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裁判年月日 令和 4年 3月22日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平30(ワ)23711号・平30(ワ)26786号
事件名 損害賠償等請求事件、業務委託料請求事件
文献番号 2022WLJPCA03228011
出典
裁判年月日 令和 4年 3月22日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平30(ワ)23711号・平30(ワ)26786号
事件名 損害賠償等請求事件、業務委託料請求事件
文献番号 2022WLJPCA03228011
平成30年(ワ)第23711号 損害賠償等請求事件(第1事件)
平成30年(ワ)第26786号 業務委託料請求事件(第2事件)
東京都渋谷区〈以下省略〉
第1事件原告・第2事件被告 株式会社エムケイプロジェクト(以下「原告MKP」という。)
同代表者代表取締役 A
東京都新宿区〈以下省略〉
第1事件原告 株式会社ビーシートラスト(以下「原告BCT」という。)
同代表者代表取締役 B
大阪市〈以下省略〉
第1事件原告・第2事件被告 医療法人社団三幸美咲会(以下「原告三幸美咲会」という。)
同代表者理事長 C
東京都中央区〈以下省略〉
第1事件原告 医療法人社団愛友会(以下「原告愛友会」という。)
同代表者理事長 D
上記4名訴訟代理人弁護士 栄枝明典
同 伊藤彩
同訴訟復代理人弁護士 岩井大亮
東京都府中市〈以下省略〉
第1事件被告・第2事件原告 株式会社M.K.T(以下「被告MKT」という。)
同代表者代表取締役 Y1
東京都府中市〈以下省略〉
第1事件被告・第2事件原告 株式会社H&S(以下「被告H&S」という。)
同代表者代表取締役 Y1
東京都府中市〈以下省略〉
第1事件被告 Y1(以下「被告Y1」という。)
上記3名訴訟代理人弁護士 網野精一
同訴訟復代理人弁護士 古川せひろ
主文
(第1事件の主位的請求について)
1 別紙第1事件の主位的請求認容額等一覧表「被告」欄記載の各被告及び被告Y1は、同表「原告」欄記載の各原告に対し、連帯して、同表「認容額」欄記載の金員及びこれに対する同表「遅延損害金起算日」欄記載の日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(第1事件の予備的請求2について)
2 被告MKTは、原告MKPに対し275万円、原告BCTに対し100万円及びこれらに対する平成30年8月26日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(第2事件について)
3 原告MKPは、被告MKTに対し、699万8266円及びうち396万3820円に対する平成30年6月1日から、うち303万4446円に対する同年7月1日から各支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
4 原告MKPは、被告H&Sに対し、11万4170円及びうち5万7085円に対する平成30年6月1日から、うち5万7085円に対する同年7月1日から各支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
5 原告三幸美咲会は、被告H&Sに対し、455万8076円及びうち270万6291円に対する平成30年6月1日から、うち185万1785円に対する同年7月1日から各支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
(第1事件及び第2事件について)
6 第1事件に係る原告MKP、原告BCT、原告三幸美咲会及び原告愛友会のその余の請求並びに第2事件に係る被告MKT及び被告H&Sのその余の請求をいずれも棄却する。
7 訴訟費用の負担は、第1事件及び第2事件を通じ、次のとおりとする。
(1) 原告MKPに生じた費用の100分の97、被告MKTに生じた費用の100分の65、被告H&Sに生じた費用の100分の9、被告Y1に生じた費用の100分の49を原告MKPの負担とする。
(2) 原告三幸美咲会に生じた費用の100分の96、被告MKTに生じた費用の100分の9、被告H&Sに生じた費用の100分の69、被告Y1に生じた費用の100分の27を原告三幸美咲会の負担とする。
(3) 原告BCTに生じた費用の100分の99、被告MKTに生じた費用の100分の24、被告H&Sに生じた費用の100分の19、被告Y1に生じた費用の100分の23を原告BCTの負担とする。
(4) 原告愛友会に生じた費用の100分の73を原告愛友会の負担とする。
(5) 原告MKPに生じた費用の100分の2、原告三幸美咲会に生じた費用の100分の2、原告BCTに生じた費用の100分の1、被告MKTに生じた費用の100分の2を被告MKTの負担とする。
(6) 被告H&Sに生じた費用の100分の3を被告H&Sの負担とする。
(7) 被告Y1に生じた費用の100分の1を被告Y1の負担とする。
(8) 原告MKPに生じた費用の100分の1、原告愛友会に生じた費用の100分の27を、被告MKT及び被告Y1の連帯負担とする。
(9) 原告三幸美咲会に生じた費用の100分の2を被告H&S及び被告Y1の連帯負担とする。
8 この判決は、第1項から第5項までに限り、仮に執行することができる。
事実及び理由
第1 請求
1 第1事件
(1) 主位的請求
別紙第1事件原告ら主張損害額一覧表の「被告」欄記載の各被告及び被告Y1は、同表の「原告」欄記載の各原告に対し、連帯して、同表の「損害額(合計)」欄中の「主位的請求又は予備的請求2」欄に記載の各金員及びこれに対する平成30年4月1日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(2) 予備的請求1
別紙第1事件原告ら主張損害額一覧表の「被告」欄記載の各被告及び被告Y1は、同表の「原告」欄記載の各原告に対し、連帯して、同表の「損害額(合計)」欄中の「予備的請求1又は予備的請求3」欄に記載の各金員及びこれに対する平成30年4月1日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(3) 予備的請求2
別紙第1事件原告ら主張損害額一覧表の「被告」欄記載の各被告は、同表の「原告」欄記載の各原告に対し、同表の「損害額(合計)」欄中の「主位的請求又は予備的請求2」欄に記載の各金員及びこれに対する平成30年4月1日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(4) 予備的請求3
別紙第1事件原告ら主張損害額一覧表の「被告」欄記載の各被告は、同表の「原告」欄記載の各原告に対し、同表の「損害額(合計)」欄中の「予備的請求1又は予備的請求3」欄に記載の各金員及びこれに対する平成30年4月1日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 第2事件
(1) 原告MKPは、被告MKTに対し、848万6253円及びうち431万9529円に対する平成30年6月1日から、うち341万1911円に対する同年7月1日から、うち75万4813円に対する同年8月1日から各支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
(2) 原告MKPは、被告H&Sに対し、11万4170円及びうち5万7085円に対する平成30年6月1日から、うち5万7085円に対する同年7月1日から各支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
(3) 原告三幸美咲会は、被告H&Sに対し、686万9633円及びうち371万425円に対する平成30年6月1日から、うち296万5490円に対する同年7月1日から、うち18万9891円に対する同年8月1日から各支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要
1 事案の要旨
(1) 原告MKP、原告BCT、原告三幸美咲会及び原告愛友会(以下「原告ら」という。)は、診療所等の運営に関するコンサルティング業務等を業務とする株式会社及び診療所等を運営する医療法人社団のグループである。被告MKT及び被告H&S(以下「被告会社ら」という。)は、原告らとの間で、広告業務を行う委託契約(以下「本件各業務委託契約」という。)を締結していた株式会社であり、被告Y1は、被告会社らの代表取締役である。
(2) 第1事件は、原告らが、被告会社ら及び被告Y1(以下「被告ら」という。)が広告業務を行う上での善管注意義務等に違反したことにより別紙第1事件原告ら主張損害額一覧表記載の各損害を被ったと主張し、①主位的請求として、被告らに対し、不法行為による損害賠償請求権に基づき、同表の「主位的請求又は予備的請求2」欄に記載の各金員及びこれに対する民法(平成29年法律第44号による改正前のもの。以下同じ)所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求め、②予備的請求1として、主位的請求の一部について、別途、不法行為による損害賠償請求権に基づき、被告らに対し、同表の「予備的請求1又は予備的請求3」欄に記載の各金員及びこれに対する同様の遅延損害金の連帯支払を求め、③予備的請求2として、被告会社らに対し、債務不履行による損害賠償請求権又は不当利得返還請求権に基づき、同表の「主位的請求又は予備的請求2」欄に記載の各金員及びこれに対する同様の遅延損害金の支払を求め、④予備的請求3として、予備的請求2の一部について、別途、被告会社らに対し、債務不履行による損害賠償請求権又は不当利得返還請求権に基づき、同表の「予備的請求1又は予備的請求3」欄に記載の各金員及びこれに対する同様の遅延損害金の支払を求める事案である。
(3) 第2事件は、被告会社らが、原告MKP及び原告三幸美咲会から平成30年4月分から同年6月分までの広告業務に係る業務委託料が支払われていないなどと主張し、原告MKP及び原告三幸美咲会に対し、本件各業務委託契約に基づき、総額1547万円余りの未払業務委託料及びこれに対する各弁済期の翌日から平成29年法律第45号による廃止前の商事法定利率による年6分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
2 前提事実(当事者間に争いのない事実並びに掲記証拠(枝番の記載がないものは枝番を含む。)及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)
(1) 当事者等
ア 原告MKPは、クリニック等の経営に関するコンサルティング業務等を目的とする株式会社であり、その代表取締役は、A(以下「A代表」という。)である(甲1)。原告MKPは、いわゆるメディカルサービス法人(MS法人)であり、原告三幸美咲会、原告愛友会、医療法人社団三幸会及び医療法人社団三幸音和会(以下「原告ら医療法人グループ」と総称する。)のために、広告業務等を行っている。
原告BCTは、経営コンサルティング業務等を目的とする株式会社である(甲2)。原告BCTは、原告MKPの関連会社であり、被告MKTと共に、原告ら医療法人グループのために広告業務等を行っている。
原告MKP及び原告BCTの業務は、事実上、両社の取締役会長であるE(以下「E会長」という。)が取り仕切っている(弁論の全趣旨)。
イ 原告三幸美咲会は、診療所の経営等を目的とする医療法人社団であり、○○梅田クリニック及び○○心斎橋クリニックを開設している(甲3)。
原告愛友会は、診療所の経営等を目的とする医療法人社団であり、△△クリニックを経営している(甲4)。
また、医療法人社団三幸会は、○○渋谷クリニック、○○新宿クリニック、○○池袋クリニック及び○○銀座クリニックを、医療法人社団三幸音和会は、□□新宿クリニック、□□大阪クリニック、□□名古屋クリニック及び□□福岡クリニックをそれぞれ開設している(争いがない)。
ウ 被告会社らは、いずれも広告の企画、立案、製作、実施等を目的とする株式会社であり、代表取締役は、被告Y1である(甲5、6)。
(2) 被告会社らの広告業務について
ア 原告らは、平成21年頃から、被告会社らとの間で、原告ら医療法人グループが運営する各診療所(以下「本件各診療所」という。)の広告業務を委託する内容の契約(本件各業務委託契約)を順次締結し、被告会社らは、以降、原告らのために広告業務を行ってきた(争いがない)。
