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裁判年月日 平成13年 5月28日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平11(ワ)21205号
事件名 損害賠償請求事件 〔東日本鉄道産業労働組合事件〕
裁判結果 一部認容、一部棄却 文献番号 2001WLJPCA05286003
要旨
◆労働組合の分会青年部長が対立する他組合の掲示物を撤去した行為につき、組合活動の自由を侵害する不法行為が成立するとされ、青年部長の個人責任及び組合の使用者責任が認められた事例。
◆会社に2つの組合が併存する場合に、一方の組合の掲示物を他方の組合の組合員が撤去した行為は、組合の活動の一環として行った掲示物の掲示による表現活動に対する妨害行為に該当する。
◆会社に2つの組合が併存する場合に、一方の組合の掲示物を他方の組合の組合員が撤去した行為につき、右組合員及び右組合員が所属する組合に、民法709条・715条・719条及び710条により一方の組合が被った損害10万円を連帯して賠償すべき義務があるとされた事例。
◆会社に2つの組合が併存する場合に、一方の組合の掲示物を他方の組合の組合員が撤去した行為により、組合活動の自由が侵害され組合が被った非財産的損害の損害額として、右行為の態様、行為の期間、違法性の程度、撤去した組合員の主観的要素その他の諸般の事情を総合的に勘案して10万円が相当とされた事例。
◆会社に2つの組合が併存する場合に、一方の組合の掲示物を撤去した他方の組合の組合員に対し、他方の組合は直接又は間接の指揮監督関係を有しているものと認められるとされた事例。
◆会社に2つの組合が併存する場合に、一方の組合の掲示物を他方の組合の組合員が撤去した行為は、他方の組合の運動方針に則り、組合活動の一環としてその撤去を要求し、行ったもので、個人的な動機に基づいてされたものではないことから、他方の組合が具体的に指示又は援助等したことがないとしても、他方の組合の事業の執行につきなされたものというべきである。
◆会社に2つの組合が併存する場合に、一方の組合の掲示物を他方の組合の組合員が撤去した行為につき、右組合員及び右組合員が所属する組合に、民法709条・715条・719条及び710条により一方の組合が被った損害10万円を連帯して賠償すべき義務があるとされた事例。
◆会社に2つの組合が併存する場合に、一方の組合の掲示物を他方の組合の組合員が撤去した行為は、侵害の急迫性の要件を欠くものといわざるをえないことから、正当防衛又は応酬行為に該当しないとされた事例。
◆一 会社に2つの組合が併存する場合に、一方の組合の掲示物を他方の組合の組合員が撤去した行為は、自力救済の要件として、法律に定める手続によったのでは権利に対する違法な侵害に対抗して現状を維持することが不可能又は著しく困難であると認められる緊急やむをえない特別な事情が存する場合であることの要件を欠くとされた事例。
二 会社に2つの組合が併存する場合に、一方の組合の掲示物を他方の組合の組合員が撤去した行為は、侵害の急迫性の要件を欠くものといわざるをえないことから、正当防衛又は応酬行為に該当しないとされた事例。〔*〕
出典
労経速 1774号19頁(52巻24号)
裁判年月日 平成13年 5月28日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平11(ワ)21205号
事件名 損害賠償請求事件 〔東日本鉄道産業労働組合事件〕
裁判結果 一部認容、一部棄却 文献番号 2001WLJPCA05286003
原告 東日本鉄道産業労働組合
同代表者 眞壁善廣
同訴訟代理人弁護士 秋山泰雄
同 関次郎
被告 東日本旅客鉄道労働組合
同代表者 角岸幸三
被告 三好雄夫
被告ら訴訟代理人弁護士 水嶋晃
同 奥川貴弥
同 川口里香
同 宇佐見郁
主文
1 被告らは、原告に対し、連帯して一〇万円及びこれに対する平成一一年七月二五日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は五分し、その四を原告の負担とし、その余は被告らの負担とする。
事実及び理由
第一 請求
被告らは、原告に対し、連帯して五〇〇万円及びこれに対する平成一一年七月二五日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
第二 事案の概要
1 本件は、東日本旅客鉄道株式会社(以下「訴外会社」という)に勤務する従業員により組織された労働組合である原告が、同じく訴外会社の従業員で組織された被告東日本旅客鉄道労働組合(以下「被告組合」という)の組合員である被告三好雄夫(以下「被告三好」という)が、職場における原告用の掲示場所に原告が掲示した掲示物を違法に撤去した等として、被告らに対し不法行為に基づく損害賠償を求めているものである。
2 前提となる事実(証拠を掲げたものの外は、当事者間に争いがない)
(1) 原告及び被告組合は、いずれも訴外会社に勤務する従業員で組織された労働組合であり、組合員数は、原告が約二八〇〇名、被告組合が約五万四〇〇〇名である。
