代表者に対し、「この書類を職業安定所に提出すれば『再就職手当』がもらえるので協力してほしい」と求めてきたものである。被告代表者は、同書面の文言が事実と相違することは分かっていたが、深く考えることなしに、これらの書類を作成した。
オ LINEの記載
(ア) LINEには、賃金月額25万円を示す事実が一切存在しないばかりか、原告が被告に賃金を請求した事実も見当たらない。雇用契約において、1回目から賃金の不払いが発生している場合において、労働者が使用者にその未払分を一切請求しないなどのことはおよそ考えられない、半年にもわたり100万円以上もの賃金の不払いが発生していながら、労働者が使用者に一度も請求しないなどのことはおよそ考えられない。
(イ) 原告の主張に基づけば、原告は本件店舗の売上げを毎日逐一被告に報告するとともにその裏付け資料を被告に交付していなければならない。しかし、LINEを見ると、売上げの報告は散発的なものに止まり、毎日逐一報告がなされているものではない。すなわち、原告は、本件契約の当初こそ一定の回数で売上金を被告に報告していたが、時期が経過するにつれ、その報告をほとんど行わなくなった。
また、LINEには売上げの報告が散発的に認められる以外は、経費に関する報告が一切見受けられない。店舗の経営者において、売上げと同様に経費の多寡は強い関心事である。しかし、原告は、本件店舗の経費を報告しておらず、被告も報告を求めていない。
(ウ) 原告は、「まだ赤字から脱却できないということで、過去のデータと比較をして何が違うのかを検証し、改善できればと思います」と送信しているところ、これは正に経営に責任を持つ者のそれであって、労働者の行いとは認め難い。
(エ) 本件契約は委託契約であるから、その立場において、被告代表者が原告に対して謝意を述べることはごく自然なことである。
(オ) 原告の都合で頻繁に休業したりすることは、本件契約で予定していない事態であるため、原告が予定外に休業するときは、あらかじめ被告に連絡をしていたものであり、これは受託者としての行いにほかならない。
カ インスタグラム
原告が証拠として提出するインスタグラムは本件店舗のイベントなどの告知であり、これは正に被告代表者が本件店舗の経営を応援すべき原告のために行っているものである。これらのイベントは、元々原告が本件店舗の運営に全く知識、経験がないことから、被告代表者がアドバイスして、原告と相談して決めていることである。
キ 被告代表者が本件店舗に顔を出していないこと
被告代表者は、引継ぎの直後は別にして、それ以後、週1回程度しか本件店舗に顔を出していない。被告代表者は、本件店舗に顔を出しても、店舗運営を手伝うだけで、業務指示を全く行っていない。顔を出さない日にも、何の業務指示も行っていない。原告と被告代表者とのLINEにも、業務指示の事実が全く認められない。
(2) 争点2(争点1が雇用契約となる場合、未払賃金、割増賃金の額)について
(原告の主張)
ア 賃金について
被告代表者は、原告に対し、当時、給料は月25万程度であると説明した。その原資として、本件店舗の売上げが月に100~140万あり、経費等を控除してもその程度の給料は十分に捻出することができると説明した。
イ 労働時間について
(ア) 始業時刻について
a 原則
本件店舗は午前11時に開店するため、原告は、仕込み作業等のため、遅くとも午前10時には出勤し、開店準備作業を行っていたので、始業時刻は午前10時である。
b 令和元年7月21日
本件店舗が属するテナントの夏祭りが予定されていた。夏祭りの会場は本件店舗前の駐車場で、開始時刻は午前11時であった。原告は、夏祭りの準備のため、通常よりも早い午前8時30分から準備作業を開始した。
c 令和元年10月20日
「○○」というイベントがd施設で開催されており、本件店舗も同イベントに出店した。同イベントの開始時刻が午前11時であったため、原告は、通常よりも早い午前7時から準備を開始した。
d 令和元年10月21日
前記cのイベントは同月20日午後5時まで開催されていた。原告は、午後9時まで本件店舗に戻って後片付けをしていたものの、その作業が終わらないまま退勤した。原告は、同月21日、通常よりも早い午前5時に出勤し、残っていた片付けをした。
(イ) 終業時刻について
a 原則
本件店舗では、客がいなければラストオーダーの時間(午後9時)に閉店し、そうでなければ閉店時間(午後10時)に閉店するのが通常であった。実際にはラストオーダーの後にも後片付けや閉店作業をする必要があったものの、原則として午後9時とする。
b LINEによる特定
LINEの発信時刻から終業時刻を特定することができる。具体的には、別紙1のとおりである。
c LINE以外による特定
(a) 令和元年6月1日ないし同月9日
本件店舗がディナー営業をしていなかったため終業時刻は午後6時である。
(b) 令和元年7月3日
被告代表者は、本件店舗のアルバイトの実労働時間を労働者自身の手書きの勤務表によって管理していた。原告は、同表を表計算ソフトにメモしていた。それによると、同日は、アルバイトの終業時刻が午後9時30分であったため、原告の終業時刻は午後10時である。
(c) 令和元年7月20日
令和元年7月21日に実施された夏祭りの準備のため、通常よりも遅く残っていたため、終業時刻は午後10時30分である。
(d) 令和元年7月26日
原告と被告代表者が所属しているサッカーチームの懇親会があり、午前0時頃まで営業していたため、終業時刻は午前0時である。同日の売上げは16万円以上であり、明らかにほかの日よりも多い。
(e) 令和元年8月11日
同日は、アルバイトの終業時刻が午後10時30分であったため、原告の終業時刻は午後11時である。
(f) 令和元年8月12日
ディナー営業が行われていなかったため、終業時刻は午後5時である。
(g) 令和元年8月18日
ディナー営業が行われていなかったが、本件店舗が属するテナントの夏祭りが開催されていたため、終業時刻は午後6時30分である。
(h) 令和元年8月21日
同日は、アルバイトの終業時刻が午後10時であったため、原告の終業時刻は午後10時30分である。
(i) 令和元年8月31日
同日は、本件店舗において、「△△沖縄三線ライブ」が開催されていた。二部の開始時刻が午後9時であり、ライブが終わった後も営業を続けていたため、終業時刻は午前0時である。
(j) 令和元年9月8日
同日は、アルバイトの終業時刻が午後11時であったため、原告の終業時刻は午前0時である。
(k) 令和元年9月27日
同日は、アルバイトの終業時刻が午後9時30分であったため、原告の終業時刻は午後10時である。
(l) 令和元年9月29日
同日は、アルバイトの終業時刻が午前0時であったため、原告の終業時刻は午前1時である。
(m) 令和元年10月13日
同日は、アルバイトの終業時刻が午後8時30分であったため、原告の終業時刻は午後8時30分である。
(n) 令和元年10月14日
ディナー営業が行われていなかったため、終業時刻は午後5時30分である。
(o) 令和元年10月18日
本件店舗は「○○イベント」に出展した。準備作業をしていたため、終業時刻は午前4時である。
(p) 令和元年10月19日
「○○イベント」の前夜祭が午後9時まで開催されており、原告は、前夜祭終了後、後片付けをした上、翌日の本番に向けて準備をする必要があったため、終業時刻は午前4時である。
(q) 令和元年10月26日
本件店舗で同月27日にハロウィンイベントが開催されたところ、準備作業のため、終業時刻は午後11時である。
(r) 令和元年10月27日
同日はディナー営業が行われていなかったものの、イベントの後片付けに時間がかかったため、終業時刻は午後8時である。
(s) 令和元年11月1日
原告は、同月2日は休暇であったところ、翌日にすべき準備作業もした上で退勤したため、終業時刻は午後10時である。
(t) 令和元年11月16日
同日は、アルバイトの終業時刻が午後9時30分であったため、原告の終業時刻は午後10時である。
(u) 令和元年11月23日
同日はディナー営業が行われていなかったため、終業時刻は午後6時である。
(v) 令和元年11月26日
原告は、被告代表者の妻から帰宅を命じられたため、終業時刻は午前11時30分である。
(ウ) 休憩時間について
休憩時間が定められておらず、休憩時間に関する記録も存在しないが、長くても1日1時間を超えることはなかった。
(エ) まとめ
原告が勤務した労働時間は別紙2のとおりである。
(被告の主張)
ア 賃金について
仮に、本件契約が雇用契約と認められる余地があるとしても、原告と被告の間では、そもそも賃金について、全く合意が存在していない。
原告が申告した労働基準監督署においても、原告が基本給25万円と申告したにもかかわらず、労働基準監督署はその事実を認定できず、最低賃金として処理している。
イ 労働時間について
原告は労働基準監督署に勤怠表を提出して申告したにもかかわらず、労働基準監督署は、原告の申告する勤務時間の信用性を否定し、その内容を認めていない。