イ(ア) 原告らの広告業務については、株式会社クインテット(以下「クインテット」という。)が広報全般のコンサルティングやリスティング広告を主に担当し、被告会社らは、ウェブサイトの開設とそれに対するSEO対策、画像広告、サテライトサイトの開設等の方法による広告業務を主に担当していた(甲39、証人F・8、9頁、弁論の全趣旨)。被告会社らにおいては、被告Y1が、これらの広告業務について、株式会社コミクス(以下「コミクス」という。)、株式会社DYM(以下「DYM」という。)、株式会社スリーエイチ(以下「スリーエイチ」という。)等の複数の広告代理店に発注して行っていた。
(イ) リスティング広告とは、グーグル等の検索エンジンの検索結果頁において、ユーザが検索したキーワードに関連した広告を掲載する広告手法であり、各キーワードでオークションが行われ、掲載単価が高いものから上位に表示される。1回クリックされるごとに費用が発生するクリック課金が一般的である。(弁論の全趣旨)
(ウ) SEO対策とは、検索エンジン最適化を意味し、ウェブサイトが検索結果においてより多く露出されるために行う一連の取組みのことを指す(甲40、弁論の全趣旨)。
(エ) 画像広告とは、インターネットを視聴しているときに割り込んで配信される別の広告主の画像の広告である(弁論の全趣旨)。
(オ) サテライトサイトとは、メインサイトとは異なるドメインを利用し、メインサイトのSEO対策や閲覧者増加を目的として立ち上げるウェブサイトである。検索エンジンが好むサテライトサイトを複数作成することにより、検索エンジンの検索結果で上位表示し、ビジネスに生かすことで売上増加に繋げるという広告戦略として用いられる。(弁論の全趣旨)
ウ 本件各業務委託契約においては、原告らは、被告会社らに対し、広告業務の実施月ごとに、翌月末までに、広告代理店に対する発注額に被告会社らの報酬(手数料)を上乗せした業務委託料を支払ってきた(弁論の全趣旨)。
(3) 本件各業務委託契約の終了
原告らは、平成30年5月末で被告会社らとの本件業務委託契約は終了したとして、被告会社らに同年4月分以降の広告業務の報酬を支払っていない(争いがない)。
3 争点及び当事者の主張
(1) 業務委託料の過大請求に関する損害賠償請求について
ア 被告らの不法行為又は債務不履行・不当利得の成否(争点1-1)
(原告らの主張)
(ア) 被告会社らが受領する報酬に関する合意等について
a 原告らと被告会社らは、本件各業務委託契約を締結した際、原告らと被告会社らとの関係に基づく相当額の報酬を支払う旨の合意をしていた。そして、被告Y1は、原告らの広告業務を担当するに際し、他社よりも廉価で行うことを約していたから、この相当額というのは、通常の相当額よりも低廉なものである。このことは、被告らは、原告らのハウスエージェンシーの立場にあったのであり、その役割に照らせば、内訳が不明確なまま高額な報酬が承認されることはないことによっても裏付けられる。
b そして、原告らと被告会社らは、平成30年2月、被告会社らの報酬をグロス(原告らに対する請求額に対する被告会社らの報酬の割合をいう。以下同じ。)で9%とする旨の合意(以下「本件報酬合意」という。)をした。また、本件報酬合意は、既に支払済みの報酬についての相当額を確認する趣旨を含むものであった。
c 仮に報酬についての具体的な合意がなかったとしても、被告会社らが相当額を超える報酬を請求することは許されない。
(イ) 報酬の相当額について
以下の事情等からすれば、被告会社らの報酬の相当額は、一般的な広告水準に照らしても、グロスで9%又は20%を超えることはない。
a 被告らが行っていた業務は、一般的な広告代理店業務ではなく、その実質は、ディレクション業務、すなわち実際に広告作成を行う業者への発注作業等の単純業務であった。一般のディレクション業務の報酬はグロスで9%以下であり、これより大きな報酬で合意することは広告業界の常識上あり得ない。
b 被告Y1は、平成21年3月まで勤めていた株式会社アーヴァンネット南十字社(現在は株式会社南十字社メディアソリューションズ。以下「南十字社」という。)で、原告らの広告業務を担当していた。E会長は、南十字社を退職した被告Y1に対し、廉価な報酬であれば広告代理店への広告の発注を依頼したい旨述べたのに対し、被告Y1はこれを承諾した。E会長は、南十字社の担当者であった被告Y1であれば、原告らの利益のため適切かつ誠実に広告発注業務を行い、他社に同様の業務を依頼するよりも費用が廉価に抑えられるとの期待があった。以上の経緯は、E会長と被告Y1との間で共通認識とされており、一般の広告代理店の広告業務を委託した場合の報酬を被告会社らに支払うことは想定されていなかった。
c 被告Y1は、原告らの広告業務を行うために被告会社らを設立したにすぎず、その実態としては、グループの一担当者として広告業務の発注を行っていたものである。
(ウ) 被告らの不法行為又は債務不履行・不当利得について
被告らの行為は、次のとおり不法行為(主位的請求及び予備的請求1)や債務不履行・不当利得(予備的請求2及び予備的請求3)に該当する。
a 平成30年2月分及び同年3月分の業務委託料について
被告会社らは、本件報酬合意があるにもかかわらず、平成30年2月分及び同年3月分の業務委託料(以下、平成30年2月分の業務委託料又は報酬というときは、同月締めの翌3月末支払の業務委託料又は報酬をいう。以下、他の月についても同様に表記する。)について、発注先の各広告代理店からの請求額を水増しして原告らに示し、過大な業務委託料を原告らに支払わせた。このことは、被告らの不法行為に該当するともに、被告会社らの債務不履行や不当利得にも該当する。
また、仮に本件報酬合意があったと認められないとしても、前記のとおり、被告会社らの報酬の相当額がグロスで9%又は20%を超えることはない。このため、原告らが被告らに対してこれを超える報酬を請求したことは、被告らの不法行為に該当するとともに、被告会社らの債務不履行や不当利得にも該当する。
b 平成29年12月分以前の報酬について
被告会社らは、平成29年頃まで、原告らに対し、グロスで25%程度の報酬を請求して受領していた。
前記(ア)bのとおり、本件報酬合意は、既に支払済みの報酬についての相当額を確認する趣旨を含むものであったから、被告らは、原告らに対し、過去の過払い分(グロスで9%を超える部分)の報酬を返還する義務を負っていたにもかかわらず、これを返還しない。このことは、被告らの不法行為に該当するともに、被告会社らの債務不履行や不当利得にも該当する。
また、仮に本件報酬合意があったと認められない場合であっても、前記(イ)のとおり、被告会社らの報酬の相当額がグロスで9%又は20%を超えることはない。このため、原告らが被告らに対して上記額を超える報酬を請求していたのは、被告らの不法行為に該当するとともに、被告会社らの債務不履行や不当利得にも該当する。
(被告らの主張)
否認し又は争う。
(ア) 被告らが原告らとの間で、他より廉価の報酬で広告業務を受託する旨の合意をしたことはない。広告代理店は数多くあり、それぞれが独自の契約条件で、顧客や案件により異なる契約をしているのであり、他の広告代理店より安い業務委託料で広告業務を受託する旨の合意をすることは不可能である。
被告らは、原告らに対し、広告代理店への発注の前に、広告の具体的な内容及びその費用を提示し、原告らの了解を得ていた。また、発注先からの請求額が事前に提示していた予算の金額を大幅に超える場合には、原告らに対してその旨を連絡し、了承を得てから請求書を送付していた。
(イ) 被告らが原告らとの間で本件報酬合意をしたことはない。被告Y1は、原告らとの広告定例会議において、E会長からどの程度利益を得ているのかと尋ねられたため、発注先からの請求額の15から20%程度であると回答したところ、利益を取り過ぎていると叱責され、今後の被告会社らの利益を半分にするよう求められた。しかし、被告会社らの発注金額や報酬は、被告らが決定することであり、また、利益を半分程度にすると、被告らの収益が大きく減殺され、一般的な広告業務の利益としては低すぎることから、被告Y1はこれに応じなかった。もっとも、E会長からこれに応じなければ取引を停止すると仄めかされたため、平成30年1月分の報酬についてのみこれに従い、同年2月分以降の報酬については、従前どおり請求することとしたものである。
イ 損害額及び因果関係(争点1-2)
(原告らの主張)
(ア) 平成30年2月分及び同年3月分の業務委託料について
原告らは、平成30年2月分及び同年3月分の業務委託料について、発注先からの実際の請求額及びこれに9%を乗じた額と、原告らが被告会社らに支払った金額との差額分の損害を被った。原告らが被告会社らとの関係でそれぞれ被った損害額は、別紙第1事件原告ら主張損害額一覧表の「1 業務委託料の過大請求に関する損害」の「(1) 平成30年2月分及び同年3月分」欄に各記載のとおりである。
(イ) 平成29年12月分以前の報酬について
a 主位的請求及び予備的請求2
原告らは、平成29年12月分以前の報酬について、発注先からの請求額に9%を乗じた額と、原告らが被告会社らに実際に支払った報酬の金額との差額分の損害を被った。原告らが被告らとの関係でそれぞれ被った損害額は、別紙第1事件原告ら主張損害額一覧表の「1 業務委託料の過大請求に関する損害」の「(2) 平成29年12月分以前」欄に各上段に記載のとおりである。
b 予備的請求1及び予備的請求3
仮に前記aの主張が認められない場合であっても、原告らは、平成29年12月分以前の報酬について、発注先からの請求額に20%を乗じた額と、原告らが被告会社らに実際に支払った報酬の金額との差額分の損害を被った。原告らが被告会社らとの関係でそれぞれ被った損害額は、別紙第1事件原告ら主張損害額一覧表の「1 業務委託料の過大請求に関する損害」の「(2) 平成29年12月分以前」欄の各下段に記載のとおりである。
(被告らの主張)
否認し又は争う。
仮に、被告会社らの平成30年2月分及び同年3月分の業務委託料について、グロスの9%(ただし、映像広告については12%)を報酬として計算した場合の金額は、被告MTKから原告MKPに対するものが2269万9020円(2月分1749万8076円、3月分520万0944円)、被告MKTから原告愛友会に対するものが15万3041円(2月分15万3041円、3月分0円)、被告H&Sから原告MKPに対するものが472万4275円(2月分392万4769円、3月分79万9506円)、被告H&Sから原告三幸美咲会に対するものが772万2152円(2月分536万3240円、3月分235万8912円。いずれも税込。)である。
(2) グーグルからのペナルティに関する損害賠償請求について
ア 被告らの不法行為又は債務不履行の成否(争点2-1)
(原告らの主張)
被告Y1は、本件各診療所のウェブサイトについて、平成29年5月、グーグルからペナルティが課されたとの通知を受けた。グーグルからペナルティを受けると、SEO対策をしても検索順位が上がらないため、直ちに対策を採る必要がある。このため、被告らは、グーグルからペナルティを受けたことを原告らに直ちに報告する義務があった。
そうであるにもかかわらず、被告らは、このことを原告らに報告せずに秘匿していたものであり、このことは、被告らの不法行為(主位的請求及び予備的請求1)に該当するとともに、被告会社らの債務不履行(予備的請求2及び予備的請求3)にも該当する。
(被告らの主張)
本件各診療所のウェブサイトがグーグルからペナルティを受けたことは認めるが、被告らがこのことを原告らに報告せずに秘匿していたことは否認する。被告らは、原告らとの広告定例会議において、グーグルから不明なリンクがあるとの指摘を受け、このために検索順位が低下している可能性があることを報告していた。
イ 損害額及び因果関係(争点2-2)
(原告らの主張)
(ア) 被告らは、グーグルからペナルティを受けてから10か月以上もペナルティを解消することができなかった。E会長は、平成30年2月頃にスリーエイチから、グーグルからペナルティを受けている旨の報告を受けたため、DYMに対してペナルティの解消のための措置を採ることを依頼したところ、ペナルティは速やかに解消された。
