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裁判年月日 令和 2年 9月10日 裁判所名 広島高裁岡山支部
事件番号 令元(行コ)11号・令2(行コ)1号
事件名
文献番号 2020WLJPCA09106011
出典
裁判年月日 令和 2年 9月10日 裁判所名 広島高裁岡山支部
事件番号 令元(行コ)11号・令2(行コ)1号
事件名
文献番号 2020WLJPCA09106011
令和元年(行コ)第11号 不当利得返還請求控訴事件,
令和2年(行コ)第1号 同附帯控訴事件
(原審・岡山地方裁判所平成29年(行ウ)第15号)
岡山市〈以下省略〉
控訴人兼附帯被控訴人 特定非営利活動法人X(以下「控訴人」という。)
同代表者理事 A
同訴訟代理人弁護士 東隆司
岡山市〈以下省略〉
被控訴人兼附帯控訴人 岡山市長 Y(以下「被控訴人」という。)
同訴訟代理人弁護士 佐々木基彰
同 竹田航
主文
1 控訴人の本件控訴及び被控訴人の附帯控訴に基づき,原判決を次のとおり変更する。
(1) 被控訴人は,本判決別表1の「相手方」欄の「番号」1ないし5記載の各会派に対し,それぞれ該当する「認容額」欄記載の各金員及びこれに対する本判決確定の日の翌日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
(2) 被控訴人は,本判決別表2の「相手方」欄の「番号」2,4,5及び6の各会派に対し,それぞれ該当する「認容額」欄記載の各金員及びこれに対する本判決確定の日の翌日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
(3) 控訴人のその余の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は,第1,2審を通じてこれを10分し,その9を控訴人の負担とし,その余を被控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1 控訴の趣旨及び附帯控訴の趣旨
1 控訴の趣旨
(1) 原判決を次のとおり変更する。
(2) 被控訴人は,原判決別表1及び2の「相手方」欄記載の各会派に対し,それぞれ該当する「請求金額」欄記載の各金員及びこれらに対する平成28年5月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
2 附帯控訴の趣旨
(1) 原判決中被控訴人敗訴部分を取り消す。
(2) 上記の部分につき,被控訴人の請求をいずれも棄却する。
第2 事案の概要(略語は新たに定義しない限り原判決の例による。以下,本判決において同じ。)
1 本件は,岡山市内に所在する特定非営利活動法人である控訴人が,被控訴人に対し,岡山市議会の会派である原判決別表1及び2の「相手方」欄記載の各会派は,平成27年度(平成27年4月1日から平成28年3月31日まで)に岡山市から交付を受けた政務活動費につき,岡山市議会の各会派に対する政務活動費の交付に関する条例(本件条例)に適合しない違法な支出を行ったから,不当利得として返還すべきであり,かつ,本件各会派は,本件条例に適合しない違法な支出をしたことにつき悪意であるにもかかわらず,被控訴人が違法な支出に相当する金員及びこれらに対する民法704条前段所定の利息(以下「法定利息」という。)の支払請求を怠っていると主張して,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,上記各会派に対し,原判決別表1及び2のそれぞれ該当する「請求金額」欄記載の各金員及びこれらに対する上記政務活動費に係る収支報告書の提出期限の翌日である平成28年5月1日から支払済みまで年5分の割合による法定利息の支払を請求するよう求める住民訴訟である。
原判決は,控訴人の請求のうち,被控訴人に対し,原判決別表1の「相手方」欄の「番号」1ないし4記載の各会派並びに原判決別表2の「相手方」欄の「番号」2及び5記載の各会派に対し,それぞれ,各別表の該当する「認容額」欄記載の金員並びにこれらに対する判決確定の日の翌日から各支払済みまで年5分の割合による法定利息を,それぞれ支払うよう請求することを求める限度で認容し,その余の請求をいずれも棄却した。
当裁判所は,原判決と異なり,控訴人の請求のうち,被控訴人に対し,本判決別表1(以下「別表1」という。)の「相手方」欄の「番号」1ないし4記載の各会派並びに本判決別表2(以下「別表2」という。)の「相手方」欄の「番号」2,4,5及び6記載の各会派に対し,それぞれ,各別表の該当する「認容額」欄記載の金員並びにこれらに対する判決確定の日の翌日から各支払済みまで年5分の割合による法定利息を,それぞれ支払うよう請求することを求める限度で認容し,その余の請求をいずれも棄却すべきものと判断した。
2 関係法令等の定め,前提事実,争点及び当事者の主張は,後記3のとおり当審における当事者の追加・補充主張を加えるほかは,原判決「事実及び理由」の「第2 事案の概要」1ないし3(原判決2頁25行目~11頁12行目。別紙を含む。)に記載のとおりであるから,これを引用する。
3 当審における当事者の追加・補充主張
(1) a会,b市議団及びc市議団の広報費のうち封筒・ラベル類作成費,切手購入費等(本判決別紙「支出項目一覧表(平成27年5月1日から平成28年3月31日分)」(以下「別紙2」という。)A番号1~3,B番号141,145,150~152,154,155,157,160~170,C番号1~8)について
(控訴人)
被控訴人は,これらの支出が,各議員の市政報告紙の郵送のためのものであったと主張するところ,その裏付けとなり得る証拠は,各議員本人の陳述以外には存在しない。また,これらの支出のうち,b市議団のB議員の印刷費用,封筒代及び封入代(別紙2B番号160)以外のものは,市政報告紙の印刷と異なる時期にされた封筒等の印刷等のためのものである。そうすると,これらの支出は,その全てが,各議員の市政報告紙の郵送のためのものとはいえず,汎用性が高く,政務活動以外の政治活動に用いられることもある封筒等のためのものであるから,2分の1で按分した額の限度で,返還の対象となるというべきである。
(被控訴人)
市議は,4年間という長い任期の間において,継続的に市政報告を行うのであるから,一度にまとまった数の封筒作成やラベル・切手購入を行っても,特段の問題はない。また,封筒作成費用は,1回当たりの枚数が多いほど1枚当たりの金額が安価となる。
したがって,これらの支出は,市政報告紙の発行頻度や部数と比較して明らかに高額である等の特段の事情がないかぎり,各議員本人の陳述に沿って,市政報告紙の郵送のためのものであったと認定されるべきである。
(2) b市議団,d団体及びe会の研修費のうち海外訪問の旅費(別紙2B番号116~119,122~130,135~140,D番号1,G番号2,3)について
(控訴人)
これらの海外の友好都市またはその候補都市への訪問旅行は,いずれも,①儀礼的訪問・宴会参加が日程の大半を占めており,②その他の日程は実質的に観光であり,③各日程の間には長時間にわたって,行動不明の時間帯が存在しており,その間にも観光が行われていると思われる。そもそも,岡山市の市議会議員らが,政務調査費や政務活動費を用いて,視察と称する海外の友好都市への訪問旅行を行うことは,年中行事化しており,それら訪問旅行の内容は,毎年,セレモニー参加,「懇談」及び観光の繰り返しである。
また,仮に,これらの海外訪問旅行における表敬訪問や歓迎夕食会出席が,政務活動との関連性を有するとしても,①これらの海外訪問旅行の日程のうち,そのように政務活動との関連性を有するといえる部分は,一部にすぎないし,②これらの海外訪問旅行の費用には,現地側との食事会以外の飲食費も含まれているので,それらの全てを政務活動費から支出することは許されない。
したがって,これらの海外訪問の旅費の支出は,その全額を違法といえないとしても,条理に従って按分し,一部を返還の対象とすべきである。
(被控訴人)