(3) 争点3(弁済の有無)について
(被告の主張)
仮に本件契約が雇用契約と認められる余地があるとした場合、被告が原告に支払った87万7113円は給料として支払われたものである。原告は、同金員を経費の立替と主張するが、原告は経費の立替の内訳や根拠資料を全く明らかにしない。
(原告の主張)
87万7113円は立替金の一部として支払われたものである。
第3 当裁判所の判断
1 認定事実
前提事実のほか、後掲の各証拠及び弁論の全趣旨によれば以下の事実が認められる。
(1) 被告が経営する店舗
被告は、岸和田市所在のeモールというショッピングモール内で「b店」という名称の衣料品店、泉大津市所在の「c店」という名称の飲食店を経営している(甲10の1・2)。
(2) シフト表の作成・記載
ア 本件店舗に関するシフト表は、被告が作成していた。
イ 令和元年6月分ないし9月分のシフト表には従業員の氏名が記載されているほか、「□」、「カ」、「定」、「L」、「D」と記載されている。「□」はeモールの頭文字であり「b店」での勤務を、「カ」はカフェの頭文字であり本件店舗での勤務を、「定」は定食の頭文字であり「c店」での勤務を、「L」はランチの頭文字であり本件店舗での勤務を、「D」はディナーの頭文字であり本件店舗での勤務を表す。(甲11の1ないし4)
ウ 令和元年10月分及び11月分のシフト表には従業員の氏名が記載されているほか(なお、「B」は被告代表者の妻である。)、「◎」、「◇」、「L」、「D」と記載されている。「◎」は「c店」の頭文字であり「c店」での勤務を、「◇」は本件店舗の頭文字であり本件店舗での勤務を表す。「L」及び「D」は前記イと同じである。(甲11の5・6)
(3) 給与明細
本件店舗で勤務していたC及びDに係る給与明細には、被告の名称が記載されている(甲13)。
(4) 原告と被告代表者とのLINEのやり取り
原告と被告代表者との間では、本件店舗に関してLINEでやり取りがなされている(甲12の1、17)。
(5) 書類の作成
ア 原告及び被告は、令和元年6月16日付けで、再就職手当支給申請書を作成した。同申請書の「事業主の証明」欄には、雇入年月日が「令和元年6月1日」であること、採用内定年月日が「令和元年5月18日」であること、一週間の所定労働時間が「40時間00分」であること、賃金月額が「25万円」であること、雇用期間が「定めなし」であることなどが記載されている。(甲4)
イ 原告及び被告は、令和元年6月16日付けで、雇用状況等証明書を作成した。同証明書の「会社記入」欄には、雇用形態等が「常用」であること、令和2年6月の出勤日が「1、2、4、5、7、8、9、11、12、14、15、16」日であること、賃金の支払が「毎月末日締め翌月20日払い」であることなどが記載されている。(甲5)
ウ 被告は、令和元年11月30日付けで、原告に係る退職証明書を作成した。同証明書には、入社年月日が「2019年6月1日」であること、退職年月日が「2019年11月30日」であることなどが記載されている。(甲6)
(6) 原告と被告代表者との話合い
原告と被告代表者は、令和元年11月18日、同月22日、同年12月2日に話合いを行っており、原告は、上記各話合いの内容を録音した(甲19の1ないし13、20)。
(7) 労働基準監督署への申告等
ア 原告は、令和元年12月23日、泉大津労働基準監督署に対し、賃金が支払われないとして申告を行った(甲16の3)。
イ 泉大津労働基準監督署は、原告及び被告代表者から事情を聴取するなどした上、令和元年12月26日、被告に対し、違反事項を「労働者Xに対する令和元年6月1日から令和元年11月30日までの賃金を法定の除外事由がないにもかかわらず所定支払日に支払っておらず、また、大阪府最低賃金(令和元年6月1日から同年9月30日まで時間給936円、令和元年10月1日から同年11月30日まで時間給964円)以上の賃金を支払っていないこと」として、是正勧告を行った(甲16の2)。
ウ 泉大津労働基準監督署は、前記イの後も、原告及び被告代表者から事情を聴取するなどした(甲16の3)。
(8) 示談書案の送付
被告代表者は、令和2年2月、原告に対し、示談書と題する書面を郵送した。同示談書の内容は別紙3のとおりである。(甲1)
(9) 本件店舗に係るイベント
ア 本件店舗は、令和元年7月21日午前11時から開催された夏祭りに出店した(甲22)。
イ 本件店舗は、令和元年8月18日に開催された夏祭りに出店した(甲24)。
ウ 本件店舗は、令和元年8月31日(一部が午後8時30分開始、二部が午後9時30分開始)、「△△ 沖縄三線ライブ」を開催した(甲25)。
エ 本件店舗は、令和元年10月19日(午後5時から午後9時)及び同月20日(午前11時から午後5時)に開催された「○○イベント」に出店した(甲23)。
オ 本件店舗は、令和元年10月27日(午前10時から午後5時)、ハロウィンイベントを開催した(甲26)。
2 争点1(原告と被告との関係が雇用契約か業務委託契約か)について
(1)ア 被告が作成したシフトみると、従業員が、1か月の間に、本件店舗、「b店」、「c店」の3店舗で勤務するシフトになっているところ(認定事実(2)。例えば、「C」に係る令和元年7月のシフトをみると、同月2日、同月9日、同月12日、同月17日、同月24日、同月26日、同月31日は本件店舗で勤務し、その余の日は「b店」又は「c店」で勤務することとなっている(甲11の2))、従業員が被告の指揮下にあるからこそ、被告が指定する店舗で勤務することになるのである。そうすると、本件店舗で勤務する従業員のシフトを被告が決めていることからすれば、本件店舗で勤務する従業員は、被告の指揮下にあったことがうかがわれる。
そして、被告が指定する勤務場所(店舗)は被告が運営する店舗であることとなるから(自分が運営しない店舗で自社の従業員を勤務させるということは想定し難い。)、被告が従業員に対して本件店舗での勤務を命じるということは、本件店舗が被告の運営する店舗であったことをうかがわせる事情であるといえる。
イ また、本件店舗で勤務していた従業員に対する給与明細には被告の名称が記載されているところ(認定事実(3))、かかる記載は、当該従業員を雇用していたのが被告であることをうかがわせる事情であるといえる。
ウ さらに、原告は、被告代表者に対し、「明日、お休み頂きます。よろしくお願いします。」(令和元年6月16日)、「今日はお休み頂きます。よろしくお願い致します。」(令和元年7月29日)、「明日、お休み頂きます。よろしくお願い致します。」(令和元年10月6日)、「本日はお休み頂きます。よろしくお願い致します。」(令和元年10月21日)、「明日、お休み頂きます。」(令和元年11月1日)、「明日お休み頂きます。Eさんの引越しの残作業手伝ってきます。よろしくお願いします。」(令和元年11月10日)などとのLINEを送信しているところ(甲17)、かかるLINEの文言に照らせば、原告が、休暇を取得することを被告代表者に報告していることが認められるが、原告が本件店舗を運営していたのであれば被告代表者に欠勤を報告する必要はないから、原告が上記のような休暇取得に関するLINEを送信していることは、本件契約が雇用契約であったことをうかがわせる事情であるといえる。
また、被告代表者が、令和元年6月11日午後9時20分に、原告に対し、「早くあがれよ!」(退勤することを意味するものと解される)とのLINEを送信しているところ(甲17)、原告が本件店舗を運営していたのであれば、いつ退勤するのかは原告が判断すべき事柄であって、被告代表者が指示する事柄ではないから、かかる文言も本件契約が雇用契約であったことをうかがわせる事情であるといえる。
エ また、原告が、被告代表者に対し、「お疲れさまです。今日は¥29、420です。」(令和元年6月7日)、「今日は、¥29、820です。一つ一つを確実にしていきます。これからもご指導よろしくお願いします。」(令和元年6月13日)、「ディナーは、19:00過ぎにカフェ利用1名、パスタとカフェ2名の2組です。今日は¥30422です。」(令和元年7月28日)などのLINEを送信しているところ(甲17)、本件契約が業務委託契約であり、本件店舗に関する経費は原告が負担することとなっていたのであれば、原告が被告代表者に対して、1日の売上げを報告したり、客の入りを報告することは不要であること、LINEの文言も丁寧な言葉遣いであることなどからすれば、原告が被告代表者に対して売上げ等の報告を行っていたことは、本件契約が雇用契約であったことをうかがわせる事情であるといえる。