(イ) 本件各診療所は、グーグルでの検索により集客するビジネスモデルであったが、グーグルからペナルティを受けたことにより本件各診療所のウェブサイトは検索結果の上位に表示されないこととなった。このため、被告らは、原告らに対し、検索結果の1頁目に掲載されるリスティング広告費用を増額するように提案した。原告らは、被告らからペナルティを受けていることの報告を受けなかったため、検索順位が低下していることの原因が不明のまま、リスティング広告に莫大な費用を費やさざるを得なかった。原告らのリスティング広告費用について、ペナルティを受けた平成29年5月以前の過去8か月間の平均は月額3421万5057円であったのに対し、同月以降の平均は月額3937万9702円であり、月500万円程度が増額されたことになる。
(ウ) ペナルティが解消されたのは、平成30年4月であるが、検索順位が元に戻るには更に時間を要したから、原告らは、前記ア記載の被告らの不法行為又は債務不履行により、平成29年6月から平成30年7月までの14か月分の上記差額分である7000万円(500万円×14か月)の損害を被ったというべきである。これを、原告らから被告会社らに支払われた画像広告費用に比例配分すると、原告らが被告会社らとの関係でそれぞれ被った損害額は、別紙第1事件原告ら主張損害額一覧表の「2 グーグルからのペナルティに関する損害」欄に各記載のとおりである。
(被告らの主張)
否認し又は争う。仮に、被告らが、原告らに対し、グーグルからのペナルティを受けたことを報告していなかったとしても、このこととリスティング広告費用が増額されたこととの間には相当因果関係がない。
(ア) グーグルからペナルティを受けていることが明確に報告されていたとしても、ペナルティが解消されるまでの間は、リスティング広告を増やすこととなるのであり、その報告の有無にかかわらずペナルティを受けている期間については、リスティング広告の費用が増加していたはずである。また、被告Y1は、グーグルからのペナルティを受けた後、外部リンクを洗い出して悪質なものを外し、グーグルに対して再審査を求めるという作業を繰り返し、ペナルティを解消しようとしていた。このことは、グーグルからのペナルティを受けた際の対処として誤ったものではなく、仮に被告Y1以外の者がこの対処に当たったからといって、被告Y1よりも早くペナルティを解消することができたかは不明である。
(イ) リスティング広告は、本件各診療所の売上げを伸ばすために行っているものであり、被告らがグーグルからのペナルティを報告しなかったこととは何ら関係がない。インターネットの広告には、複数の手法があり、これらの複数の手法を組み合わせることで、高い効果を発揮するものである。
(3) 画像広告に関する損害賠償請求について
ア 被告らの不法行為又は債務不履行の成否(争点3-1)
(原告らの主張)
(ア) 被告らは、原告らのハウスエージェンシーとして広告業務を独占的に行っていたのであるから、原告らに対し、業務委託料の請求金額について根拠を明示して詳細に説明する義務を負っており、また、実際に行った画像広告の効果について、それに要した費用と併せて、特にグーグルアナリティクス(グーグルが提供するウェブサイトのアクセス解析ツールをいう。以下同じ。)に基づき説明する義務を負っていた。
さらに、被告らは、原告らに対し、広告業務の一般的な水準の知見に基づき、より効率的な広告方法等を選択し、クリック数に対するコンバージョン(ウェブサイトの成果。□□クリニックの場合は、新規の問い合わせに至ることを指す。)に至った割合(以下「コンバージョン率」という。)等の検証の結果、広告効果が悪いのであれば、これを改善すべく取り得る手段を尽くす義務を負っていた。加えて、被告らは、より費用対効果の高い広告を配信するため、対象を限定して画像広告を配信すべき義務を負っていた。
(イ) グーグルアナリティクスによると、被告会社らが画像広告を担当していた期間の画像広告は、後任のスリーエイチが担当していた期間に比べて、クリック数は多いがコンバージョン率は著しく低かった。被告らは、原告らに対し、グーグルアナリティクスの数値を隠し、広告効果を検証せず、原告らとの広告定例会議で改善の提案をすることもなく、自らの過大な利益を得ることを目的に、数年という長期間にわたり、広告効果の悪い画像広告を改善しなかったものである。
このように、被告らは、前記(ア)の義務を怠り、費用対効果を考えず、著しく費用対効果が悪い画像広告を大量に配信し、異常に高額の業務委託料を原告らに支払わせていたものであり、これらは、被告らの不法行為(主位的請求及び予備的請求1)に該当するとともに、被告会社らの債務不履行(予備的請求2及び予備的請求3)にも該当する。
(被告らの主張)
否認し又は争う。被告らは、原告らの主張する義務を負っていないか、仮に負っていたとしても、かかる義務を尽くしていた。
(ア) 被告らは、原告らに対し、請求金額について、根拠を明示して詳細に説明する義務を負っていない。被告らは、原告らのハウスエージェンシーやグループ会社ではなく、原告ら以外の会社からの広告委託業務も行っていた。被告らは、原告らから広告業務を受託するに当たり、請求金額の内訳を示すように指示されたことはない。
また、被告らは、原告らに対し、費用に対応する画像広告の効果について説明をしており、原告らも、どの程度の費用によりどの程度の効果が出ているのかを認識していたはずである。原告らとの広告定例会議では、クインテットが、グーグルアナリティクスを関係者に共有しており、それを用いて関係者間で議論することとされていたため、被告らにおいてグーグルアナリティクスを広告定例会議に提出することは求められていなかった。
(イ) 費用対効果の良い広告を配信する義務について、何をもって費用対効果や広告効果の善し悪しを判断するのかその基準が明確でない上、原告らとの間での具体的な合意もなく、被告らがそのような義務を負うものではない。仮に、被告らがかかる義務を負っていたとしても、被告らは、発注先の広告代理店との間で、結果が良くなかった広告方法については次回結果が良くなるようにやり方を変更するなどをしていたのであって、漫然と広告を配信していたものではない。
また、対象を限定して画像広告を配信すべき義務についても、被告らが、原告らとの間で、全ての画像広告の対象を限定することを合意していたことはなく、広告の手法は、原告らから指示がされない限り、被告らに広い裁量が与えられていた。被告らが画像広告を発注していたコミクスは、年齢、性別、地域等を限定して配信するようなターゲティング広告を行っていたし、被告らは、このようなターゲティング広告のほか、潜在的な興味関心層に広く認知させるための対象を限定しないノンターゲティング広告及びそれにより原告らのウェブサイトを訪れたユーザをターゲットとして広告を配信するリターゲティング広告を組み合わせることで、コンバージョン率が上がるように工夫していた。そして、被告らは、原告らとの定例経営会議において、広告の成果とともにこのような諸施策について具体的な報告をしており、原告らもそのことを十分認識していたはずである。
イ 損害額及び因果関係(争点3-2)
(原告らの主張)
(ア) 被告らがコミクスに発注していた画像広告のうち○○クリニックに関するものについては、月額300万円を超える広告費用は無意味なものであった。このため、原告らは、被告らの前記アの不法行為又は債務不履行により、各月の画像広告に関する費用のうち少なくとも400万円を超える部分の損害を被ったというべきである。原告らが被告会社らとの関係でそれぞれ被った損害額は、別紙第1事件原告ら主張損害額一覧表の「3 画像広告に関する損害」の「(1) ○○クリニック関係」欄に各記載のとおりである。
(イ) また、被告らがコミクスに発注していた画像広告のうち□□クリニックに関するものについては、その後同広告を実施したスリーエイチよりも著しく費用対効果が悪いものであった。被告らがコミクスに支払った広告代金は、同じ成果をスリーエイチに委託した場合に必要となる広告代金より9127万4350円も高い。このため、原告らは、被告らの前記アの不法行為又は債務不履行により、少なくともこの半分に相当する4563万7175円の損害を被ったというべきである。原告らが被告会社らとの関係でそれぞれ被った損害額は、別紙第1事件原告ら主張損害額一覧表の「3 画像広告に関する損害」の「(2) □□クリニック関係」欄に各記載のとおりである。
(被告らの主張)
否認し又は争う。
(4) サテライトサイトに関する損害賠償請求について
ア 被告らの不法行為又は債務不履行の成否(争点4-1)
(原告らの主張)
被告らは、○○クリニックに係る11件のサテライトサイト及び□□クリニックに係る4件のサテライトサイト(以下、これらを併せて「本件各サテライトサイト」という。)について、管理者を更新することを失念して消失させた上、原告らに対し、このことを報告せず、その改善を行わなかった。このことは、被告らの不法行為(主位的請求及び予備的請求1)に該当するとともに、被告会社らの債務不履行(予備的請求2及び予備的請求3)に該当する。
(被告らの主張)
否認し又は争う。
本件各サテライトサイトは、被告会社らの発注先であるDYMが管理を怠ったことにより、ドメインが更新されなかったものである。本件各サテライトサイトのデータが消失したわけではなく、他のドメインを取得して同様のサイトを開設することが容易である。
イ 損害額及び因果関係(争点4-2)
(原告らの主張)
(ア) 本件各サテライトサイトの制作費用は1個当たり25万円であるから、○○クリニックの広告業務を担当する原告MKP及び□□クリニックの広告業務を担当する原告BCTは、被告らの前記アの不法行為又は債務不履行により、別紙第1事件原告ら主張損害額一覧表の「4 サテライトサイトに関する損害」の欄に記載のとおり、それぞれ275万円(25万円×11件)及び100万円(25万円×4件)の損害を被った。
(イ) また、本件各サテライトサイトが消失したことにより、グーグルの検索順位を上位に回復させるためにリスティング広告をより多く掲載しなければならなくなった。このため、前記(2)イ記載の損害についても、前記アの不法行為又は債務不履行と相当因果関係のある損害である。
(被告らの主張)
否認し又は争う。
(ア) 本件各サテライトサイトのデータが消失したものではないため、本件各サテライトサイトの製作費が損害になるものではない。
(イ) 本件各サテライトサイトのドメインが使用することができなくなったこととリスティング広告費用が増額したことについては、相当因果関係がない。
(5) 被告会社らに対する未払業務委託料の有無及び額(争点5)
(被告会社らの主張)
ア 被告MKTは、原告MKPから、平成30年4月分から同年6月分までの業務委託料848万6253円の支払を、被告H&Sは、原告MKPから同年4月分及び同年5月分の業務委託料11万4170円の支払を、原告三幸美咲会から同年4月分から同年6月分までの業務委託料686万9633円の支払を、それぞれ受けていない。
イ 原告MKP及び原告三幸美咲会は、平成30年5月30日に本件各業務委託契約を解除した旨主張する。しかし、原告らは、同月末日をもって合意解約をしたい旨述べただけであり、被告らはこれに応じていないから、本件各業務委託契約は同月末日で終了したものではない。
ウ 仮に、被告会社らの平成30年4月分及び同年5月分の業務委託料について、グロスの9%(ただし、画像広告については12%)を報酬として計算した場合の金額は、被告MKTから原告MKPに対するものが同年4月分408万2501円、同年5月分が315万3127円、被告H&Sから原告MKPに対するものが同年4月分、同年5月分とも5万7085円、原告三幸美咲会に対するものが同年4月分282万4972円、同年5月分197万0466円となる。
(原告MKP及び原告三幸美咲会の主張)
否認し又は争う。
ア 被告会社らは、原告らに対し、本件各業務委託契約に基づく報告義務を怠っており、業務が完了していないから、報酬請求権は発生していない。また、原告らは、平成30年5月30日に本件各業務委託契約を全て解除したから、同年6月分の報酬の支払義務を負わない。
イ 原告らと被告会社らは、平成30年1月分以降の被告会社らの報酬について、発注先からの請求額の9%とすることを合意したから、原告MKP及び原告三幸美咲会は、これを超える部分については支払義務を負わない。
第3 当裁判所の判断
1 業務委託料の過大請求に関する損害賠償請求について
(1) 認定事実
前記前提事実のほか、後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば、この点に関し、以下の事実が認められる。
ア 広告業務の受注に至る経緯等について