原告及び被告組合には、決議及び執行機関として、訴外会社の支社ごとに地方本部が置かれ、その下部組織として適宜の地域単位ごとに支部が置かれ、さらにその下部組織として職能又は職場単位で分会がそれぞれ置かれている。
また、加盟上部団体としては、原告が日本鉄道労働組合連合会(以下「JR連合」という)に、被告組合が全日本鉄道労働組合総連合会(以下「JR総連」という)に、それぞれ加盟している。
(2) 訴外会社の東京支社品川車掌区は品川駅構内に区所を設けており、そこに属する従業員の労働組合への所属状況は、平成一一年七月当時において、原告の品川車掌区分会(以下単に「原告分会」という)七名、被告組合品川車掌区分会(以下単に「被告組合分会」という)二一二名及び国鉄労働組合(以下「国労」という)東日本本部品川車掌区分会約八〇名となっていた。
被告三好は、そのころ、被告組合分会青年部長の地位にあった。
(3) 原告は、訴外会社との間で締結した「労使間の取扱いに関する協約」第六三条及び六四条の規定に基づき、訴外会社に対し、品川車掌区区所における掲示物の掲示場所の指定を求めていたところ、平成一一年七月一六日、訴外会社は、品川車掌区区所の乗務員ロッカー室の壁面に、縦三八センチメートル、横二八センチメートルのバインダー一枚(B4用紙が収まる大きさの縦型の台紙にクリップが取り付けられており、一〇枚程度の用紙を挟むことのできる構造の紙ばさみ)を吊るす原告の掲示物の掲示場所(以下「本件掲示場所」という)の指定を、掲示類掲出責任者を原告分会長阿部昌明(以下「訴外阿部」という)として行った(書証略)。
品川車掌区区所の乗務員ロッカー室の本件掲示場所の近くの壁面には、被告組合分会用及び国労品川車掌区分会用の掲示物掲示場所として、それぞれ固定された掲示板が設置されていた。
(4) 原告分会は、本件掲示場所の指定後、同分会の選定した掲示物を本件掲示場所のバインダーに挟んで掲示してきたが、平成一一年七月二四日、本件掲示場所に、原告組織部発行の別紙のとおりの内容が記載された同年七月二一日付け「組織情報」の「No.一七」と題するB4版大の印刷物(以下「本件掲示物」という)を掲示した。
また、原告分会は、同時に同年七月八日付け「組織情報」の「No.一六」と題する印刷物(以下「組織情報一六号」という)も掲示したが、その内容の一部には、「六月に「安全宣言」を会社と東労組が締結しましたが、そのなかでいかなる「外部干渉」を排除する、とした文章がありますが、安全とは全社員が取り組むものだと思いますが…?また、ガイドライン反対闘争を、日常批判している日本共産党を窓口にして国会請願を行ったそうですが、組合員の皆さんこれでいいのでしょうか?民主党や社民党が、なぜ国会請願の窓口にならないのでしょう?それは、当たり前に言われている「東労組」に「革マル派」の活動家が多く存在し、その方針で組合が運営されているからです」との記載がされていた(書証略)。
(5) 同日、本件掲示場所に本件掲示物及び組織情報一六号が掲示されているのを見た被告三好は、訴外阿部に対し、これをバインダーから取り外すよう求めたところ、訴外阿部において両方の掲示物を取り外したが、その後同日中に、訴外阿部は、本件掲示物については、再度これを本件掲示場所のバインダーに挟んで掲示した。
3 争点
(1) 被告三好の行為の違法性の有無
(2) 被告組合の使用者責任の存否
(3) 原告の損害発生の有無
4 争点に関する当事者双方の主張
(1) 原告
ア 被告三好の違法行為
(ア) 被告三好は、平成一一年七月二五日午前一一時五〇分ころ、本件掲示物を本件掲示場所のバインダーからはぎ取り、品川車掌区区所内事務室において訴外会社の業務に従事していた訴外阿部に対し、「何でこれを貼ったんだ」と言いながら、本件掲示物を丸めて同人に投げつけた。
原告が本件掲示場所に本件掲示物を掲示することは原告の正当な活動であることはいうまでもないことであるところ、被告三好の行為は、その記載内容を不満として原告の活動を一方的かつ暴力的に妨害、威嚇及び侮辱するものであり違法である。
(イ) 本件掲示物不掲示の合意の不存在
被告らは、訴外阿部が被告三好に対し、本件掲示物の記載の根拠を説明するまでは掲示しない旨を約束した旨主張するが、訴外阿部がそのような約束をした事実はない。
(ウ) 違法性阻却事由の不存在
被告らは、被告三好の行為は、自力救済禁止の例外、正当防衛又は応酬行為に当たり違法性が阻却される旨主張するが、原告は、根拠に基づいて事実を記載した本件掲示物を掲示したものであり、これに対し、実力で本件掲示物をはぎ取り、丸めて訴外阿部に投げつけた被告三好の行為が、自力救済禁止の例外や正当防衛に該当して違法性が阻却されるということはできない。
イ 被告組合の使用者責任
被告三好は、被告組合分会青年部長の地位にあった者であるが、同分会は、被告組合の下部組織であり、分会青年部は、分会規約に基づいて設けられ分会青年部部則に従って運営される被告組合の機関である。そして、青年部長は、同部則において、青年部を代表しこれを総括する代表者として、被告組合の運動方針に従って被告組合のために活動することを任務とする者であるから、青年部長は、被告組合の指揮監督の下に被告組合のために活動する者ということができるのであって、被告組合がその事業のために使用する者に該当するというべきである。