オ そして、ほかのLINEをみても、原告が、被告代表者に対し、「UCCの冷凍ドゥの発注をお願いしてもよろしいでしょうか。残り5.5個です。お手数おかけして申し訳ないです。」(令和元年7月24日)、「10/22(火)に4号フルーツアップ『Happy Birthday F』でプレートお願いします。後、スフレの発注も一緒にお願いします。お手数をおかけしますが、よろしくお願い致します。」(令和元年10月16日)とのLINEを送信しているところ(甲17)、原告が本件店舗を運営しており、経費も負担することとなっていたのであれば、自ら発注すれば足りるのであって、あえて被告に発注を依頼する必要はない。そうすると、かかるLINEも、被告が本件店舗を運営していたことをうかがわせる事情であるといえる。
また、原告が、令和元年8月15日、被告代表者に対し、「明日、16:30にリクルートのGさんが印鑑を取りに来られます。社印と個人印、お願い致します。」とのLINEを送信しているところ(甲17)、かかるLINEは、その内容に照らせば、リクルートの担当者が、何らかの書類に押印することを求めるために来店することを伝えるものであるといえる(「社印」は被告の印鑑、「個人印」は被告代表者の印鑑を指すと解される。)。そして、原告が本件店舗を運営し、費用を負担することになっていたというのであれば、原告が押印することとなるはずであり、他方、被告が押印する理由も必要性もないはずであるが(本件店舗以外の被告の業務に関するものであれば、本件店舗に来店する必要がないことになる。)、上記のとおり、原告が被告代表者に対し、印鑑を持参して来店を求めていることからすれば、本件店舗に関する書類に被告及び被告代表者の印鑑が必要であること、すなわち、本件店舗を運営しているのが被告であることがうかがわれるといえる。
カ さらに、原告と被告(被告代表者)が作成した再就職手当申請書、雇用状況等証明書、退職証明書の記載に照らせば、原告が被告の従業員であったことを内容とするものであることが明らかであるところ(認定事実(5))、仮に、被告が、原告を雇用していなかったにもかかわらず、上記のような書類を作成したのであれば、手当の不正受給に加担することとなってしまうが、被告がそのような不正行為に加担する理由も必要もない。
また、被告が作成した示談書案には、解決金として114万5309円を支払う旨の条項があるところ(認定事実(8))、かかる金額は、原告が支払を求めている未払い賃金と同額であり、そうであれば、本件契約が雇用契約であることを前提としていたと評価することができる。
キ 加えて、被告の主張によれば、原告から本件店舗の売上記録の提出を求められた際に、「本件店舗のみの収支を記載した書類を作っておらず、他の経営店舗(c店)分と合わせた書類しかなかったので、それを見せた」(被告の2020年11月10日付け準備書面・7頁)というところ、仮に、被告が主張するとおり、本件契約が業務委託契約であり、本件店舗に関する経費は原告が負担することとなっていたのであれば、本件店舗に係る収支とほかの被告運営に係る店舗の収支を一体とした会計書類を作成してしまうと、被告運営に係る店舗の経営状況を適切に把握することができなくなってしまうから、そのような書面を作成するということは想定し難い。かえって、被告が、本件店舗とほかの店舗とを併せて会計書類を作成していたということからすれば、被告とすれば、本件店舗とほかの店舗とを併せて経営状況を把握する必要がある、すなわち、いずれの店舗も自らが運営する店舗であるとの認識にあったことをうかがわせる事情であるといえる。なお、被告代表者が、令和元年11月22日の話合いの際に、「俺が給料補填してたりしてたんやし。で、そこの、補填した分を、個人でやったりしてたから、ここから取ったりしてたん、売上げから」、「こっち側の、売上の計上を落として、その分をc店(『c店』を指す)の支払にまわしててん」(甲19の8、20)などの発言も、被告代表者が、各店舗の収支あるいは被告代表者個人の出費について、個別にとらえるのではなく、まとめてとらえていたことの表れということができる。
ク そして、本件契約が業務委託契約であり、本件店舗に関する経費は原告が負担することとなっていたのであれば、水道・電気・ガス、インターネット回線及び建物賃料等に関する契約当事者を被告から原告に変更することが想定されるが(契約当事者を被告のままとしておけば、精算が必要となり手間が生じるほか、実態と契約関係とが整合しないこととなってしまう。)、本件において、そのような手続はとられていない(なお、上記の契約当事者を被告から原告に変更していないことについては、被告代表者も自認している(被告代表者尋問調書24頁)。)。
ケ そのほか、原告から赤字補償分の支払を求められ、合計87万7113円を支払ったことは被告も自認しているところ、本件契約が業務委託契約であり、本件店舗に関する経費は原告が負担することとなっていたのであれば、被告が赤字補償分を支払う理由も必要性もないから、かかる事実も本件契約が雇用契約であったことをうかがわせる事情であるといえる。
コ そして、原告と被告代表者との間で複数回の話合いがなされているところ、その場において、原告が、「委託ですか」と尋ねたのに対し、被告代表者が、「違う、違う、違う。」として明確に否定していること(甲19の1、20)、原告が、「雇われ店長じゃないんですか」と尋ねたのに対し、否定していないこと(甲19の9、20)などの事情も認められが、これらも、本件契約が業務委託契約ではなく、雇用契約であったことをうかがわせる事情であるといえる。
サ また、令和元年6月から同年11月までの間において、本件店舗のインスタグラムが更新され、イベントに参加することの告知などがなされているところ(甲21ないし26)、同インスタグラムを管理していたのは、原告ではなく、被告代表者あるいはその親族であったのであり(被告代表者尋問調書30頁)、このことも、被告が、本件店舗を運営していたことをうかがわせる事情であると評価することができる。
シ 以上を総合考慮すれば、本件契約は雇用契約であったと認めるのが相当である。
(2) 被告は、①家賃・水道光熱費を除いて原告から被告に金員が交付されていない、原告から被告に売上げや経費に関する資料が交付されていない、売上げは気になったことから知らせてほしいと依頼していたが、毎日報告があったわけではなく、督促もしていない、②本件契約が雇用契約であれば、原告が費用を立て替えて支払うことはあり得ないし、本件店舗に係る赤字が被告に請求されていない、③原告から被告に賃金の請求がされておらず、賃金の支払もなされていない、④原告について、健康保険・雇用保険に加入していない、⑤給与明細書は原告が新規に作成せず、被告の書式をそのまま使用することとしたからである、⑥本件店舗で勤務するアルバイト従業員は原告に引き継がれており、シフト表は原告が作成しなかったため、被告代表者又は被告代表者の妻が作成し、原告が適宜修正していた、⑦原告が仕事を休む連絡をしてきたのは、原告の代わりに被告代表者が本件店舗に入れないか依頼するためのものである、⑧書類は早期に紛争を終息させるため、あるいは原告の求めに応じて深く考えずに作成したものである、⑨合計87万7113円を支払ったのは知人の紹介であったほか、原告に脅迫されたからである、⑩インスタグラムは本件店舗の経営を応援すべく、原告のために行っているものであり、アドバイスして相談して決めていることである、⑪被告代表者は本件店舗に顔を出しておらず、業務指示もしていない旨主張する。
①について、確かに、家賃・水道光熱費等を除いて、原告が被告に金員を交付した形跡はうかがわれず、LINEによる報告が毎日なされていたものではないが、他方で、口頭での報告がなされた場合はLINEでの報告はなされないこと、被告が主張するように(被告の2020年11月10日付け準備書面・7頁)本件店舗を含むほかの店舗と併せた収支に関する書面を作成していたのであれば、被告代表者は、何らかの方法で本件店舗に関する情報を入手していたことになること、本件店舗にはポスレジが導入されており、インターネットを通じて情報を入手することが可能であったこと(原告本人尋問調書6頁、被告代表者尋問調書7頁)などからすれば、被告の指摘する事情は、本件契約が雇用契約であったことと相容れない事情であるということはできない。
②について、確かに、本件契約が雇用契約であるとすれば、従業員である原告が本件店舗にかかる経費を立て替える義務はないが、従業員が金額や状況によっては一時的に経費を立て替えることはあり得ること、原告が、被告に対し、後に立替費用の請求をしていること、原告の主張を前提とすれば、賃金が全く支払われていないわけではなく、その一部については支払がなされていることをも併せ考慮すれば、被告の指摘する事情は、本件契約が雇用契約であったことと相容れない事情であるということはできない。
③について、確かに、原告が令和元年6月から同年11月の間に賃金を請求していないが、使用者と労働者との関係に照らせば、割増賃金を含む賃金に未払いがある場合に、労働者が、退職してから請求するという事態は珍しい事態ではない。
④について、本件契約が雇用契約であれば、健康保険・雇用保険に加入していないことが不適切であることはいうまでもないが、加入手続は使用者の義務であるから、保険不加入の事実をもって、本件契約が雇用契約であることと相容れない事実であると評価することは相当ではない。