(ア) 被告Y1は、平成12年頃、南十字社に入社し、平成21年3月頃に退職するまで、同社で雑誌広告やウェブ広告等の広告業務に携わっていた。その間、原告らは、南十字社に対し、原告ら医療法人グループの運営する診療所の広告業務を発注しており、被告Y1がこれを担当していた。(甲43、44、乙22、被告Y1本人・1頁)
南十字社は、発注先の広告代理店からの請求額の20%程度を報酬として受領していた(被告Y1本人・6頁)が、原告らに対してその金額は示されておらず、E会長も、南十字社に対して支払う業務委託料を全体として把握していたことから、同社が受領している報酬の額を尋ねることはなかった(証人E・14頁)。
(イ) 被告Y1は、平成21年3月頃、南十字社を退職して独立した。被告Y1は、南十字社を退職するに際し、E会長に対して独立することを相談したところ、E会長から、当時原告MKPが全株式を有していた株式会社Cat Brainを使って良いと言われたため、同社に社員として入社することとなった。そして、被告Y1は、同社に入社する際に同社の商号を現在の商号(株式会社M.K.T)に変更し、これ以降、原告らの広告業務を受託するようになった。この際、被告MKTが受領する報酬の金額や割合については決められていなかった。(甲5、15、43、44、乙22、証人E・15頁、被告Y1本人・3、16頁)
(ウ) 被告Y1は、平成22年4月1日、被告MKTの代表取締役に就任し、平成25年6月28日には、被告H&Sを設立し、同社の代表取締役に就任した。また、被告Y1は、原告MKPから、平成26年8月25日、原告MKPが所有していた被告MKTの発行済株式(60株)の全部を600万円で購入した。(甲5、6、16の1、被告Y1本人・3、4頁)
(エ) 被告H&Sは、その設立後、被告MKTと共に原告らの広告業務を受託するようになった(弁論の全趣旨)。
イ 広告業務の予算決定から請求までの流れ
(ア) 原告らの被告会社らに対する広告業務の発注等については、E会長が取り仕切っており、概ね次のとおりの流れで広告の予算が決められていた。
被告Y1は、毎年11月又は12月頃、本件各診療所ごとに、翌年の1月分から6月分までの予算予定表を、前年の同時期の実績をベースとしてその年に実際に行う広告の内容を加味して作成し、E会長に提出する。そして、E会長がこれに対して調整を指示するなどした上で、最終的な各月の予算額が承認される。また、7月分以降の予算についても、被告Y1がおおよそ2か月ごとに予算予定表を作成し、上記と同様の流れで各月の予算額が承認される。(乙14、15、22、証人E・15頁、被告Y1本人・30、31頁)
予算予定表は、各月ごとに分けられ、各広告の項目ごとに予算金額が記載されていたが、この予算金額には、被告会社らの受領する報酬を含めた金額が記載されており、被告会社らの報酬の具体的な額や被告会社らの発注先である広告代理店に対する発注額は記載されていなかった(乙14、15、22、被告Y1本人・4頁)。
E会長は、予算予定表の予算金額に被告会社らの報酬が含まれることを認識していたが、原告らが被告会社らに対して支払う業務委託料を全体として承認しており、被告会社らが受領する報酬の具体的な額を明らかにするように求めたことはなかった(証人E・6、7、15~17頁、被告Y1本人・4、5頁)。
(イ) 被告Y1は、広告代理店に対し、前記(ア)のとおり承認された各月の予算の額に基づき、広告業務を発注し、毎月の広告業務について、翌月10日頃までに請求書を作成して原告らに交付していた。原告らは、被告会社らに対し、同請求書に基づいて業務委託料を支払っていた。(甲9~11、乙22)
(ウ) E会長は、被告会社らに広告業務を委託している当時、インターネットの広告代金の相場についての認識がなく(証人E・33、34頁)、被告会社らからの請求額が多少高いとは思いつつも、「こんなもんかな」ということで認めていた(証人E・6頁)。
ウ 報酬に関する合意について
(ア) E会長は、平成30年2月13日、被告Y1を呼び出し、被告会社らが受領している報酬額について問い質し、被告Y1は、概算により、15%から20%程度である旨回答した(甲55、乙22、証人E・7、8頁、原告MKP代表者・24頁、被告Y1本人・6頁)。
(イ) E会長と被告Y1は、平成30年2月22日頃、被告会社らの報酬の額について交渉をした。E会長は、同年1月分以降の報酬について、原告らに対する請求額の9%(グロス)とし、画像広告については同請求額の12%(グロス)とすることを求め、この要求を承諾できない場合には、取引を停止する旨を述べた。被告Y1は、不本意ながら、この要求を承諾した(本件報酬合意)。(甲43、44、証人E・8~10頁、原告MKP代表者・3、4、15、24頁、被告Y1・7、33~34頁)
E会長は、この頃、被告Y1に対し、既に支払済みの平成29年12月分までの報酬についても本件報酬合意に基づき算出される額を超える分を返還することを求めた。そして、A代表は、E会長の指示を受け、被告Y1に対し、直近半年から1年分の報酬のうち数千万円程度を返還するよう求め、根拠となる計算内容等を記載した書面を交付した。被告Y1は、これを検討する旨を述べたものの、後日、A代表に対し、返還することはできない旨述べた。(原告MKT代表者・16、17、25頁、被告Y1本人・8頁)
(ウ) E会長は、被告Y1に対し、平成30年1月分の請求について、本件報酬合意に従い、請求書を再度作成するよう命じた。被告Y1は、これに従って同月分の請求書を再度作成し、発注先である広告代理店からの請求書と併せてE会長らに提出し、被告会社らは、原告らからこれに基づく支払を受けた。再度作成された同月分の請求書(甲10)や同年2月分以降の請求書(甲12)には、各「商品名」の末尾に「9」との記載が、「画像配信」や「画像広告配信」については「12」との記載がある。(甲9~12、43、乙22、証人E・11頁、被告Y1本人・7、8頁)
エ 平成30年2月分以降の業務委託料の請求について
(ア) 被告Y1は、平成30年2月分以降の発注額について、発注先の広告代理店と交渉し、値下げに応じてもらった一方で、原告らに対しては、このことを伝えず、発注先からの請求額を過大に表示した明細を交付して、これに基づき計算した報酬を含めて業務委託料として請求していた(甲12、32~34、49、被告Y1本人・8、9、38~40、56頁)。
(イ) 平成30年2月分及び同年3月分の広告業務について、被告会社らが原告らに対して請求していた業務委託料と本件報酬合意よる業務委託料の差額は、別紙過大請求額一覧表に各記載のとおりである。なお、本件報酬合意に基づき、原告らに対して請求することのできる業務委託料の額は、以下の計算式により計算される。原告MKPの被告H&Sに対する業務委託料の支払については、過払いはない。(乙23~49、弁論の全趣旨)
(計算式)
発注先の広告代理店からの請求額(消費税抜き)/91%(画像広告については88%)×1.08(消費税分)
(2) 事実認定の補足説明(認定事実ウ(イ)について)
被告らは、原告らとの間で、本件報酬合意をしたことはなく、平成30年1月分の報酬については、E会長からこれに応じなければ取引を停止すると仄めかされたためこれに従うこととしたが、同年2月分以降の報酬については、これまでどおり請求することとした旨主張し、被告Y1も、これに沿う供述をする(乙22、被告Y1本人・7、8頁)。
しかしながら、被告Y1が作成した原告らに対する請求書では、平成30年1月分のみならず同年2月分以降のものにおいても、各「商品名」の末尾には「9」との記載があり、「画像配信」や「画像広告配信」については「12」との記載がある(認定事実ウ(ウ))。このことからすれば、同年2月分以降の報酬についても、同年1月分と同様に、原告らに対する請求額の9%とし、画像広告については同請求額12%とすることの合意があったものと認めるのが相当である。なお、原告らは、画像広告について、9%を超える手数料を取得する理由はない旨主張するが、前記説示に照らし、採用の限りではない。
(3) 争点1-1(被告らの不法行為又は債務不履行・不当利得の成否)についての判断
ア 平成30年2月分以降の報酬について
E会長と被告Y1は、平成30年1月分以降の報酬について、原告らに対する請求額の9%とし、画像広告については同請求額の12%とすることの本件報酬合意をした(認定事実ウ(イ))。
それにもかかわらず、被告Y1は、平成30年2月分以降の報酬について、取引先から減額された事実を秘して、原告らに対し、発注先からの請求額を過大に示し、他方、請求書の「商品名」の末尾には「9」と、「画像配信」や「画像広告配信」の末尾には「12」と記載して、あたかも本件報酬合意に基づく請求であるかのように偽装し(同(ウ))、原告らを誤信させた上で、これに基づき計算した金額を業務委託料として請求していた(同エ(ア))。かかる被告Y1の行為は、原告らとの間の信義に著しく反し、社会的相当性を逸脱するもので、原告らに対する不法行為を構成するというべきである。また、被告会社らは被告Y1がその職務を行うについて原告らに損害を与えたのであるから、損害を賠償する責任を負うことになる(会社法350条。原告らの主張はこの趣旨を含むものと理解できる。)。
イ 平成29年12月分以前の報酬について
(ア) 原告らは、本件報酬合意は、平成30年1月分以降の報酬のみならず、既に支払済みの平成29年12月分までの報酬についての相当額を確認する趣旨を含む旨主張し、E会長及びA代表は、これに沿う供述をする(甲43、証人E・9頁、原告MKP代表者・3、4頁)。
そこで検討するに、本件報酬合意をした後、E会長が、被告Y1に対し、既に支払済みの平成29年12月分までの報酬についても本件報酬合意に基づき算出される額を超える分を返還することを求めるとともに、A代表が、被告Y1に対し、直近半年から1年分の報酬のうち数千万円程度を返還するよう求め、この根拠となる計算内容等が記載された書面を交付したことは、認定事実ウ(イ)のとおりである。
しかしながら、被告Y1は、結局、A代表に対し、返還することはできない旨述べ、これに応じなかったのであり(認定事実ウ(イ))、A代表においても、過去分についてどの程度遡って返還するかについては決まっておらず、まずは、直近半年から1年分の報酬の返還を求めた(原告MKT代表者・17頁)ものである。このような事実経過に鑑みれば、原告らと被告会社らは、過去分の報酬の一部の返還を求めることの交渉をしていたものの、結局、合意に至らなかったというべきであるから、原告らの前記主張は採用することができない。
(イ)a また、原告らは、被告Y1との間で、原告らと被告会社らとの関係に基づく「相当額」の報酬を支払う旨の合意をしていたとして、被告らがグロスの9%又は20%を超える報酬を請求していたのは、相当額を超える過大な請求であり、不法行為又は債務不履行に該当するとも主張する。
しかしながら、原告らの主張する「相当額」といったものが具体的にいかなる水準を指すのか明らかではなく、このような曖昧不明確な概念を報酬とすることの合意がされていたとはにわかに考え難い。
また、E会長は、南十字社に対して広告業務を委託していた頃、同社に対して支払う業務委託料を全体として把握しており、このうち同社が受領する報酬額を聞くこともなく(認定事実ア(ア))、平成21年3月頃に被告会社らに広告業務を委託するようになった後も、本件報酬合意がされる平成30年2月頃までの9年間にわたり、被告会社らに支払う業務委託料を全体として承認しており、その中に被告会社らの受領する報酬が含まれていることを認識しつつも、その具体的な額を明らかにするように求めたことはなかったものである(同イ(ア))。
このような経緯に照らせば、原告らと被告会社らとの間では、各月ごとに被告会社らに支払う業務委託料の総額についてのみの合意があり、E会長は、被告会社らが予算の総額の範囲内で広告代理店に広告業務を発注し、発注額を控除した差額については、被告会社らの報酬とすることを承認していたとみるほかなく、被告会社らが受領する報酬を「相当額」とすることの合意があったということはできない。
b これに対し、原告らは、被告らは、原告らのハウスエージェンシーの立場にあったのであり、その役割に照らせば、内訳が不明確なまま高額な報酬が承認されることはないとも主張する。
しかし、そもそも「ハウスエージェンシー」であることがいかなる法的意味を有するかが不明である点を措くとしても、被告MKTは、元々は原告MKPが全株式を保有していた会社であるが、被告Y1は、平成26年8月25日、原告MKPから被告MKTの全株式を600万円で買い取っており(認定事実ア(ウ))、E会長は、被告MKTの決算を確認したこともなかった(証人E・28頁)。また、被告H&Sについては、被告Y1が自ら設立した会社である。そうすると、被告会社らが、何らかの法的効果をもたらす「ハウスエージェンシー」であったということはできないから、原告らの前記主張はその前提において採用することができない。