しかも、被告組合は、かねてからその運動方針として、「原告解体の闘い」を掲げて原告に対して組織破壊を企図した多種多様な行動を繰り返してきたものであるが、被告三好は、分会青年部長として被告組合の運動方針に従い、その実践活動として本件掲示物のはぎ取り行為に及んだものであるから、被告三好の行為は被告組合の事業の執行につきされたものであるといえ、被告組合は被告三好の行為につき、原告が被った損害を賠償すべき義務がある。
ウ 原告の損害
本件掲示場所を使用して原告が行う文書掲示活動は、原告組合員はもとより、原告に所属しない訴外会社従業員に対しても原告の運動方針や活動状況を伝えてその理解を得るという極めて重要な意味を持つ組合活動である。
被告三好が原告名義の本件掲示物の記載内容を不満としてこれをはぎ取り、丸めた上、掲示責任者である訴外阿部に投げつけた行為は、原告の組合活動に対する一方的かつ暴力的な妨害、威嚇及び侮辱で、原告の組合活動を妨害するものであることは明らかであり、原告の役員及び組合員に深刻な不安感を与えたものである。
しかも、被告組合分会は、原告分会からの抗議に対して、被告組合掲示板に文書を掲示して原告組合を誹謗中傷した上、被告三好の行為の正当性を強弁し、何ら陳謝又は反省の意を表明しなかった。
これら被告らの行為により、原告が被った損害は、金銭的に評価すれば五〇〇万円を下らない。
エ よって、原告は、被告らに対し、共同不法行為に基づく損害賠償請求として五〇〇万円及びこれに対する不法行為の日である平成一一年七月二五日から支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。
(2) 被告ら
ア 被告三好の違法行為の不存在
(ア) 被告三好は、後記(イ)のとおり、訴外阿部が本件掲示物を掲示しないことを約束したにもかかわらず、平成一一年七月二五日午前一一時五〇分ころ、本件掲示物が再度掲示されているのを発見し、品川車掌区区所内の入出金機前で入金処理作業をしていた訴外阿部に対し、本件掲示物をはがすよう求めたが、同人に応じる様子がなかったため、被告三好において、本件掲示物を本件掲示場所のバインダーから取り外し、訴外阿部のところへ戻り、再掲示しない約束を一方的に破棄されたことに憤りを感じながら、訴外阿部に対し本件掲示物を示して念を押すように「はがせ。わかったか」と言ったところ、訴外阿部とその場に居合わせた原告分会書記長の町田治(以下「訴外町田」という)が、「お前、勝手にはがしたのか。何てことする。問題だぞ」などと挑発的にはやし立てたため、被告三好は、怒りの余り、思わず手にしていた本件掲示物を丸め、訴外阿部の前の作業机上にこれを放り投げたものであって、これは、あくまでも訴外阿部個人に対する憤慨の感情から突発的かつ付随的に発生したもので、訴外阿部からの違法な攻撃に対する反撃としてされたものであるから、原告に対する不法行為は成立しない。
(イ) 本件掲示物不掲示の合意
同年七月二四日昼すぎころ、本件掲示物及び組織情報一六号が本件掲示場所に掲示されているのを発見した被告三好は、掲示責任者である訴外阿部に対し、両掲示物の「革マル派」に関する記載の根拠を問いただしたが、同人は、自分は休み明けで出勤したばかりであり、両掲示物を誰が貼ったものかもわからないと返答したため、被告三好が、「革マル派」に関する記載の根拠を説明するまでは両掲示物をはがして欲しいと依頼したところ、訴外阿部は、これに応じて自ら本件掲示場所のバインダーに挟まれていた両掲示物を取り外すとともに、被告三好に対し、記載の根拠を説明するまでは掲示しない旨を約束した。
被告三好は、訴外阿部が本件掲示物の撤去につき同意したにもかかわらず、約束が履行されなかったため、約束違反を理由に、相当な手段としてバインダーから本件掲示物を撤去したものである。
(ウ) 自力救済禁止の例外、正当防衛又は応酬行為としての違法性阻却
〈1〉 自力救済禁止の例外としての違法性阻却
被告三好の行為は、自力救済禁止の原則の例外となる要件である、請求権が存在しその保全を目的とすること、緊急性が存在すること及び手段の相当性が存在することの三要件を満たすものであり、違法性が阻却される。
原告に対する請求権としては、本件掲示物が虚偽の事実を記載したものでその内容が被告組合の社会的評価を著しく低下させるものであることから、被告組合は原告に対し名誉毀損に基づく本件掲示物掲示差止請求権を有し、また、被告三好と訴外阿部の間において、訴外阿部が本件掲示物の記載の根拠が分かるまでは本件掲示物を再掲示しない旨の合意がされたことに基づき、合意に基づく掲示の差止めを請求する権利を有する。
そして、本件掲示場所は、訴外会社の品川車掌区に勤務する従業員が毎出退勤時に着替えを行うロッカー室の壁面に設置されており、掲示場所の掲示物は、同室を利用する従業員がいつでも自由に閲覧することができるから、掲示物がわずか数日間でも掲示されれば、その掲示目的は達成され、その名誉毀損ないし侮辱的記載内容は、同室を利用する従業員の大多数の知るところとなり、損害が拡大し、他方、裁判所に対し掲示差止の仮処分等の法的救済を求めても、その発令・執行までに掲示目的は達成されてしまい、被告組合の損害が回復不可能になってしまうことは明らかであり、公の救済によっていたのでは被告組合の請求権の実現は不能となるか、または著しく困難となるおそれがあったといえるから、本件掲示物の掲示の差止めには緊急性が存在し、被告三好の行為が、前記差止請求権の保全を目的として行われたことも明らかである。