⑤について、仮に、原告が被告が使用していた書式をそのまま使用することとしたとしても、自らが従業員を雇用しているにもかかわらず、雇用主の名称を被告のままで使用するというということは想定し難い。
⑥について、仮に、被告が主張するように、本件店舗で勤務していた従業員の雇用関係が被告から原告に引き継がれたのであれば、被告との雇用契約を解消し、新たに原告との雇用契約を締結することとなるのであるから、個々の従業員の同意が必要となるが、個々の従業員との間で、雇用関係の引継ぎはなされていない(被告代表者も、雇用保険等の使用者の変更を行っておらず、雇用保険料等を被告の名義で納付していたことを自認している(被告代表者尋問調書23、24頁)。)。
また、仮に、被告が主張するように、本件店舗で勤務する従業員を原告が雇用していたのであれば、原告が雇用している従業員に対し、被告がシフトを指示していることになるが、自分が雇用していない従業員に対してシフトを指示するということは想定し難い。
被告は、原告がシフト表を作成しないため、被告が作成して原告に交付し、原告が適宜調整・変更していた旨主張するが、原告が、被告代表者に対し、令和元年9月7日に「明日ですがDさんが風邪の為、ランチはCさんに入って頂くことになりました。ディナーはDさんの体調が良くなっていれば入ってもらおうと思います。」とのLINEを送信したのに対し、被告代表者が「了解。頼んどくわ。また、連絡します。」とのLINEを送信し、その後、原告が「はい。Cさんがディナーも入って頂けるので、Dさんはゆっくり休んでもらいます。何かあれば連絡します。」とのLINEを送信しているところ(甲17)、仮に、被告が主張するように、原告が適宜調整・変更していたのであれば、わざわざ被告代表者に連絡したり、被告代表者がシフトに入るよう依頼することにならないから、被告の主張は、LINEの内容と整合していないというべきである。
⑦について、LINEの文言をみても、原告が、被告代表者に対し、原告の代わりに本件店舗で業務に従事するよう依頼している文言は見当たらず、実際に、被告代表者が原告の代わりに本件店舗で業務に従事したことを的確に裏付ける証拠もない。
⑧について、被告代表者は、労働基準監督署の担当官に対しては、再就職手当支給申請書について、原告から無理矢理押印させられた旨述べており(甲16号証の3)、主張が変遷しているが、そのことについて何ら合理的な説明をなし得ていない(なお、原告が無理矢理押印させたとは想定し難いことは、後記⑨についての説示と同様である。)。
⑨について、原告と被告代表者との関係が、共通の知人を介してサッカースクールのチームメイトとして知り合ったという程度のものであったのであり(なお、被告は同知人に「世話になっている」との気持ちがあった旨主張するが、どのような関係かは不明である。)、被告が主張するように、本件契約が被告代表者の原告に対する好意により原告に甚だしく有利な内容であったのであれば、被告が、原告から請求されたとしても、赤字補償を行うこととした理由として被告が主張する理由は首肯し難い。
また、原告が、被告代表者を脅迫したことを的確に裏付ける証拠はない。かえって、被告代表者は、労働基準監督署の監督官から事情を聴取されているところ、「店舗自体は赤字経営でXさんが被った赤字については全額返済いたしました」と述べるのみであって(甲16の3)、原告から脅迫されたため、赤字補償分を支払った旨の説明をしていない(なお、再就職手当支給申請書等の作成経緯については述べている。)。
さらに、被告代表者は、陳述書(乙2)においては、労働基準監督署への申告に被告が応じないことから脅迫された旨陳述しているところ、原告が労働基準監督署に申告したのは令和元年12月23日であるから(前提事実(4))、少なくとも同日以降の出来事であった旨陳述していることになるが、本件訴えにおいては、同年11月に書類を見せられたときあるいは同年12月2日であるとして、話合い(前提事実(3))の際である旨供述しており(被告代表者尋問調書26ないし28頁)、供述に変遷がみられるが、そのことについて合理的な説明をなし得ていない。
そもそも、仮に、被告代表者が、原告から脅迫され、いかなる不利益を受けるかもしれないと畏怖したため赤字補償金を支払ったのであれば、原告が主張する未払賃金についても支払わないとその畏怖を解消することができないはずであるが、被告は、原告が主張する未払賃金の支払をしていない。
なお、原告と被告代表者の間で複数回の話合いがなされているところ、その際に、被告代表者が、「お前(原告を指す)が行くのはおかしいやろ。それは俺が行くけどな。」(甲19の4、20)、「俺は触られへんようになるからX(原告を指す)に全部預けるなって言ってん。」(甲19の8、20)などと発言しているのに対し、原告が、「領収書は出していただきたいなと思うんですけど」(甲19の6、20)などと丁寧な口調で話していることに照らしても、原告が被告代表者を脅迫した、あるいは被告代表者が原告を畏怖していたというような事態は想定し難いというべきである。
⑩について、原告と被告代表者とのLINE(甲17)をみても、被告代表者が原告とインスタグラムに掲載する内容について相談しているものは見当たらず、被告代表者の供述をみても、インスタグラムについては、管理権限が被告代表者にあったこと、書いていたのは被告代表者あるいは親族であると供述するのみであり、原告のために行っていた、あるいは原告と相談して決めていたなどの供述はしておらず(なお、陳述書でも陳述していない。)、ほかに、原告と被告代表者とがインスタグラムに掲載する内容について協議・相談していることを裏付ける証拠もない。
⑪について、原告がいわゆる雇われ店長であったこと、被告代表者と原告との間でLINEでやり取りがなされていたこと、被告代表者の妻が本件店舗で勤務していること(認定事実(2)ウ)などからすれば、被告代表者が本件店舗に顔を出す頻度が少ないとしても、本件契約が雇用契約であったことと相容れない事情であるということはできない。
3 争点2(争点1が雇用契約となる場合、未払賃金、割増賃金の額)について
(1) 本件契約における賃金額
原告は、被告代表者から月25万円程度である旨の説明を受けた、原資は、本件店舗の売上げが月に100~140万程度であり、そこから経費を控除してもその程度の給料は捻出できるとの説明であった旨主張し、原告本人もこれに沿う供述をする。
しかし、賃金額が明確に月25万円と定まっていたのであれば、原告と被告代表者との間で話合いがなされたときに、少なくとも原告がそのことを前提とした発言をすることが想定されるが、原告と被告代表者との話合いをみても、賃金額が当初から25万円と定まっていたことを前提とする発言は見当たらない。かえって、原告が、①「今まで働いた給料」と発言したのに対し、被告代表者が、「25万?」、「が、いいってこと?」と発言したこと(甲19の11、20)、②原告が、「この6か月分働いた給料に当たる部分。25万×6」と発言したこと(甲19の11、20)、③被告代表者が、「ちょっと、金額、相談はできへん?その、持ち出した分は、もうXが身銭切ってやってることやから、それは俺はきっちりする。で、その給料に当たる部分っていうのは、25っていうの、ちょっと下げてもらえるんやったら、そこはちょっと折り合い付けて」、「そこは、まずは、こう、この金と、給料として、っていうところの金。そこはもう相談させて」、「とりあえず、細かいの、書いて今度持ってくるわ」(甲19の11、20)と発言したことが認められるところ、①の「いいってこと?」との発言は、賃金を月25万とすることを希望することを確認する旨の発言であり(原告も、最初から賃金が月25万円と確定していたなどとして、同発言を論難していない。)、②③の「給料に当たる部分」との発言は、賃金としていくらを支払うのかをこの話合いの場で協議していることをうかがわせる発言であり(当初から明確に金額が決まっていたのであれば、「あたる部分」という発言になることは想定し難く、原告も同発言を論難していない。)、③の「相談」、「折り合い」、「今度持って来る」との発言も、金額について交渉する旨の発言であるといえる(原告も同発言を論難していない。)。
そして、原告の主張でも「月25万程度」というものであり(原告第3準備書面・4頁)、原告の陳述書(甲27)でも「月25万円程度」というものであり、原告本人も、「売上げによって25万円以上,取れるときもあるよという話でした」と供述している(原告本人尋問調書12頁)ように、賃金額に関する原告の主張・供述が概括的な金額であること、本件契約の性質をさておき、被告代表者も売上げから必要経費を控除したものが原告の収入となる旨供述していること(被告代表者尋問調書3頁)をも併せ考慮すれば、原告と被告代表者は、本件契約締結の際に、賃金額の詳細については決定することなく、本件店舗の売上げから必要経費を控除した金額を原告の賃金とすること、その金額の目安として25万円程度となると思われることという概括的な合意をしたものであることがうかがわれ、このことは、再就職手当支給請求書に賃金月額が25万円である旨の記載があること(認定事実(5)ア)を考慮しても左右されない(請求の便宜上、目安とされていた金額を記載したものであることがうかがわれる。)。