(ウ)a また、原告らは、仮に報酬についての具体的な合意がなかったとしても、被告Y1の立場や業務内容、本件各業務委託契約の締結に至った経緯等の事情を踏まえると、一般的な広告業務の報酬の水準に照らしても、被告会社らの報酬の相当額は、グロスで9%又は20%を超えることはなく、これを超える報酬を請求したことが被告らの不法行為又は債務不履行に該当する旨主張する。
b しかしながら、広告業務の報酬は、発注元の会社の業種、規模及び売上額、広告業務の戦略、種類、内容及び売上効果、発注元と発注先の関係性等の多様な要素を踏まえ、契約当事者間の合意によって決められるものであり、不法行為又は債務不履行の成否を左右する一般的な広告業務の報酬の水準というものを一義的に想定することは困難である。
実際に、E会長は、被告会社らの報酬額について、グロスで4から5%くらいが相当額であると思う旨証言する(証人E・32頁)一方で、原告らの広告の顧問をしているG(以下「G」という。)は、ハウスエージェンシーの立場であればおおよそ10%以下が相場である(証人G・10頁)とか、ハウスエージェンシーに広告業務を委託する目的等によっては、発注側が納得していれば20%であったり、25%であったりすることもあり得ると証言する(同18頁)上、当時クインテットの代表取締役を務めていたF(以下「F」という。)は、広告業務の報酬について、インターネットの画像広告やウェブ広告であれば5%でも受託する会社もあるが、広告の質によっては20%を超えることもあり得る(証人F・10、11頁)とか、クインテットは、E会長にお世話になっているため、相場とは関わりなく、クインテットの採算の合う数字として月額100万円を報酬としていたとも証言する(証人F・16頁)のであり、これらに照らしても、各人が共通の認識を有する広告業務の水準といったものが存在するとは言い難い。
加えて、原告らの広告業務を取り仕切っていたE会長は、被告会社らに広告業務を委託している当時、インターネットの広告代金の相場についての認識を有していなかったのであり、被告会社らからの請求額についても、「こんなもんかな」ということで認めて支払ってきたものである(認定事実イ(ウ))。
c 以上に加え、前記(イ)aで説示したとおり、原告らと被告会社らとの間では、各月ごとに被告会社らに支払う業務委託料の総額についての合意があったのみであり、E会長は、被告会社らが予算の総額の範囲内で広告代理店に広告業務を発注し、発注額を控除した差額については、被告会社らの報酬とすることを承認していたとみるほかないことを併せ考えると、被告会社らの受領する報酬がグロスで9%又は20%を超えていたことがあったとしても、このことが不法行為又は債務不履行に該当するということはできない。
d これに対し、原告らは、被告Y1は、平成30年2月、E会長に対し、15%から20%の報酬をもらっているが、20%は超えていないと説明したことをもって、グロスで20%を超える報酬は明らかに過大である旨主張するが、被告Y1が上記のとおり説明したのは、E会長から突然尋ねられて概算で回答したものであるから、このことをもって、過去にグロスで20%を超える報酬を請求していたことが不法行為又は債務不履行に該当するとはいえないことは明らかである。
e なお、原告らは、過去にグロスで20%を超える報酬を請求していたことについて、錯誤であるとか被告会社らの不当利得であるとも主張するが、以上に説示したところに照らし採用することができない。
(エ) 以上によれば、被告会社らが原告らに平成29年12月分までの報酬を請求したことについては、不法行為にも債務不履行にも不当利得にも該当しないから、原告らのこの期間に係る請求については、いずれも理由がない。
(4) 争点1-2(損害額及び因果関係)についての判断
原告らは、被告らの不法行為により、平成30年2月分及び同年3月分の被告会社らの報酬について、別紙過大請求額一覧表に各記載のとおり過大に支払ったものである(認定事実(1)エ(イ))。
したがって、被告らの前記(3)の不法行為と相当因果関係のある損害額は、別紙第1事件の主位的請求認容額等一覧表の「1 業務委託料の過大請求に関する損害」欄に各記載のとおりである。
なお、原告らの予備的請求については、いずれも上記認容額を超えないから判断を要しない。また、遅延損害金の起算日については、本件各業務委託契約に基づく業務委託料は当月締めで翌月末までに支払われるものである(前提事実(2)ウ)ことを踏まえると、遅くとも平成30年2月分の過払分については同年4月1日、同年3月分の過払分については同年5月1日までには、被告らによる不法行為が行われていたと考えられるから、これらの日を起算日とするのが相当である。
2 グーグルからのペナルティに関する損害賠償請求について
(1) 認定事実
前記前提事実のほか、後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば、この点に関し、以下の事実が認められる。
ア グーグルからのペナルティについて
(ア) グーグルでは、ウェブサイトのコンテンツ自体の質が低かったり、不自然なリンクが貼られていたりする場合、ペナルティを課されることがある。グーグルからのペナルティを受けたウェブサイトは、グーグルでの検索順位が低下する。
グーグルのペナルティには、自動ペナルティと手動ペナルティがある。
自動ペナルティとは、グーグルのプログラムにより、自動でウェブサイトにおけるペナルティの原因となる要素を検出し、一定のアルゴリズムにより判定した上でペナルティを課すというものであり、自動ペナルティが課されたことはユーザに告知されない。
他方、手動ペナルティとは、グーグルの担当者が直接ウェブサイトを閲覧し、品質に関するガイドラインに違反していると判断された場合に課されるペナルティのことである。手動ペナルティについては、グーグルのサーチコンソール上に警告メールが送信され、ユーザにおいて認識することができる。(甲40、弁論の全趣旨)
(イ) グーグルのペナルティについては、抽象的な考慮要素は開示されているものの、具体的な要件やアルゴリズムは一切開示されていない。ペナルティを受ける可能性はどのウェブサイトでもあり、ペナルティを完全に防ぐのは不可能である。(甲40、乙22、証人E・21頁、被告Y1本人・11頁)
グーグルから、不自然なリンクが貼られていることを理由に手動ペナルティを受けた場合でも、具体的にペナルティの原因とされる被リンク先については開示されない(証人G・22、23頁)。このため、ペナルティを解消するための対処方法としては、ウェブサイトに貼られているリンクを全て外すという方法と、ペナルティの原因となっていることが疑われる悪質な被リンク先を一つずつ探し出して、これを外し、グーグルにペナルティの解消を申請することを繰り返すという方法がある。いずれの方法によるかはケースバイケースである(証人F・20、26頁)が、被リンクを全て外すと、閲覧数が減少してしまうため、悪質な被リンク先を1つずつ探し出し、個別に外していくことが一般的である(証人G・16頁)。
イ 本件各診療所のウェブサイトに対するペナルティについて
(ア) インターネットの広告では、検索結果の上位に表示されることが重要であり、このために、原告らは、被告会社らに対し、SEO対策を含めて広告業務を委託していた(甲44)。
(イ) 被告会社らが管理していた本件各診療所のウェブサイトは、平成28年頃から徐々にグーグルでの検索順位が低下し始めた(甲44、46)。そして、被告Y1は、平成29年6月23日頃、□□クリニックのウェブサイトについて、グーグルから、ウェブサイトへの不自然な人為的、偽装又は不正なリンクのパターンが検出されたため、ペナルティ(手動ペナルティ)を課している旨の指摘を受けた(甲40、46、乙22、被告Y1本人・9頁)。
(ウ) 前記(イ)の指摘を受けた後、被告Y1は、発注先のスリーエイチ及びスリーエイチの業務委託先であるSEO会社と連携してペナルティの解消を試みた。具体的には、まず、ペナルティを受けたウェブサイトに対する被リンク先を洗い出し、そこから低品質の被リンク先を分類し、低品質の被リンク先についてリンクの解消を打診し、解消されないものについては、グーグルのサーチコンソール上の否認ツールを使用して被リンクの否認を申請した上で、グーグルに対して再審査を求めることを繰り返していた。被告Y1及びスリーエイチらは、平成30年1月までに5回にわたって再審査を申請したところ、4回はリクエスト処理に成功したものの、完全な解除には至らなかった。(甲46、乙22、証人G・2、17頁、被告Y1本人・10頁)。
(エ) 被告Y1は、この頃実施された定例広告会議や検索順位を上げるために週1回行われていたSEO会議において、原告らの広告の検索順位が低下していることを報告したものの、これがグーグルによるペナルティによるものであることは報告しなかった(甲55、証人G・20~22頁、被告Y1本人・40~42、57頁)。また、被告Y1は、スリーエイチの担当者に対し、自分から報告するとして、原告らに対してペナルティを受けていることを報告しないように依頼していた(甲40、被告Y1本人・40頁)。
(オ) Gは、平成30年2月頃、スリーエイチの担当者から、□□クリニックのウェブサイトがグーグルからペナルティを受けていることを打ち明けられた(甲41、証人G・2、3頁)。Gは、被告Y1に対し、E会長にこのことを報告することを求めたが、被告Y1がこれを拒んだため、自らE会長に報告した(甲41、証人G・3頁)。
E会長は、平成30年2月13日、被告Y1を呼び出して追求したところ、被告Y1は、グーグルからペナルティを受けていることを認めた(甲44、52、証人E・12頁)。
(カ) E会長は、その後、クインテットやスリーエイチらに対し、グーグルからのペナルティを解消するため、被リンクを全部1回外したり、ドメインを新しいものにしたりすることなどを指示した(証人E・12頁)。グーグルからのペナルティは、平成30年4月4日、解消された(甲40、証人E・12頁、証人G・3、4頁)。
ウ 過去のペナルティについて
E会長や被告Y1らの間では、過去、○○クリニックや□□クリニックのウェブサイトがグーグルからペナルティを受け、大騒ぎになったことがあった。その際には、原告ら、被告らその他関係者が、広告会議で対応策を議論し、ペナルティの解消に努めた。このような経験があり、E会長や被告Y1らは、ペナルティを受けた際には、速やかに関係者に共有することを確認していた。(甲52、被告Y1本人・41、42、59頁)
エ リスティング広告について
原告らは、本件各診療所のウェブサイトの検索順位が低下していたため、リスティング広告を増やした。原告らが被告会社らに対して支払ったリスティング広告の費用は、平成28年9月から平成29年4月までの期間においては平均月額3421万円程度であったが、同年5月以降においては平均月額3937万円程度であった。原告らのリスティング広告の費用は平成29年6月のペナルティ以前から増加傾向にあり、同月以降も同様に増加傾向が継続したが、顕著に増加したのはE会長らにおいてペナルティの事実を知った平成30年2月以降であった。(甲48、53)
(2) 争点2-1(被告らの不法行為又は債務不履行の成否)についての判断
ア インターネットの広告では、検索結果の上位に表示されることが重要であり、このために、原告らは、被告会社らに対し、SEO対策を含めて広告業務を委託していた(認定事実イ(ア))。そして、グーグルからのペナルティを受けると、ペナルティを解消しない限り検索結果の順位が低下する(同ア(ア))のであるから、ペナルティを受けているか否かは、原告らの広告業務を行う上で、重要な関心事項であったというべきである。また、過去、E会長や被告Y1らとの間でも、ウェブサイトがグーグルからペナルティを受け、大騒ぎになったことがあり、ペナルティを受けた際には、速やかに関係者に共有することを確認していた(同ウ)。以上を踏まえると、被告らは、善管注意義務の一内容として、被告らの管理するウェブサイトがグーグルからペナルティを受けたことを認識した場合には、原告らに対し、このことを速やかに報告する注意義務を負っていたというべきである。