これらの海外の友好都市またはその候補都市への訪問旅行は,①定期的な訪問により交流を深めること自体が,最新情報を調査して,自らの市政に反映することの契機となるし,②海外の観光地を視察することが,岡山市に国内外からの観光客を招致するという課題の検討に資するという効用がある。そして,議員の視察活動等を制限しないよう余裕をもった日程にする必要があることや,先方との時間調整及び移動時間の関係から,日程の中に,ある程度の空き時間が生じるのはやむを得ないことである。また,海外視察中の食事は,自宅での食事よりも高額の費用がかかるし,岡山市の旅費計算取扱において,職員や議員に支給される日当や宿泊費に食事代が含まれるとされていることに鑑みると,現地側との食事会以外の飲食費を政務活動費から支出することも違法ではない。
したがって,これらの海外訪問の旅費の支出は,政務活動との間に合理的関連性がないものとはいえず,違法ではない。
(3) f団体の調査研究費(別紙2H番号1,2)について
(控訴人)
これらの調査研究費は,C議員の東京への交通費であるところ,C議員は,C議員が東京に赴いたのは,①農林水産省職員との面談による,農地利用政策の現状と課題についての調査研究及び議論並びに②厚生労働省医政局看護課職員との面談による,職員看護師養成制度の在り方についての調査研究及び議論のためであったと説明する。
しかしながら,市議会議員が,上記のような国レベルの政策変更を要する課題について調査研究及び議論するために,中央省庁の職員と面談するのは不自然である。また,C議員が提出した,①これらの面談に係る調査報告書には,これら中央省庁職員との間で交わされたはずの議論や質問の内容が,ほとんど記載されていないし,②これら省庁職員から交付されたという資料も,郵送やダウンロードによっても入手できる物にすぎない。したがって,上記のC議員の説明には信用性がなく,これら交通費の支出は,政務活動との合理的関連性がないので,その全額を返還の対象とすべきである。
(被控訴人)
農地利用政策の現状と課題や,看護師養成制度の在り方は,国政レベルの検討課題であると同時に,岡山市政とも関連性を有する問題でもある。また,C議員が提出した調査報告書には,中央省庁職員との間で交わされた議論や質問の内容を含めて,中央省庁職員との面談による調査研究の内容が整理して記載されている。
したがって,これらのC議員の東京への交通費は,C議員の説明に沿って,市政に関するものであったと認定されるべきである。
(4) b市議団の調査研究費のうち自動車リース料(別紙2B番号1~5)について
(控訴人)
D議員の自動車リース料の2分の1であるところ,当該自動車リース料に係るファイナンスリース契約の法的形態は,所有権移転外型ファイナンスリース契約であり,その実質は自動車の購入ローン契約と殆ど変わりがない。そして,自動車ローン代金は,個人資産形成に繋がる点でコピー機等の事務機器のリース代金と経済的実質が大きく異なり,都道府県議長会マニュアルでも政務活動費からの支出が不適切とされており,全国的にみても政務調査費や政務活動費から支出された事例は見当たらない。
さらに,当該自動車リース料には,上記ファイナンスリース期間中はリース事業者が負担する車検費用,公租公課,自賠責保険料も含まれており,これらを政務活動費から支出することも問題が大きい。
したがって,当該自動車リース料の支出は,その全額を返還の対象とすべきである。
(被控訴人)
当該自動車リース料に係るファイナンスリース契約においても,通常のリース契約と同様に,リース料は利用の対価である。そして,自動車は,政務活動に使用されることもあるのだから,当該自動車リース料の2分の1を政務活動費から支出したことは,違法とはいえない。
(5) c市議団の資料作成費,f団体の事務所費のうち備品類購入費(別紙2C番号9,H番号11~14)について
(控訴人)
これらは,具体的には,プリンターに接続するためのアダプター,複合機,冷蔵庫,配線器具及び湯沸かし器の購入費用であるところ,これらの物品は,相当程度の耐用年数があり,議会内控室以外の場所で政務活動以外の用途に使用することが可能である。
また,f団体は,C議員の1人会派であるから,これらの備品類は,会派控室で使用される場合でも,C議員自身の居住環境を快適にする役割も担っているというべきである。
したがって,これらの備品類購入費の支出は,その全額を違法といえないとしても,備品の性質に従って按分し,一部を返還の対象とすべきである。
(被控訴人)
控訴人は,これらの備品が政務活動以外の用途に使用される可能性を指摘するが,そのような可能性は抽象的なものにすぎない。そして,これらの備品は,現に,会派控室への来客に対応することを含めた政務活動のために各会派控室で使用されていた以上,それらの購入費用の全額を政務活動費から支出したことは,違法とはいえない。
(6) e会の事務所費(別紙2G番号4~36)について
(控訴人)
同会派が使用する水のサーバレンタル料,いすのカバークリーニング代,グラス代金,飲料代であるところ,①水のサーバレンタル料は,サーバや容器に係る部分を除く額が12万6896円という多額のものであり,②同会派の他に控室での飲料代を政務活動費から支出している会派はない上,飲料の購入量自体も非常に多いことから,同会派控室への来訪者専用に供されているとは考え難く,③いすのカバークリーニング代も,同会派の議員らが控室で快適に過ごすための支出でもある。
したがって,これらの支出は,少なくとも2分の1で按分した額の限度で,返還の対象となるというべきである。
(被控訴人)
同会派所属議員は6人なので,サーバや容器に係る部分を除く水のサーバレンタル料が月平均1万円程度であっても,不相当に高額なものではない。また,他の会派が控室での飲料代を政務活動費から支出していないとしても,そのことは同会派が控室での飲料代を政務活動費から支出したことが違法である根拠とはならない。
したがって,同会派が,これらを含む事務所費を政務活動費から支出したことは,違法とはいえない。
(7) f団体の事務所費のうち事務所賃料(別紙2H番号3~10)について
(控訴人)
同会派が株式会社g(以下「g社」という。)から賃借している事務所賃料の2分の1である。前記のとおり同会派はC議員の1人会派であるところ,C議員は,g社について,資本金のうち48%を出資し,平成27年当時は副社長として業務の殆どを行い,現在は代表取締役という関係にある。また,当該事務所は,プレハブ建物であるところ,g社は,その敷地を所有しておらず,地代を支払っている形跡もない。さらに,g社の商業登記上の営業目的は,C議員の政治活動そのものに相当するものが大半で,当該事務所の賃貸以外に不動産に関する事業は行っていないと推定される。このように,g社は,同会派から事務所賃料を収取することを目的として設立された,事実上C議員と一体の会社であることが強く疑われる。
したがって,当該事務所賃料の支出が,政務活動費の支出として適正でない外形的事実があるので,適正であることの主張立証責任は被控訴人にあり,その全額が返還の対象となるというべきである。
(被控訴人)
同会派は,平成27年4月にC議員が岡山市議になったことにより,1人会派として結成された会派であるところ,g社は平成16年に設立された会社であるから,控訴人による,g社が同会派から事務所賃料を取得することを目的として設立されたという主張は当たらない。なお,当該事務所を含むプレハブ建物は,C議員が借地上に建てた建物であるところ,g社が平成22年以降,C議員から賃借して,その一部を同会派に転貸しているものである。
また,g社は,C議員以外の出資者も多数いる会社であるから,控訴人による,g社が事実上C議員と一体の会社であるという主張も当たらない。
したがって,当該事務所賃料の2分の1を政務活動費から支出したことは,違法とはいえない。
(8) d団体の調査研究費のうちh団体(以下「h団体」という。)の会費・資料代,研修費(本判決別紙1「支出項目一覧表(平成27年4月1日から同月30日分)」(以下「別紙1」という)D番号1,別紙2D番号3,4)について
(控訴人)
当該会費・資料代は,E議員が支出したものであるところ,支出先であるh団体は,実質的にE議員が運営している団体であり,その支部または姉妹団体に当たるi団体は,E議員を代表者として政治的活動を行っている政治団体である。したがって,当該会費・資料代は,議員の政務活動以外の政治活動(政党活動に類する活動)の費用であるので,政務活動費から支出するのは違法である。