そうすると、原告と被告は、賃金の額について確定額での明確な合意をすることなく本件契約(雇用契約)を締結したこととなり、事後的にも賃金額が確定されたことを認めるに足りる証拠もないことからすれば、本件契約における賃金の額は結局定められなかったこととなり、そうであれば、本件訴えにおいては、最低賃金とするほかないことになる。
(2) 原告の労働時間
ア 勤務自体の有無について
原告は、別紙2の「始業時刻」欄の時間から「終業時刻」欄の時間まで勤務した旨主張するところ、その全部の日についてではないが、売上報告を行っており(甲17)、一定割合の日については勤務したこと自体の裏付けがあるといえること、原告が勤務したと主張している日について、原告が勤務していなかったことを認めるべき証拠はないこと(なお、逆に、令和元年6月3日や同月6日のように、売上報告を行っており、勤務したことがうかがわれるにもかかわらず、勤務した旨の主張をしていない日がある。)、本件店舗が飲食店であり、定休日が不定休とされていたこと(甲15)からすれば、本件店舗自体が休業となる日はそれほど多くなかったことがうかがわれること、原告が店長という立場にあり、原告が被告代表者に対し、欠勤報告をしていること(甲17)などからすれば、原告が頻繁に欠勤していたとは想定し難いから、原則として、原告が勤務していたと主張する日に勤務していたこと自体は認められる(ただし、後記イ(イ)cを除く。)。
イ 始業時刻について
(ア) 原則
原告は、仕込み作業等のために午前10時には出勤していた旨主張し、原告本人もこれに沿う供述をする。
原告は、開店前にシャッターを開け、ショーケースの電源を入れ、ケーキを陳列し、米を炊いたり、野菜を切ったり、スープを作るなどしていた旨供述するところ(原告本人尋問調書39頁)、飲食店の開店前には仕込みや店内の清掃等の一定の準備作業が必要であって、原告の供述内容は具体的かつ合理的なものであるといえるから、原告の供述を信用することができ、原告が供述するとおりの準備作業を行っていたと認めることができる。そして、本件店舗の営業時間が午前11時であること(前提事実(2))、原告が開店前に行っていた準備作業の内容・分量に照らせば、少なくとも1時間程度は必要であると認められるから、原則として、始業時刻は午前10時と認めるのが相当である。
(イ) 原告が個別事情を主張する日について
a 令和元年7月21日
原告は、同日に開催された夏祭りの準備のために午前8時30分から準備作業を開始した旨主張する。
確かに、本件店舗が同日に開催された夏祭りに参加したことが認められるが(認定事実(9)ア)、他方で、原告が午前8時30分から準備作業を開始したことを的確かつ客観的に裏付ける証拠はないこと、夏祭りの予定時間が午前11時から午後3時(あるいは午後4時)であり(甲22)、普段の営業時間(ランチタイム)とそれほど変わらない程度であったこと、どの程度の規模のイベントであったのか、来場者が何人であったのかなどを明らかにする証拠はないことなどからすれば、どの程度の準備が必要であったか不明であるというほかなく、同日について、原告が午前8時30分から勤務していたと認めることはできない。そして、原告の供述(原告本人尋問調書42頁)を前提とすれば、同日については、本件店舗の営業をしながら夏祭りに参加していたというものの、そうであれば、並行して行うことができる程度の規模であったこと、夏祭りは、焼きそばやフランクフルトを焼くなどしたというものであり、それほど複雑な準備が必要であったとまではうかがわれないことなどからすれば、始業時刻は、通常営業の場合と同様に午前10時と認めるのが相当である。
b 令和元年10月20日
原告は、同日に開催されたイベントの準備のために午前7時から準備作業を開始した旨主張する。
確かに、本件店舗が同日に開催された「○○イベント」(時間は午前11時から午後5時)に参加したことが認められるが(認定事実(9)エ)、他方で、原告が午前7時から準備作業を開始したことを的確かつ客観的に裏付ける証拠はないこと、どの程度の規模のイベントであったのか、来場者が何人であったのかを明らかにする証拠はないことなどからすれば、どの程度の準備が必要であったか不明であるというほかなく、夏祭りよりも時間が長いことを考慮しても、必ずしも全て事前に準備することが必要とも限らないこと(イベント中の隙間時間に追加で作業をすることも想定される。)などからすれば、同日について、原告が午前7時から勤務していたと認めることはできない。そして、同日のイベントに参加する場合も一定の準備作業は必要であること、同イベントの開始時刻が午前11時であることからすれば、それより前に会場に到着して現場での準備をすることが必要であること、同イベントのための準備は本件店舗で行ったものであり、その後、車でイベント会場に移動したものであること、イベント会場と本件店舗とはそれほど距離が離れていないこと(原告本人尋問調書41、42頁)などからすれば、同日の始業時刻は、遅くとも9時30分と認めるのが相当である。
c 令和元年10月21日
原告は、前記bで開催されたイベントの後片付けのために午前5時に出勤した旨主張する。
しかし、原告が午前5時に出勤したことを的確かつ客観的に裏付ける証拠はないこと、後片付けがあるとしても、本件店舗に戻った後に必要な後片付けが、イベント当日に終了しないほど多量であったことを裏付ける証拠はないこと、それらの点をさておくとしても、午前5時という早朝に出勤しなければならないとは想定し難いこと、原告が同日に被告代表者に送信したLINEをみても、「本日はお休み頂きます。」(甲17)というもので、同日に後片付けを行ったことをうかがわせる記載は見当たらないことなどからすれば、原告が、同日に勤務したこと自体を認めることができない。
ウ 終業時刻について
(ア) 原則
原告は、客がいなければラストオーダーの時間に閉店していたとして、ラストオーダー後に後片付けや閉店作業があったものの、原則としてラストオーダーの時間である午後9時を終業時刻とする旨主張する。
本件店舗の営業時間は午後10時までであり、ラストオーダーの時間が午後9時であったところ(前提事実(2))、原則として少なくともラストオーダーの時間までは開店していると想定することは合理的であること、閉店するためには、後片付けや売上げ集計などの閉店作業が必要であることなどからすれば、原則として午後9時を終業時刻と認めるのが相当である。
(イ) 原告がLINEを根拠に個別事情を主張する日
原告は、閉店作業を終えてから被告代表者にLINEを送信していたため、LINEを送信した時刻からおおよその閉店時間を特定できる旨主張する。
a LINEが午後10時以降に送信された日
確かに、原告が被告代表者に売上げを報告するLINEを送信しているところ(甲17)、売上額が確定しなければLINEを送信することはできないから(原告本人も、一般論として、売上げが確定した後に売上報告を行うことは認める旨の供述をしている(原告本人尋問調書39頁)。)、原告が被告代表者に送信したLINEは閉店後に送信されたものであることがうかがわれる(ただし、令和元年10月12日は、午後8時6分に、「今日は2組、¥5、000です。少し早いですが、もう少ししたら閉めようと思います。」とのLINEを送信している(甲17)。)。
しかし、LINEは本件店舗からしか送信できないものではなく、自宅や帰路においても送信可能であるから、LINEの送信時刻のみをもって必ずしも終業時刻を特定することができるものではない。
そして、ほかに、原告の終業時刻を的確かつ客観的に裏付ける証拠もないこと、本件店舗の閉店時刻が午後10時であることからすれば、原告が、閉店時刻である午後10時以降にLINEを送信している日については、少なくとも閉店時刻である午後10時までは勤務していたものとして、午後10時を終業時刻と認めるのが相当である(なお、原告が午後10時以降にLINEを送信していても、午後10時より早い時刻を終業時刻と主張している場合はその時刻をもって終業時刻とする。)。
b LINEが午後10時以前に送信された日
(a) 令和元年11月4日
原告は、同日午後4時33分に売上報告のLINEを送信しているところ(甲17)、その送信時刻に照らせば、同日についてはディナー営業を行わなかったことがうかがわれるから、後記(ウ)aのとおり、終業時刻は午後4時と認めるのが相当である(なお、同日が月曜日であることからもディナー営業が行われていないことがうかがわれる。)。
(b) 令和元年11月9日