イ 被告らは、平成29年6月23日頃、□□クリニックのウェブサイトがグーグルからペナルティを受けていることを認識した(認定事実イ(イ))にもかかわらず、それから約8か月間にわたり、原告らに対してこのことを報告しなかったのであるから、少なくとも被告会社らについての債務不履行には該当することになる。
(3) 争点2-2(損害額及び因果関係)についての判断
ア 原告らは、被告らからペナルティを受けていることの報告を受けなかったため、検索順位が低下していることの原因が不明のまま、リスティング広告に莫大な費用を費やさざるを得なかったとして、ペナルティを受ける前後のリスティング広告に費やした費用の差額の損害を被った旨主張する。
しかしながら、グーグルからのペナルティについては、具体的な要件やアルゴリズムは一切開示されておらず、ペナルティを完全に防ぐのは不可能であり、グーグルから手動ペナルティを受けた場合でも、具体的にペナルティの原因となった被リンク先については開示されない(認定事実ア(ア))。このため、ペナルティを解消するためには、被リンク先のリンクを全て外すか、悪質な被リンク先を一つずつ探し出し、それを外し、グーグルにペナルティの解消を申請することを繰り返すこととなる(同(イ))。□□クリニックのウェブサイトについても、ペナルティの原因となった被リンク先は開示されず、このような中で、被告Y1は、発注先のスリーエイチ及びスリーエイチの業務委託先であるSEO会社と連携し、後者の方法により、ペナルティの解消を試みていた(同イ(ウ))のであり、このこと自体は、ペナルティを受けた場合の適切な対処方法であった(同ア(イ))。そして、E会長から直接指示を受けたクインテットやスリーエイチらは、結果的に、グーグルからのペナルティを3か月程度で解消することができた(認定事実イ(カ))のであるが、両社はそれまでの被告Y1らの上記試みの積み重ねの上で、ペナルティへの対処に当たったのであるから、両社が3か月程度で解消できたとしても、それまでの被告Y1らによる対応が不十分・不相当であったことを表すものとはいえない。
これらに鑑みれば、仮に、原告らが被告らからペナルティが課されている旨の報告を受けていたとしても、必ずしもペナルティを早期に解消することができたと認めることはできない。この点については、Fも、スリーエイチが3か月でペナルティを解消することができたことについて、仮に被告Y1からの報告を受けていたとしても、3か月で解消できたことが確実であったとはいえない旨供述している(証人F・26、27頁)ことからも裏付けられる。
イ そして、グーグルからのペナルティが解消されない間は、グーグルでの検索順位が低下する(認定事実ア(ア))のであるから、原告らとしては、仮に被告らからペナルティを課されている旨の報告を受けていたとしても、本件各診療所の広告のためには、リスティング広告を増やすこととしていたと考えられる(証人E・21頁)。そして、仮に、原告らが被告らからペナルティが課されている旨の報告を受けていたとしても、必ずしもペナルティが早期に解消することができたとは限らない(前記ア)以上、リスティング広告を増やす期間を短縮することができたとも認めることはできない。原告らは、被告Y1から報告があれば被リンクを一度全部外すことやドメインを新しいものにすることもできた旨を主張するが、被リンクを全部外せば閲覧数が低下する(同ア(イ))など副作用も大きいことに鑑みても、被告Y1から報告があれば原告らがこれらの手段を当然に採用したとも認められない。原告らにおけるリスティング広告の費用の推移(同エ)に照らしても、平成30年2月以前のリスティング広告費用の増加は従前からの増加傾向が継続したものにすぎず、仮にE会長らにおいて被告Y1からペナルティの事実を告げられていれば、より早期に顕著な増加がもたらされただけとも考えられるところでもある。
ウ 以上によれば、他に損害があり得るかは別論として、少なくとも被告会社らの債務不履行と原告らの主張するリスティング広告の費用が増額されたこととの間には相当因果関係があるとは認められない。このことは、被告らの行為が不法行為に該当するとした場合であっても同様である。
(4) 小括
したがって、原告らによるグーグルからのペナルティに関する損害賠償請求については、いずれも理由がない。
3 画像広告に関する損害賠償請求について
(1) 認定事実
前記前提事実のほか、後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば、この点に関し、以下の事実が認められる。
ア 被告らの行っていた画像広告について
(ア) 被告らは、コミクスに発注して、原告らのための画像広告を行っていた(被告Y1本人・12頁)。
(イ) コミクスは、被告Y1に対し、毎週、画像広告に関するレポート(以下「本件週次レポート」という。)を送付していた。本件週次レポートには、各広告媒体ごとに、インフィード広告、リターゲティング配信、ターゲティング配信等の記載があり、それぞれについて実施金額、クリック数、CPC(クリック単価。以下同じ)、コンバージョン数、コンバージョン比率等の記載がある(乙16の2)。
(ウ) コミクスの担当者が被告Y1に送付した平成29年10月12日付けのメールでは、新宿院の成果が悪いとして、①CPCを上げることで、獲得しやすいメディアの上位の掲載位置に掲載されるようになり、クリック数は減るが、コンバージョン率が上がり、コンバージョン数を増加させることを狙うこと、②そうすると、CPCが上がりクリック数が減るため、広告を配信するターゲットをより厳格に設定するとして、今まで獲得できていたターゲットに類似するユーザで、かつ、ウェブサイトに2回以上アクセスしたユーザを中心に配信することなどの記載がある(乙16の1)。
イ 定例広告会議等でのやり取りについて
(ア) 広告について、クリック数やコンバージョン数を把握する方法としては、各広告媒体の管理画面(以下「広告管理画面」という。)による方法とグーグルアナリティクスによる方法がある。ユーザが複数の広告媒体の広告をクリックしてコンバージョンに至った場合、広告管理画面では、コンバージョンに至るまでにクリックされた全ての広告媒体の管理画面レポートにそれぞれコンバージョンがカウントされる。一方で、グーグルアナリティクスでは、コンバージョンの直前に接触した広告のみが評価される。(甲38、39)
(イ) 被告Y1は、画像広告について、広告管理画面上のコンバージョン数を集計してクインテットに送付し、クインテットがこれに自社のデータを統合し、E会長らをはじめとする原告らの関係者と毎週行われていた広告定例会議において、その資料を提出していた(甲39、54、証人G・5頁、証人F・22頁、原告MKT代表者・7頁)。他方で、グーグルアナリティクスについては、被告Y1は、クインテットと共同して確認していたが、同会議では、その内容を報告していなかった(証人F・25頁、被告Y1・44、45頁)。被告Y1は、E会長らから、グーグルアナリティクスに基づき報告するよう求められたことはなかった(被告Y1本人・56頁)。
(ウ) 定例広告会議では、E会長やA代表から、画像広告のコンバージョンを伸ばすために何かできないのかと言われており、被告Y1は、それに対し、この部分のリタゲーションを増やすなどの説明をし、対応してきた(乙22、被告Y1本人・13、14頁)。
(エ) E会長は、広告定例会議において、常々、費用対効果が重要であることを述べていた(証人E・13頁)。また、Gが、E会長に対し、被告Y1の提出する資料が不十分であると指摘することがあったり、Fが、E会長に対し、被告会社らの担当する画像広告の成果が悪いことを指摘することがあったが、E会長は、被告Y1は良く頑張っているなどとして、被告会社らに対する広告業務の委託を打ち切ることはなかった(証人G・19、20頁、証人F・15、25、26頁)。
ウ 後任のスリーエイチの広告業務について
(ア) 被告会社らが本件各広告業務を解除された後、原告らの画像広告については、スリーエイチが引き継いだ(甲40)。
(イ) グーグルアナリティクスによれば、被告会社らが画像広告を担当していた平成29年3月から平成30年2月までの期間において、画像広告がクリックされたのは93万3334回、そのうちコンバージョンに至ったのは30回であり、その期間の広告代金は5993万0600円であった。他方、スリーエイチが担当していた同年3月から平成31年2月までの期間において、画像広告がクリックされたのは22万3708回、そのうちコンバージョンに至ったのは154回であり、その期間の広告代金は3816万7986円であった。(甲36、37)
(2) 争点3-1(被告らの不法行為又は債務不履行の成否)に関する判断
ア 原告らは、被告らは、広告業務の一般的な水準の知見に基づき、より効率的な広告方法等を選択し、コンバージョン率等の検証の結果、広告効果が悪いのであれば、これを改善すべく取り得る手段を尽くす義務、さらに、より費用対効果の高い広告を配信するため、対象(ターゲット)を限定して画像広告を配信すべき義務を負っていたにもかかわらず、被告らは、これらを怠り、費用対効果を考えず、著しく費用対効果が悪い画像広告を大量に配信し、異常に高額の業務委託料を原告らに支払わせたなどと主張する。
イ そこで検討するに、原告らは、被告会社らの画像広告の費用対効果が悪かったことについて、グーグルアナリティクスによる解析に基づき、被告らが画像広告を担当していた期間は、被告らの後任のスリーエイチが担当していた期間と比べて、クリック数は多いがコンバージョン率が著しく低かったことを主張し、E会長やA代表も、平成30年4月頃、後任のスリーエイチから無駄が多いと聞いたことやスリーエイチの画像広告の費用対効果と比較したことを契機とし、被告会社らの画像広告の配信には無駄が多いと感じるようになった旨供述する(証人E・23、24頁、原告MKT代表者・9頁)。
確かに、グーグルアナリティクスによる解析によれば、スリーエイチが画像広告を担当していた期間は、被告会社らがコミクスに発注していた期間よりも、少ない広告代金でより多くのコンバージョンに至っていたということはできる(認定事実ウ(イ))。
しかしながら、画像広告を含めた広告業務について、戦略や手法は様々であり、どのような手法、頻度で、どのようなターゲットに向けた画像広告を配信すれば、効率良くコンバージョンに結び付くかということについて、確立した知見があるとは考えられず、単に他社と比較して費用対効果が劣っている画像広告を配信していたからといって、このこと自体が不法行為又は債務不履行に当たるということはできない。
ウ また、画像広告を配信する対象(ターゲット)についても、コミクスが毎週被告Y1に送付していた本件週次レポートには、各広告媒体ごとに、インフィード広告、リターゲティング配信、ターゲティング配信等の記載があり、それぞれについて実施金額、クリック数、CPC、コンバージョン数、コンバージョン比率等の記載があるほか、コミクスから被告Y1に対するメールでも、画像広告の成果に照らし、コンバージョン数の向上に向けて、画像広告を配信するターゲットを再設定することなどの提案がされている(認定事実ア(イ)、(ウ))。これらに鑑みれば、被告Y1が画像広告の配信する対象(ターゲット)を設定せず、無闇に画像広告を配信していたということはできない。
エ そして、被告らは、E会長やクインテットの担当者を含めた広告定例会議において、広告管理画面上のコンバージョン数を集計した資料を基にその内容について報告しており、E会長らの承認を受けながら、発注先のコミクスをして画像広告を行ってきた(認定事実イ(イ)、(ウ))。また、GやFは、E会長に対し、被告会社らの担当する画像広告の成果が悪いことを指摘していたが、E会長は、被告Y1は良く頑張っているとして、被告会社らに対する広告業務の委託を打ち切ることはなかったものである(同(エ))。また、原告らにおいてコンバージョン当たりの報酬を定めることも可能であったと考えられるにもかかわらず、本件各業務委託契約においては、そのような報酬の定め方はされていない。
このように、A代表やE会長は、費用対効果を重視している中、被告会社らの画像広告の成果を認識していながら、画像広告の成果と被告会社らの報酬を関連付けることもなく、長年にわたり画像広告を被告会社らに委託していたのであって、このことも併せ考えると、仮に現時点で回顧的に見ればよりよい画像広告の方法があり得たとは言い得たとしても、被告らの画像広告の配信について、被告らの不法行為又は債務不履行を構成するような義務違反があったということはできない。