さらに、被告三好は、訴外阿部が根拠を明らかにするまでは再掲示しないとの約束をしたにも関わらず、翌日被告三好に何らの説明もしないまま合意を一方的に破棄して本件掲示物を再掲示しため、被告組合に対する損害拡大の危険が明白に切迫していることを認識し、訴外阿部に対し再度掲示の中止を口頭で申し入れたが、訴外阿部の態度から任意に掲示を中止させることは困難であると判断し、やむを得ず本件掲示物を自ら取り外したものであり、かつ、被告三好の取り外し行為は、単にバインダーの金具部分に挟まれた本件掲示物を取り外したというものにすぎず、何ら掲示物及び掲示場所を破損・汚損するものではないから、自救行為の手段として最小限であり相当性を有する。また、被告三好は取り外した本件掲示物を丸めて訴外阿部の前の作業机の上に放り投げているが、これは訴外阿部らの被告三好を挑発するような言動にその行為を招いた一端があり、本件掲示物は単なるB4のコピー用紙に印刷された一枚のビラにすぎず、それ自体の財産的価値が乏しい上、本件掲示物を広げ伸ばしてコピーをとれば、ただちに同一内容のビラを再度掲示することは容易であり、本件掲示物の掲示により被告組合が被る社会的信用の低下というきわめて重大かつ回復困難な損害に比して、原告組合側の受ける不利益は非常に軽微かつ回復容易といえる。
以上の事情を総合的に勘案すれば、被告三好の行為は、社会通念上許容されるものとして、違法性を阻却されるというべきである。
〈2〉 正当防衛としての違法性阻却
被告三好の本件掲示物撤去行為は、虚偽の事実を記載した本件掲示文書による違法な非難(不法行為)に対し、被告組合の団結、活動及び名誉という法律上保護されるべき正当な利益を防衛するためなされたものである。そして、本件掲示物は、性質上短期間掲示されることで、その目的を達するし、被告組合が訴えを提起して本件掲示物の撤去を求めることは、その審理期間及びコスト等から無理があり、原告の不法行為を排除し、回避するためにはこれを撤去するしか適切な方法がなかったため、被告三好は、やむを得ず撤去を行ったものであり、被告三好の行為は正当防衛として違法性が阻却される。
〈3〉 応酬行為としての違法性阻却
自己の正当な利益を擁護するためにやむを得ず他人の名誉、信用を毀損するがごとき言動をしても、かかる行為はその他人が行った言動に対比して、その方法、内容において適当と認められる限度をこえない限り違法性を欠くとされているが、これは正当防衛とは別の応酬行為に関する自力救済的違法性阻却事由を認めたもので、正当防衛の要件が緩和されたものである。被告三好の行為は、「他人の名誉、信用を毀損するがごとき言動」ではない事実上の行為であるが、先行する原告の違法行為に対してされた応酬行為に当たり、違法性が阻却される。さらに、組合運動における応酬は相互の批判活動によってその決着をつけるべきであり、裁判所が立入ってその当否を判断することはできるだけ避けるべきであり、その当否は組合員などが判断すべき事柄であって、このように解することが労働組合の民主的発展に資するのみならず、訴訟合戦の弊害を防ぐことになるものであって、この点からも一定範囲の応酬的活動は許容されるというべきものである。
イ 被告組合の使用者責任の不成立
被告三好は被告組合分会の青年部長であったが、青年部長は被告組合分会規約上、分会の役員ではない上、分会の執行委員会の議決権もなく、被告組合の規約上の役員でもないのであり、被告三好と被告組合との関係は、一般組合員との関係と同様で、被告組合が被告三好に対し指揮監督する立場にないから、被告組合は被告三好のした行為につき使用者責任を負わない。
ウ 原告の損害の不発生
被告三好の行為は訴外阿部個人に向けられたものであつて、原告の組合活動に対する「妨害、威嚇、侮辱」とはなり得ず、原告組合に損害が発生したということはできない。しかも、本件掲示物自体の財産的価値はほとんどないに等しい上、掲示場所から外されて丸められたとはいえ、本件掲示物自体はその効用を失っていないのであるから、訴外阿部らにおいて本件掲示物を伸ばして広げるか、あるいはこれをコピーして同一内容の掲示物を用意して再度本件掲示場所のバインダーに挟み直せばよいことであり、本件行為によって原告組合には何ら損害は発生していない。
第三 争点に対する判断
1 証拠(略)及び弁論の全趣旨によれば以下の事実が認められる。
(1) 原告は、原告の組合活動の紹介、宣伝及び報告等を行うための広報活動(いわゆる教宣活動)の一環として機関紙である「東日本鉄産労」を月一回程度発行し、また組織に関わる情報を「組織情報」として各年ごとの通し番号を付して月に一回程度の頻度で発行している。