原告は、同日午後4時29分に売上報告のLINEを送信しているところ(甲17)、その送信時刻に照らせば、同日についてもディナー営業が行われなかったことがうかがわれるから、前記(a)のとおり、終業時刻は午後4時と認めるのが相当である。
(c) 令和元年11月24日
原告は、同日午後9時48分に売上報告のラインを送信しているところ(甲17)、その送信時刻に照らすと、客がいないなどの理由でラストオーダーの時間に閉店したことがうかがわれるということができるから、同日については、前記(ア)のとおり、午後9時を終業時刻と認めるのが相当である。
(ウ) 原告がLINE以外を根拠に個別事情を主張する日
a 令和元年6月1日ないし同月9日
原告は、本件店舗がディナー営業をしていなかったため、終業時刻は午後6時である旨主張する。
しかし、原告は、ほかの日において、同じく本件店舗がディナー営業をしていなかったことを理由に終業時刻を主張している日があるところ(イベント関連の日を除く。)、それらの日において、終業時刻を午後5時(令和元年8月12日)又は午後5時30分(令和元年10月14日)と主張していることもあり、原告の主張相互において整合していない。
また、本件店舗の営業時間及び原告の供述を前提とすれば、本件店舗のランチタイムは午前11時から午後3時頃までであり、午後3時頃以降がディナータイムであり、ディナー営業を行っていないときは午後3時頃には本件店舗の営業が終了し、その後、片付け等を行っていた旨供述している(原告本人尋問調書40頁)。そして、閉店後に後片付けや閉店作業等の一定の作業を要すること、原告が令和元年11月4日は午後4時33分に売上報告のLINEを送信しており、同月9日は午後4時29分に売上報告のLINEを送信していること(甲17)を考慮すると、原告がディナー営業を行わなかったことを自認している日の終業時刻は午後4時と認めるのが相当である。
なお、本件店舗は月曜日はディナー営業を原則として行っておらず、予約がある場合にディナー営業を行うとなっているものの(甲21)、原告の供述によれば、月曜日は原告及び被告代表者が参加しているサッカースクールがあったため、原告勤務中は月曜日にディナー営業を行った記憶がないというのであるから(原告本人尋問調書40頁)、月曜日については、原則として終業時刻を午後4時と認めるのが相当である。
b 令和元年7月3日
原告は、同日について、アルバイトの終業時刻が午後9時30分であったとの前提に立った上で、原告の終業時刻が午後10時である旨主張する。
しかし、アルバイトの終業時刻を的確かつ客観的に裏付ける証拠はなく(なお、被告代表者の妻に関する出勤簿は書証として提出されているが、原告が主張するアルバイト従業員に関するものは書証として提出されていない。以下についても同様である。)、また、原告が、午後9時43分に被告代表者に売上報告のLINEを送信していること(甲17)に照らせば、同日は、ラストオーダーの時間に閉店したことがうかがわれる。そうすると、同日の終業時刻は、前記(ア)のとおり午後9時と認めるのが相当である。
c 令和元年7月20日
原告は、同日について夏祭りの準備のため通常より遅くまで残っていた旨主張する。
しかし、原告の主張を的確かつ客観的に裏付ける証拠はないこと、売上報告のLINEも存在しないことからすれば、同日の終業時刻は、前記(ア)のとおり午後9時と認めるのが相当である。
d 令和元年7月26日
原告は、同日の売上げが多いことから、サッカーの懇親会があり、午前0時頃まで営業していたとして、終業時刻は午前0時である旨主張する。
原告が作成した売上表(端数の齟齬があるが、おおむねLINEでの売上報告と整合しているといえる。甲7の1ないし12)によれば、同日の売上げが16万円を超えており(甲7の9)、原告が被告代表者にLINEを送信したのも同月27日午前0時14分であるが(甲17)、他方で、原告の主張を的確かつ客観的に裏付ける証拠はないこと、仮に懇親会があったとしても、懇親会が必ずしも深夜まで行われるものではないことなどからすれば、同日については、閉店時間である午後10時をもって、終業時刻と認めるのが相当である。
e 令和元年8月11日
原告は、同日について、アルバイトの終業時刻が午後10時30分であったとの前提に立った上で、原告の終業時刻が午後11時である旨主張する。
しかし、アルバイトの終業時刻を的確かつ客観的に裏付ける証拠はなく、また、売上報告のLINEも存在しないことからすれば、同日の終業時刻は、前記(ア)のとおり午後9時と認めるのが相当である。
f 令和元年8月12日
前記a説示のとおり、同日の終業時刻は午後4時と認めるのが相当である。
g 令和元年8月18日
原告は、同日について、ディナー営業は行われていなかったが、夏祭りが開催されていたため、終業時刻は午後6時30分である旨主張する。
確かに、本件店舗が同日に開催された夏祭りに参加したことが認められるが(認定事実(9)イ)、他方で、夏祭りの時間が午後4時頃までであること(甲22)、売上報告のLINEも存在しないこと、夏祭りの開催場所が本件店舗の前であり、移動に時間を要するということはないこと(甲22、原告本人尋問調書42頁)などからすれば、後片付け等の時間を考慮しても、同日の終業時刻は午後5時と認めるのが相当である。
h 令和元年8月21日
原告は、同日について、アルバイトの終業時刻が午後10時であったとの前提に立った上で、原告の終業時刻が午後10時30分である旨主張する。
しかし、アルバイトの終業時刻を的確かつ客観的に裏付ける証拠はなく、また、売上報告のLINEも存在しないことからすれば、同日の終業時刻は、前記(ア)のとおり午後9時と認めるのが相当である。
i 令和元年8月31日
原告は、同日について、ライブが開催されていたため、終業時刻は午前0時である旨主張する。
確かに、同日は本件店舗でライブが開催されており、一部が午後8時30分開始、二部が午後9時30分開始であったこと(認定事実(9)ウ)からすれば、後片付け等を考慮すれば、通常の閉店時間より遅くまで終業していたことが認められる。そして、原告の終業時刻を的確かつ客観的に裏付ける証拠はないこと、一部の開始から二部の開始までが1時間であることからすれば、同日の終業時刻は午後10時30分と認めるのが相当である。
j 令和元年9月8日
原告は、同日について、アルバイトの終業時刻が午後11時であったとの前提に立った上で、原告の終業時刻が午前0時である旨主張する。
しかし、アルバイトの終業時刻を的確かつ客観的に裏付ける証拠はなく、また、売上報告のLINEの送信時間が午後11時12分であること(甲17)からすれば、同日の終業時刻は、前記(イ)aのとおり午後10時と認めるのが相当である。
k 令和元年9月27日
原告は、同日について、アルバイトの終業時刻が午後9時30分であったとの前提に立った上で、原告の終業時刻が午後10時である旨主張する。
しかし、アルバイトの終業時刻を的確かつ客観的に裏付ける証拠はなく、また、売上報告のLINEも存在しないことからすれば、同日の終業時刻は、前記(ア)のとおり午後9時と認めるのが相当である。
l 令和元年9月29日
原告は、同日について、アルバイトの終業時刻が午前0時であったとの前提に立った上で、原告の終業時刻が午前1時である旨主張する。
しかし、アルバイトの終業時刻を的確かつ客観的に裏付ける証拠はなく、また、売上報告のLINEも存在しないことからすれば、同日の終業時刻は、前記(ア)のとおり午後9時と認めるのが相当である。
m 令和元年10月13日
原告は、同日について、アルバイトの終業時刻が午後8時30分であったとの前提に立った上で、原告の終業時刻が午後8時30分である旨主張する。
アルバイトの終業時刻を的確かつ客観的に裏付ける証拠はないが、原告が主張する時刻は前記(ア)の午後9時より早い時刻であること、同日は日曜日であって、ディナー営業が行われない月曜日ではないこと、ほかに、同日についてディナー営業が行われなかったことをうかがわせる事情を認めるべき証拠もないことなどからすれば、同日の終業時刻は、原告が主張する午後8時30分と認めるのが相当である。
n 令和元年10月14日
前記a説示のとおり、同日の終業時刻は午後4時と認めるのが相当である。
o 令和元年10月18日
原告は、本件店舗がイベントに出店したため終業時刻は午前4時である旨主張する。
確かに、原告が同月19日から始まるイベントに出店したことが認められるが、他方で、同月19日のイベント開始時刻は午後5時であること(認定事実(9)エ)、原告が被告代表者にイベントに関係する可能性のあるLINEを送信した時刻も午後2時頃であること(甲17)、イベントの準備の具体的な内容も判然としないことなどからすれば、原告の主張を採用することはできず、ほかに、原告の終業時刻を的確かつ客観的に裏付ける証拠もない以上、同日の終業時刻は、前記(ア)のとおり午後9時と認めるのが相当である。
p 令和元年10月19日
原告は、本件店舗がイベントに出店しており、翌日の準備をしたため、終業時刻は午前4時である旨主張する。