オ また、原告らは、被告らは、原告らのハウスエージェンシーとして広告業務を独占的に行っていたのであるから、原告らに対し、業務委託料の請求金額について根拠を明示して詳細に説明する義務を負っていた旨主張する。しかし、被告らが原告らのハウスエージェンシーの立場であったとはいえないことは、前記説示のとおりであるから、原告らの前記主張は、その前提において採用することができない。
カ さらに、原告らは、被告らは、実際に行った画像広告の効果について、それに要した費用と併せて、特にグーグルアナリティクスに基づき説明する義務を負っていた旨主張する。
広告媒体の管理画面上のコンバージョン数は、複数の広告媒体を経てコンバージョンに至った場合、それらが重複してカウントされる一方で、グーグルアナリティクスではコンバージョンの直前に接触した広告のみが評価される(認定事実イ(ア))。このため、コンバージョン数自体を重複なく把握するという観点からはグーグルアナリティクスを用いることが適しているといえる一方で、コンバージョンに至った消費者がどのような広告に興味を持ち、クリックしたかということを把握するためには、広告管理画面を用いることが適しているともいえるのであって、被告らがグーグルアナリティクスに基づき、画像広告の成果を報告する義務を当然に負っていたということはできない。
また、被告Y1は、クインテットとの間でグーグルアナリティクスの内容を共有していたところ、E会長らから、グーグルアナリティクスに基づく報告をするよう求められたことはなく(同イ(イ))、特に、クインテットは、原告らの広告全般のコンサルティングを行っていた(前提事実(2)イ(ア))のであるから、画像広告の成果の検証をグーグルアナリティクスに基づき行う必要があったのであれば、クインテットが自らこれを話題にするか、被告Y1に指示すれば足りたにもかかわらず、このような事情は窺われない。これらに鑑みれば、被告らが画像広告の成果について、グーグルアナリティクスに基づいて説明する義務を負っていたとはいえず、原告らの主張は、その他の説明義務違反をいう点も含めて採用することができない。
キ 以上によれば、画像広告に関する損害賠償請求は、いずれも理由がない。
4 サテライトサイトに関する損害賠償請求について
(1) 認定事実
前記前提事実のほか、後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば、この点に関し、以下の事実が認められる。
ア 被告会社らは、原告MKPのために○○クリニックに係る11件のサテライトサイトを、原告BCTのために□□クリニックに係る4件のサテライトサイト(本件各サテライトサイト)を開設し、各クリニックのウェブサイトに顧客を誘導していた(争いがない)。
原告MKP及び原告BCTは、本件各サテライトサイトの開設費用として、被告会社らに対し、1件当たり少なくとも25万円の製作費を支払った(甲47、49、弁論の全趣旨)。
イ 被告会社らは、DYMに対し、本件各サテライトサイトの管理を委託していたところ、DYMが本件各サテライトサイトのドメインの更新を失念したため、本件各サテライトサイトのドメインを使用することができなくなり、本件各サテライトサイトが消失した(乙22、被告Y1本人・11頁)。
ウ 被告会社らは、その弁償という趣旨で、DYMから、元々作成することが予定されていた「梅田サイト新システム」というコンテンツを無償で作成してもらった(乙22、被告Y1本人・11、12、42、43頁)。しかし、被告Y1は、原告らに対し、本件各サテライトサイトが消失したことを報告せず、「梅田サイト新システム」の料金として、89万6703円を請求し(被告Y1本人・42、43頁)、原告らは、これを被告会社らに支払った(争いがない)。
(2) 争点4-1(被告らの不法行為又は債務不履行の成否)に関する判断
ア 被告会社らは、原告MKP及び原告BCTから料金の支払を受けて本件各サテライトサイトを制作し、顧客を誘導していた(認定事実ア)のであるから、被告会社らは、原告MKP及び原告BCTに対し、本件各サテライトサイトを適切に維持管理すべき債務を負っていたとするのが相当である。
そうであるにもかかわらず、被告会社らの履行補助者であるDYMが、本件各サテライトサイトのドメインの更新を失念したため、本件各サテライトサイトのドメインを使用することができなくなり、本件各サテライトサイトが消失したものである(認定事実イ)から、被告会社らは原告MKP及び原告BCTに対する債務不履行責任を負うと認められる。
イ 原告MKP及び原告BCTは、本件各サテライトサイトが消失したことが被告らによる不法行為に当たるともするが、本件各サテライトサイトを適切に維持管理すべき債務が被告会社らの負担する債務そのものであることに鑑みても、被告会社らが債務不履行責任を負うことを超えて、被告らの行為が社会的相当性を逸脱し、不法行為に該当するとまでは認めるに足らない。原告MKP及び原告BCTは、被告会社らが、本件各サテライトサイトを消失させたことの弁償として、DYMに対し、無償で「梅田サイト新システム」を作成させたにもかかわらず、原告らに対してその金額を支払わせた(認定事実ウ)ことも指摘するが、「梅田サイト新システム」は本件各サテライトサイトとは異なるシステムであり、元々作成が予定されていた(同)のであって、その原価が無償であったという域を出ないから、先の判断を左右しない。
ウ 他方、被告らは、本件各サテライトサイトのデータが消失したわけではなく、他のドメインを取得して同様のサイトを開設することが容易である旨主張するが、本件各サテライトサイトのドメイン自体は消滅しているのであるから、前記説示が左右されるものではない。
(3) 争点4-2(損害額及び因果関係)に関する判断
ア 原告MKP及び原告BCTは、本件各サテライトサイトの開設費用として、被告会社らに対し、1件当たり25万円の製作費を支払ったものであり(認定事実ア)、本件各サテライトサイトを再構築するに必要な費用を認定するに足りる的確な証拠も無く、各種の手数料等も合算すれば同程度の費用を要すると考えられることや、本件各サテライトサイトの価値は減耗していくような性質のものではないこと、本件各サテライトサイトが消失したことで原告らのサイトの閲覧数が減少し、原告MKP及び原告BCTの収益にも何らかの影響があったと考えられ得ることを踏まえると、前記の1件当たり25万円の全額を原告MKP及び原告BCTが被った損害と認めるのが相当である。したがって、被告会社らの前記債務不履行により、原告MKPは275万円(25万円×11件)の損害を、原告BCTは100万円(25万円×4件)の損害を、それぞれ被ったというべきである。
イ また、原告らは、本件各サテライトサイトが消失したことにより、グーグルの検索順位を上位に回復させるためにリスティング広告をより多く掲載しなければならなくなったとして、リスティング広告費用の増額についても、相当因果関係のある損害である旨主張する。しかし、本件全証拠によっても、本件各サテライトサイトが消失したことにより、本件各診療所のウェブサイトの検索順位が有意に低下したとは認められないから、リスティング広告費用の増額との間に相当因果関係があるとはいえない。
ウ そうすると、原告MKP及び原告BCTのサテライトサイトに係る請求については、第1事件の主位的請求及び予備的請求1は、不法行為を訴訟物とするから、いずれも理由がないことになり、予備的請求2については、理由があることになる(予備的請求3は予備的請求2に包含され、認容額を超えないので判断を要しない。)。なお、遅延損害金の起算日は、第1事件に係る訴状送達の日の翌日である平成30年8月26日となる。
5 小括
以上によれば、第1事件の原告らの請求のうち、業務委託料の過大請求に係る請求については、原告らの主位的請求が別紙第1事件の主位的請求認容額等一覧表に記載の限度で、サテライトサイトに係る請求については、原告らの予備的請求2が原告MKPに対し275万円、原告BCTに対し100万円及びこれらに対する平成30年8月26日から各支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で、それぞれ理由があり、その余の原告らの請求はいずれも理由がないことになる。
6 争点5(被告会社らに対する未払業務委託料の有無及び額)について
(1) 認定事実
前記前提事実のほか、後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば、この点に関し、以下の事実が認められる。
ア 原告らは、平成30年5月30日、被告会社らから同年2月分及び3月分の報酬を過大に請求されていたとことが発覚したとして、被告会社らに対し、本件各業務委託契約を同年5月末日限りで解除する旨の意思表示をした(原告MKP代表者・10、11頁)。
イ 被告会社らは、平成30年4月分及び5月分の広告業務について、既に広告代理店に発注して実施済みであり、同年6月分の広告業務についても一部発注して実施された(乙17~20、弁論の全趣旨)。原告らは、被告会社らに対し、同年4月分から6月分までの広告業務の報酬を支払っていない(争いがない)。
ウ 平成30年4月分及び同年5月分の広告業務について、被告会社らに対する発注先の広告代理店からの請求額に本件報酬合意に基づき算出される被告会社らの報酬額及びこれらに対する消費税(8%)を加えた金額は、別紙未払業務委託料一覧表の「②本件報酬合意に基づき、原告らに対して請求できる業務委託料の額」欄に各記載のとおりである(乙17~20、弁論の全趣旨)。
(2) 判断
ア 被告会社らが、平成30年4月分及び5月分の広告業務について、既に広告代理店に発注して実施済みであり、同年6月分の広告業務についても一部発注して実施されたことは、認定事実イのとおりである。
しかし、前記認定のとおり、原告らと被告会社らは、平成30年2月22日頃、本件報酬合意をしたにもかかわらず、被告らは、発注先からの請求額をあえて過大に表示し、これに基づき計算した報酬を含めて業務委託料として請求していたものであるから、このことは、これ自体が不法行為も構成する原告らに対する著しい背信行為であり、被告会社らの債務不履行に該当するというべきである。そして、原告らは、平成30年5月30日、被告会社らから同年2月分及び3月分の報酬を過大に請求されていたとことが発覚したとして、被告会社らに対し、本件各業務委託契約を同年5月末日限りで解除する旨の意思表示をした(認定事実ア)のであるから、本件各業務委託契約は、同月末日に終了したものと認められる。したがって、被告会社らの未払業務委託料の請求のうち、同年6月分に係るものについては理由がない。
イ 原告らと被告会社らのとの間では、平成30年1月分以降の報酬について、グロスで9%とすることの本件報酬合意があったことは前記1(1)ウ(イ)に認定のとおりであり、このことを前提として被告会社らが原告らに対して請求することができる業務委託料は、認定事実ウのとおりである。
ウ これに対し、被告会社らは、原告らに対し、本件各業務委託契約に基づく報告義務を怠っており、業務が完了していないから、報酬請求権は発生していない旨主張するが、前記3に説示したところに照らしても、被告会社らに原告らの主張に係る報告義務の違反は認められないから、採用することができない。
エ 以上によれば、被告会社らの原告らに対する業務委託料の請求は、別紙未払業務委託料一覧表の「②本件報酬合意に基づき、原告らに対して請求できる業務委託料の額」欄に各記載の限度で理由がある。そして、遅延損害金の起算日については、本件各業務委託契約に基づく業務委託料は当月締めで翌月末までに支払われるものである(前提事実(2)ウ)ことからすると、同年4月分の業務委託料の請求については同年6月1日から、同年5月分の業務委託料の請求については同年7月1日をそれぞれ起算日とすることになる。
第4 結論
以上の次第で、第1事件については、主文第1項及び第2項に掲記の限度で理由があるからこの限度で認め、その余の請求は理由がないからこれらをいずれも棄却し、第2事件については、主文第3項から第5項までに掲記の限度で理由があるからこれらの限度で認め、その余の請求は理由がないからこれらをいずれも棄却することとして、主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第26部
(裁判長裁判官 小田真治 裁判官 芦田泰裕 裁判官 中原諒也)
〈以下省略〉
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【よくある質問 Q&A 一覧】
■街頭ポスター貼り(掲示交渉)代行について
Q&A【1】街頭ポスター貼付(掲示交渉代行)サービスとはどのようなものですか?