また,当該研修費は,①E議員が,上記のi団体が主催した講座に出席した際の駐車場代,②i団体が上記講座の講師に支払った講師料及び交通費である。そして,①E議員は,i団体の代表者として上記講座に出席したのであるから,上記①の駐車場代を政務活動費から支出するのは違法であり,②上記②の講師料及び交通費は,i団体が負担すべき費用であって,E議員が負担することは,i団体に対する寄付に該当するから,政務活動費から支出するのは違法である。
よって,上記の会費・資料代及び研修費の支出は,その全額が返還の対象となるというべきである。
(被控訴人)
h団体は,i団体とは別団体であり,E議員がそのセンター長や代表幹事をしているわけではない。したがって,当該会費・資料代を政務活動費から支出したことは,違法とはいえない。
また,当該研修費は,E議員が代表であるi団体が主催したものであったとはいえ,市議会への陳情をどう判断するのかを研修するための講座のための費用であるから,これらを政務活動費から支出したことは,違法とはいえない。
(9) e会の資料作成費(別紙2G番号1)について
(控訴人)
当該資料は,同会派所属のF議員(以下「F議員」という。)が,関西NGO大学での意見交換に講師として参加した際に作成したものであるところ,上記意見交換は,一般参加者から参加料2500円を徴収していたことから,F議員は,上記意見交換の講師報酬及び交通費を受領していると推定される。そうすると,上記の資料の作成費用も,かかる講師報酬から支出すべきであって,政務活動費から支出するのは違法である。
したがって,当該資料作成費の支出は,その全額が返還の対象となるというべきである。
(被控訴人)
当該資料作成が市政と関連を有する以上,その費用を政務活動から支出したことは,F議員が当該意見交換に際して受領した講師報酬等の有無や程度に関係なく,違法とはいえない。なお,F議員が当該意見交換に際して受領した講師報酬は,当該資料作成費用を下回る2万円であった。
(10) j団体の広報費(別紙1F番号1)について
(控訴人)
同会派所属のG議員(以下「G議員」という。)の市議会レポート総集編と題する市政報告紙の印刷代のうち,G議員が自主返納した5万2002円を除く8万8938円であるところ,上記報告紙は,①作成部数が1万部と相当に多く,②全4頁しかなく,1頁目の大部分は同議員の名前と顔写真で,③全体を通じて,具体的な議会質問・議会活動等の掲載部分が非常に少なく,④市議選直前の平成27年2月に発行されている。そうすると,上記報告紙の作成は,明らかに選挙準備活動であり,そのために政務活動費を支出するのは違法である。
したがって,当該広報費の支出は,その全額が返還の対象となるというべきである。
(被控訴人)
当該報告紙は,G議員の顔写真や名前が大きく載り,G議員の今後の抱負や政治理念等の記載も多いことは事実だが,G議員が市議会で行ってきた実績についても整理して記載されている。また,G議員が自己負担した政務活動費1万8468円を含めれば,当該印刷代のうち2分の1が返納されているとみることができる。
したがって,当該印刷代のうち,上記自己負担額及び自主返納額を除いた部分を政務活動費から支出したことは,違法とはいえない。
(11) b市議団の広報費のうち拡声器購入代金(別紙2B番号146)について
(控訴人)
同会派所属のH議員(以下「H議員」という。)が拡声器一式を購入した代金の2分の1であるところ,市議会議員は,街頭で市政報告を行うことは殆どなく,街頭・屋外で演説する場合,その大半は,選挙又は選挙準備活動のためのものである。そうすると,上記の拡声器一式の購入も,平成27年4月の市議選のためのものであることが強く疑われる。
したがって,上記の拡声器購入代金の支出は,その全額が返還の対象となるというべきである。
(被控訴人)
H議員は,市議選の後の平成27年5月22日に当該拡声器一式を購入した。また,当該拡声器一式を用いて街頭での市政報告を行っているというH議員の陳述を否定する根拠はない。
したがって,上記の拡声器購入代金を政務活動費から支出したことは,違法とはいえない。
(12) k会及びb市議団の事務所費(別紙1B番号11,別紙2B番号171~176)について
(控訴人)
同会派所属のI議員(以下「I議員」という。)及びJ議員の各事務所におけるケーブルテレビ(oniビジョン。以下「oniビジョン」という。)の通信料の2分の1であるところ,oniビジョンは,地域密着番組も配信してはいるが,その番組の大半は娯楽番組なので,その視聴が,市政や地域の情報をリアルタイムで収集するために必要とはいえない。
したがって,上記のoniビジョンの通信料の支出は,その全額が返還の対象となるというべきである。
(被控訴人)
oniビジョンは,地域密着番組を配信しており,その視聴は,岡山市の情勢を詳細に把握するために有益である。
したがって,上記のoniビジョンの通信料の2分の1を政務活動費から支出したことは,違法とはいえない。
(13) d団体の広報費のうち映像撮影,編集費用(別紙2D番号5~7)について
(控訴人)
E議員の議会報告のための映像撮影,編集費用であるところ,かかる映像の公開には,E議員の自己宣伝という側面もある。したがって,上記の映像撮影,編集費用の支出は,議員のホームページの開設,維持のための費用の支出と同様に,2分の1で按分した額の限度で,返還の対象となるというべきである。
(被控訴人)
当該映像は,議員のホームページと異なり,議員個人のプロフィール,理念等のPRや,日常的雑感情報の投稿等を含まない,議会質問の映像並びに市政及び議会に関する様々な情報を発信する内容のものである。
したがって,当該映像撮影,編集費用を政務活動費から支出したことは,違法とはいえない。
(14) k会及びb市議団の調査研究費のうちI議員のレギュラーガソリン代(別紙1B番号1,7,別紙2B番号14,15,18,30,69,77,86,113)について
(控訴人)
被控訴人が,これらレギュラーガソリン給油代金の支出と整合すると主張する,I議員が普段使用していた車両の修理・整備・車検のうち,平成27年5月11日の整備は代金4060円のもの,同月13日の板金塗装は代金2万3400円のもので,いずれも長期間の入庫は必要ないものであった。また,I議員は,同年4月21日,同月26日,同年5月13日及び同月21日にはハイオクガソリンの給油をしており,これらもI議員の主張とは整合しない。
(被控訴人)
I議員が普段使用していた車両にはハイオクガソリンを給油していたところ,当該車両は平成15年初度登録で走行距離14万km以上の古い車両であることから,平成27年当時,頻繁に修理・点検をする必要があった。そして,I議員によるレギュラーガソリン給油代金の支出のうち,明細が残っている上記車両の修理・整備・車検費用の支払日と整合するものは,かかる修理・点検・車検のための代車使用に伴うものという合理的説明がつく。
したがって,上記のような合理的説明がつくレギュラーガソリン給油代金の2分の1を政務活動費から支出したことは,違法とはいえない。
(15) k会及びb市議団の調査研究費のうちJ議員のレギュラーガソリン代(別紙1B番号3,4,別紙2B番号6,8,12,21,23,25,35,43,53,54,61~65,73~75,81~84,93~95,99,100,110,111)について
(控訴人)
J議員が平成27年6月に購入したという軽自動車は,荷台型の軽貨物自動車であり,市議が市民相談等のためにそのような自動車を用いるとは考え難い。また,J議員は,軽自動車を用いて赴いたという市民相談等の日程や場所を説明していない。したがって,市民相談等のために道幅が狭い場所に行く場合には軽自動車を使用していたという旨のJ議員の説明は,不自然で信用し難い。
(被控訴人)
J議員は,普段使用していた車両にはハイオクガソリンを給油していたが,市民相談の際等,道幅が狭い場所に行く場合に用いるために,平成27年6月に新たに軽自動車を購入し,それ以前にも同様の軽自動車を所有していたものであり,これらの軽自動車にレギュラーガソリンを給油していた。これら市民相談等の日程や場所を詳細に説明することは,現時点では困難であるが,上記のレギュラーガソリン給油の代金の2分の1を政務活動費から支出したことは,違法とはいえない。
(16) k会及びb市議団の広報費のうちK議員のホームページ管理料(別紙1B番号10,別紙2B番号147~149,153,156,158,159)について
(控訴人)