確かに、本件店舗がイベントに参加しており、同日のイベントの終了時刻が午後9時であったこと(認定事実(9)エ)、後片付け等の作業も必要であることなどからすれば、イベント終了後も会場又は本件店舗に戻った後に一定の作業が必要であったことがうかがわれるが、他方で、翌日もイベントがあることからすればイベント会場から撤収する作業は行われないこと、イベントの準備の具体的な内容も判然としないこと、翌日である同月20日にもイベントの準備を行った旨主張していることなどからすれば、同日の終業時刻は、午後10時30分と認めるのが相当である。
q 令和元年10月26日
原告は、同月27日に本件店舗でハロウィンイベントが開催されたところ、その準備作業のため、同月26日の終業時刻は午後11時である旨主張する。
確かに、同月27日に本件店舗ではハロウィンイベントが開催されており、その開始時刻が午前10時であること(認定事実(9)オ)からすれば、イベント当日又は前日に準備を行うことが必要である。そして、原告は、イベント当日である同月27日の始業時刻を、イベント開始時刻と同時刻である午前10時と主張していることからすれば、準備作業は前日である同月26日に行ったことがうかがわれるが、他方で、同日について、売上報告のLINEも存在しないこと、準備作業の内容・分量も判然としないことなどをも併せ考慮すれば、同日の終業時刻は午後10時と認めるのが相当である。
r 令和元年10月27日
原告は、イベントのためディナー営業は行われていなかったものの、後片付けに時間がかかったため、終業時刻は午後8時である旨主張する。
同日、本件店舗で開催されたハロウィンイベントの終了時刻は午後5時であるところ(認定事実(9)オ)、後片付けの作業が必要であったことはうかがわれるが、売上報告のLINEも存在しないこと、後片付けの内容・分量も判然としないことからすれば、同日の終業時刻は午後6時と認めるのが相当である。
s 令和元年11月1日
原告は、翌日となる同月2日が休暇であったため、終業時刻は午後10時である旨主張する。
確かに、原告は同日に休暇を取得しているが(甲17)、休暇の前日であるとしても、翌日はほかの従業員が出勤するのであるから、特に、前日の準備作業が増加するとも限らないこと、午後10時以降にLINEを送信していないことなどからすれば、同日の終業時刻は午後9時と認めるのが相当である。
t 令和元年11月16日
原告は、同日について、アルバイトの終業時刻が午後9時30分であったとの前提に立った上で、原告の終業時刻が午後10時である旨主張する。
しかし、アルバイトの終業時刻を的確かつ客観的に裏付ける証拠はなく、また、売上報告のLINEも存在しないことからすれば、同日の終業時刻は、前記(ア)のとおり午後9時と認めるのが相当である。
u 令和元年11月23日
前記a説示のとおり、同日の終業時刻は午後4時と認めるのが相当である。
v 令和元年11月26日
原告は、被告代表者の妻から帰宅を命じられたため、終業時刻は午前11時30分である旨主張する。
原告は、午前10時55分に被告代表者にLINEを送信しているところ(甲17)、原告が被告代表者の妻との話合いの後に帰宅したという経緯に照らせば、同LINEは被告代表者の妻との話合い以前に送信されたものであり、その後、原告と被告代表者の妻との話合いが行われたことがうかがわれる。そうすると、同日の終業時刻は午前11時30分と認めるのが相当である。
(エ) そのほかの日
原告は、令和元年9月16日の終業時刻は午後9時である旨主張する。
しかし、原告は、同日午後4時16分に売上報告のLINEを送信していること(甲17)、同日は月曜日でありディナー営業が行われていないことからすれば、同日の終業時刻は、午後4時と認めるのが相当である。
なお、原告は、売上報告のラインにおいて、ローストビーフ等の話をしていることからイベントの準備をしていた可能性が高い旨供述するが(原告本人尋問調書39頁)、翌日あるいは近接した時期にイベントが行われたことはうかがわれないことからすれば、原告の供述を採用することはできない。
エ 休憩時間について
原告は、勤務した日の休憩時間を1時間と主張しているところ、同時間は相当であるから、休憩時間は全ての日について1時間と認める。なお、令和元年11月26日は、その労働時間に照らせば休憩を取得していないとも思われるが、原告が休憩を取得した旨主張しているので、原告主張どおり、休憩を取得したものと認めることとする。
(3) 小括
前記アないしエを前提に原告の労働時間を計算すると別紙4のとおりとなる。
本件契約における賃金額は前記(1)説示のとおり最低賃金となるところ、大阪府の最低賃金の額は、令和元年10月1日より前は936円、同日以降は964円である。
また、本件契約では詳細な雇用条件の合意はなされておらず、休日や各曜日ごとの所定労働時間についての合意が存在しない結果、労働時間・休日については、労基法の制限に従うこととなる。したがって、1日の所定労働時間を8時間とし、休日がある週については同日を休日と扱い、休日がない週については、原告の勤務実態に照らし、月曜日を休日と扱うこととする。
さらに、原告は、「訴状の計算上、毎月末日締め、当月末日払い」(訴状・2頁)とし、計算ソフトにおいてもそのような条件設定をしているところ、雇用状況等証明書には、賃金が毎月末日締め、翌月20日払いである旨記載されていること(認定事実(5)イ)、原告も労働基準監督署の監督官に対し、賃金が毎月末日締め、翌月20日払いである旨申告していること(甲16の3)、原告自身が被告代表者との話合いにおいて「翌月払いなんで」と発言していること(甲19の11、20)、原告自身が賃金について月末締めの翌月払いだった、アルバイトと同じ20日払いだろうと思っていた旨供述していること(原告本人尋問調書36頁)などからすれば、本件契約における賃金の支払日は、毎月末日締め、翌月20日払いであったと認められる(なお、原告も、第3回口頭弁論期日において、毎月末日締め、翌月20日払いであることを認めている。)。そうすると、令和元年6月分の賃金が支払われるのは同年7月20日となるはずであるところ、原告の供述を前提とすれば、同年6月20日に支払われたことになるが(原告本人尋問調書36,37頁)、同年6月分の賃金の支払が遅滞に陥るのは同年7月21日からであるから、計算の便宜上、同月20日に支払われたものとして扱うこととする。また、原告は、令和元年11月分の賃金が同月30日に支払われたとしているところ、同月分の賃金の支払が遅滞に陥るのは同年12月21日であるから、計算の便宜上、同月20日に支払われたものとして扱うこととする。
以上を前提に、原告が賃金の一部については支払済みであるとしていることをも併せ計算すると、未払賃金の額は別紙5のとおり合計66万3132円となり、割増賃金の額は別紙6のとおり合計60万1052円となる。
4 争点3(弁済の有無)
被告は、仮に本件契約が雇用契約となる場合、被告が原告に支払った87万7113円は給料として支払われたものである旨主張する。
しかし、他方で、被告は、上記87万7113円について、赤字補償分として支払ったことを自認しており(被告2020年8月7日付け準備書面・5頁)、原告も立替費用として支払を受けたことを自認している。そうすると、被告の主張は、自らの主張とも整合しておらず、ほかに、上記87万7113円が未払賃金の一部として支払われたものであることを認めるに足りる証拠もないから、上記87万7113円の支払が、未払賃金に対する弁済であると認めることはできない。
5 小括
原告の未払賃金の額及び割増賃金の額は前記3のとおりであり、原告が請求している期間に対応する未払賃金に係る確定遅延損害金の額は別紙7のとおり合計6033円であり、原告が請求している期間に対応する割増賃金に係る確定遅延損害金の額は別紙6のとおり合計5749円である。
そして、本件における被告の主張内容、訴訟の推移、本件に至る経緯など、本件に現れた一切の事情を総合考慮すれば、付加金の支払を命じることが相当であり、原告が訴えを提起したのは令和2年4月21日であること(当裁判所に顕著)、付加金の対象となる期間の割増賃金の額が別紙6のとおりであることからすれば、付加金の額は60万1052円とするのが相当である。
第4 結論
以上の次第で、原告の請求は、主文掲記の限度で理由があるからその限度で認容し、その余は理由がないからいずれも棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法61条、64条本文を、仮執行の宣言につき同法259条1項を、それぞれ適用して、主文のとおり判決する。
大阪地方裁判所第5民事部
(裁判官 佐々木隆憲)
〈以下省略〉
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【よくある質問 Q&A 一覧】
■街頭ポスター貼り(掲示交渉)代行について
Q&A【1】街頭ポスター貼付(掲示交渉代行)サービスとはどのようなものですか?