Q&A【2】どのくらいの期間で何枚くらいの街頭ポスター貼付ができるのですか?
Q&A【3】街頭ポスターを貼る際は先方(許可承諾者)に許可をいただいて貼るのですか?
Q&A【4】ポスターの①貼付依頼~②貼付開始~③貼付完了等の流れについて教えていただけますか?
Q&A【5】ポスターの料金は1枚いくらで貼ってくれるのですか?
Q&A【6】ポスターの貼付エリアや貼り付け枚数等は指定できますか?
Q&A【7】ポスター貼付後のメンテナンス(貼り替え・剥がし)も依頼できますか?
Q&A【8】最低何枚から街頭ポスター貼りを依頼できますか?
Q&A【9】ポスター貼り替え期間の指定はできますか?貼りっぱなしではないですか?
Q&A【10】街頭ポスターの貼付交渉(新規掲示)の実績や事例はありますか?
■政治活動における広報支援について
Q&A【11】「ドブ板選挙プランナー」とはどのようなお仕事ですか?
Q&A【12】「ポスタリング」とはどのようなサービスですか?
Q&A【13】政治活動等の特殊な業界についてのポスター掲示交渉は難しいですか?
Q&A【14】政治活動用の街頭ポスター(二連|三連)貼りをお願いしたいのですが、特定政党の支援は可能ですか?
Q&A【15】政治活動におけるポスターについて公職選挙法や政治資金規正法等の知識はありますか?
Q&A【16】街頭で無料の「ウィン!ワッポン」をよく見かけますが、これで選挙の勝率が上がりますか?
Q&A【17】二連ポスターや三連ポスター製作前に「弁士の相手」のご提案もしてくれますか?
Q&A【18】ポスター「掲示責任者代行」とはどのようなものでしょうか?
Q&A【19】選挙妨害やその他クレーム対応等の代行も可能でしょうか?
Q&A【20】政治活動(選挙運動)における広報支援プランはどのようなものがありますか?
■営業専門会社による広報PR支援について
Q&A【21】飛び込み訪問、戸別訪問、挨拶回り代行等、ポスター貼り以外でもお願いできますか?
Q&A【22】飲食店や実店舗等の店内やトイレ等にポスターを貼ったり、ビジネスカード設置、チラシ配布等は可能ですか?
Q&A【23】全国どこでもポスター貼りが可能なのですか?
■ご検討中の方々に
Q&A【24】お問い合わせについて
Q&A【25】資料をダウンロード
Q&A【26】ノウハウ・テクニックを大公開!
■ご依頼(お申し込み)の前に
Q&A【27】お申し込みの流れ
Q&A【28】ご用意いただきたいもの
■ご依頼(ご契約)の後に
Q&A【29】進捗報告について
Q&A【30】お友達ご紹介キャンペーンについて
■ポスターPRプラン一覧(枚数・サイズの選択)
選挙区エリアにおいて、ポスターの当該掲示許可承諾者に対して交渉し、同一箇所にどのように掲示するかをお選びいただきます。
【臨機応変型PR】ポスター掲示許可貼付交渉代行プラン ※ご発注選択率88% ★こちらをご確認下さい。
【連続二枚型PR】ポスター掲示許可貼付交渉代行プラン ※ご発注選択率6% ★こちらをご確認下さい。
【限定一枚型PR】ポスター掲示許可貼付交渉代行プラン ※ご発注選択率4% ★こちらをご確認下さい。
【個別指定型PR】ポスター掲示許可貼付交渉代行プラン ※ご発注選択率2% ★こちらをご確認下さい。
※ポスターのサイズは、A1サイズ、A2サイズをはじめ、ご希望に応じてご提案させていただきます。
■掲示場所・貼付箇所
「首都圏などの大都市」「田舎などの地方都市」「駅前や商店街」「幹線道路沿いや住宅街」等により、訪問アプローチ手段が異なりますので、ご指定エリアの地域事情等をお聞かせ下さい。
※貼付箇所につきましては、弊社掲示交渉スタッフが当該ターゲットにアプローチをした際の先方とのコミュニケーションにて、現場での判断とさせていただきます。
■訪問アプローチ手段
【徒歩圏内】
駅周辺の徒歩圏内における、商店街や通行人の多い目立つ場所でのPR
【車両移動】
広範囲に車移動が必要な、幹線道路沿いや住宅街等の目立つ場所でのPR
※全国への出張対応も可能ですので、ご要望をお聞かせください。
選挙ドットウィン!の「どぶ板広報PR支援」は、選挙立候補(予定)者様の地獄の政治活動を「営業力」「交渉力」「行動力」でもって迅速にお応えいたします。
「全国統一地方選挙」・「衆議院議員選挙」・「参議院議員選挙」・「都道府県知事選挙」・「都道府県議会議員選挙」・「東京都議会議員選挙」・「市長選挙」・「市議会議員選挙」・「区長選挙」・「区議会議員選挙」・「町長選挙」・「町議会議員選挙」・「村長選挙」・「村議会議員選挙」など、いずれの選挙にもご対応させていただいておりますので、立候補をご検討されている選挙が以下の選挙区エリアに該当するかご確認の上、お問い合わせいただけますようお願いいたします。
(1)政治活動/選挙運動ポスター貼り ☆祝!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
勝つ!選挙広報支援事前ポスター 政治選挙新規掲示ポスター貼付! 1枚から貼る事前選挙ポスター!
「政治活動・選挙運動ポスターを貼りたい!」という選挙立候補(予定)者のための、選挙広報支援プロ集団「選挙.WIN!」の事前街頭ポスター新規掲示プランです。
(2)圧倒的に政界No.1を誇る実績! 政治ポスター(演説会告知|政党|個人|二連三連)掲示交渉実績!
地獄のポスター貼りやります! ドブ板選挙ポスタリストが貼る! ポスター掲示交渉実績を大公開!
政治ポスター貼りドットウィン!「ドブ板選挙を戦い抜く覚悟のあなたをぜひ応援したい!」事前街頭PRおよび選挙広報支援コンサルティング実績!
(3)今すぐ無料でお見積りのご相談 ☆大至急スピード無料見積もり!選挙広報支援プランご提案
ポスター掲示難易度ランク調査 ご希望のエリア/貼付箇所/貼付枚数 ☏0120-860-554(貼ろう!ここよ!) ✉info@senkyo.win
「政治活動用のポスター貼り代行」や「選挙広報支援プラン」の概算お見積りがほしいというお客様に、選挙ドットウィンの公職選挙法に抵触しない広報支援プランのご提案が可能です。
(4)政界初!世界発!「ワッポン」 選挙管理委員会の認証確認済みPR型「ウィン!ワッポン」
完全無料使い放題でご提供可能! 外壁街頭ポスター掲示貼付ツール 1枚から対応/大至急/一斉貼付け!
「ガンガン注目される訴求型PRポスターを貼りたい!」というお客様に、選挙ドットウィンの「ウィン!ワッポン」を完全無料使い放題でご提供する、究極の広報支援ポスター新規掲示プランです。
(5)選べるドブ板選挙広報支援一覧 選挙.WIN!豊富な選挙立候補(予定)者広報支援プラン一覧!
政治家/選挙立候補予定者広報支援 祝!当選!選挙広報支援プロ集団 世のため人のため「SENKYO.WIN」
アポイントメント獲得代行/後援会イベントセミナー集客代行/組織構築支援/党員募集獲得代行(所属党本部要請案件)/演説コンサルティング/候補者ブランディング/敵対陣営/ネガティブキャンペーン(対策/対応)
(6)握手代行/戸別訪問/ご挨拶回り 御用聞きによる戸別訪問型ご挨拶回り代行をいたします!
ポスター掲示交渉×戸別訪問ご挨拶 100%のリーチ率で攻める御用聞き 1軒でも行くご挨拶訪問交渉支援
ご指定の地域(ターゲットエリア)の個人宅(有権者)を1軒1軒ご訪問し、ビラ・チラシの配布およびアンケート解答用紙の配布収集等の戸別訪問型ポスター新規掲示依頼プランです。
(7)地域密着型ポスターPR広告貼り 地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)
街頭外壁掲示許可交渉代行/全業種 期間限定!貴社(貴店)ポスター貼り サイズ/枚数/全国エリア対応可能!
【対応可能な業種リスト|名称一覧】地域密着型ポスターPR広告(街頭外壁掲示許可交渉代行)貼り「ガンガン注目される訴求型PRポスターを貼りたい!」街頭外壁掲示ポスター新規掲示プランです。
(8)貼る専門!ポスター新規掲示! ☆貼!勝つ!広報活動・事前街頭(単独/二連)選挙ポスター!
政治活動/選挙運動ポスター貼り 勝つ!選挙広報支援事前ポスター 1枚から貼る事前選挙ポスター!
「政治活動・選挙運動ポスターを貼りたい!」という選挙立候補(予定)者のための、選挙広報支援プロ集団「選挙.WIN!」の事前街頭ポスター新規掲示プランです。
(9)選挙立札看板設置/証票申請代行 絶対ここに設置したい!選挙立札看板(選挙事務所/後援会連絡所)
選挙事務所/後援会連絡所届出代行 公職選挙法の上限/立て札看板設置 1台から可能な選挙立札看板設置
最強の立札看板設置代行/広報(公報)支援/選挙立候補者後援会立札看板/選挙立候補者連絡所立札看板/政治活動用事務所に掲示する立て札・看板/証票申請代行/ガンガン独占設置!