当該管理料に係るK議員のホームページの内容は,①K議員の顔写真付プロフィールや挨拶文等がデザイン上強調され,②掲載されている市政情報は,K議員が本会議で行った質問及び発言に限定され,写真や説明等は加えられていないというものであり,市政に関する情報提供よりもK議員の自己PRに重点が置かれたものであった。
また,顔写真付きプロフィールや挨拶文等が加わることによって,ホームページの容量が大きくなるので,それに伴って,ホームページ管理料が増大することになる。
したがって,上記のホームページ管理料の支出は,少なくとも2分の1で按分した額の限度で,返還の対象となるというべきである。
(被控訴人)
K議員のホームページには,K議員の顔写真付プロフィールや挨拶文等も掲載しているが,これらは,市政報告紙や議会質問の文字だけでは,市民から当該ホームページを,興味をもって閲覧してもらうのは困難であるという考えに基づくものである。したがって,上記の顔写真付プロフィールや挨拶文等がK議員個人のPRを目的としていると判断されるべきではない。また,上記の顔写真付プロフィールや挨拶文等が加わることによって,ホームページ管理料が増大するということもない。
よって,上記のホームページ管理料を政務活動費から支出したことは,違法とはいえない。
(17) a会の広報費のうちL議員のホームページレンタル料及び手数料(別紙1A番号1)について
(控訴人)
当該レンタル料及び手数料に係るL議員のホームページの内容は,①L議員の顔写真付プロフィールや挨拶文等がデザイン上強調され,②掲載されている市政情報は,L議員が本会議で行った質問及び発言に限定され,写真や説明等は加えられていないというものであり,市政に関する情報提供よりもL議員の自己PRに重点が置かれたものであった。
また,顔写真付きプロフィールや挨拶文等が加わることによって,ホームページの容量が大きくなるので,それに伴って,ホームページレンタル料及び手数料が増大することになる。
したがって,上記のホームページレンタル料及び手数料の支出は,少なくとも2分の1で按分した額の限度で,返還の対象となるというべきである。
(被控訴人)
L議員のホームページには,L議員の顔写真付プロフィールや挨拶文等も掲載しているが,これらは,市政報告紙や議会質問の文字だけでは,市民から当該ホームページを,興味をもって閲覧してもらうのは困難であるという考えに基づくものである。したがって,上記の顔写真付プロフィールや挨拶文等がL議員個人のPRを目的としていると判断されるべきではない。また,上記の顔写真付プロフィールや挨拶文等が加わることによって,ホームページレンタル料及び手数料が増大するということもない。
よって,上記のホームページレンタル料及び手数料を政務活動費から支出したことは,違法とはいえない。
(18) d団体の広報費のうちM議員の封筒の印刷費用及び用紙代(別紙1D番号2,3)について
(控訴人)
M議員は,当該印刷費用及び用紙代の支出に係る封筒に,市政報告紙とともに自身の後援会紙(「○○」)を同封していたと思われる。このことからも,当該印刷費用及び用紙代の支出は,少なくとも2分の1で按分した額の限度で,返還の対象となるというべきである。
(被控訴人)
当該印刷費用及び用紙代の支出に係る封筒は,M議員が,市政報告紙の郵送のために用いたものである。M議員は,市政報告紙の郵送よりも後に当該支出をしているが,これは,業者との従前の取引慣例(発注する頃に前回注文分を支払うことが多い)によるものにすぎない。また,M議員は,後援会活動のための封筒代や印刷代は,政務活動費からは支出せず,後援会の会計から支出している。
したがって,M議員が当該印刷費用及び用紙代を政務活動費から支出したことは,違法とはいえない。
(19) d団体の広報費のうちN議員(以下「N議員」という。)の封筒の印刷費用(別紙1D番号4)について
(控訴人)
N議員が,令和2年2月3日,当該印刷費用の2分の1を自主返納したことは,不知である。
(被控訴人)
N議員は,令和2年2月3日,当該印刷費用の2分の1を自主返納した。そして,N議員が当該印刷費の2分の1を政務活動費から支出したことは,違法とはいえない。
(20) lクラブの事務所費(別紙1E番号1)について
(控訴人)
同会派による事務用品購入代金であるところ,それらの事務用品は,その性質上,政務活動以外の政治活動にも使用することがあり得るものである。
したがって,上記の事務用品購入代金の支出は,少なくとも2分の1で按分した額の限度で,返還の対象となるというべきである。
(被控訴人)
同会派による事務用品購入代金であるところ,同会派は,それら事務用品を,同会派控室で使用していた。そのことは,同会派の主要メンバーであった市議らが平成27年4月の市議選の後に結成した会派である,e会による事務用品の購入及び使用の状況からも明らかである。
したがって,同会派が上記の事務用品購入代金を政務活動費から支出したことは,違法とはいえない。
(21) b市議団の調査研究費のうちI議員のタブレット利用料金(別紙2B番号31,32,39,40,49,50,59,60,71,72,79,80,91,92,97,98,103,104,114,115)について
(控訴人)
I議員が,令和2年3月6日,当該利用料金のうち,2台目のタブレットの利用料金に係る部分を自主返納したことは,不知である。
(被控訴人)
I議員が,2台のタブレット利用料金の約3分の1の額を政務活動費から支出したものであるところ,I議員は,令和2年3月6日,そのうち2台目の利用料金に係る部分を自主返納した。そして,I議員が1台分のタブレット利用料金の3分の1を政務活動費から支出したことは,違法とはいえない。
(22) e会の広報費(別紙2G番号37)について
(控訴人)
同会派のO議員(以下「O議員」という。)のタックシール購入代金であるところ,被控訴人の主張を前提としても,市政報告紙を封入した封筒の数(4000)よりも,上記購入に係るタックシールの数(4800)の方が多い。また,O議員は,上記の市政報告紙の封入当時,上記購入より以前に購入したタックシールの残りも有していたはずである。
したがって,上記タックシール購入代金の支出は,少なくとも2分の1で按分した額の限度で,返還の対象となるというべきである。
(被控訴人)
O議員のタックシール4800片の購入代金であるところ,O議員は,5000部印刷した市政報告紙を4000枚の封筒に封入し,そのうち3309通を郵送するのに際して,上記タックシールを用いた。
したがって,O議員が上記のタックシール購入代金を政務活動費から支出したことは,違法とはいえない。
第3 当裁判所の判断
1 当裁判所の判断は,次のとおり改め,後記2のとおりb市議団の調査研究費のうち自動車リース料(別紙2B番号1~5),f団体の事務所費のうち事務所賃料(別紙2H番号3~10),d団体の調査研究費のうちh団体の会費・資料代,研修費(別紙1D番号1,別紙2D番号3,4),j団体の広報費(別紙1F番号1),k会及びb市議団の事務所費(別紙1B番号11,別紙2B番号171~176),k会及びb市議団の調査研究費のうちI議員のレギュラーガソリン代(別紙1B番号1,7,別紙2B番号14,15,18,30,69,77,86,113),d団体の広報費のうちM議員の封筒の印刷費用及び用紙代(別紙1D番号2,3),d団体の広報費のうちN議員の封筒の印刷費用(別紙1D番号4),b市議団の調査研究費のうちI議員のタブレット利用料金(別紙2B番号31,32,39,40,49,50,59,60,71,72,79,80,91,92,97,98,103,104,114,115)並びにe会の広報費(別紙2G番号37)についての各判断と小括を加え,後記3のとおり当審における当事者らの追加・補足主張に対する判断を加えるほかは,原判決「事実及び理由」の「第3 当裁判所の判断」の1及び2(原判決11頁14行目~42頁10行目。別紙を含む。)に記載のとおりであるから,これを引用する。
(1) 原判決14頁15行目~15頁9行目を削る。
(2) 原判決15頁10行目の「b」を削る。
(3) 原判決16頁18行目~25行目を削る。
(4) 原判決16頁末行目~18頁9行目を削る。
(5) 原判決18頁10行目の「エ」を「ウ」と改める。
(6) 原判決18頁21行目~19頁9行目を削る。
(7) 原判決20頁14行目~24行目を削る。
(8) 原判決20頁25行目の「b」を削る。