(2) 公安調査庁は、同庁が作成した平成一一年一月版「内外情勢の回顧と展望」と題する印刷物(書証略。以下「回顧と展望」という)を平成一〇年一二月末に発表したが、これには、「革マル派は、(中略)労働運動の分野では、最大の牙城といわれるJR東労組において、今夏開催の同労組中央本部・地本定期大会で、同派系労働者多数が組合執行部役員に就任するなど、同労組への浸透が一段と進んでいることを印象付けた」との記載がされており、この記載に関し、平成一一年一月七日、当時の運輸事務次官が、記者会見において「公安調査庁として、ここまで踏み込んで書かれたということは、たぶんそれなりの確信があった上での、確証があった上での話かと思っておりますんで」との発言をした(書証略。以下「次官発言」という)。
(3) 被告組合が加盟しているJR総連は、法務大臣に対し、平成一一年二月付け「公安調査庁による不法行為に関する申入れ」と題する文書により、JR総連と競合関係にある労働組合は、「回顧と展望」の発表及び次官発言の直後から、JR総連とその傘下組織への攻撃を意図して、「JR東労組=革マル派で公式見解」、「公安調査庁が部外配布資料で明示」、「運輸事務次官が記者会見で懸念」などと記した情報の配布、掲示の掲出を行った等として、国家機関によって行われた正当な労働組合活動を阻害する不法・不当な行為に厳重に抗議するとともに、記述の根拠の明示及び謝罪の上撤回することについて責任ある対応を行うよう申入れを行い、さらに、公安調査庁に対し、同庁に赴いた上で口頭による抗議の申入れも行った(書証略)。
(4) 被告組合の機関紙「緑の風」の平成一一年二月一五日付け発行分の一面の記事として、二月に開催された被告組合の第二一回定期中央委員会では、運輸省・公安調査庁と国労・JR連合などによる「JR東労組=革マル」大キャンペーンを粉砕することなどが課題となっていたが、「JR東労組=革マルキャンペーンを通じたJR東日本労使への弾圧・破壊攻撃」に関しては、抗議の特別決議を満場一致で採択し、「一切の組織破壊を許さず、正義の闘いを、これまで以上に推し進めることを明らかにした」旨の報告内容が記載されていた(書証略)。
また、同紙一面には、第一四回全支部青年部長会議において、青年部長が冒頭に、「多くの怪文書が出回る中でブラブラ連合、権力者の攻撃には屈しない。春のたたかいの中で、国労・JR連合の解体を推し進めていく」との挨拶を行ったとし、「青年部組織を更に強化・拡大させるために「今、何をすべきなのか」を自らが明らかにし、向こう半年間のたたかい(当面、春のたたかい)を職場からつくりだすために、支部青年部が職場に入り、分会で議論をつくりだすことを確認し、会議を終了しました」とする記事も掲載されていた(書証略)。
同年三月一日付け「緑の風」にも、「いま我々は、従来にない卑劣で不当な組織破壊攻撃を受けている。権力機構たる公安調査庁と運輸省、これに連なるブラブラ連合による東労組=革マルキャンペーンだ」との記事が記載されていた(書証略)。
なお、ブラブラ連合とは、被告組合内において、JR連合加盟組合及び国労を総称するものとして使用されている用語である。
(5) 被告組合は、東京地方本部執行委員長作成にかかる平成一一年三月三日付けの「公開討論に関する申し入れ」と題する書面により、原告東京地方本部に対し公開討論を申し入れたが、その討論申入れ対象事項五として、「私たちJR東労組は、革マル派とは全く無関係な組織である。東日本鉄産労とJRグリーンユニオンは「JR総連・JR東労組=革マル」キャンペーンを展開しているが、何をもって革マルというのかその根拠を明確にされたい」ことを掲げていた(書証略)。
(6) 被告組合東京地方本部発行にかかる平成一一年五月一日付け「JR東労組東京」第一四二号の二面には、「今、JR連合、鉄産労、グリーンユニオン、国労が一体となり東労組破壊攻撃をかけているが私たちは一歩も引かず職場から運動を展開し、組織の強化と拡大を勝ちとっている。権力側の手先になった連中の役割は、「東労組=過激派」キャンペーンをするのみであり、労働者の幸せなど全く考えていないのである」との記載がされていた(書証略)。
(7) 原告組織部が平成一一年四月から六月にかけて発行した「組織情報」のうち、同年四月六日付け「No.一二」には、国会において衆議院議員が提出した質問主意書について、「「革マル派非公然アジト捜査結果の内容公開に関する質問主意書」提出される!質問主意書の骨子(中略)今回の公安調査庁の「内外情勢の回顧と展望」報告書によれば、JR東労組は革マル派の牙城とされている。この点は確信するに足りる根拠があると思うが如何か」との記事が、同年五月一九日付け「No.一四」には「四月国会に「革マル派非公然アジト捜査結果の内容公開に関する質問主意書」が提出され、政府は「内閣衆質一四五第二二号」で答弁書を送付した。(中略)「内外情勢の回顧と展望」の内容は、公安調査庁による破壊的団体の規制に関する調査に基づいたものであって、同紙の革マル派に関する記述についても、その一環として同派の労働運動の分野における動向を調査した結果得られた各種の情報、資料を根拠にしたものである(中略)と答弁している。JR東労組への革マル派の浸透とは、単に一企業の労働組合の組織の在り方を問うものではない」との記事が、及び同年六月九日付け「No.一五」には「JR東労組役員が自ら「革マル派」と表明」、「我々が意図的に「JR東労組=革マル派」キャンペーンを展開していると主張しているJR東労組の役員自らが「革マル派」と名乗」ったとする記事がそれぞれ記載されていた(書証略)。