Q&A【2】どのくらいの期間で何枚くらいの街頭ポスター貼付ができるのですか?
Q&A【3】街頭ポスターを貼る際は先方(許可承諾者)に許可をいただいて貼るのですか?
Q&A【4】ポスターの①貼付依頼~②貼付開始~③貼付完了等の流れについて教えていただけますか?
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Q&A【7】ポスター貼付後のメンテナンス(貼り替え・剥がし)も依頼できますか?
Q&A【8】最低何枚から街頭ポスター貼りを依頼できますか?
Q&A【9】ポスター貼り替え期間の指定はできますか?貼りっぱなしではないですか?
Q&A【10】街頭ポスターの貼付交渉(新規掲示)の実績や事例はありますか?
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Q&A【11】「ドブ板選挙プランナー」とはどのようなお仕事ですか?
Q&A【12】「ポスタリング」とはどのようなサービスですか?
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Q&A【14】政治活動用の街頭ポスター(二連|三連)貼りをお願いしたいのですが、特定政党の支援は可能ですか?
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※ポスターのサイズは、A1サイズ、A2サイズをはじめ、ご希望に応じてご提案させていただきます。
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※貼付箇所につきましては、弊社掲示交渉スタッフが当該ターゲットにアプローチをした際の先方とのコミュニケーションにて、現場での判断とさせていただきます。
■訪問アプローチ手段
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【車両移動】
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※全国への出張対応も可能ですので、ご要望をお聞かせください。
選挙ドットウィン!の「どぶ板広報PR支援」は、選挙立候補(予定)者様の地獄の政治活動を「営業力」「交渉力」「行動力」でもって迅速にお応えいたします。
「全国統一地方選挙」・「衆議院議員選挙」・「参議院議員選挙」・「都道府県知事選挙」・「都道府県議会議員選挙」・「東京都議会議員選挙」・「市長選挙」・「市議会議員選挙」・「区長選挙」・「区議会議員選挙」・「町長選挙」・「町議会議員選挙」・「村長選挙」・「村議会議員選挙」など、いずれの選挙にもご対応させていただいておりますので、立候補をご検討されている選挙が以下の選挙区エリアに該当するかご確認の上、お問い合わせいただけますようお願いいたします。
(1)政治活動/選挙運動ポスター貼り ☆祝!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
勝つ!選挙広報支援事前ポスター 政治選挙新規掲示ポスター貼付! 1枚から貼る事前選挙ポスター!
「政治活動・選挙運動ポスターを貼りたい!」という選挙立候補(予定)者のための、選挙広報支援プロ集団「選挙.WIN!」の事前街頭ポスター新規掲示プランです。
(2)圧倒的に政界No.1を誇る実績! 政治ポスター(演説会告知|政党|個人|二連三連)掲示交渉実績!
地獄のポスター貼りやります! ドブ板選挙ポスタリストが貼る! ポスター掲示交渉実績を大公開!
政治ポスター貼りドットウィン!「ドブ板選挙を戦い抜く覚悟のあなたをぜひ応援したい!」事前街頭PRおよび選挙広報支援コンサルティング実績!
(3)今すぐ無料でお見積りのご相談 ☆大至急スピード無料見積もり!選挙広報支援プランご提案
ポスター掲示難易度ランク調査 ご希望のエリア/貼付箇所/貼付枚数 ☏0120-860-554(貼ろう!ここよ!) ✉info@senkyo.win
「政治活動用のポスター貼り代行」や「選挙広報支援プラン」の概算お見積りがほしいというお客様に、選挙ドットウィンの公職選挙法に抵触しない広報支援プランのご提案が可能です。
(4)政界初!世界発!「ワッポン」 選挙管理委員会の認証確認済みPR型「ウィン!ワッポン」
完全無料使い放題でご提供可能! 外壁街頭ポスター掲示貼付ツール 1枚から対応/大至急/一斉貼付け!
「ガンガン注目される訴求型PRポスターを貼りたい!」というお客様に、選挙ドットウィンの「ウィン!ワッポン」を完全無料使い放題でご提供する、究極の広報支援ポスター新規掲示プランです。
(5)選べるドブ板選挙広報支援一覧 選挙.WIN!豊富な選挙立候補(予定)者広報支援プラン一覧!
政治家/選挙立候補予定者広報支援 祝!当選!選挙広報支援プロ集団 世のため人のため「SENKYO.WIN」
アポイントメント獲得代行/後援会イベントセミナー集客代行/組織構築支援/党員募集獲得代行(所属党本部要請案件)/演説コンサルティング/候補者ブランディング/敵対陣営/ネガティブキャンペーン(対策/対応)
(6)握手代行/戸別訪問/ご挨拶回り 御用聞きによる戸別訪問型ご挨拶回り代行をいたします!
ポスター掲示交渉×戸別訪問ご挨拶 100%のリーチ率で攻める御用聞き 1軒でも行くご挨拶訪問交渉支援
ご指定の地域(ターゲットエリア)の個人宅(有権者)を1軒1軒ご訪問し、ビラ・チラシの配布およびアンケート解答用紙の配布収集等の戸別訪問型ポスター新規掲示依頼プランです。
(7)地域密着型ポスターPR広告貼り 地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)
街頭外壁掲示許可交渉代行/全業種 期間限定!貴社(貴店)ポスター貼り サイズ/枚数/全国エリア対応可能!
【対応可能な業種リスト|名称一覧】地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)貼り「ガンガン注目される訴求型PRポスターを貼りたい!」街頭外壁掲示ポスター新規掲示プランです。
(8)貼る専門!ポスター新規掲示! ☆貼!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
政治活動/選挙運動ポスター貼り 勝つ!選挙広報支援事前ポスター 1枚から貼る事前選挙ポスター!
「政治活動・選挙運動ポスターを貼りたい!」という選挙立候補(予定)者のための、選挙広報支援プロ集団「選挙.WIN!」の事前街頭ポスター新規掲示プランです。
(9)選挙立札看板設置/証票申請代行 絶対ここに設置したい!選挙立札看板(選挙事務所/後援会連絡所)
選挙事務所/後援会連絡所届出代行 公職選挙法の上限/立て札看板設置 1台から可能な選挙立札看板設置
最強の立札看板設置代行/広報(公報)支援/選挙立候補者後援会立札看板/選挙立候補者連絡所立札看板/政治活動用事務所に掲示する立て札・看板/証票申請代行/ガンガン独占設置!













































































