(9) 原判決21頁19行目~23頁9行目を削る。
(10) 原判決25頁19行目の「D議員」を「D議員(以下「D議員」という。)」に改める。
(11) 原判決34頁25行目~35頁7行目を削る。
(12) 原判決36頁18行目の「M議員」を「d団体所属のM議員(以下「M議員」という。)」に改める。
(13) 原判決36頁24行目~37頁7行目を削る。
(14) 原判決37頁8行目の「(ウ)」を「(イ)」と改める。
(15) 原判決37頁9行目の「E議員」を「d団体所属のE議員(以下「E議員」という。)」に改める。
(16) 原判決38頁7行目~18行目を削る。
(17) 原判決38頁19行目の「(ウ)」を「(イ)」と改める。
(18) 原判決39頁5行目の「(エ)」を「(ウ)」と改める。
(19) 原判決40頁18行目~41頁5行目を削る。
(20) 原判決41頁6行目の「b」を「a」と改める。
(21) 原判決41頁15行目の「c」を「b」と改める。
(22) 原判決41頁23行目~42頁1行目を削る。
2(1) b市議団の調査研究費のうち自動車リース料(別紙2B番号1~5)についての判断
証拠(甲Bア71~76,乙Bア2)及び弁論の全趣旨によれば,①D議員は,リース期間が平成24年1月18日から平成29年1月17日,リース料月額が7万2000円,総リース料支払額が432万円で,借主側から途中解約することができない,自動車(トヨタ・クラウンロイヤルサルーン)のファイナンス・リース契約に係る,平成27年6月分ないし10月分のリース料の2分の1を政務活動費から支出したこと,②当該リース期間満了時において,借主であるD議員は,ⅰ)上記自動車を返却する,ⅱ)上記自動車のリース期間を延長する,ⅲ)上記自動車を買い取るという選択肢があることが認められる。
そして,上記のとおり,当該リース契約は,期間が5年という長期間に及び,借主であるD議員の側から途中解約することができず,総リース料支払額が432万円という高額なものである上,リース期間満了時において,借主であるD議員には,上記自動車を買い取るという選択肢もあることに鑑みると,その実質は,自動車の購入ローン契約に近いものであるといわざるを得ない。そうすると,当該自動車が政務活動のために使用されることも考えられるとはいえ,個人資産形成に繋がる当該リース契約のリース料の一部を政務活動費から支出することは違法であるというべきである。
したがって,政務活動費から支出された上記自動車リース料は,返還の対象となるというべきである。
(2) f団体の事務所費のうち事務所賃料(別紙2H番号3~10)についての判断
証拠(乙F3の1・2,4,7の1・2,8,9の1・2,10)及び弁論の全趣旨によれば,①当該事務所は,C議員が,自身名義で賃借している土地上に建築して所有している建物の一部であるところ,g社は,平成22年以降,上記建物をC議員から賃料月額20万円で賃借し,平成27年5月から同年12月まで,当該事務所部分を同会派に,光熱水費,電話代,FAX代及びPから月額2万円で賃借していた駐車場の使用料を含めた賃料月額10万円で転貸したこと,②g社は,C議員が,資本金の48%を出資し,平成27年当時は副社長で,現在は代表取締役の立場にある会社であることが認められる。また,同会派がC議員の1人会派であることは,当事者間に争いがない。
そうすると,当該事務所賃料に係る賃貸借契約の実態は,C議員が,自身が所有する建物の一部である当該事務所を,自身と密接な関係にあるg社を通して,自身の1人会派である同会派に賃貸するという,C議員による自己契約と同視できるものであったというほかない。
そして,上記事務所賃料に,g社が第三者から賃借した駐車場の使用料や,同会派の活動のための実費である光熱水費,電話代,FAX代が含まれることを勘案すると,上記事務所賃料の政務活動費からの支出は,2分の1で按分した額の限度で返還の対象となるというべきである。
(3) d団体の調査研究費のうちh団体の会費・資料代,研修費(別紙1D番号1,別紙2D番号3,4)についての判断
E議員が,h団体の2015年度会費・資料代並びにi団体が主催した市民自治講座「△△」に出席した際の駐車場代,同講座の講師に支払った講師代及び交通費の全額を政務活動費から支出したことは,当事者間に争いがない。
証拠(甲D8,乙D1,4,5の1,2,乙D7)によれば,①h団体は,地方自治体の議員のために地方自治政策に関する研究会や政策の情報発信を行っている団体であること,②上記講座は,安保関連法案が国会で審議されており,岡山市議会に対しても多くの陳情が寄せられていたことを踏まえて開催されたものであることが認められる。
他方で,証拠(甲D1,12)及び弁論の全趣旨によれば,①i団体は,E議員が代表を務める団体であること,②h団体は,その事務局がi団体の事務所と同一の場所にあることが認められる。そして,上記②の事実に照らせば,h団体は,i団体と密接な関係にある団体であることを推認することができる。
そうすると,上記のh団体の会費・資料代並びに上記講座の駐車場代,講師代及び講師交通費の支出は,政務活動のためのものと政務活動以外の政治活動のためのものが混在する支出であるというべきである。なお,控訴人は,上記の講師代及び講師交通費の支出が,i団体に対する寄付に該当すると主張するが,上記のとおり,当該支出には政務活動のためのものも混在しているというべきであるから,この主張は採用できない。
したがって,上記の会費・資料代並びに上記の講座の車場代,講師代及び講師交通費の政務活動費からの支出は,2分の1で按分した額の限度で返還の対象となるというべきである。
(4) j団体の広報費(別紙1F番号1)についての判断
証拠(甲H1,乙15)及び弁論の全趣旨によれば,①G議員の平成27年度4月分の政務活動のための支出額は,平成27年2月に発行した市議会レポート総集編と題する報告紙1万部の印刷代14万0940円及び燃料代1万2528円の合計額15万3468円であったこと,②G議員は,上記①の支出額のうち13万5000円を政務活動費から支出し,その余の1万8468円を自己負担したこと,③G議員は,上記印刷代のうち5万2002円を自主返納したことが認められる。
被控訴人は,上記報告紙には,G議員が市議会で行ってきた実績についても整理して記載されていると主張する。しかしながら,証拠(甲H1)によれば,上記報告紙は,「市議会レポート総集編」と題されてはいるものの,①全4頁のうち1頁目はG議員の名前及び顔写真並びに抱負により,4頁目もG議員の抱負及びプロフィールにより,それぞれ構成され,②2頁目は「Gは何を成してきたか?」という見出しのもとG議員の市政に関する従前の取組を,3頁目は「Gはいま何を進めているのか?」という見出しのもとG議員が今後市政に関して取り組みたいと考えていることを,それぞれ記載しているものの,その内容は,具体的な議会での質問や活動の記載は少なく,G議員の政治理念の記載が多くを占めるものであることが認められる。そして,上記報告紙の発行時期が平成27年4月の市議選の2か月前であったことも併せ考えると,上記報告紙は,全体的にみて,市政に関する報告紙というより,G議員の政治理念や抱負をPRするための媒体と評価するのが相当である。そうすると,上記報告紙の印刷は,政務活動以外の政治活動に該当するものといわざるをえない。
したがって,政務活動費から支出された上記印刷代のうち上記の自主返納後の残額である8万8938円は,返還の対象となるというべきである。
(5) k会及びb市議団の事務所費(別紙1B番号11,別紙2B番号171~176)についての判断
証拠(甲Bコ1~10,乙Bコ1~3)によれば,①I議員は,平成27年4月に支払った,後援会事務所で利用するoniビジョンの通信料9180円の2分の1を政務活動費から支出したこと,②J議員は,平成27年7月に請求を受けた分から平成28年3月に請求を受けた分まで,計10か月分の,後援会事務所で利用するoniビジョンの通信料計4万1040円(月額4104円)の2分の1を政務活動費から支出したこと,③oniビジョンは,加入するコースによって,視聴できるチャンネルの範囲や,通信料が異なること,④oniビジョンは,いずれのコースに加入しても,地域に密着し,視聴することによって県内の情勢把握に資する番組を,かなりの程度配信しているチャンネルであるoniチャンネルを視聴することができるが,加入するコースによっては,娯楽番組を配信しているチャンネルも相当数視聴することができること,⑤令和2年6月時点で,oniビジョンの通信料は,視聴可能なCSチャンネル数が最小(5)のプチコースが月額1500円,視聴可能なCSチャンネル数が38のベーシックHDコースが月額4100円であることが認められる。