(8) 被告組合は、平成一一年六月二二日から二四日にかけて行われた被告組合の第一五回定期大会資料に、「回顧と展望」及び次官発言をJR連合及び国労が資料として、さらなる被告組合イコール革マル派キャンペーンが行われている状況にある旨の記載をしていた(書証略)。
(9) 平成一一年七月二四日午後三時過ぎころ、訴外阿部は、二日間の休日の後、泊まり勤務のため品川車掌区区所に出勤し、着替えのためロッカー室に入ったところ、被告三好から掲示物のことで話があると言われ、本件掲示場所において、本件掲示物及び組織情報一六号に革マルのことが記載されているがこれは何だと言われ、同人から両掲示物を撤去するよう求められた。訴外阿部自身は勤務のローテーションの関係で、両掲示物の内容を把握していなかったため、バインダーに四、五枚挟んであった掲示物のうち、本件掲示物及び組織情報一六号を取り外し、その場で黙って内容を見た上、確認のためそのまま本件掲示場所から持ち出したが、その際、被告三好に対してとくに発言はしなかった。
訴外阿部は、その後同日中に、訴外町田に本件掲示物の掲示について相談をした上、掲示を継続することとして、そのころ、本件掲示物を本件掲示場所に再掲示した。
(なお、被告らは、同日、訴外阿部が、被告三好との間で、「革マル派」に関する記載の根拠を説明するまでは両掲示物を掲示しないことを合意した旨主張するが、これに沿う被告三好作成の陳述書及び同人の供述は存在するものの、客観的な裏付けを欠き、前記認定のとおり被告組合と深刻な対立関係にある原告の分会長としての立場にあり、掲示物の掲示責任者である訴外阿部が、被告組合分会の青年部長である被告三好の要求があるからといって、根拠を説明しない限り原告作成の掲示物を掲示しないというような合意をしたとすることには合理性がなく、かえって、被告三好と訴外阿部のやりとりに近接した時期に作成された被告組合分会執行委員長作成名義の平成一一年七月三一日付け「鉄産労品車分会の「掲示物の破損等に対する抗議と謝罪要求の申し入れ書」に対する経過と我が分会の見解と姿勢について」と題する書面(書証略)には、七月二四日及び翌二五日の経緯に関し、被告三好が、訴外阿部に対し、どういう根拠で貼ったのか明らかにするよう求め、さらに分会長として分からない掲示物ははがすよう求めたところ、結局、訴外阿部は自らその掲示物をはがしたにもかかわらず翌日七月二五日に再度その掲示物が貼り出されたとする事実関係が記載されているのみで、原告からの抗議及び謝罪要求に対する反論として本件掲示物の取り外しの経緯を詳細に記載しているはずの同書面に、訴外阿部が不掲示の合意をしたことについて何ら記述がないことに照らしても、前記合意がされたとする被告らの主張を採用することはできない。また、訴外阿部においては、前記認定のとおり、とくに積極的な発言をしないまま、本件掲示物をバインダーから取り外したものと認められるが、これは、出勤後間もなく、内容を把握していない掲示物に関し、その撤去を強く求められた同人が、予定していた買い物等の用事を済ませて勤務に就くためにとりあえず両掲示物を取り外し、後に確認の上、問題を解決しようとしたにすぎないものというべきであり、訴外阿部の行為をもって黙示の合意が成立したと認めることもできない)
(10) 翌二五日午前一一時四〇分ころ、訴外阿部は、朝の乗務を終えた後、品川車掌区区所内の入出金機前の売上金準備締切用テーブルで、ポス端末整理及び売上金の締切業務を行っていたところ、本件掲示物が再度掲示されているのを発見した被告三好が、午前一一時五〇分ころ、本件掲示物をバインダーから取り外してこれを手に持って訴外阿部のところに近づき、同人に対して、何でまた貼ったのかと強い語調で詰問した。これに対し、その場に居合わせた訴外町田が、何でそれを持ってきたんだと述べ、訴外阿部は、自分は勤務中だ、勤務中に組合活動をしていいのかなどと言ったところ、被告三好は、関係ないなどと言って、手に持っていた本件掲示物を丸めて訴外阿部に投げつけた。訴外阿部は、テーブルの横に落ちた本件掲示物を拾い、時計を見て、「一一時五〇分現認」、「警察沙汰になるぞ」等と述べた。
(なお、被告らは、再掲示を発見した被告三好が、いったんは訴外阿部に対し合意のとおり撤去するよう口頭で求めたが、これに訴外阿部が応じなかったためにやむなく被告三好自ら本件掲示物を取り外したものであると主張し、これに沿う証拠も存在するが、訴外阿部において不掲示の合意をした事実が認められないことは前記のとおりであり、かつ、いったん訴外阿部に対し口頭で撤去するよう求めた事実についても、やりとりに近接して被告組合分会が作成した書面にそのような経緯は全く記載されていないのであり、被告三好がいったん口頭で撤去を求めた事実を認めるには足りない)
(11) 被告組合分会の「JR東労組品川車掌区分会規約」には次のとおりの規定がされている(書証略)。
「(組合員)
第四条 分会員は、JR品川車掌区に所属する社員、及びJR東労組本部規約に定められた組合員で組織する。