そして,①I議員は,上記の支払額及び回数に照らし,上記のプチコースに近いコースの通信料を6か月分まとめて支払ったものと推認することができるのに対し,②平成27年当時におけるJ議員のoniビジョン加入コースは,上記の支払月額に照らし,上記のベーシックHDコースに近い,娯楽番組を配信しているチャンネルも相当数視聴できるものであったと推認することができる。そうすると,両議員によるoniビジョンの視聴のうち,政務活動との間で合理的関連性を有すると推認される範囲は,①I議員の場合は2分の1であるが,②J議員の場合は4分の1にとどまるというべきである。
したがって,I議員が上記のoniビジョン通信料の2分の1を政務活動費から支出したことは違法ではないが,上記のJ議員による政務活動費からのoniビジョン通信料の支出は,更に2分の1(通信料全体の4分の1)で按分した限度で返還の対象となるというべきである。
(6) k会及びb市議団の調査研究費のうちI議員のガソリン代(別紙1B番号1,7~9,別紙2B番号14~19,28~30,33,38,41,46~48,56~58,67~70,77,78,86~90,102,105~109,113)についての判断
証拠(甲Bア1~10,11~18,乙Bア1)によれば,①I議員は,平成27年当時,普段使用していた自動車にはハイオクガソリンを給油していたこと,②上記のガソリン代のうち,別紙1B番号1,7,別紙2B番号14,15,18,30,69,77,86,113のものは,レギュラーガソリン代であり,その余のものはハイオクガソリン代であること,③I議員は,上記②のレギュラーガソリン代も含めて,上記のガソリン代の2分の1を政務活動費から支出したことが認められる。そうすると,上記のガソリン代のうち,ハイオクガソリン代の2分の1を政務活動費から支出したことは違法とはいえないのに対し,レギュラーガソリン代の2分の1を政務活動費から支出したことは違法ではないかという疑義があることになる。
被控訴人は,これらレギュラーガソリンの給油のうち,上記①の自動車の修理・整備・車検費用の支払日と整合するものは,かかる修理・整備・車検のための代車使用に伴うものであると主張する。証拠(乙Bア5の1~5)によれば,I議員は,上記のハイオク使用自動車を,①平成27年5月11日ころ,整備に出し,②同年5月13日ころ,板金修理に出し,③同年10月29日ころ,修理に出し,④同年11月28日ころから同年12月2日ころまでの間,修理及び整備に出し,⑤平成28年3月27日ころに車検に出したことが認められる。そして,上記各番号のレギュラーガソリン代のうち,①別紙2B番号15(平成27年5月9日),69(同年10月27日),86(同年12月3日)及び113(平成28年3月26日)のものは,上記の修理・整備・車検の状況と整合することから,上記のハイオク使用自動車の代車使用に伴うものであって,その2分の1について政務活動との合理的関連性があるといえるのに対し,②その余のものは,そのような整合があるとはいえないことから,政務活動との合理的関連性があるとはいえない。
したがって,政務活動費から支出された上記ガソリン代のうち,別紙1B番号1,7,別紙2B番号14,18,30,77のものは,返還の対象となり,その余は返還の対象とならないというべきである。
(7) d団体の広報費のうちM議員の封筒の印刷費用及び用紙代(別紙1D番号2,3)について
証拠(甲D2.3,乙D6の1,6の2,6の3の1~9,6の4の1~5)によれば,M議員は,①平成27年2月25日及び同年3月25日に市政報告紙を発行したこと,②同年2月27日から同年3月29日までの間に計1万4038通の郵便物を発送したこと,③同年4月15日,8000枚分の封筒の印刷費用及び用紙代として計4万9572円を政務活動費から支出したこと,④後援会活動のための封筒代や印刷代は,後援会の会計から支出していることが認められる。
そして,上記の各認定事実に加えて,M議員が上記の印刷費用及び用紙代を上記市政報告紙の郵送よりも後に支払ったのは,業者との従前の取引慣例(発注する頃に前回注文分を支払うことが多い)によるものであるという,被控訴人の主張が特段不合理なものとはいえないことも併せ考えると,上記の印刷費用及び用紙代の支出に係る封筒は,M議員が,市政報告紙の郵送のために用いたものであると推認することができる。
したがって,M議員が上記の印刷費用及び用紙代を政務活動費から支出したことは,違法とはいえない。
(8) d団体の広報費のうちN議員の封筒の印刷費用(別紙1D番号4)についての判断
N議員が,封筒1万5000枚の印刷費用の全額を政務活動費から支出したことは,当事者間に争いがない。
封筒は,市政報告紙郵送等の政務活動のみならず,それ以外の政治活動にも利用可能なものであることに照らすと,上記の支出のうち2分の1で按分した額の限度でのみ,政務活動との間に合理的関連性を有するものと推認することができるというべきである。もっとも,証拠(乙18)によれば,N議員は,令和2年2月3日,上記の支出のうち2分の1で按分した額を自主返納したことが認められる。
したがって,上記の支出は,返還の対象となるとはいえない。
(9) b市議団の調査研究費のうちI議員のタブレット利用料金(別紙2B番号31,32,39,40,49,50,59,60,71,72,79,80,91,92,97,98,103,104,114,115)についての判断
I議員が,2台のタブレット利用料金の約3分の1の額を政務活動費から支出したものであることは,当事者間に争いがない。
一般的に,タブレットは,政務活動のみならず,それ以外の政治活動や私的活動にも利用可能なものであることに照らすと,上記の支出のうち,タブレット1台の利用料金に係る部分についてのみ,政務活動との間に合理的関連性を有するものと推認することができるというべきである。もっとも,証拠(乙19)によれば,I議員は,令和2年3月6日,上記の支出のうち2台目のタブレットの利用料金に係る部分を自主返納したことが認められる。
したがって,上記の支出は,返還の対象となるとはいえない。
(10) e会の広報費(別紙2G番号37)について
証拠(甲E37,乙E4の1~5)によれば,O議員は,①平成28年1月31日,タックシール4800片の購入代金を政務活動費から支出したこと,②同年2月29日,市政報告紙5000部を印刷し,封筒を4000枚購入したこと,③同年3月15日,3309通の郵便物を発送したことが認められる。
上記各認定事実に照らせば,上記①のタックシールのうち約7割は,市政報告紙の郵送のために使用されたと推認することができる。
そして,タックシールが,汎用性が高く,政務活動以外の政治活動にも用いられる可能性があることも勘案すると,上記の政務活動費からのタックシール購入代金の支出は,3割で按分した額の限度で返還の対象となるというべきである。
(11) 小括
以上によれば,別紙1に係る上記各会派に係る違法な支出額は,別表1の「認容額」欄記載のとおりとなり,別紙2に係る上記各会派に係る違法な支出額は,別表2の「認容額」記載のとおりとなる。
3 当審における当事者の追加・補充主張に対する判断
(1) a会,b市議団及びc市議団の広報費のうち封筒・ラベル類作成費,切手購入費等(別紙2A番号1~3,B番号141,145,150~152,154,155,157,160~170,C番号1~8)について
控訴人は,これらの支出のうち,B議員の印刷費用,封筒代及び封入代(別紙2B番号160)以外のものは,市政報告紙の印刷と異なる時期にされた封筒等の印刷のためのものであることを指摘する。しかしながら,市議が,4年間の任期の間において,継続的に市政報告を行うことを勘案すると,当該市議らが,市政報告紙の印刷と異なる時期に,将来の市政報告紙の郵送のために,まとまった数の封筒作成やラベル・切手購入を行ったとしても,そのことを特に不自然ということはできない。
また,これらの支出が,当該議員らの市政報告紙の発行頻度や部数と比較して明らかに高額であることをうかがわせる証拠や事情は見当たらないから,これらの支出が市政報告紙の郵送のためのものであったという当該議員らの説明は,信用できるというべきである。
したがって,これらの封筒・ラベル類作成費,切手購入費等を政務活動費から支出したことは,違法とはいえない。
(2) b市議団,d団体及びe会の研修費のうち海外訪問の旅費(別紙2B番号116~119,122~130,135~140,D番号1,2,G番号2,3)について
これらの海外訪問旅行(①平成27年10月20日から同月22日までの旅程での大韓民国の富川市及びソウル市への訪問旅行,②同年10月28日から同月31日までの旅程での台湾の新竹市及び台北市への訪問旅行,③平成28年1月26日から同月30日までの旅程でのベトナム社会主義共和国のニンビン市及びハノイ市への訪問旅行)が,いずれも旅程全体として国際親善等の目的をもって行われ,岡山市の政務活動費による海外行政調査に関する取扱要領(海外行政調査取扱要領)の定めに沿ったものであったことは,前記引用に係る原判決(ただし前記1で改めた後のもの。以下,本判決において同じ。)が認定するとおりである。
控訴人は,これらの海外訪問旅行の旅程において,具体的な行動内容が不明な時間帯があり,その間にも観光が行われていると主張する。しかしながら,これら海外訪問旅行の旅程は,視察の相手方の都合や移動時間を考慮した上で決める必要があることに鑑みると,旅程の中に一定程度の空き時間が生じるのはやむを得ないというべきであるから,そのような空き時間があることのみをもって,その間に観光が行われていると推認することはできない。
また,控訴人は,これらの海外訪問旅行における,現地側との食事会以外の飲食費を政務活動費から支出することは許されないと主張する。しかしながら,証拠(乙8)によれば,岡山市の旅費計算の取扱いにおいては,岡山市の職員や議員が公務で出張する場合,①支給される日当には昼食費が含まれ,②支給される宿泊費には夕食代及び朝食代が含まれることが認められる。そうすると,上記のとおり旅程全体として国際親善等の目的をもって行われ,海外行政調査取扱要領の定めに沿ったものであった,これら海外訪問旅行における飲食費を政務活動費から支出することも,違法とはいい難い。
したがって,これら海外訪問旅行の旅費を政務活動費から支出したことは,違法とはいえない。
(3) f団体の調査研究費(別紙2H番号1,2)について
被控訴人は,これらの調査研究費に係るC議員の東京への移動の目的が,農地利用政策の現状と課題や,看護師養成制度の在り方についての,中央省庁の職員との面談による調査研究及び議論であったと主張する。これらの政策課題は,基本的には国政レベルの政策課題ではあるが,岡山市政とも関連性を有する政策課題であることは否定できない。また,証拠(甲F11)によれば,C議員は,厚生省の官僚から政治家に転身し,平成5年7月から平成17年8月までの12年以上,衆議院議員を務め,その後も2度にわたって国政選挙に出馬した経歴を有することが認められ,そのような経歴に照らせば,上記の各政策課題にも関心を有していることを推認することができることも併せ考えると,C議員が,上記の各政策課題について調査研究及び議論するために,中央省庁の職員と面談することを不自然ということはできない。
そして,証拠(乙F1の1,2の1)によれば,C議員が作成した,これらの調査研究費に係る調査報告書は,具体的な質疑応答の状況等の記載がない簡単なものではあるが,C議員に対応した各省庁の職員の氏名を明示し,上記の各政策課題についてのC議員の問題意識を示す内容のものであることが認められ,これに照らせば,上記調査報告書の内容は,事実に沿ったものであると推認することができる。そうすると,上記のC議員の東京への移動の目的は,上記の各政策課題についての,中央省庁の職員との面談による調査研究及び議論であったというべきである。
したがって,C議員が,これらの東京への交通費を政務活動費から支出したことは,違法とはいえない。
(4) c市議団の資料作成費,f団体の事務所費のうち備品類購入費(別紙2C番号9,H番号11~14)について
控訴人は,これら購入費に係る備品は,相当程度の耐用年数があり,議会内控室以外の場所で政務活動以外の用途に使用することが可能であると主張する。しかしながら,市議の任期が4年間という長期間に及ぶことを勘案すると,これらの物品について抽象的に上記のような可能性があることのみをもって,これら購入費の支出の一部が政務活動との間に合理的関連性がないということはできない。
また,控訴人は,f団体は,C議員の1人会派であるから,これらの備品類は,会派控室で使用される場合でも,C議員自身の居住環境を快適にする役割も担っているというべきであると主張する。しかしながら,これらの備品類が,会派控室への来客に対応するために,会派控室において使用される限り,政務活動のために使用されると推認することができることは,当該会派の議員数に左右されないというべきである。
したがって,これら備品類購入費を政務活動費から支出したことが,違法とはいえない。
(5) e会の事務所費(別紙2G番号4~36)について
控訴人は,当該事務所費のうち,サーバや容器に係る部分を除く水のサーバレンタル料12万6896円が多額のものであると主張する。しかしながら,同会派所属議員が6人であることは,当事者間に争いがなく,したがって,上記の額は議員1人当たりの月額としては2000円未満であるから,特に多額とまではいえない。
また,控訴人は,当該事務所費のうち,①飲料代については,他に控室での飲料代を政務活動費から支出している会派はないことを指摘した上で,飲料の購入量自体も非常に多いと主張し,②いすのカバークリーニング代については,同会派の議員らが控室で快適に過ごすための支出でもあると主張する。しかしながら,①他の会派が控室での飲料代を政務活動費から支出していないとしても,そのことをもって,上記の飲料代が政務活動との間に関連性がないことが基礎づけられるとはいえないし,上記の飲料代の合計額は6万8786円で,同会派の議員1人当たりの月額としては約1042円であるから,特に多額とまではいえず,②会派控室で使用されるいすのカバークリーニング代は,会派控室への来訪者のために設備を整える費用であるから,政務活動と関連性を有するというべきである。
したがって,これらの事務所費を政務活動費から支出したことが,違法とはいえない。
(6) e会の資料作成費(別紙2G番号1)について
弁論の全趣旨によれば,F議員は,当該意見交換に際して,主催者である関西NGO協会から2万円の講師報酬を受領したことが認められる。しかしながら,上記講師報酬が当該資料の作成費を含む趣旨で支払われたことを認めるに足りる証拠はない。そうすると,上記講師報酬をもって当該資料の作成費に充てるべきであるという控訴人の主張は採用できない。
そして,当該資料は,岡山市での施策事業を他都市の大学関係者等と共有し,意見を得ることを目的として作成され,その大部分に市政に関連する写真が掲載されていて,その作成が市政に関する活動のためのものといえることは,原判決が認定及び説示するとおりである。
したがって,F議員が,当該資料の印刷費を政務活動費から支出したことは,違法であるとはいえない。
(7) b市議団の広報費のうち拡声器購入代金(別紙2B番号146)について
控訴人は,H議員は平成27年4月の市議選のために当該拡声器一式を購入したことが強く疑われると主張する。
しかしながら,証拠(乙Bウ7の2)によれば,H議員は,上記市議選の後の同年5月20日に当該拡声器一式を購入したことが認められる。したがって,上記の控訴人の主張は採用できない。そして,拡声器一式は,政務活動以外の政治活動に使用することも考えられるものであるが,街頭での市政報告等の政務活動にも使用されるものであることは,原判決が説示するとおりである。
したがって,H議員が,上記の拡声器一式の購入代金の2分の1の額を政務活動費から支出したことは,違法であるとはいえない。
(8) d団体の広報費のうち映像撮影,編集費用(別紙2D番号5~7)について
控訴人は,これらの撮影,編集費用の支出を,議員のホームページの開設,維持のための費用の支出と同様に扱うべきであると主張する。