(組合員の義務)
第八条 組合員は、次の義務を負う。
(1) 綱領・規約・諸規則及び機関の決定に従うこと。
(2) 定められた組合費・臨時組合費等を納入すること。
(その他の機関)
第一五条 分会の下部機関として業務関係に次の会を置く。
(1) 運転会
(2) 客専会
(3) 内勤会
第一六条 分会に青年部を置く。青年部は、満三二才未満の男子組合員及び婦人で組織し、この規約の範囲内で自主的に創造的な活動を行う。
(会・青年部規約)
第三一条 各会・青年部及びその他分会の各機関は、この規約に反しない限り自主的に、規則を設けることができる」
(12) 被告組合分会青年部の「品川車掌区分会青年部部則」には次のとおりの規定がされている(書証略)。
「第三条(目的)
青年部は、綱領・規約・運動方針に沿って、青年部員がJR東労組の自覚を高め、その組合員として積極的に行動するため、啓発活動ならびに青年としての自主的な諸活動を行います。
第五条(機関)
この青年部に次の機関を置きます。
〈1〉 総会
〈2〉 常任委員会
第六条(総会)
総会は、この青年部の常任委員・青年部員で構成し、年一回の分会執行委員会の同意を得て青年部長が招集します。(以下略)
第一〇条(役員)
この青年部に次の役員を置きます。
〈1〉 青年部長 一名
〈2〉 副青年部長 若干名
〈3〉 事務長 一名
〈4〉 常任委員 若干名
第一一条(役員の任務)
〈1〉 青年部長は青年部を代表し、これを総括します。
(以下略)」
(13) 被告組合東京地方本部品川支部作成にかかる平成一一年一〇月ころ発行された「ネットワークしながわ」の「No.一二」には、同年一〇月八日に開催された品川車掌区分会主催による集会において、来賓である被告組合本部柚木委員長が「JR東労組を愛するが故に鉄産労に向き合った三好君に拍手を送りたい」と述べ、同じく来賓として地本石川委員長が「三好君のとった行為は正しい行為だ、労組として守り、支援し、最後まで闘う」との発言をした旨の記載がされており、同じく「ネットワークしながわ」の「No.一四」には、「組織を思い、仲間を大切にする 三好青年部長《怒りの胸中、激白》」として、「東日本の民主化」と称して、鉄産労を始めとするJR連合は組合費の臨時徴収をし、また、多くの仲間が平和行動に参加している最中、鉄産労の掲示が貼られ、非常に頭にきた、多くの仲間と共に、JR連合とそれに連なる国労を解体していく旨が被告三好の発言要旨として記載されていた(書証略)。
2 以上認定した事実により以下に検討する。
(1) 被告三好の行為の違法性について
ア 前記認定のとおり、被告三好は、平成一一年七月二五日午前一一時五〇分ころ、原告分会が本件掲示場所に掲示していた本件掲示物をバインダーから取り外した上、原告分会長であった訴外阿部に対し、丸めて投げつけた事実が認められる(以下、本件掲示物を取り外し、丸めて投げつけた行為を「本件行為」という)。
そして、前記認定のとおりの経緯で被告三好が行った本件行為は、原告が組合活動の一環として行った掲示物の掲示による表現活動に対する妨害行為に該当するというべきものである。
イ そこで、被告三好が原告の掲示物の掲示を妨害した本件行為が違法といえるか否かに関し、本件掲示物の記載内容が真実であるか否か又は本件掲示物の掲示が被告組合に対する違法行為に該当するか否かはさておき、被告三好の行為が、自力救済禁止の例外、正当防衛又は応酬行為に該当するものとして違法性が阻却されるかどうかについて以下に検討する。
前記認定事実の下では、原告と被告組合との間において、平成一〇年一二月末の「回顧と展望」の発表及びその後の次官発言を一つの契機として、平成一一年二月以降、原告が、被告組合は革マル派系労働者が執行部役員となるなど過激派組織と関連の深い組合であるとの指摘を機関紙等で繰り返し行い、これに対し、被告組合は、定期大会又は機関紙等において、原告を含むJR連合加盟組合らによる革マル派と被告組合を関連づける主張はJR東労組イコール革マル派とするキャンペーン活動の様相を呈しているとし、これに対抗して原告及びJR連合の解体を進めることを強く主張するなど、相互に非難及び抗議の応酬を繰り返す深刻な対立闘争関係にあったものといえる。
ところで、原告分会が、平成一一年七月一六日、訴外会社から本件掲示場所の指定を受けた後間もない同月二四日及び二五日に掲示した本件掲示物について、被告三好がその内容を見とがめて訴外阿部に対して行った撤去要求及び本件行為は、上記のとおり、原告と被告組合間で同年当初から継続している抗議活動と同一趣旨のものであって、被告三好においては、被告組合から示されているJR東労組イコール革マルキャンペーンに抗議するとの運動方針に則り、本件行為を行ったものと認められる。
しかしながら、他方、本件掲示物の記載内容自体も、同年当初から数か月にわたって原告が繰り返し行ってきた内容の主張と同一趣旨のものであって格別新しいところはなく、被告組合が革マル派と関連の深い組合であるとする主張及びその旨が記載された掲示物の掲示は、前記認定のとおり、原告が本件掲示物の掲示以前にも重ねて行ってきたものであるのみならず、原告以外のJR連合加盟組合又は国労においても、同様の主張及び掲示物の掲示等を繰り返し行ってきている状況にあった事実が認められる。
そうすると、本件行為の時点においては、品川車掌区区所における原告の掲示物の掲示自体はまだ目新しい状態であったとしても、掲示された本件掲示物の記載内容は、平成一一年当初以来の原告の主張の繰り返しというべきものであり、また、被告組合分会青年部長である被告三好も、原告の従前の被告組合に対する革マル派に関する主張は十分に承知していたものと認められるから、被告三好が本件掲示物を自力で撤去した本件行為は、自力救済の要件としての、法律に定める手続によったのでは権利に対する違法な侵害に対抗して現状を維持することが不可能又は著しく困難であると認められる緊急やむを得ない特別の事情が存する場合であることとの要件を欠き、また、正当防衛又は応酬行為についても、その要件である侵害の急迫性の要件を欠くものといわざるを得ない。さらにまた、本件掲示物は、原告本部が発行し、各下部組織に掲示用等として印刷・配布された「組織情報」であることから、その性質上、原告分会限りで掲示されたものでないことは容易に推察されるところであり、訴外会社の品川車掌区区所においてのみ被告組合員がこれを自力で撤去することが自力救済、正当防衛又は応酬行為として合理的であるということはできないところである。
ウ 結局、被告組合は、不当な内容であるとする原告の本件掲示物の掲示に対しては、事実を挙げて反論するなど言論による反駁を行うか、もしくは法による救済を求めるべきであり、もし仮に、本件行為のごとき実力による他組合の掲示物の撤去について広く違法性の阻却が許容されるようなことになれば、労働組合の中心的な活動の一つである宣伝活動について、対立する組合相互間で掲示物の取り外し合いが頻発するような事態も招来しかねないところであり、被告三好が前記認定の事実関係の下でした本件行為についても、これが、自力救済、正当防衛又は応酬行為に該当することを認めることはできないというべきである。
(2) 被告組合の使用者責任について
前記認定のとおりの被告組合分会規約及び同分会青年部部則の規定によれば、分会は被告組合の組合員で組織する被告組合の下部組織であり、分会青年部は、分会規約に基づいて設けられ、分会青年部部則に従って運営される被告組合の機関である。そして、青年部長は、分会青年部部則において、青年部役員で、青年部を代表しこれを総括する地位を有する旨指定されている者であり、被告組合の運動方針に従って被告組合のために活動することを任務とする者といえる。
また、被告組合と分会青年部長である被告三好との間では、被告三好が被告組合の組合員として加入をした契約関係に基づき、被告三好が組合規約に基づく統制に従って行動すべきこととなり、被告組合は組合員に対する指揮権又は統制権として、被告三好に対し、直接又は間接の指揮監督関係を有しているものと認められる。
したがって、本件行為が被告組合の組合活動など被告組合の事業の執行につきされたものと認められるときは、被告組合は民法七一五条に定める使用者責任を負うというべきところ、前記のとおり、本件において被告三好は、被告組合分会の青年部長として、被告組合のJR東労組イコール革マルキャンペーンに抗議するとの運動方針に則り、組合活動の一環として本件掲示物の撤去を要求し、さらに本件行為を行ったものと認められ、本件行為が被告三好の個人的な動機に基づいてされたものではないことは、被告組合及び原告の機関紙等の記事の記載内容及び被告三好が本件行為に至った経緯及びその後の原告及び被告組合の対応等からも明らかであるから、被告組合が被告三好に対し本件行為の遂行を具体的に指示又は援助等をしたことがなかったとしても、被告組合は本件行為について被告三好の行為に関する使用者責任を基礎づける指揮監督関係を有していたと認められ、被告三好の本件行為は被告組合の事業の執行につきされたものというべきである。
よって、被告三好が行った本件行為につき、被告組合は、原告が被った損害を賠償すべき義務があると認められる。
(3) 原告の損害について
前記認定したところに基づいて判断すれば、被告三好のした本件行為により、原告は、労働組合としての中心的な活動の一つである掲示の方法による組合活動の宣伝・報告等の表現活動に対する妨害行為を受けたものと認められ、これにより、法人である原告は、掲示物の掲示を行う主要な組合活動の自由を侵害されたものといえるが、原告が被告三好の本件行為によって権利侵害を受けたことによる非財産的損害の損害額としては、被告三好の行った本件行為の態様、行為の期間、違法性の程度、被告三好の主観的要素その他本件行為後本件訴訟提起に至る経緯等本件に現れた諸般の事情を総合的に勘案すれば、これを一〇万円とするのが相当というべきである。
(4) よって、被告組合及び被告三好は、民法七〇九条、七一五条、七一九条及び七一〇条により、原告が被った損害一〇万円を連帯して賠償すべき義務があると認められる。
3 以上のとおりであるから、原告の請求は、主文掲記の限度で理由があり、仮執行宣言は相当でないからこれを付さないこととし、主文のとおり判決する。
(裁判官 矢尾和子)
別紙(略)
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