しかしながら,証拠(甲D9~11,乙D1,3)によれば,これらの撮影,編集費用に係る映像は,①平成27年6月定例市議会におけるE議員の議会質問をコメントも含めて編集したもの及び②同年9月及び11月の定例市議会におけるE議員の質問等を解説するもので,いずれもE議員個人のプロフィール,理念等のPRや,日常的雑感情報の投稿等を含んでいないことが認められる。そうすると,これらの撮影,編集は,議員個人のホームページの開設,維持とは異なり,政務活動以外の政治活動を含んでいないというべきであるから,控訴人の上記主張は採用できない。
したがって,E議員が,上記の撮影,編集費用を政務活動費から支出したことは,違法であるとはいえない。
(9) k会及びb市議団の調査研究費のうちJ議員のレギュラーガソリン代(別紙1B番号3,4,別紙2B番号6,8,12,21,23,25,35,43,53,54,61~65,73~75,81~84,93~95,99,100,110,111)について
被控訴人は,J議員は,市民相談の際等,道幅が狭い場所に行く場合に用いるために,平成27年6月に新たに軽自動車を購入し,それ以前にも同様の軽自動車を所有していたものであり,これらの軽自動車にレギュラーガソリンを給油していたと主張する。
しかしながら,証拠(乙Bア6の1・2)によれば,J議員が平成27年6月に購入した軽自動車は,荷台型の軽貨物自動車であることが認められるところ,市議が市民相談等のために,そのような自動車を用いるとは考え難い。また,①上記の軽自動車購入以前においてレギュラーガソリン給油の対象であった車両の所有関係が証拠上明らかでなく,②J議員から,市民相談等の具体的な日程,場所等について,何ら説明がないことは,原判決が説示するとおりである。
そうすると,これらレギュラーガソリン代と政務活動との合理的関連性を認めるに足りる証拠はないといわざるを得ないから,被控訴人の上記主張は採用できない。
(10) k会及びb市議団の広報費のうちK議員のホームページ管理料(別紙1B番号10,別紙2B番号147~149,153,156,158,159)について
当該管理料に係るK議員のホームページが,市政の報告を目的としている部分のほかに,①当選の報告やお礼等を内容とするK議員の公式Facebookのページ,②K議員の経歴や紹介文,挑戦する事項等,③K議員の写真等も掲載していることは,原判決が認定するとおりである。
被控訴人は,K議員は,市政報告紙や議会質問の文字だけでは,当該ホームページを市民から興味をもって閲覧してもらうのは困難であるという考えに基づいて,そのようなK議員の公式Facebookのページ,経歴や写真等を掲載したと主張する。しかしながら,上記ホームページのうち,そのようなK議員の公式Facebookのページ,経歴や写真等の部分は,客観的にみてK議員個人をPRするものである以上,その掲載は,動機如何にかかわらず政務活動以外の政治活動に該当するものというほかない。
したがって,政務活動費からの当該ホームページ管理料の支出は,2分の1で按分した額の限度で返還の対象となるというべきである。
(11) a会の広報費のうちL議員のホームページレンタル料及び手数料(別紙1A番号1)について
当該レンタル料及び手数料に係るL議員のホームページが,市政の報告を目的としている部分のほかに,①「誠実に着実に!対話と実行!」との文言とともにL議員の写真及び挨拶文等を掲載し,②「プロフィール」としてL議員の写真及び経歴等を掲載し,③同議員の複数の写真及び今後の取組み等も掲載していることは,原判決が認定するとおりである。
被控訴人は,L議員は,市政報告紙や議会質問の文字だけでは,当該ホームページを市民から興味をもって閲覧してもらうのは困難であるという考えに基づいて,上記のL議員の写真及び挨拶文や経歴等を掲載したと主張する。しかしながら,上記ホームページのうち,そのようなL議員の写真及び挨拶文や経歴等の部分は,客観的にみてL議員個人をPRするものである以上,その掲載は,動機如何にかかわらず政務活動以外の政治活動に該当するものというほかない。
したがって,政務活動費からの当該ホームページ管理料の支出は,2分の1で按分した額の限度で返還の対象となるというべきである。
(12) lクラブの事務所費(別紙1E番号1)について
被控訴人は,同会派は,当該事務所費に係る事務用品を同会派控室で使用していたものであり,そのことは,同会派の主要メンバーであった市議らが平成27年4月の市議選の後に結成したe会による事務用品の購入及び使用の状況から裏付けられると主張する。
しかしながら,主要メンバーが重なるとはいえ,上記市議選の後の別会派による事務用品の購入及び使用の状況をもって,同会派による事務用品の購入及び使用の状況も同様であったと推認することはできない。そして,これらの事務用品が,その性質上,政務活動以外の政治活動にも使用することがあり得るものであることは,原判決が説示するとおりである。
したがって,政務活動費からの当該事務所費の支出は,2分の1で按分した額の限度で,返還の対象となるというべきである。
4 以上によれば,控訴人の請求は,被控訴人に,別表1の「相手方」欄の「番号」1ないし5記載の各会派並びに別表2の「相手方」欄の「番号」2,4,5及び6記載の各会派に対し,それぞれ各別表の該当する「認容額」欄記載の金員及びこれらに対する本判決確定の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を請求することを求める限度で理由があるから認容し,その余を棄却すべきところ,これと一部異なる原判決はその限度で失当であるから,原判決主文1項及び2項を変更することとし,控訴人のその余の控訴及び被控訴人のその余の附帯控訴は,いずれも理由がないからこれらを棄却することとして,主文のとおり判決する。
広島高等裁判所岡山支部第2部
(裁判長裁判官 塩田直也 裁判官 榎本康浩 裁判官 渡邉健司)
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【よくある質問 Q&A 一覧】
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Q&A【1】街頭ポスター貼付(掲示交渉代行)サービスとはどのようなものですか?
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Q&A【3】街頭ポスターを貼る際は先方(許可承諾者)に許可をいただいて貼るのですか?
Q&A【4】ポスターの①貼付依頼~②貼付開始~③貼付完了等の流れについて教えていただけますか?
Q&A【5】ポスターの料金は1枚いくらで貼ってくれるのですか?
Q&A【6】ポスターの貼付エリアや貼り付け枚数等は指定できますか?
Q&A【7】ポスター貼付後のメンテナンス(貼り替え・剥がし)も依頼できますか?
Q&A【8】最低何枚から街頭ポスター貼りを依頼できますか?
Q&A【9】ポスター貼り替え期間の指定はできますか?貼りっぱなしではないですか?
Q&A【10】街頭ポスターの貼付交渉(新規掲示)の実績や事例はありますか?
■政治活動における広報支援について
Q&A【11】「ドブ板選挙プランナー」とはどのようなお仕事ですか?
Q&A【12】「ポスタリング」とはどのようなサービスですか?
Q&A【13】政治活動等の特殊な業界についてのポスター掲示交渉は難しいですか?
Q&A【14】政治活動用の街頭ポスター(二連|三連)貼りをお願いしたいのですが、特定政党の支援は可能ですか?
Q&A【15】政治活動におけるポスターについて公職選挙法や政治資金規正法等の知識はありますか?
Q&A【16】街頭で無料の「ウィン!ワッポン」をよく見かけますが、これで選挙の勝率が上がりますか?
Q&A【17】二連ポスターや三連ポスター製作前に「弁士の相手」のご提案もしてくれますか?
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Q&A【20】政治活動(選挙運動)における広報支援プランはどのようなものがありますか?
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Q&A【21】飛び込み訪問、戸別訪問、挨拶回り代行等、ポスター貼り以外でもお願いできますか?
Q&A【22】飲食店や実店舗等の店内やトイレ等にポスターを貼ったり、ビジネスカード設置、チラシ配布等は可能ですか?
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